何故中途半端に上げるかって?
1週間も修正祭をしていたせいでズレが凄まじくなってしまったからです。
友人づきあいというのは大事なものだ。
特に俺はただでさえ同年代のダチってのが少ないからな。
まあ、俺の場合はお目付け役ってのもあるにはあるんだがね。
「キュイ……それ、どこから持ってきたのさ」
「エリオから借りてきた!ちゃんと本人には許可は得てるから、そこのところは大丈夫だよ!」
俺たち3人は今、王都から街道沿いを少し行ったところから外れたところにいる。
周りに人影が無いこともきっちり確認済みだ。
守銭奴天災ミケ族が準備しているのは、古代文明の品だ。
確か、『ターレット式キャノン』とか言ったっけか。
顕魂術の研究に協力してくれた見返りとして、逆に俺がエリオ姉さんの助手をやった時に存在を知った。
勿論本物ではなく、ただの模造品……レプリカだ。
本物がこんな綺麗な状態であったら、それこそ学会とかが大騒ぎもんだろうよ。
姉上が飛びついてくる未来もセットで見えてくるな。
「当人確認は済ませてあるから、心配事は失敗の度合いだけにしておけ」
「あ、そこはやっぱり心配しないといけないんだね」
「こら相棒!失敗前提で語らないでよ!」
誰が相棒だ!
もう一人の自分みたいに呼びやがって、お前はどこかからかやってきた別人格か。
顕魂術発明したのは俺なんだから、相棒枠はむしろそっちだろうに。
にしても相棒枠ねえ……。
本来ならラスの方が当てはまるんだろうが、こちらはまだまだ修行中だからな。
「俺から見たら二人はどっちも天災ってことでどっこいどっこいにしか見えないよ。確かに俺だって、早くマッドの相棒にはなりたいところだけど……まだ騎士にすらなってないからね」
「ええーそんなに相棒の座が欲しいの?へそくりの在処を教えてくれたら、ちょっとくらい考えてあげてもいいけど?」
「折角ラスが嬉しいこと言ってくれてるのに、見事に台無しにしやがったぞこの守銭奴。っていうか安いな俺の相棒枠」
そもそも在処を教えたらもうへそくりじゃねえだろうが……。
で、こんな雑談をしている間にも実験の準備を進めているんだよなキュイのやつは。
相変わらず手際がいいというか何というか……。
まあちゃっかり俺と一緒にエリオ姉さんの助手やってたりするくらいだ、これくらいは朝飯前なんだろうが。
「よーし、じゃあ1発ぶっ飛ばして行こう!」
今回キュイがやろうとしていることは、言うまでもないだろうが新たな顕魂術だ。
レプリカで古代文明を再現しようっていう、傍から見れば随分突拍子の無い試み。
無論俺としては面白いとは思うし、だからこそ付き合ってるんだけどね。
顕魂術は己の中の空想とそこに至るだけのイメージが肝要だからな。
「……って、何でそんなに離れてるのさー!もうちょっと信用してくれたっていいじゃん!」
「起こり得る最悪の事態に備えてるだけだっての」
「キュイがこれまでやらかしてきたことの数々、俺は忘れてないからね」
仮にこれがキュイじゃなかったとしても、常に失敗も想定して動いた方がいいだろ。
壁とか地面に埋まったりとか、そんなのゴメンだっての。
っていうか、その魔力の流れは明らかにヤバい気がするんだが?
「キュイ、何かいつものように魔力コントロールがおかしくなってない!?」
「うわわわわ、ツッコミ入れてて制御がー!」
「あークソ、これじゃあリスク管理も何もあったもんじゃねえな!キュイ、掴まれ!」
制御を一瞬失っただけで、それはもう魔力が溢れかえりそうになってる。
俺は咄嗟に闇属性の鞭を咄嗟のイメージで作り出して、ギリギリのタイミングでキュイをレプリカから引き離した。
何とかキュイをこちらに引き戻した瞬間、レプリカの発射口から巨大な火球が放たる。
そして、お約束のような音と共に盛大に爆発した。
……何か奥の方で魔物の断末魔が聞こえた気がするが、聞かなかったことにしておいてやろう。
見なければそれは起こっていない、全く素晴らしい理屈だな!
にしても、『結局爆発オチかよさいてー!』はもう恒例行事になっちまってるな。
「あ、ありがとーマッド……流石にちょっとヤバかったかも」
「こういう時のために離れたんだっての」
「こうなる前に止めるべきだったような気がするんだけどね……」
ラス、それは言ってはいかんよ。
確かにキュイのやることは失敗がとにかく多い。
今みたいにあぶなっかしくなることも多々ある。
だが、その失敗の中でも目を見張るものも少なくないのもまた事実だ。
「いつものように見事な失敗に終わったが、魔力コントロールがミスっただけで発射自体は出来てたわけだ。発想は悪くないんじゃねえか?」
多分顕魂術の対象の対魔力耐久を上げれば、結構ユニークになる気がするんだよな。
制御でしくじりさえしなければという但し書きの上で、だが。
今回は火の魔力弾を放ったが、他にも用途は色々と考えられるそうなのも面白い。
そう考えれば、この失敗もちゃんと生かせばモノに出来る良い失敗と言えるな。
「さっすが相棒、よく見てるー!それならもうちょい制御をしっかりしないとね!」
「課題はまさにそこさ。気分屋な部分をもうちょいどうにかすれば、それこそ顕魂術においてお前は第一人者さ。これからも頼りにさせてもらうぞ?」
「へっへーん、やっぱりウチが相棒枠だね!あ、勿論発明した分は報酬貰えるよね?」
金銭面でも抜かりなくってか?
全く、財布に優しくない天才様で泣けてくるぜ。
だが将来的に特別近衛騎士は復活させるわけだし、そこからちょっとくらい前払いしたってバチは当たらんだろ。
これは友人同士っていうより、同志関係の中の仕事契約だ。
「マッド、そうやって飴をあげるからいつまでも失敗がなくならないんじゃないのかな……?」
「そこはあんまり固いこと言いなさんな。親しき仲にも礼儀ありってやつの範疇さ」
「そうそう!お金に関しては特にしっかりしないとね!」
いやそこは金以外もしっかりしてほしいけどな?
まあ、キュイはただ金にがめつい守銭奴ミケ族じゃないってのもよく知ってる。
こいつも王都に流れ着く前は、なかなか酷い目に遭ってたらしいからな。
悪質なことだけは何があっても手は出さない、良識を持つ天災ってわけだ。
カルリッツ父さんの教育の賜物でもあるんだろうが……そもそもの根っこが綺麗だからだろうよ。
そんなキュイだから、俺とラスはこうやって呆れながらも友人として付き合ってるわけで。
恐らくだが、この関係は一生変わることはないんじゃないかって俺は思ってるよ。
……というか、そうであってほしいね。
そんなわけで俺たち3人は王都に帰還した。
ちなみに、未だ焦げ臭さが凄まじいレプリカは俺の手にある。
行きはラスが持ってってくれたからな、帰りは俺が持たねえと。
キュイも顕魂術を使えば持ち運べなくはないだろうが……。
こいつにやらせると、ブツをあらぬ方向にぶっ飛ばしそうでな。
「そういや、ラスは顕魂術の方はどうなんだ?あんまり使ってるところ見たことねえんだが……」
「最近ようやく母さんやイグノックス様から教わり始めてるかな。基礎の反復とか、身体強化も並行してるから結構大変なんだけどね」
「身体強化ならウチは脚だけでよかったから、割とすぐに出来たよ?」
そりゃあキュイは根っからの魔法使い兼術師だからな。
今のところは腕力なんてそこまでいらねえだろうよ。
しかもミケ族が故に、体のつくりがよりしなやかなのもしれっと大きい。
強化倍率もそこまでじゃなくても、敏捷性は問題ないと言える。
やはり脚の速さって正義だよな。
ちゃんと31狙わねえと……っておい、何の話だよそれ。
「そういえば、マッドって顕魂術発明する前はどんなことしてたの?たいちょーとかデイジーおねーさんに聞いても全然教えてくれなくてさ」
「あー……あの頃のマッドは……うん、色々と凄かったよ」
そういやキュイにはあんまり話したことなかったっけか。
っていうかそれは聞く相手を間違えてるだけだと思うぞ?
イグノックス兄さんとかカルシオンなら嬉々として話してたろうに……間が悪いやつめ。
ところでラス、お前は何でそんな遠い目をしてるんだ?
「5歳になるかってところでデイジー師匠に稽古つけてもらい始めて、しばらくしたらイグノックス兄さんとカルシオンの無茶振りで早速実戦経験だったな」
「うええ!?ラスと全然違うじゃん!まさにえーさいきょういくってやつだ……」
「で、その後7歳で兄貴分二人同伴が時折の形で冒険者稼業を始めて5年ってところだな。その合間にも母上の無茶振りで偉志ノ大陸行ったり……こんなところか?」
「あはは……改めて聞くと、第二王子って一体何?って思っちゃうくらいのやりたい放題だよね。8歳でドラゴンを倒して、今でも定期的に狩ってるから、いい加減ドラゴンキラーって呼ばれそうなんだっけ」
え、新たにそんな二つ名付きそうなのか?
そんなに狩ってたっけ、あの飛行トカゲって。
……適当に数えて10?いや20?分かんねえ。
緊急資金源できっちり保管している魔石を数えれば一発なんだろうが、いちいち取り出すのも面倒なんだよな。
「いいなー、ドラゴンキラーなんてカッコいいあだ名貰ってさー。ウチもドラゴンとかそういうのをドッカーン!って爆発させたいなー」
「なら今度同伴するか?イグノックス兄さんかカルシオンもいればお膳立ても確実に出来るし、キュイとは1回実戦で組んでみたいと思ってたところだ。楽しそうだからな!」
「いやいや止めた方がいいって!絶対どこかの地図が変わる羽目になると思うから!」
まあ、ラスの懸念は分からんでもない。
さっきの魔力制御ミスも、一歩間違えたら地面とか簡単に抉りかねないし。
その分火力は保証できるんだけどなー。
多分あのクソ面倒な障壁も、真正面からあっさり破っちまいそうで俺の立つ瀬が無くなりそうだ。
これぞまさに、天才にして天災。
取り扱いは注意だが、ちゃんと舵取りが出来ればこの上なく頼りになるのが。
だからこそ、顕魂術においては真面目に相棒のように思ってる節もあるにはある。
よって、ついついフォローを入れなければってなっちまうんだよな。
そして、巻き込まれては一緒に説教を受けるまでがセットってわけだ。
「……そういえばマッド。このレプリカはどう説明するの?絶対誰かに見つかると思うんだけど……主に母さんとか」
……ああ、まさにこんな感じにな。
っていうか、全員して見事に失念していたぞ。
「マッド、上手いこと隠密して処理出来たりしない?」
「無理に決まってんだろ。風魔力に集中させないとこいつが落ちるし、そうなると隠密は甘くなる。そういう両立の修行もやっておくべきだったな……」
「いや、修行不足を恥じてる場合じゃないと思うんだけど!?」
と、ラスは言ってるが事実だからなあ……。
っていうか、このままだと3人揃って説教コース待ったなしだ。
キュイのお陰でインスピレーションが沸きそうなんだ、何としてでも逃げなければ……!?
「悪いラス、レプリカやっぱ頼んだ!俺は来客が見えたんで、そっちの出迎えに行くぜ!」
「ちょっと待ってよ、いきなりそれは酷くない!?というかマッドに来客なんてどう考えても嘘だよね!?」
「こらバカ王子ー!相棒を置いて逃げるなー!」
というか、このレプリカやらかしたのは俺でもラスでもなくキュイなんだ、逃げるのは至って問題ねえだろ!
ラスだって馬鹿正直に付き合ってないで、やべえと思ったら逃げれば良かったんだよ。
キュイはいつものように頑張ってやり過ごせ!
そもそもお前が元凶なんだ、自分のケツは自分で拭きな!
後残念、来客ってのは嘘じゃないんだよな。
窓越しで視認したからな、間違いはねえぞ。
「ラス、キュイ!この焦げ臭い謎の物体、一体どうしたのよ!?まさかまた外で何かやらかして……!」
「MATTE!母さん、これは不幸な事故っていうか俺は単に巻き込まれただけなんだ!」
「いきなりの逃亡宣言のせいで逃げ遅れたー!バカマッド、絶対後で仕返ししてやるんだからね!」
デイジー師匠の声が聞こえてきたから、ここらでスピードアップだ!
あーばよ、幼馴染ども!
人目を盗んでこの離宮に来るようになって、大凡3カ月でしょうか。
今日もアルガルド様との対面がそこまで時間がかからなかったので、空いた時間を無駄にしないためにと訪問していた。
マドラーシュ様、今日はいらっしゃるといいのですが……。
そういえば、先ほどから慌ただしい足音が聞こえてくるような……?
それも、こちらに全力で駆けてきているような……いえ、駆けてきていますね。
あの、一体どんな速さで走っているのですか?
「説教回避成功!久々に出し抜いてやったぜ!」
……どこから突っ込むべきでしょうか。
いきなり現れたこともそうですが、何故走っていたのかも気になります。
出し抜いたというのも、一体何に対してなのか……。
「はっはっは、これだと何かで読んだことのある登校風景みたいだな。この場合はごきげんよう、ユフィリアって感じでいいのかね」
「……マドラーシュ様、折角の挨拶が口調だけで台無しになっていますよ」
一体どんな書物を読んでいるのですか……。
そもそも、この方が本を読んでいる姿が全く想像できません。
少し読んだだけで放り投げて、そのまま外に出ていきそうな気が……いたっ。
「人を何だと思ってんだコラ。時には知識欲しさに本くらいは読むっての」
「いきなり頭を叩かないでください。そもそも何で私の考えてることが分かったのですか」
「人間という意味では俺が12年弱は先輩なんだからな?」
それを言われてしまうと返すに返せないではありませんか。
……だからこそ悔しいです。
初めて会った時もそうでしたが、マドラーシュ様は人の機微に特に敏感です。
その上でこの方は空気を読まない行動をとることも少なくないのが問題点ですが……。
あの時もどれほど翻弄されたことだろうか。
──そのお陰できっかけを得られたのだから、文句ばかり言ってはなりませんね。
「というわけでお一人ご案内だ。セラ、いつもの二人前よろしく」
「あら、幼馴染お二方との楽しい時間の次は男女の微笑ましい時間と来ましたか。面白い趣向ですね、マッド様」
「そのどこか怪しい言い回しは無理やり流しておいてやるよ、この残念侍女め」
片手では数えられないくらいには訪れたであろうこの離宮の談話室への入室回数がまた1回増えましたね。
既に部屋で待機していたマドラーシュ様の専属侍女であるセラは手早くお茶の準備に取り掛かり始めた。
その手際の良さは、王宮の侍女の中に混ざったとしても全く遜色がないほどです。
マドラーシュ様は放浪先で拾ったと仰っていましたが……いや、そもそも拾ったってどういう表現ですか。
「実際拾ったって表現しか出来ねえんだからしょうがなくねえか?」
「呼吸をするように考えを読まないでください、魔法が使えないって本当なんですか?」
「どんなにポーカーフェイスで武装したところで、ユフィリアの場合は雰囲気で一発なんだよ。並の連中なら誤魔化せるが、俺には通用しないぜ?」
「しれっとドヤ顔で特別アピールするマッド様が尊過ぎて辛いです」
一体どんな察し方をしているのですか。
要するに、マドラーシュ様に対して腹芸はあまり意味を為さない……そういうことですよね?
しれっと口にしていますが、貴族からしたら十分恐ろしい力です。
そして、セラが何を言っているのかは……。
申し訳ないのないのですが、もはや別の国の言語では?というくらいに分かりません。
とりあえず、先ほど耳にした中で気にかかったことを尋ねましょう。
「先ほどセラが発した幼馴染というのは……マドラーシュ様の、ということでよろしいのですよね?」
「同年代のダチが一人もいない可哀想な第二王子なんて言った覚えはねえな。同類だと思ってたんならまあ……ご愁傷様ってことで」
「……別にそんな不敬なことは思っていませんが」
「え、『こんな滅茶苦茶な張りぼて王子はぼっち安定でしょう』って高を括ってたんじゃないのか!?」
「そんなこと思ってません!話の流れ的にセラの友人かもしれないとと思っただけです!」
もう、何でこんなことで大声を張らないといけないんですか!
セラ、貴方も楽しそうに眺めていないで自分の主を止めて下さい!
「こんな楽しそうな男女の微笑ましい青春を止めるなんて、そんな畏れ多いことをした日には馬に蹴られてしまいます」
「「その言い方は何か紛らわしいから止めろ(止めてください)」」
「あら、息がぴったりのようで何よりです」
この侍女には、マドラーシュ様以上に勝てる未来が見えません……。
お陰で少し落ち着くことは出来たので、そこだけは感謝しますが。
ただ、何でマドラーシュ様まで突っ込む流れにしているんですか?
マドラーシュ様もだが、セラも言動がどうにも読めないですね。
……とりあえず話題を変えないと。
このままでは、いつまでもこの居た堪れない沈黙が続いてしまいかねない。
「そのお二人は貴族の方なのですか?以前はほぼ貴族との繋がりは無いと仰っていましたが……」
無難な話題と言えばこうなるでしょう。
まあ、流石に王族ですから友好関係は必然的にそうなると思っていいはず。
ええ、流石のマドラーシュ様でもそこは……。
「え、むしろ平民に決まってんだろ?」
そう思っていた時期が私にもありました。
……あれ、一体どこからこんな言葉が出てきたのでしょう。
──こほん、とりあえずお茶を飲んで再度落ち着かなければ。
「片方なんか人の事王族だってこと忘れちまうらしいが、いやはや最高だね。お陰で畏まられることなくお互いはっちゃけることが出来るわけだしな」
「見事なまでに不敬なことは気にしないのですね──え、はっちゃける?」
何だか不穏な言葉が聞こえてきたのですが。
そこでふと浮かんできたのが、マドラーシュ様の姉君に当たるアニスフィア様の二つ名だ。
──何故か重なってしまったので、私はふと尋ねてしまいました。
「……先ほど説教回避とか仰っていましたが、何をやらかしたんですか?」
「街から出て少しのところで教育係のレプリカ借りてちょっとした12歳の子供らしい実験をしてたんだが……」
教育係のレプリカって……それは無断で、ではないですよね?
『盗むんじゃない、借りるだけ』という言葉と共に窃盗を働いたなんてことは……ありませんよね?
そして、12歳の子供らしい実験という言葉もかなり怪しく思える。
「その結果、ミスって爆発させちまったから証拠を押し付けて逃げて来た」
「外で何やってるんですか貴方たちは!?」
王族と平民が一緒にやることが聞くからに怪しい実験で、しかも失敗して爆発という物騒な結果って、もはやどこから突っ込めばいいのですか!
下手をすれば3人して危なかったということですよね!?
『マドラーシュ様にも同年代と遊ぶ微笑ましい一面もあるのですね』って暢気に思った自分を殴りたいくらいです!
それと、証拠を押し付けて逃げるなんて薄情にも程がありませんか!?
「どうどう、可愛い顔が台無しになるから自滅行為は止めろっての」
「誰のせいだと思ってるんですか!」
「しれっと腕を掴んでいるということは……マッド様、攻め時ですか!?」
「そこで変なこと言ってるセラもどうなのですか!侍女ならば主がそんな危ない行為をするのは止めるべきだと思うのですが!?」
恐らくマドラーシュ様の口ぶりから、今回が初犯というわけではないはず。
前科があるのならば猶更止めるべきでは?
この主あってのこの侍女と言えるのでしょうが、流石に行き過ぎです。
王宮の方でこんな侍女がいたら、間違いなく即追い出されるでしょう。
「何だかんだでマッド様は上手くやると分かっているからですよ。ほら、第二王子が何かやらかしたなんて噂は聞かないでしょう?」
「……確かに言われてみれば。でしたら、何故そんな危ないことをする方々と率先してお付き合いを続けるのですか?」
「そんなん一緒にいて面白いからに決まってんだろ?身分関係なしに一緒にバカなことやれるんだ、人生においてはこれ以上に無い刺激だな」
さも当然のようにマドラーシュ様は即答していました。
魔法の使える使えないで軋轢すらも見えるこの国で、ここまではっきりと言えるのはこの方ならではなのでしょうね……。
仮にマドラーシュ様が魔法を使えたとしても、きっとその方々と友人になっているだろう。
……彼にとって、身分は装飾品でしかないのだ。
「私は学院に通い始めてまだ間もないのですが……やはり貴族の子息同士のお付き合いとなると、どうしても探り合いもあって息苦しく感じてしまいます……」
「気の合う友人やりながら互いに得するような関係を築けるならいいんだがな。ただ、ユフィリアの場合は公爵家ってこともあって胡麻擦る輩も多いだろ?実はもう取り巻きとかいたりすんじゃねえのか?」
「……仰る通りです。だからこそ、マドラーシュ様の人付き合いが眩しく見えますね」
だからこそマドラーシュ様は学院に通うのに向かない方と言えますね。
いえ、もしかしたら気が合う人間を見つけて狭く深くを心掛けるのかもしれませんが。
ただ、王族として通う場合そんなことをしてしまった日には家元を巻き込んだ噂すら立ちかねないでしょう。
……そうなったらなったで、この方は噂の元を物騒に潰しにかかる気がしてなりませんが。
「まあ暫くは学院で気の合う相手がいなくても問題はねえだろ。ここに俺という最強の味方足り得るダチがいるんだ、今はそれで十分だろ?」
友人に強いも何もあるのでしょうか。
──まあ、確かにこの方は私にとっては最強ですけれど。
その理由は至って単純……私はここぞとばかりに微笑を浮かべた。
「確かに仰る通りですね。──あれだけ意固地だった私を壊せるほどに強くて、その上責任を取ってくれると約束してくださったのですから」
「おま、そこで俺の黒歴史を暗に流すの止めろや」
「え、責任を取る?ユフィリア様、その話詳しくお願いします」
「やっぱり食いつきやがったなこの残念侍女……って事前に抑え込むんじゃねえ!ユフィリア、話すんじゃねえぞ!」
「お断りします。先ほどの私と似たような状況になって頂きたいので」
きっちり抑え込んでいますね……セラ、見事なお点前です。
マドラーシュ様はよほどあの時の言葉を蒸し返されるのが恥ずかしいご様子。
要するに、これはちょっとした仕返しです。
その時の状況は未だに忘れてはいないので、かなり正確に話すことは出来たでしょう。
先ほどまでの人を食ったような表情はどこへ行ってしまったのやら。
普段はあれだけ人を食ったような表情で先輩風を吹かしてくる彼の年相応の雰囲気はあるということ。
──確かに、セラの言うことも最もなのかもしれませんね。
実は書いていなかったマッド・ラス・キュイの日常風景。
実際グランサガでもキュイはやらかしたい放題です。
だからこそ可愛いし愛嬌もあるんですけどね。
それにしても、ユフィリアにツッコミやらせるのは結構楽しい。
そして隙あらばマッドの黒歴史突く辺り、やられっぱなしでもない。
え、もうこんなになってるの早くない?って辺りは、まあ初っ端根幹をぶっ壊したからってことで……。
どこぞの白の姫君もそんな感じだったはずなので(こちらはうろ覚え)
リメイクまだ買ってないんだけど、やりたいよなあ……。
Youは何を求めてこの作品を?(要するに需要調査です)
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転天キャラでのNLとか他絡みを所望
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グランサガの二次がレアすぎて
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バトルハードモードに釣られた
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ちらほらある(?)デビルメイクライ要素
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その他(そもそもの作風とか)