この素晴らしいエビマルに祝福を!   作:エビマルをすこれ

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昔エタって非公開にした作品のリメイク。まあ覚えてる人はいないと思いませんか?



英雄転生

 ところでみなさんは死後の世界を信じますか?

 俺は信じません。何故ならば..

 

「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!!あなたはベリーの棘が体中に刺さって死んだって言ってるじゃないの!!」

 

「そんなことある訳ないでしょう!?100歩譲ってトラックに轢かれたとかなら分かりますよ!?いやまあ死なないんですけどね?!英雄ですから!でもベリーの棘が死因とか頭おかしいんじゃないですか!?」

 

 突然のことでわけが分からないと思うでしょうが俺も分かりません。ただ、ベリーの棘で死んだと言われて、納得する英雄はいないと思いませんか?

 

「はぁぁぁぁ?!?じゃあなによ!このアクア様が嘘ついてるって言いたいわけ!?上等よ!天罰下してやるわ!!」

 

「やれるもんならやってみて下さいよ!でも本当にできるなら軽めにやってください!」

 

「お、お二人共1度落ち着いてください!!」

 

 この自称女神のアクアとやらと言い争いをしていると1人の銀髪の儚げな美女が、スペシウム光線の構えをとる自称女神を抑えに入った。

 

 ...少し冷静になって考えてみると、この場所は少しおかしい。見渡す限り壁が見えないほど広く、そんな場所に気がついたら立っていた。それに自称女神に胸元に手を突っ込まれ何かを取られそうになっている銀髪の彼女は何も無い空間から急に現れた。

 

 仮にも英雄が近づいてくる生き物に気づかないわけはない。

 それに2人からはにじさんじの運命を操る女神モイラ様と似た気配を感じる。つまりここから導き出される答えは...

 

「あんたは黙ってなさいエリス!これは女神の沽券に関わる問題なの!」

 

「だからといって死んでまもない人にそんな言い方はないと思います!」

 

「みなさん1度落ち着きませんか?争っていても何も始まらないと思うんです。」

 

「あなたがそれを言うんですか!?」

 

 

 

 

 *****

 

 

 どうやら俺が死んだというのは本当らしい。

 というのも死んだ時の記憶が徐々に蘇ってきたのだ。

 そう、あれは師匠に呼び出された時のこと、何やらいいものをくれると連絡をくれ、指定された場所へ向かっている時に景色が一転してそこから記憶が無い。おそらく師匠が何かしたのだろう。

 

「ねえ謝って!このアクア様を嘘つき呼ばわりしたことを謝って!」

 

「どうもすみませんでした。」

 

 

 流れるように完璧な土下座を見せ、若干引き気味の女神2人から異世界のことや転生のことについて説明を受ける。

 

「つまり魔王を倒せば日本に戻れると」

 

 また?まあまあまあ、選ばれしものなので別にいいですけど。でも頼めばなんでもやってくれると思わないで下さいね?意外と大変なんだぞ世界救うの。

 

「ええ。そしてエクスさんにはなんでも一つ異世界に持って行くことができる権利が与えられます」

 

 そう言ってエリス様は様々な特典の書かれた紙束をこちらへと渡した

 

「なんでもかー、金銀財宝とかでもいいけどなー...あっ!じゃあ...」

 

 

 ******

 

 

「で、僕が呼ばれたと。」

 

 彼女の名はアルス・アルマル。俺の師匠で、エクスアルビオ殺人事件の容疑者第1位。

 彼女に対しても俺にした説明と同じものをしてもらった。

 

「師匠なら着いてきてくれますよね?」

 

「嫌だよ?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「師匠俺のこと殺しておいてよくそんな薄情なこと言えますね。人の心はないんですか?」

 

「あれはしょうがないだろぉ!?まさかベリーの棘で死ぬと思わないじゃないか!?」

 

「やっぱ師匠なんですね?洗いざらい吐いてもらいますよ。」

 

「あっ、しまった..」

 

 無事に言質を取ることに成功したため、これから尋問へと移る。

 

 時間がかかりそうなので転生の順番を変え、取り調べ室のような場所へ移してもらった。アクアはこっちに着いてきたため、恐らくエリス様に転生の仕事をさせているのだろう。

 

「で、どうしてそんなことをしたんですか?」

 

「ええと..ほんとに出来心で...」

 

 話を聞く限り落とし穴を作り、底にベリーを詰めていたらしい。

 

「それだけじゃないだろ!!」

 

「ええ!?」

 

「英雄が1人死んでいるんだぞ!ベリーだけのはずがないだろう!」

 

「ほんとにそれだけだって!逆にどうやってえび先輩は死んだのさ!」

 

 ここまで来て嘘を言うとは、なんて往生際の悪い饅頭なのだろう。

 

「えっとちょっといいかしら?」

 

 暇だったのか取り調べ室の紙でやたら再現度の高いエクスアルビオの人形を作り終えたアクアが話に割り込んできた。...えっ俺じゃん。あの甲冑の部分とかどうなってんだろ。

 

「そろそろ女神である私としては転生の話もして欲しいのだけれど...」

 

 最もな話である

 

「じゃあ師匠行きますよね?」

 

「え?嫌だよ?」

 

「Ha?」

 

「エビ先輩が死んじゃったのは申し訳ないけど僕が異世界に行く理由はできてないし...」

 

「いやいやいや弟子を葬っといてそれは無いでしょ師匠!?」

 

「えび先輩なら魔王くらいひとりでやれるって」

 

 こ、こいつ、罪悪感とかないのか!?

 

「でもアルスさんこのままじゃちょっとまずいわよ?」

 

「え?」

 

「安全な世界で生きているうちに人を殺すと、生まれ変わりの権利を剥奪されちゃうの」

 

「...てことは」

 

「強制的に天国行きね。」

 

 ちなみに天国とは、娯楽がなく、生まれ変わりもなく、永遠に日向ぼっこと雑談をするしかない実質地獄みたいな場所らしい

 

「嫌だああああああああぁぁぁ」

 

「でも安心してちょうだい!異世界で魔王を倒すかそれなりの貢献をしたら私が上に掛け合ってあげるわ!」

 

「詰んでるじゃねえかよおぉぉぉぉ!」

 

 思わぬところからの援護射撃により、無事異世界にツルツル饅頭を出荷することに成功した。

 

 

 

 *****

 

 

 

「では、勇者達よ!願わくば数多の勇者候補達の中から、あなた達が魔王を打ち倒す事を願っています。....さあ!旅立ちなさい!」

 

 アクアが祝詞を唱えると魔法陣はいっそう輝きを増し..

 

「勇者じゃなくて英雄ですけどね」

 

 エクス達の姿は消えたのだった。

 

 

 *****

 

「ああ、なんだかどっと疲れたわ。今日はもう終わりにしてもいいかしらね。」

 

 にしても不思議な人達だったわね、日本から来たはずなのにあの見た目と名前。それに資料の経歴もここ数年しかなかったし....甲冑着てるし....ベリーの棘で死ぬし....

 

「まあいっか。」

 

 

 

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