ロマサガ2フルリメイク、そのお陰で生き延びる理由が更に増えましたね
そしてswitchが完全にサガシリーズ専用機状態に(なおサガエメはまだ買ってない)
原神の方を読み切りから不定期連載にするつもりで執筆を進めていたので、文章校正が甘いかもしれません。
……上手く行ったと言えば、確かにその通りなのでしょう。
少なくともお父様にお許しをいただけたのだから……ええ、目的は達せられた。
だというのに、私は溜息を吐きながら離宮へと戻っていた。
その理由は言うまでもなく……
(お父様は何故急にあのようなことを……?)
私としては、マッド様をどう思っているかを包み隠さず話しただけだった。
実際お父様も忠義として認めて下さったはずなのに……それが何でまたいきなり婚約者という話に?
いえ、勿論お父様なりに狙いがあることは分かっています。
王座に着かなくても、マッド様の将来の地位は唯一無二であることは言うまでも無いこと。
そこに娘である私が兼ねてより交流を重ねていることも合わされば、確かに格好の材料でしょう。
ただ、それとこれとは話が別というか……
(もう少しやり方というものがあるでしょう!いきなりマッド様とその……こ、婚約だなんて……)
──意識するだけで、取り乱しそうになってしまう。
アルガルド様の時とはまるで違い、とにかくこの感情に振り回されてしまいがちだ。
正直、もう少し落ち着いてから戻りたいのですが……下手な心配もかけたくない。
せめてもの抵抗で、考え事をしながら歩を遅くしている風を装って……うう、正直まだ熱が収まりそうにありません。
……本当にやらかしてくれましたね、あの人は「よっしゃあああああああああ!栄光への脱出きたああああああ!」……って、何ですかいきなり!?
「この声は……アニス様?」
……その大声は浮いたことを考えていた私への十分な不意打ちとなった。
思わず態勢やら魔力が乱れるところでしたが……何とか踏み止まる。
危うく倒れ込むところでしたけれども……一体どうしたのでしょうか。
扉越しでも分かるほど響いてく、完全に歓喜一色な声でしたが……。
なんて考えていると、いきなりすぐ近くの扉が開いては見慣れた白金色の髪が飛び出してきた。
「イヤッホオオオオオ!──おっユフィ帰ってたんだねー!」
「え、ええ……ただいま戻りました。ところであの、何故急に奇声を……?」
「色々聞きたいところだけど、私は主治医からお墨付きが出たから工房に行くからまた後で!」
「は、はい?って、アニス様!病み上がりで全力疾走するのは控えた方がいいのでは!?」
「そうも言ってられないんだよなこれが!遅れを取り戻すには1秒ですら惜しいからねえ!では、サラダバー!」
……まるで本で出て来る盗賊のような俊足っぷりですね。
もはや光速を超えて離宮を一周して戻ってきそうな勢いでもある。
そんな後ろ姿を唖然としながら見守っていると、さっきまでアニス様がいたであろう自室の扉は控えめに開き出した。
「あはは……すみませんユフィリア様。全快だと零したらすぐにああなっちゃって……」
そこから現れたのは、マッド様の天敵であり義理の姉……クリスティーナだ。
先ほどのやり取りもきっちり聞いていたらしく、『銀の聖女』と呼ばれるだけの容貌には乾いた笑みを浮かべていた。
……アニス様のあの様子から、こうなるのも仕方ないですよね。
「治癒士である貴女のお墨付きならばどうにもならないでしょう……むしろ、先ほどまでよくぞ抑えてくれました」
「そう言ってくれると助かります~……全く、奇天烈王女は伊達じゃないってことがよ~く分かりました」
アニス様、次があったらどうなるか分かりませんよ。
こうなった場合のクリスティーナは……あのマッド様をも抑え込みますからね。
「本来なら魔力の方はもう少し経過を見るべきなんですけど、その辺りは要経過確認と言うことで……手も空いちゃったので、ちょっとお茶でもどうでしょう?」
「私もちょうど腰を落ち着けたいと思っていたところですので、構いませんよ」
一人でいると余計なことばかり考えてしまいますからね……。
そういうわけで、クリスティーナの先導で離宮のサロンへと足を運ぶ。
魔道具についてもテキパキと使いこなしては、流れるようにお茶の用意も済ませていた。
勝手知ったるは何とやら、まさにその言葉のままですね。
「そういえばユフィリア様、さっきまで陛下にシルフィーヌ様、更にグランツ公と四者面談だったんですよね……もしかして、もうマッドとの関係はバラしちゃったりしてます?」
「自分から表に出した以上、もう隠し立てする必要は無くなりましたからね……あちらに通う許しを頂きがてら、全て話してしまいました」
「おお~、さっすが仕事が早い!それで、許可は無事に頂けたんですか?」
「ええ、まあ何とか……少々ややこしいことにもなってきたのですが」
「ややこしいこと……もしかして、遂に婚約者候補として指名されちゃったりとかですか?」
いきなり正解を告げられてしまい、一瞬だが固まってしまった。
……待ってください。一体どういうカンをしているのですか、この人は?
無論この反応は肯定と同じく……ああ、もう感づかれてしまっていますね。
みるみるうちに歓喜の表情が浮かべているのですから。
「まさかの当たりですか~!?え、本当にもうそんなところまで認められちゃったんですかあ!?でも迅速な対応ナイスですよ陛下、グランツ公!」
「一体どこに褒め称える要素があるのですか!?むしろ急すぎて私は一体どうすればいいものかと困惑の最中だというのに……」
「え、じゃあ『あんな捻くれやりたい放題と婚約なんてゴメンです!』ってことですか?確かにあの子は子供っぽいからそう思うのも無理はありませんけど……」
「確かにマッド様はやりたい放題でこちらのことなど知ったことかな傍若無人っぷりですが……その、別に嫌というわけ、では……」」
「ほっほ~……要するに満更ではないということですね?」
──案の定、クリスティーナの楽しそうな表情が頂点を極めるが如くなものに。
対する私は、落ち着いたはずの羞恥の情がぶり返す始末だ。
このままでは、マッド様と本当に顔を合わせられなくなってしまいます……!
「それに、背景を考慮すればそう悪いことではないと思うんですけどね~……まさに大チャンスじゃないですか」
「……お父様が政の意味合いを含んで提案していることは理解しています。ただお相手となるマッド様がそれを許容するかと言われたら……」
「何だかんだあの子はユフィリア様に甘いですし、そんなの強引に行っちゃえばどうとでもなると思いますけどね~」
ご、強引にって……それこそ本末転倒ではないでしょうか?
私に甘いって……むしろ突き放されてばかりなのですけれども。
そんなところに反発を覚えて、反攻して──でもまた差をつけられての繰り返し。
「陛下や王妃様もですが、何故そんなに楽しそうにするのですか……」
「私たちはむしろ『ようやくか』って感じですよ~?事情は分かっていたから指を咥えて見守ることに徹していましたけど、ルドミラなんか『ちょっとそういう空気にしてくるかね』なんて言い出しかねない感じでしたし……」
ルドミラとは確か、マッド様の変装技術等含む生存方面ないし隠密方面の師匠でしたよね?
……一体何をしでかすつもりだったのでしょうか?
ロクでもないのは間違いなさそうですが……というか、明らかに善意というより自身の愉悦優先の行動ですよね。
とはいえ、弟子やら弟分やら息子分であるマッド様に家族愛を向けているのは彼の様子からして分かることで。
だからこそ、どんどん分からなくなってしまうのだ。
「……そもそも、何故そこまで私を評価して頂けるのですか?」
私の中で渦巻いていた疑問、そしてどうしても躊躇が起こってしまう原因がこれである。
確かに、まだグランナイツの存在を知らなかった3年前から、一方的だが認められていた。
でもそれはあくまで、元々人形だった私がどのように変化するか見守っている体が強かった……要するに、ちょっとした観察対象という扱いで。
その様子はグランナイツの皆も間接的に理解しているはず……だからこそイグノックスは懐疑的な目を向けてきたわけで。
それだけでなく、まだ顔を合わせたことがないグランロードレオンやもう一人の兄貴分であるカルシオンからも何も聞いていない。
まあマッド様曰く、普段からあちこち飛び回ってるから機を見て場を設けるとのことでしたから……そこは首を長くして待つこととするとして。
せめて身近にいることが多いクリスティーナから、その理由は聞いておかなければ……。
「う~ん、そうですねえ──強いて言うなら、姉としてのカン?」
「か、カン……ですか?」
「『あのやんちゃし放題にはそれはもうちゃんと手綱を引いてくれる娘しか有り得ない!』と、デイジーやエリオお姉さんとも常日頃から思っていたことですからね……その点ユフィリア様がマッドのお嫁さんってことなら、私としては理想に最も近づいているというか?」
私が理想って……それこそ過大評価が過ぎる気がしてならないのですが?
グランナイツを除いたとしても、マッド様には既にオルタ、ラス、キュイなどなどがいるというのに?
まああの辺りは同性だったり、幼馴染だったりな側面が強いから除外してもいいかもしれませんが……。
しかし、そうでなくてもまだまだ候補はいるわけで……。
「マッド様と親しい令嬢と言えば他にもティルティ……クラーレット侯爵令嬢もいます。他にも今でこそ侍女ですがプリシラも元はと言えば伯爵令嬢で……」
「確かに、あの呪い大好きお嬢様も合格ではあるんですけど……でもやっぱりユフィリア様の方が隣にいてしっくり来ちゃうんですよね~。ほら、この間も咄嗟にあの子が限界に近いって見極めて強引に休ませたって話もあったとか?」
「あれはその、咄嗟の勢いというか……そんな兆候を見せたマッド様が悪いんです!」
あの時のマッド様はとにかくやりたい放題が狂気的だった。
だからこそ余計に『どうしてくれましょうこのトチ狂い』という意識ばかり働いてしまい……あんな行動に出てしまった。
当然、周囲のことを考えるなんて頭の中からすっぽ抜けていて……ダメだ、思い返しているとまた羞恥心が蘇ってしまう。
だからクリスティーナ、その聖女の様な柔らかな微笑と見守るような暖かい視線は本当に止めてください……熱暴走が本当に危ないので。
「この前ちびっ子ラスからその様子を聞いた時は、『これでイグノックスに先んじて弟離れが出来る~!』って盛大に安心したものなんですよ~?」
「弟離れって……それはそれで寂しいものではないのですか?」
「それは勿論……寂しいに決まってるじゃないですか~!そもそも、ついこの間までコッソリと少しだけ黒いことばっかりしてたやんちゃっ子だったんですよ!?今やこの国の新たな先導役だなんて、一体全体どうしたらそうなるんだって軟禁してお説教したくなっちゃいます!」
流石にそれは行きすぎな気はしますが、今ならば分からないでもない。
3年くらいの付き合いである私としても、マッド様の行く道は激流そのものだ。
10年以上第二の家族として喜怒哀楽を共にしてきて、過保護気味なクリスティーナからは……果たしてどう見えているのか。
……そんな彼女が、自分から義弟の手を離すのは一体どういった心境なのか。
「ユフィリア様も同じですよね?そうでなければ、これまでずっと付き合ってこなかったはずですし……だからこそ、あのやんちゃバカ王子のことを託したいんです」
彼女なりのマッド様への忠義と親愛……そこから起こった私への信頼。
そして、クリスティーナのその願いは、義姉としてだけでなく……グランナイツ全体の総意のようなものが感じられる。
この国の隠された英雄たちから向けられる信頼……これに応えないで、何が貴族か。
──マッド様でもきっと、同じことを仰りながら受け取ることだろう。
「重い信頼ですね……此の身には過ぎたものに感じ入るほどです」
「ユフィリア様はもっと自信を持っていいと思いますよ〜?あのバカのことを近くで理解してるそれに、いざという時はラス達や私たちを頼っちゃってください!それこそマッドのように遠慮なく!」
そこまで言うと、クリスティーナは席を立って最大限姿勢を正す。
そして、これ以上にないほど恭しい一礼を私に向ける。
さりげない一挙一動のはずなのに、それだけで『銀の聖女』という二つ名が浮かんでしまうほどだ。
……やはり、彼女もマッド様が尊敬して追いかけるだけの存在なのだと分からせてしまう。
そんなオーラが、今の彼女からはありありと発せられていた。
「義理の姉として……そして、あのやりたい放題第二王子の臣下として貴女に託します。いつまで経っても危なっかしくて捻くれて面倒くさい弟分ですが、どうかこれからもよろしくお願いいたします」
「……グランナイツの一員である貴女にそこまでさせてしまったら、もう断れないじゃないですか」
ただ追いつき横に並ぶだけでなく、更には面倒も見ることが出来るようになれ……なかなかの難題だ。
どんどんやらなければならないこと、ないし壊さなければならない壁が積み上げるなんて私もどうかしていますね。
悪い気はしないのですが……これもまたマッド様のせいということにしておきましょう。
あの人についていくというのはそういうこと、その手の割り切りも必要ですね。
「では、そうと決まれば……どこから入るべきなのでしょう?いっそマッドをユフィリア様のご実家に挨拶に行かせるとか……」
「だから、何でそういう方向になるのですか!?婚約云々はひとまず保留にするだけです!お願いですからもう少し真面目に……」
「ええ~、むしろ真面目ですよ?あのおバカを逃がさないために、外堀を城塞にしてしまうんです!」
それはいくらなんでも強硬過ぎませんか……
でも、それくらいしないとダメなのかという考えも薄っすらと……って、私までそちらに行ったら制止役に欠けてしまう。
うう、クリスティーナだけでもこの有り様なのに……まだ一癖二癖ある顔ぶれがわんさか控えている。
うう……これは先行きが不安ですね……。
何だかんだ、それぞれが違った形で忙しなかった1日が終わる頃。
ようやく一息つけると判断しては、即座に行動を起こす怪しい影があった。
この時の為にと保管していたものを手早くかき集め、得意の気配同調を用いてはとある場所に向かっている。
(残念ながら満月ではない……が、まあぼっち前提だし問題はねえだろ)
ふと窓越しに外を眺めては、苦笑しながら僅かに溜息を漏らすのはこの離宮の主。
普段は喧騒を好んですらいる彼が、自身の根城でこのような隠密行動は極めて珍しいと言える。
その理由は至って単純、ただ単に独りでいたい気分であることに外ならない。
いつも以上に警戒態勢を張り巡らせながら、ふとした拍子で足を止める。
(風、土、水、火、光、闇……これでよし)
目の前には一見すると何でもないただの壁。
そこに向かって手をかざすその様は、傍から見れば不審者か夢遊病患者に見えるところだろう。
無論、マドラーシュは至って正気でやっていることにも当然意味はある。
(視覚でも周囲の確認──ヨシ。まあ、存在知っててもそうそう解けるものじゃないがねこれは)
アニスフィア側の離宮には、警報装置や緊急時の盗難防止の灯り全停止という仕掛けがある。
魔学開発における副産物をふんだんに利用したその仕掛けを魔力探知で存在を知った時は、流石のマドラーシュも舌を巻いた程だ。
見事に方向性の異なる顕魂術では、なかなかその手のアプローチに至ることは難しい。
強いて挙げるならば、プリシラの地雷系術が近いところだが……それでも索敵や隠密攻撃特化である。
それでもマドラーシュとしては隠しギミックというものは作りたくて、何とかひねり出したのがこの隠し通路である。
エリオと古代文明関連の文献漁っては、ヴィルジールにも協力を仰いで出来上がった現状における唯一のギミック。
6つの属性を含めた魔力を、指定された順番通りに込めないと現れない通路である。
基本6属性の適性を全て持った上で魔力そのものを直に込める必要がある……殆どマドラーシュでしか解けない仕掛けである。
今となっては、もう一人可能な人間はいるし、何なら適性が無くても裏技は存在するからやりようはあるのだが……。
(まあ、それでも出来るのは俺の身内だけだがね……そして)
周囲を確認している内に仕掛けの作動は終わるが、ここにも落とし穴がある。
盛大に通路への扉が出て来るとかそういうわけではなく、小さな音と共にほんの僅かに壁がズレるだけ。
未だ壁の役割を果たしているように見えるそこに手をやっては、躊躇もなく横に引いた。
要するに、あくまで壁が一時的に引き戸のような何かになるだけの仕掛けということである。
引き戸という概念は、この世界だと偉志ノ大陸でないと殆どお目にかかれないことを利用した二重の罠。
偉志ノ大陸びいきもここまで来れば賞賛ものだろう。
その先の短い通路の後は狭めの階段。
そこを抜けて出迎えてくれるのはまだまだ冷たい夜風と夜景……
「あ、やっと来たねマッド」
「こんないい場所を独り占めとは……お前もまだまだ子供なところがあったんだな?」
と共に、本来ならいないはずの古き良き幼馴染と義理の父親が出迎えてくれた。
まるで想定していなかったマドラーシュとは異なり、先客二名はどこかしてやったり顔である。
どちらも普段は振り回されがちだからこそ、このような逆転光景はやや珍しい。
「ええっとだ……ラスはギリギリ分かるとして、何故カルリッツ父さんまでいるんだ?」
「ラスへの肩書は特にないが、一応特別近衛騎士団の団長だからな。義理の父として、そして大先輩として色々とってところだ」
「セラからその手の話をするならとここの存在を教えてもらったんだ。大丈夫、キュイとかナマリエには言うつもりはないよ」
そもそもこの場所を知る他の者は専属侍女二人のみ、だからその答えも必然である。
バラすにしても、人選をきっちりしている辺りはらしいと言えばらしいか。
「そういうお前は……その持ち物、まさかの単独月見酒か?今度は随分と老け込んだことを企んでいるじゃないか」
「企んでるって酷いな親父殿!目が回る忙しさだったから少しでも寝つきを良くするためだってのに……ついでに、ウィンの同類みたいに扱うのもやめてほしいんだが?」
「ウィンとは違って渋いと言うべきだね。どっちにしろらしくないとは思うけど」
「へいへい、どうせ俺はまだ渋みが足りない青臭さ全開なクソガキですよっと」
そもそもマドラーシュは、やたら飲酒の場に紛れ込まざるを得ない事態に直面することが多かった。
その原因の大半を占めるのは、意外にもストレスの捌け口を飲酒行為に頼るどこぞの白銀の聖女。
元々彼女には頭が上がりづらいこともあって、やたら巻き込まれていたらそれなりの耐性がついてしまったのだ。
ラスの言う渋いというのは、ある意味その慣れから醸し出される空気から自然に出てきたのだろう。
「うえ……これ、結構強いんじゃない?」
「偉志ノ大陸、それも陽ノ花家当主からの餞別だ。まあ今日のところは第一歩ってことでそれくらいにしとけ」
慣れているマドラーシュでもそこまでのペースで飲むものではないと判断するものだ。
よほど特殊な味覚でない限りは、いきなり味わえと言われる方が無理があるだろう。
「先ほどもラスには言ったが……お前たちもここまで来たと思うと、本当に感慨深いものがあるな」
「おいおい何だよいきなり……酒を煽り出したからって大人になったってわけじゃないんだぜ?」
「むしろこれって火遊びだからね……ウィンに見られたら怒られそうだけど」
とはいえ、どちらも酒場に紛れ込んでいても多少若い見た目というだけで特に問題はなかったりする。
特にマドラーシュは、身長の高さとケルビムで活動してきた経験から醸し出される空気で15歳と思われることは極めて稀だ。
「普段なら俺もその手の悪ふざけは注意をするべきだろうが、まあ、羽目を外すことも覚えるべきだからな。──これからレオンと俺たちと似た道を歩むことになるからには、その手のオンオフも出来るようにするべきだ」
「レオン様と、カルリッツ達……グランナイツと同じ道、か」
「……そう言われちまうと、否でも重たく受け止めてしまうね」
以前ならば、無邪気に喜んだのかもしれない。
憧れていた存在と同じ道筋を歩めることになったとあれば、それはもう夢が叶ったも同然だから。
しかし、今はもうそのような暢気なことを考えてはいられないし、許されない。
立つべきところに立ってしまった今では、そのような余地は無いのだから。
「ほほう……流石の『無慈悲な主役』と言えど重たく捉えてしまうものなのか?」
「そりゃあ俺だってグランナイツを追って長いんだ、同じ道って言われたら流石にプレッシャーくらい感じるさ……それも比較対象がレオン先生とあっては猶更だ」
「……カルシオンに似た胡散臭い言い方だが、まあいい。そういうことにしておいてやろう」
重圧を感じていたとしても、平然と口に出せる分にはまだ問題ない。
ある意味、はぐらかした風にも見えなくはないが……それもまたいつものやり取りだ。
余計に気負うよりかはまだマシかと、カルリッツはとりあえず流すこととした。
「最後にこれだけ言っておくか……お前はレオンと同じように時代に選ばれた人間だが、それを理由に突っ走り過ぎるなよ?俺やデイジー、ラインヒルト……そして何より、ラス達も横並びでいること。これを忘れてはダメだからな?」
「所詮は行動の結果でしかないし、そこまで傲慢かつ薄情になるつもりはないさ……まあ、寄っかかり過ぎない程度に頼らせてもらうよ」
「最後まで飄々としやがって……まあ、お前らしい。なら締めるという意味でラス、あの言葉を復唱したらどうだ?」
「折角本人がいるし、こんな夜ならばいい感じの決意表明にもなるからね……そうさせてもらうよ」
「──例え王位継承がどうなろうとも、俺たちにとっての王はマドラーシュ・リヴェ・パレッティアただ一人だ。これまで俺たちを守り、導いてくれた恩義に全力で報いよう……この命は我が友の為に捧げるとここに誓うよ」
簡易的ではあるが、なかなか芝居がかった宣誓と言えなくもない。
どんな立場であろうと『王』と敬う、それは誰と比較しても最上位の敬意を込めるという意味に外ならないのだから。
それでいながらもきっちりと『友』であることも忘れない、まあなかなかに欲張りな側面もある。
型破りでありながらも体は成しているそれを聞いたマドラーシュの反応は……。
「おいバカ、こっ恥ずかしくなるからそういうのは公の場でのみやってくれ。そもそも俺は王なんてガラじゃねえだろうが」
見事なまでに面食らっていた。
どこぞの公爵令嬢に不意打ち特攻を貰った時の様な表情と言えば分かりやすいだろう。
攻める時はイケイケの癖していざ攻め込まれると脆い、もはやいつものことである。
「ええ!?色々な書物から引用して、まあまあかなって思ったのに……そんなに恥ずかしがることないじゃないか」
「そもそもこの間のクーデターでも総大将張ったんだ、実質王将と同義だろうに……恥ずかしく思ってる場合ではないだろう?」
「いやいや、この状況自体が最適解じゃないってのに堂々と出来るわけないだろうが……」
本来ならばずっと陰で暗躍しているつもりだったのだ。
それこそ、今でも国内外で動いているグランロードのように。
しかし、もうただただやりたい放題をすればいいというわけではない。
なってしまったものはどうしようもない、マドラーシュもそのことは否と言うほど分かってはいるのだ。
そこを揶揄われるのは、些か慣れていないというだけのことで。
「ちなみに、ユフィリア様との仲を揶揄われるのとだったらどっちがよりキツい?」
「何ならお前はセリアードと最近どうなんだ?こちとらナマリエやキュイから色々聞いてんだからな!」
「えええ!?流石にその反撃は想定していなかった……」
対極の離宮では和やかな疑似姉妹トークならば、こちらは罵り合い混じりの疑似兄弟トーク。
唯一の違いは、それを苦笑しながらしれっと酒を嗜む父親分がいることくらいか。
途中出てきた属性順は深い意味はありません。
今なら風→土→水→光→闇→火とかもありかなあ……ってくらいです。
そういえば、どちらの作品でもアルコール可年齢ってどうなってるのやらか。
グランサガ側は多分現実に寄ってるのでしょうが(ラス、セリアード辺り全く飲んでないし)
後はポケットの方を地道に進めると色々なキャラの年齢やら身長が出るから、転天側もそれくらい欲しいなあと。
まあ女性陣の身長は結構差が出てきそうですけど……ナマリエはハーフエルフだからまだしも、セラはかなり高いし
ちなみにマドラーシュのその辺りはグランサガ側のアベレージに寄せています。
多分それがいい味になりそうな感も……?
Youは何を求めてこの作品を?(要するに需要調査です)
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転天キャラでのNLとか他絡みを所望
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グランサガの二次がレアすぎて
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バトルハードモードに釣られた
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ちらほらある(?)デビルメイクライ要素
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その他(そもそもの作風とか)