この素晴らしいエビマルに祝福を! 作:エビマルをすこれ
ランキング乗ってたんすね...あわ(;˙꒳˙ 三 ˙꒳˙ 三 ˙꒳˙;)あわ
ご期待に添えるよう精進して参ります!
あと誤字報告感謝です!何度検閲してもすり抜けていくのでマジで助かってます!
頭がぼーっとする。さっきまで何をしていたのか思い出せない。なんで森の中に?
俺は昨日師匠と家を買って...それから...
「どうしたノ?エクスくん、また怖い顔してル」
隣を見ると幼い魔人の少女が、上目遣いで俺の顔を覗いている。そうか。ここは夢の中だ。なぜなら隣にいる少女、レヴィさんは今日本にいる。
それにしてもなぜ急にレヴィさんと旅をしていた時の夢を見ているのか。
「マタ昔のこと思い出しちゃっタ?」
心配そうに、こちらを気遣うように優しく声をかけてくれるレヴィさんをみて、懐かしさから笑みがこぼれる
「オォ〜。笑っタ!良かったァー!」
にっこりと笑うレヴィさん。昔はこんな感じだったっけ
「ボクはね!エクスくんに感謝してるんだヨ!!エクスくんがいなかったラ今頃どうなってたカ...」
小さな体を大きく使い、身振り手振りで表現するレヴィさん。
こんなこともあったなあと、心が穏やかな気持ちになってくる
「本当にありがトウ!これからもよろしくネ!!」
そう言ってレヴィさんは走っていってしまう。
追いかけようとするが体が重くて動かない。
声を掛けようとしても声が出ない。
まあ夢だから当然か。
気づいたら周囲の景色が変わっている。
レンガが敷き詰められた床に、崩れかかった壁、玉座のようなもの前にはなにかの死体がある..
ここは....
「お前のその手で、俺達の旅を終わらせてくれ...」
足元から声が聞こえた。聞き覚えのある声。
跪きながら、優しい笑みを浮かべる男がいる。
動き出そうとする体を全力で止めようとするが、体の自由は効かない。
目を閉じようとしてもまぶたは塞がらない。
この後.....俺は........
*****
目が覚めると外はまだ薄暗い。かなり早起きしてしまったようだ。なにか夢を見ていた気がするが思い出せない。汗で背中にピッタリと張り付いたシャツが気持ち悪い。
隣を見ると、師匠は既に居ない。顔を洗うために1階に降りると、ベーコンの焼けるいい匂いがしてきた。師匠が朝ごはんでも作ってくれているのかもしれない。
「おはようございます師匠。朝早くないですか?」
「あー、おはよ。誰かさんのせいで昨日眠れなくてさ...」
若干不機嫌そうに呟く師匠。よく見てみると目の下に隈ができている。
枕が変わると寝れないタイプの人ではなかったと思うのだが。
「だから今日は昼過ぎまで寝てていい?」
「まあ特にしなきゃないことも無いんで大丈夫ですよ」
となると今日は1人行動か、何をしようかあれこれ考えるも、クエストに行くぐらいしかすることがない。とりあえずギルドに行ってそれから考えよう。
「あとエビ先輩帰ってきたら家具見に行こ。ベッド買わなきゃ」
「え?ベッドならもうあるじゃないですか」
「買いに行きます」
「いやだから..」
「絶対に行きます」
真顔の師匠からは今までにない圧を感じた。
「ていうか顔洗ってきなよ。あと髪ボサボサだよ」
「了解でーす」
顔を洗い終わると、師匠が大きな欠伸をしながら寝室に戻っていくところが見えた。流し台には食べ終わった食器が置いてあり...
あ、俺の分は作ってくれてない感じね。
しょうがないからギルド行って朝ごはん食べよう
*****
ギルドに着くと、クエストボードの前に人だかりができていた。その中にめぐみんがいたので事情を聞いてみる
「これはどういう状況ですか?」
「おやエビオじゃないですか。どうやら近くの廃城に魔王軍の幹部が来ているようで、その存在感に当てられたのかあたりのモンスターが姿を消してしまったみたいで...せっかく杖を新調したのに使えないんですよね」
確かに普段なら依頼が所狭しとはられているクエストボードが、今日はスカスカになっていた。残っているクエストは、この街の冒険者が受けるには難易度の高いクエストか、ギルド食堂の手伝い(料理スキル必須)や街中の掃除といった、普段なら誰も選ばないクエストばかりだ。
にしても魔王軍幹部の襲来とは。始まりの街にそんなのが来るのは反則だと思う。
「おーいめぐみん。なんかめぼしいクエストはあったか...こっちの強そうな人は?」
「おやカズマにも何度か話したではありませんか。エビオですよ」
「あーあの高速キャベツハリセンの?こんな正統派な勇者みたいな感じなの?」
いつの間にエビオの名が広まってしまったのだろうか。いやそれよりもキャベツハリセンとはなんだ。
「初めましてカズマさん。エクス・アルビオです。あとエビオってあだ名広めてるやつ教えてくれます?お話するんで」
ぷいっとめぐみんが目をそらす。お前か。
「俺の事知ってるのか?」
カズマが不思議な顔をして聞いてくる。そういえば話すのは初めてだっただろうか。
「結構有名ですよ。上級職3人侍らせてる金魚のフンのカスマとか。銀髪の女盗賊からパンツを奪って家宝にする!と高らかに宣言したパンツ脱がせ魔のクズマとか」
「おいその噂流してるやつについて詳しく」
「まあ後半はともかく前半に関しては、めぐみんともダクネスともクエストに行きましたし、アクアに関しても何となく察せる部分はあるんで...」
「分かってくれるのかエビオ...!って、なんでうちの駄女神のことまで知ってるんだ?」
「あー、分かりづらいかもしれませんけど俺ら同郷なんで」
「マジで!?」
まあ俺も師匠も日本人では無いので分からないのもしょうがないが。
「2人でなんの話をしてるんですか?というかカズマ。そろそろいつもの日課に行くので付き合ってください」
「おおもうそんな時間か。エビオも行くか?めぐみんが爆裂魔法を打つのを見るだけだけど」
めぐみんの爆裂魔法は既に見たし別に行かなくてもいいが、
めぐみんが爆裂魔法を打てる場所なら師匠も魔法の練習ができるのではないだろうか。帰ったら聞いてみよう
「あー今日は遠慮しときます。もしかしたら師匠が行きたがるかもなんですけど、その時は明日着いてってもいいですか?」
「私は構いませんよ。というかまたアルスの魔法が見たいのでぜひ来てください」
カズマ達と別れ、
帰って師匠に今日あったことを伝えると割と乗り気だったので明日から爆裂散歩なるものに参加することとなった。
ぽかぽかと陽気な天気の元、さわやかにそよぐ草原の中にシートを引き、俺とカズマは座っていた。耳をすませば小鳥の歌声が聞こえ、このまま昼寝でもしたくなる絶好のピクニック日和に、2人の魔法使いが並んで立っていた。
『エクスプロージョン!!!』
『トールライトニング!!』
遠く、のどかな丘に建つ廃城に、 2撃の最上位魔法が展開された。先程までの穏やかな雰囲気が嘘かのように、体の芯まで響く爆発音と、腹の底を震わせる落雷の音が混ざり合い体を突き抜けて行った。一瞬遅れて熱を持った大気が暴風となって通り過ぎ、後に残ったのは倒れた2人の魔法使いだけだった。
「爆裂の衝撃波に、轟雷の光と音が重なって全身を突き抜け尚も止まらずに走り去っていくような感覚。それを追いかけるような暖かな風を受け止めた際に、肌にパチパチとした静電気が走るアクセント。ナイス爆裂!」
カズマの詩人のような評価を聞いて、めぐみんが倒れながらも片手を突き上げサムズアップをした。
「というかあの城は本当に頑丈だな。今日こそ壊れたと思ったんだが」
ここ数日めぐみんと師匠が魔法を打ち込みまくった廃城は、その全てを見事に耐えきって見せた。
というか、気の所為でなければ壊れてたところが直っているような気さえする。
「それじゃあ帰るとするか。あっそうだ!この後ギルドの連中と飲むんだけど一緒にどうだ?」
めぐみんを背負いながらカズマはこちらへ話しかけてくる。
ここ数日の日課で、カズマとの距離も縮まったと感じているので行くのは構わないが。
「行ってもいいですか師匠」
「なんでぼくに聞くんだよ。ぼくはおめーの保護者じゃねーぞ」
念の為師匠に確認を取ると、背中から気だるそうな声が帰ってきた。
「じゃあぜひ行かせていただきます。場所はギルドでいいんですよね?」
「おう!じゃあギルドで待ってるぞ!」
******
.....
「頭痛ってぇ.....そういえばお酒弱いんだった.....」
昨日はギルドでカズマや他の人達とお酒を飲んだのだが、記憶が一切残っていない。二日酔いとかいつぶりだろう...
「アカン...マジで吐きそう..師匠は...?」
どうやってここに帰ってきたのだろう..師匠迎えに来てくれたのかな..悪いことしたなぁ...
再び眠りにつこうとする体を持ち上げ、フラフラしながら階段を降りる。外の明るさ的にもう昼はすぎただろうか
「ししょぉ...いないんですかー?昨日はすみませんでしたー」
リビングのドアを開けるも、そこに師匠はいなかった。
家の中は静まり返っている。クエストにでも行ったのかな?
台所で水を汲み、飲み干し 、再びリビングへ戻ると、
机の上に1枚の紙が置かれているのを発見した
「えーと...『緊急アナウンスがあったので正門に行きます。体調が良くなったら来てね。アルス。』緊急アナウンス..?」
......なんだか凄まじく嫌な予感がする。
俺はすこぶる最悪な体調を無視し、鎧を着るのも忘れ、静まり返った道を正門まで走った。
正門の前には多くの冒険者が集まっており、その視線は前方へと固定されている。その視線の方向へ目を向けると、カズマパーティと、その中心に師匠が座っていた
「エビオ!来てたのか!」
カズマがこちらを振り返り叫ぶ。その表情にはいつものような余裕はない。
「今来たとこです...大丈夫ですか師匠?」
師匠は俯いたまま話そうとしない。背中に冷たい汗が流れるのを感じる
「すまない、庇いきれなかった...」
後ろからダクネスが悔しそうに顔をしかめ、謝ってくる。
もう一度師匠に目を向けるが、目立った怪我はない。
「...説明してもらってもいいですか?」
「...魔法打ち込んでた城があったろ?あそこに魔王軍幹部のベルディアが住んでたみたいで..さっきまでここに来てたんだ。そいつの死の宣告を食らって、ダクネスとアルスはあと1週間で...」
『死の宣告』、名前から察して1週間後に死に至る呪いだろう。
「...ベルディアは今どこに?」
「廃城に帰って行ったよ」
「...わかりました。師匠を頼みます」
「エビオ!?」
「っ!エビ先輩!!」
俺は再び走り出した。