私は○○○○   作:星のすみっこ

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遅くなりすみません。

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blues

 

(あんの…馬鹿!!!)

 

寄生ニキことセレブロは、駆け出した後に建物の影へ身を隠し様子を伺う。

 

見上げた先にそびえ立つは、蒼然たる巨人達。

 

びゅうと吹く風を受けながら佇む、その光景は圧巻であった。

 

 

飛び出したスナークを観察すると我にかえったようで、セレブロは胸を撫で下ろした。

 

(ったく…これも未熟さ故か…あとで説教だな。)

 

無鉄砲な様子に呆れつつも、取り出した端末を起動させ操作する。

幾つものウィンドウが浮かび上がるのを横目に、セレブロは認証コードを打ち込んでいく。

生体認証にした方が楽だが、体そのものを交換するセレブロには相性が悪いのだ。

 

(怪我してるみたいだし消耗している今、活動エネルギーも心配だな。あいつのエネルギー残量が分からないのが難点か。変身できたのは驚いたが…。)

 

恐らく、マスク型の装置に蓄積されたエネルギーで変身したんだろうとセレブロは考察する。

よく見ると発光部分が光を失っており、機能が停止しているようだ。

以前スナークが捕まった際に、掲示板でみた画面の情報を思いだし、さらに思考を続ける。

 

 

(変身プロセスは不明だが…あり得なくはない。無理な使い方をしたせいで壊れたって所か。変身アイテム無しの変身か。エネルギーの消耗が危ういな。ったく…。ウルトラ族ってよく解らない事が多すぎる!詳しく解析したいが…なんだかんだで前の世界ではできなかったし‥‥おっと!今はそんな場合じゃねぇ!)

 

ムクムクと好奇心が湧いてくるのを振り切ると、セレブロは最後に端末へパスワードを入力する。

画面には95%と赤い文字がゆっくりと点滅しており96、97と徐々に数値が上がっていく。

 

(もう少しか…?)

 

99…100%。赤の文字が緑へと変わるとセレブロは小さく頷き、気合を入れるようにパシンと頬を叩く。

 

(よし!行くぞ!)

 

画面が切り替わると金色の機体がキラリと輝いた。

 

 

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勢いあまって、ゴロリと転げたスナークは青い空を見てハッと我にかえった。

 

 

(しっ…しまったぁ!やってしまったあぁ!)

 

 

戦っているトレギアを見て、考えるより先に体が動いてしまい、再会の嬉しさや前世の事も含めやらかしたのが今の状態である。

 

(寄生ニキさん。まだ行くなっていってたのに…。)

 

前世と今世のちぐはぐさのせいか、スナークは頭では分かっていても自己を理性で上手く制御することが苦手だった。

そうと知らないスナークは、あたふたと慌てながら痛む体を起こす。

 

(いたたた…擬態を解くのは上手くいったけれども。なんだか体が重い…。)

 

見上げるとそこには、青い仮面に黒と青の体という風体のトレギアが不機嫌そうな様子で佇んでいる。

 

 

やっと会えたトレギアは、記憶している姿とは大分異なっており、スナークは首を傾げた。

思い当たるのは、宇宙をさ迷っていた際に人間のような形の種族が身を守ったり飾ったりする為に、色んなものを身に着けていた光景だった。

 

肩のトゲや金色の爪なども、そう考えると不思議ではない。

宇宙には爪や棘を持つひと達(怪獣や宇宙人)は沢山いたからだ。

 

(えっと、あの胸のやつとか硬そうだから、()()()って言うやつかな。でもなんだか…。)

 

トレギアから異質な力が蠢くのを感じるが、経験や知識が足りない分、そういうものなのかもしれないとスナークは考えた。

 

 

(うーん…私みたいに変わったのかなぁ?…でも、元気そうでよかった。)

 

怪我のない様子にホッとしつつも、いざ会ってみると、何から話したらよいか分からず、沢山の感情から掛ける言葉を探した。

再会の嬉しさが風船のように膨らんでいく中、もう一人の青い巨人がこちらを向くのを察知し、スナークは身構えた。

 

トレギアと交戦していた風のような速さの青いウルトラマンである。

胸のピカピカ(カラータイマー)が赤く点灯している彼が、ものすごい威力の光線を放っていたのを思い出し、スナークは懸念を抱いた。

 

あんな恐ろしい威力の光線。

くらったとしたら、スナークはひとたまりも無いだろう。

 

(トレギアさんに攻撃してたってことは、あのひとは…敵?)

 

 

 

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「アイツは…?!」

 

突如現れたもう一人の巨人にヴォルクは声をあげる。その姿は怪獣爆弾を奪う際の下調べの際に、噂になっていた商品の姿と一致したからだ。

ヴィランギルドと取引きをしていたある宇宙人が感心を示していたのを思い出し、ヴォルクは眉をひそめた。

 

「逃げ出したとは聞いていたが、まだ地球に潜伏していたのか…?やけに追っ手が多い事と言い…どうなってやがる。」

 

 

その言葉に、隣で使用済みの医療ツールをしまっていたホマレがピクリと反応する。

 

手当も終わり、あとは外事X課の管轄。

ヴォルクは外事X課に引き渡され、取り調べ等を受けることになるだろう。

外事X課の到着まで、二人は戦いの行方を見守っていたところであった。

 

 

「なんか知ってるのか?まてよ…逃げ出したってのは…。」

 

 

問いかけるホマレの脳裏に、ファントン星人の言葉がよぎる。

 

 

「あぁ、怪獣爆弾の下調べの時に少しな…。この際だ、聞きたいことがあんなら答えるぜ?ホマレさん。」

 

 

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『新手か…?』

 

突然の乱入者にフーマは呟く。

怪獣のような鳴き声をあげた奇妙なそいつは、なにやら唸るとブルブルと顔をふっている。

 

《彼がタイガとヒロユキの言っていた者だな。ふむ、大分小柄だが…別の時空の者だろうか?》

 

インナースペースにて、タイタスは呟く。

 

《まさかこのタイミングで出てくるなんて…。》

 

 

『知り合いなのか?』

 

タイガの言葉に、フーマが問うとヒロユキが答えた。

 

《いや…以前見た時は、僕らが駆けつける前に姿を隠したんだ。》

 

長い尾を波打たせる彼は、此方に青い双眸を向けると低い声で唸って身構える。

 

 

『敵…なのか?』

 

 

警戒の色を滲ませるタイガ。

タイタスは冷静に相手を分析すると述べる。

 

『敵であれば先程の不意打ちの際に、消耗している此方から狙うはずだ。しかし…先程の動きはまるでトレギアを庇うような…。』

 

身構えるその様子はやや不恰好で、あまり戦闘には慣れていないようだ。

 

唸りながら手を着くように低く構えたその様子は、どこか動物や怪獣のような印象を受ける。

 

 

『ちょっと待てって。えっと…言葉は通じてるよな?』

 

 

警戒を解くべくフーマが声をかけると、相手は戸惑った様子で頷く。

対話が可能な相手だと分かり、更に問いかけようとしたところで不機嫌そうな声がした。

 

『誰だか知らないが…』

 

声の主はトレギアだった。

体についた砂塵を払うと乱入者を指し、続けて言い放つ。

 

『随分な挨拶じゃないか。』

 

指された彼はびくりと体を震わせると、トレギアを見つめ尾を一段と強く波打たせた。

 

辺りに緊張感が漂う。

 

暫しの間、トレギアを見つめる彼は言葉を探すように視線を彷徨わせると、怪獣のような声をあげ首を振り…

 

 

『お、お久しぶりです!とれぎあさん!ぶつかるしてごめんなさい!危ないっておもって…飛び出したら止まれなくて…。』

 

 

思ったより幼く、拙い(テレパシー)と共にぎこちない動きで頭を下げた。

 

 

『へっ…!?』

 

『何…?』

 

 

思わず声をもらす二人を余所に、彼はトレギアの姿勢を真似するように背筋を伸ばし、嬉しそうに尾を揺らめかせると続ける。

 

 

『ん?えっと…はじめましてのほうがあってます?いや、ひさしぶりの方でいいはず。ことば…むづ…かしいですから、てれぱしぃ(こっち)で失礼します。えーと、蜑堺ク悶�繧�じゃなくて…こういうときはどうしたら…。』

 

 

あまり慣れていないのか、出力が安定せずキンキンと響く声にフーマは首をかしげる。

 

 

(久しぶりって…どういうことだ?トレギアの関係者ってことか?あんまり悪いやつには見えねぇけど…?)

 

 

 

『…何なんだ君は。』

 

 

訝し気に尋ねるトレギアとは対照的に、青い瞳を明るく煌めかせ彼は答えた。

 

 

『私はスナーク!』

 

 

 

 





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