しばらくリアルで体調崩したり身内の不幸だったりが重なったせいでメンタルが死に体だったもので、申し訳ない。
というわけで第3話、どうぞ!
「淋レンコ、よく来てくれた。冬休み中に呼び出してしまってすまない」
猛ダッシュでオフィスまで向かった俺を待っていたのは、入学式の時にちょっと顔を見た公安局の局長だった。ゲーム内で見たことのないあたり、恐らくカンナ局長の前にいた人なのだろう。
(というより、名前すら思い出せないんだよな…)
お察しの通り、俺はあっちでのゲーム中に見たネームド以外の顔と名前が一致しない。それは仲のいい人間だろうと上司だろうと同じで、先ほどから同級生だの局長だのぼかした表現をしているのもそういうことだ。あっちでも女の子の顔と名前が一致しないのが常だったので、まあ仕方ないと割り切っている。
「いえ、どうせ訓練場に籠ってましたので…。で、話とは?」
「ああ、話というのはほかでもない、人事異動の件だ」
…人事異動?俺はその言葉に内心首を傾げた。確かにあっちの警察はこの時期に人事異動を行うと、昔何かの番組で見たことがある。流石はキヴォトスの警察であるヴァルキューレ、こっちにもそういうのがあるのか。おそらく入学時に貰った書類に書いてあったりしたのだろうが、この1年間送っていた訓練漬けの毎日ですっかり忘れていた。
異動となると、公安局から移動になったりするのだろうか。はたまた、どこか別の場所の支部に配属になるのか。そんな風に若干軽く考えつつ、俺は頭の中に浮かんだ言葉をそのまま口に出すことにした。
「えっと、それでどこに異動になるんですか?」
「それがだな…はぁ…」
「…?」
軽く聞いたつもりが、目の前の局長は頭に手を当ててため息をついた。まるで問題児に対する対応を考えているような…問題児?
(いや、まさかね?)
「えっと…もしかして、生活安全局だったりしますか…?」
最悪の予想だが、そんなことを聞いてみる。
生活安全局。他の部署の成績不良者が送られる先として学校内でもかなり有名だ。ゲームの方だと確か、キリノと
「いや、お前の成績はそこまで酷くはない。むしろ今年の新入生の中でも上位の方だ」
「ほっ…」
俺は安堵から大きく息を吐いた。生活安全局は重大事件には駆り出されることが少なく、その分介入できるチャンスも限られてくる。4章で必ず先生と知り合えるってのはあるが、それまで先生に近づけないのは少々不安だ。それゆえできる限り生活安全局送りは避けたかったのである。しかしそうなると、何故局長はこんなに頭を抱えているのだろうか。
少しの沈黙の後、局長は顔をあげた。そうしてきょろきょろとあたりを見渡した後、俺の耳元に近づいて、
「…少し応接室に来てくれるか。ここではなんだ、人が多い」
「えっ、あ、はい…?」
俺がそう答えるなり、局長はさっさと立ち上がってすたすたと歩き始めた。俺も遅れて後を付いていく。
(ここでは話せない、つまり人に聞かれるとまずい話ということか…?カイザー関連…は生徒会長が失踪してからだろうし…)
歩いている間も、思考はどんどんと巡っていく。道中ですれ違う先輩や同級生に会釈こそすれど、俺の思考はそちらに大半が割かれていた。
(秘匿された特殊部隊って線はあるかもしれないけど、そういうのってヴァルキューレにあったっけ…?確かSRTはまだ存続してるだろうし、そんなに秘匿したい事柄なんてマジでわからんぞ…)
考えながら数分ほど歩いただろうか、局長が突き当りで足を止めた。
「ここが応接室だ、入ってくれ」
「あ、はい…」
促されるままに中に入り、局長が座るのを見て俺も対面に座った。局長はそのまま腕を組みつつ、こちらを一瞥していった。
「録音など、していないな?」
「え?…ええ、していませんが」
「そうか…ならいい、お前も楽にしてくれ。…そうだ、少しコーヒーでも淹れてこようか」
そう言って局長は席を立つ。録音禁止とは、どうやらそれほどまでに知られたくない事情が俺の人事異動に絡んでいるらしい。逆に俺の考えすぎで、普通に機密保持という観点からオフレコでという可能性もあるが。
(いや、マジでなんなんだ…?そんなにヴァルキューレが絡むようなイベントなんてあったか?)
イベントも中途半端にしか見ていない自分にとっては、ゲームの、先生の視点では知り得ていない未知の状況。それは自分に若干の恐怖を与えるのに十分だった。結果として、俺は局長が席に戻ってくるまでの数分間、胸の中を渦巻く黒い靄と格闘することになる。今ばかりは自分に
「お待たせ。ブラックでよかったか?」
「あ、ひゃい…」
コーヒーを差し出してきた局長への返答を、緊張と不安のあまり噛んでしまった。そんな俺の様子を見て、局長は少し吹き出す。
「フフッ、別にそこまで君に害ある話じゃないんだ、そう身構えなくてもいい」
「あ、はい…」
「とはいえ、重要な話なのは確かだ。この学校…いや、このキヴォトス全体に関わる、な」
コーヒーを俺の前にも置いた局長は、そう言ってカップに口をつける。俺も緊張で乾いたのどを潤そうとコーヒーを流し込んだ。苦くあったかい液体が、少し胸の黒を晴らしてくれた気がする。少し息を整えて、俺は目の前の局長をじっと見つめる。
それを心の準備ができた合図と捉えたのか、局長はカップを置いて話を始めた。
「これはまだ公には発表されていない話なのだが、今回の君の異動に大きく関係する話だ。落ち着いて聞いてほしい」
そこで一呼吸置いて、こちらを見つめた彼女はそのまま再び口を開いた。
「…連邦生徒会長が失踪した」
……え?
「…は?」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
数秒間、思考が停止した。全く想定外の、予想外の角度からの一撃。思考どころか意識すら刈り取られかけた。
(ちょっと待って、生徒会長の失踪がこのタイミング?なんで?なんで?なんで?)
確かに、日課のSNS巡回でこの数日若干不穏な書き込みが増えていた気はした。していたが、それを気のせいと断じて訓練に精を出していたのは自分だ。若干頭から抜けていたとはいえ、なぜこれを見逃してしまったのか。そしてなにより、
(生徒会長失踪ってことは…原作開始秒読みじゃねーか!)
そう、生徒会長の失踪は、言わば先生赴任の重要フラグ。それがここであるということは、このあと数日のうちには先生が赴任するということになるだろう。何が『あと数か月すればかなり余裕を持って『先生』の赴任を迎えることができるだろう。』だ。流石に今の状況で先生の生徒としてシャーレに入っても足引っ張る気しかしないが?
「信じられないのもわかる。が、本当のことだ。連邦生徒会から公式リリースの前にこちらに話があってな。どうやら、そのせいで現在サンクトゥムタワーの行政権が失われているということらしい」
驚愕の顔で固まっている自分を置いて、局長は話を続ける。…頭は混乱しているが、とりあえず落ち着いて聞こうとコーヒーを流し込んだ。
ひとまず状況整理だ。局長の言っていることは原作でも明言されている事象であるので、そこにイレギュラーはないようで安心した。…いやこの状況は全く安心できないんだけど。
「お前は知らないかもしれないが、この数日間でキヴォトスで起きた事件の数は大小関わらずかなり増えている。それも連邦生徒会の行政権喪失によるものだ」
「…それってまずいのでは?」
ゲームをやっているときにはさらっと流していたが、現代日本で考えると行政府が機能停止という一大事だ。むしろ良くその状況で大規模な国家転覆もなくキヴォトスが持ったなと、改めて連邦生徒会の手際に感心する。
「ああ、まずいな。こちらでも巡回強化や未然に防ぐための策は既に行っている。それに、一応向こうにも手はあるそうなんだが……そのためにはとある建物が必要なんだそうだ」
そこまで言って、局長はまた一口コーヒーを啜った。イレギュラーな事態に俺の頭の中が混乱しているのを分かっているのだろうか、こういった頭を少し落ち着かせられるタイミングを設けてくれるのはありがたい。
「さて、本題に移ろう。淋レンコ、貴殿を駐在所勤務に任命する」
「駐在所…?」
聞きなれない単語だ。昔本かなにかで見たような気がするが、全容はよく知らない。
「宿泊機能を擁した交番と考えてもらっていい。連邦生徒会曰くその建物が行政権の回復に大変重要だそうだ。そして面倒なことに、連邦生徒会からは必ず新2年生を一人だけ派遣してくれという条件があって
な…。そこで、公安局の中でも成績上単独任務に向いていると次期公安局長から推薦があったお前をこの任務に抜擢した。」
恐らくだが、その建物がシャーレなのだろう。ああ、その重要性はゲームをやっていた自分がよく知っている。ここが失われることがあれば、この物語が破綻しかねない。だが、俺を推薦した先輩がいるのは初耳だ。というよりも、
「…次期公安局長?」
「ああ。私は今年いっぱいで卒業になるからな。詳しい情報は機密だから伏せるが、私に負けず劣らずの優秀な生徒だよ」
そう言ってほほ笑む局長。もしかしなくても、これがカンナ局長か。
(え、じゃあ俺のこと推薦してくれたのもカンナ局長…?)
俺の中のカンナ局長像は厳しい感じの中間管理職といった感じだったのだが、その印象がガラガラと音を立てて崩れていくのを感じる。…いや、もしかしたらプレイアブルになったときにそんな描写が追加されたりしているのかもしれない。そもそもカルバノグはミカ引きたさに若干スキップしつつ見たんだ、覚えてないだけでそんな描写があったとも考えられる。
「話を戻そう。推薦されたとはいえ、お前の腕がどうなのかは書面上でしか確認していない。確かに対人格闘術や銃撃の訓練では好成績を残しているようだが、私は自分の目で見たものを大いに信用するようにしていてな」
そう手元の端末を見ながら語る局長。確かに俺はまだ1年生、何にも実績のないニュービーだ。実績を積む必要は大いにある。が、今のところ任務はおろか実務訓練すら受けていない自分が何をできようか。そう思っていると、局長が端末を俺に向けて机の上に置いた。映っているのは、とある事件の資料だ。
「お前にはとある任務に就いてもらう。…本来ならば2年次以降に行う実地訓練なのだが、今回だけは特例だ。」
ふむふむと頷きながら、許可を取って資料を確認する。…事件自体はキヴォトスじゃよくある違法取引の証拠を押さえ、犯人グループを捕縛するものだが、問題は…
「あの、どう見ても多人数との戦闘を想定されているんですが…」
俺の質問に、局長の顔が曇る。また少し押し黙ってから局長は苦い顔でこういった。
「今公安局が抱えている案件はこれしか無くてな。…そうそう都合よく単独犯の事件なんてないし、そもそも事件がないことを喜ぶべきなんだ。一応3年生を何人か同伴させるつもりだが…」
(なんとなく予想はついていたが、やはりそういうことか…)
局長としても苦渋の選択なのだろう。実戦経験のない人間に箔をつけるために、後輩に無茶を強いるのは局長もやりたくないに違いない。
(とはいえ別にキヴォトス人はそうそう死なないんだし、1対多でもなんとかなりそうだが…いや、気絶はするんだしそこを拘束されたら一発でアウトか)
そこまで考えて、俺はある結論に至った。
(…あれ?今の俺の戦闘力じゃかなり無理ゲーじゃね?)
まず前提として、俺の対人戦闘能力はそこそこだ。とはいえこれはタイマン、つまり1対1の場合の話であり、1対多といった状況になるとまるきり変わってくるだろう。そのうえで今俺がメインウエポンとして使っている『第26号ヴァルキューレ制式小型拳銃』は、元々の装弾数がかなり絞られている。元の用途が用途なので仕方ないが、この銃しか手のサイズの関係でうまく扱えない自分にとっては死活問題だ。
多めのマガジン携帯を余儀なくされるだろうし、もしもに備えて銃に頼らない攻撃手段も持ち込まないといけないだろう。
(このままじゃ流石に不味いか…)
「…もしもお前が不安に思うのなら、作戦実行の前日まで私が直々に稽古をつけてやってもいい」
「い、いいんですか!?」
暗い考えが頭をよぎった矢先に、局長から出された提案は渡りに船だった。少なくとも今は少しでも訓練を積んでおきたい状況、そこで自分とは踏んできた場数が天と地ほど違うであろう局長と訓練できるというのは、自分の戦闘力アップに間違いなく繋がるだろう。
「ああ。とはいえ、かなりハードなスケジュールで行うことになる。それでもいいなら…そうだな、同期の連中も集めておこう。1対多の訓練をするんだ、人数は多いほうがいいだろう?」
「え、ええ。そうですね…?」
何故だろうか、先ほどから局長の口元に浮かんでいる笑みに恐怖を感じる。まるで植えた肉食獣に睨まれているような、そんな感じだ。猛烈に嫌な予感がする
「ふふふ…。皆最近はデスクワークばっかりだったからな、久方ぶりに『本気で』体を動かさせてもらうぞ…」
「お、お手柔らかに…」
結局その日から数日間の間、訓練という名の本気の戦闘に揉まれたおかげで戦闘力は底上げされたものの、反動として任務の前日までとんでもないレベルの筋肉痛が身体を襲うこととなった。半分狂気じみた局長の笑みを、多分俺は忘れることはないだろう。
以上、回想終わり。*1
(啖呵を切ったはいいものの、先輩たちはまだ外だろうし…どうするか)
現実に戻ってきた意識を目の前の荒事に集中、改めて状況を確認する。
1対14。多勢に無勢、おまけに片手はアタッシュケースでふさがってる。これで自分がボスなら相手のコマンドを一つ封じ込めても許されそうなものだが、あいにくと自分はボスとは言えないモブだ。戦術学は座学で学んでいるものの、1対多の戦闘なんて想定してなかっただろう。…『局長との訓練がなかったなら』という言葉が文頭につくが。
どうするか、と構えたまま一瞬頭を回す。…回せども頭の中に浮かぶのは『突撃』の二文字だけだ。ここまで追い込まれたことにある程度の鬱憤は感じていたが、それでもここまで突撃しか頭に浮かばないも
のか。
『お前は感覚と運に頼りすぎている節がある!頼るなとは言わないが、ある程度は冷静な判断を行え!』
訓練中に幾度となく局長から言われた言葉が脳裏によぎる。が、あっちにいたころから考える前に動くのが自分にとって性に合っている。そうなると、自然と出てくる結論は…
(ダーッっと行って、ドンッと倒して、パパッと片付ける!)
この手に限る。局長には悪いが、今回は我流で行かせてもらおう。
思考から意識を相手に向ける。見た感じ相手もこちらの出方を窺っているようなので、最小限のモーションでリーダーらしきヘルメットガールの手元を狙って1発撃ち込んだ。グロック29の小さめの口径とはいえ、手元に当たれば武器ぐらいは取り落とせるだろう。当たればだが。
「くぅっ!?」
「「「カシラ!?」」」
打ち込んだ弾丸は1発で命中。想像通り重そうなのアサルトライフルを取り落としてくださった。しかもどうやら『運のいいことに』手の関節に当たってくれたようで、手の付け根を抑えて痛みにこらえている。仕掛けるならば今だろう。
「よそ見してていいの…っと!」
間髪入れずに走りながら周囲のヘルメット組に適当に撃ち込む。正直な話、片手で部位狙いなんてリーダーの負傷に動揺している最初の1発目くらいしか当たらないと思っている。なので、ハナから的に当たればそれでよしの精神で引き金を引いた。
結果は5発中3発が命中。『幸運にも』全弾相手のお腹にめり込んだ。「ガフッ!?」と乙女が出してはいけなさそうな声を出してうずくまるヘルメット集団。これでとりあえず数分は動かないだろう。
「っなめんな権力の犬が!」
「お前たち!撃て撃て撃て!」
数人やられたことでやっと目が覚めたのか、散開後物陰に隠れて銃弾を放ってくるヘルメッツ。とはいえ、人数にしてはかなり薄めの弾幕だ。訓練で相手していたドローンや先輩方の弾幕の方が脅威に思える。というより、この任務のための訓練で相対した局長一人の弾幕の方が濃かった気がする…。いや、なんで一人でそんな弾幕が張れるんだあの人。
(いわゆる神秘、ゲームで言う『EXスキル』。そう考えるのが手っ取り早いか。今はこっちに集中ッと!)
疑問を整理しつつ、感覚の赴くままに弾幕の薄いところを選んですり抜ける。…弾幕をすり抜ける訓練なんてやっていないが、この数日見ていた弾幕に比べれば相対するのも楽なものだ。撃ってる相手からしたら絶望ものだろうが。
俺の行動を見て、数人のヘルメットガール以外は恐怖で半狂乱になったらしく、でたらめに弾を撃ち始めた。
「うああああ!?なんで当たらないのっ!?当たれ当たれあたれぇっ!?」
「痛たたた!?おい!私は味方だぞ!?あまりでたらめに撃つな!」
「くそっ!残弾が少ないか…!補給は!?」
「ダメ!通信ができない!もうやられてるみたい!」
(いい具合に混乱してるな…。それに、外の先輩がうまいこと補給部隊を断ってくれてるみたいだ)
あっちでの某ゲームを通して、混乱は作戦中で最も陥りやすく陥ってはならない状態だと俺は思っている。現に、一部のヘルメットガールが放った弾はフレンドリーファイアを誘発、徐々に相手方の戦力と意気がそがれつつあった。外で分断された先輩たちが補給を断ってくれているのも大きい。
ここを好機と考え、俺は一番壁際のヘルメットに肉薄、
「しま…っ!?」
「ちょっと眠ってろ!」
ヘルメットを蹴とばした頭に至近距離で3発撃ち込んだ。流石にここまですれば気絶するようで、電源が消えるかのようにヘイローが消えた。とりあえず、目的の位置までは来られたので深呼吸。…死んでないとはいえ、人間が横に転がっているというのは少々来るものがあるが、今はそんなことを考えている余裕はない。
「そこの物陰に入ったか!?」
「慎重に突っ込め、奴は我々の仲間を人質に取ってくるかもしれない!」
(いやいや、流石に警察がそんなことするわけないでしょ…しないよね?)
遮蔽物の向こうから聞こえてくる声にそんな感想が思い浮かぶが、よく考えればここはキヴォトス、きっとそんなことをする人もいるんだろう。*2そもそも、この場所に来たのにはかなり大きな理由がある。
一度思い出してほしいが、今回の作戦はこの書類の奪還が大前提だ。さっきは(別に、あれを倒してしまっても構わんのだろう?)だったり(ダーッっと行って、ドンッと倒して、パパッと片付ける!)なんて心の中でのたまったが、制圧に関しては先輩方や増援としてくるといわれているメンツと共同でも構わないのだ。残弾数に余裕がない今、無茶をする必要はない。
幸いにも、俺の後ろの壁にはお誂え向きの小窓が存在している。そしてこの廃工場は平屋建て…。あとは、もう何をするかはわかるだろう。
俺はホルスターに愛銃をしまうと、横で気絶中のヘルメットガールが持っていたアサルトライフルを拾い上げる。そして、、
「ではこれにて失敬っ!」
「な!?ま、待てっ!?」
銃底を小窓にたたきつけつつ、間髪入れず窓の外に飛び出した。
この後、後ろからの追手とともに俺は外の先輩方と合流。アタッシュケースを渡し、援軍としてやってきた(先輩方が呼んでいたらしい)他の先輩方と犯人グループを捕縛して任務は無事に完了。晴れて俺は駐在所勤務が決定することとなった。
雑かもしれないけどよぉ…この後に待ってる先生との邂逅が書きたすぎて駆け足になっちまうんだ…
非力な私を許してくれ…