オリジナルの流れで、結構深めなところを書くというのはなかなか苦しい
まあ、書いてて色々ホイホイ浮かぶことも多いから楽しいんですけどね
キュイとラスに説教を押し付けたり、ユフィリアにまさかの反撃を貰ったり色々と忙しかった日の翌日。
俺は離宮の中庭である人物と対峙していた。
喧嘩とかそういうわけではなく、立派な鍛錬というか稽古試合というやつだ。
え、何で中庭でやってるのかって……そりゃあ修練場は使えんだろう。
「ふむ……以前に比べて更に攻撃手段を増やしてきたか。長所を伸ばすのはいいことだな」
「レオン先生や……涼しい顔で褒められても嬉しさ半減だぜ?」
何せ俺の目の前にいるのは、王国裏の最強……いや、下手すると現在世界最強とすら言える存在だから。
全く、グランロード・レオンとこうして日常的に打ち合いが出来るとは……マジで俺は幸せもんだよな。
同じ境遇のはずのラスは、相手がどうしても伯父バカを拗らせてしまう致命的エラーがあるせいで稽古にならないのが可哀想なところなんだが。
ちなみに、この実戦形式の稽古試合はグランナイツの近接組と不定期に行っている。
要するに相手はイグノックス兄さん、カルシオン、カルリッツ父さん、デイジー師匠、そしてレオン先生のいずれかだ。
誰からも1本すら取れていないのは……言うまでもないことだよな?
まあ顕魂術ありの形式なら割といい線行くことの方が多いんだけどな。
イグノックス兄さんとカルシオンの場合は、しょっちゅう魔物退治で同伴してもらってる都合互いに手の内が丸見え状態で力負けしやすい。
カルリッツ父さんは、単純にその堅牢さで勝ちを手繰り寄せづらい。
デイジー師匠は、俺がどれだけ搦め手や不意を突いたとしても瞬時に読み切られて押し切られることが大半だ。
そして、最も勝機が見いだせないのが……ちょうど今対峙しているレオン先生ってわけだ。
「……というわけで、不意打ち一丁!」
「いつものことながら、駆け付け一杯みたいに不意打ちはどうなんだ?」
そんなこと言いながら渾身の不意打ちを避けないでくれよな!
ほぼノーモーションからの魔力斬撃だったが、やっぱまだ速度が足りない。
しかし、そんなことを嘆く間もなく俺は次の行動に意識を移している。
今こそ、1年前に得た俺の新たな相棒の出番だ!
「ここでその刀を使うか……!?」
11歳の誕生日の時に偉志ノ大陸の友人たちから貰ったこの刀こそが、セイリオスに次ぐ俺の新たな相棒だ。
名は『千紫万紅』、由来は俺の顕魂術は全属性を扱えることを様々な色の花に例えられることからとか。
その素晴らしき我が友人のネーミングも相まって、セイリオスと同じくらい愛用させてもらっている。
ちなみに、素材や鍛冶師はセイリオスに負けず劣らずのやりたい放題のバーゲンセールだって話だ。
全く、俺の誕生で本気出されたらお返しが大変になっちまうだろうがよ!
そんな素晴らしき刀で放ったのは、突進を含む居合に顕魂術を混ぜ込むというこれまたとんでも技である。
あちらの友人の一人からは『さながら疾走居合と言ったところかのう』と言われたので、便宜上そう呼んでいる。
刀を鞘から抜き放つ動作と斬る動作を集約させる居合という技術は、静と動を両立させていると言ってもいい。
本来なら移動しながら放つのは邪道だと思っていたし、居合を教えてくれた友人も最初は少し渋い顔をしていた。
そこに女神様兼師匠が、『確かに邪道に見えるかもしれぬ。じゃが、もし相反するこれらの調和が為された暁にはどうなるか、儂は気になるな』とあえて水面に石を投げるようなことを仰ったわけで。
そこから試行錯誤の結果、抜刀前の突進時は気配を薄めることでで静を表現し、刀を抜く瞬間に気と共に動を表すという動きになった。
ちなみに、込めている属性は静と動の表現がやりやすい水と俺お得意の闇属性だ。
「まあレオン先生の防御力なら問題ないよなやっぱ!だがまだまだ!」
レオン先生は大剣を使う都合、刀で鍔迫り合いは色々な意味で論外だ。
だから先ほどの疾走居合で勢いのまま通り過ぎて、現時点での背面を確保することを優先した。
そこから今度は左手でセイリオスを握り、即座に『スティンガー』を放つ。
防御無視効果の闇属性魔力を付与するこの顕魂術こそ、レオン先生に僅かでもダメージを与えられる可能性がある一撃だ。
「むっ……!」
そう、いくらレオン先生でもこればかりは警戒をしないといけねえよな!
どれだけ防御が堅牢だとしても、多少でも無視されちゃあひとたまりもねえだろう。
そして、その思考に持ち込むことこそ俺の最大の狙いさ。
「今回はフェイントなし……いや、俺の動きを見てから決めたのか!」
「後出しジャンケンってやつさ。これなら、後退した時にまんまと食らわないで済むだろ?」
レオン先生は契約しているとある存在の力に自身の魔力を混ぜて作った光輝く馬に乗り突進してきていた。
しかも、俺の『スティンガー』からの圧縮風属性フェイントを見越してタイミングをズラす周到さの上で。
ならば……俺はその選択の更に上を行かせてもらうまでのこと。
フェイントが読まれているのはそのタイミングをズラした一瞬で分かることだからな。
そこで更に行動を変更することくらいなら、考え付きさえすればそこまで難しい変化ではねえんだよ。
ただ、結果からするとあくまで互いの位置関係が入れ替わっただけに過ぎず、気を抜いていい場面では断じてない。
そもそも、グランナイツ相手に気を抜くなんてまずありえねえことなんだがな!
俺はスティンガー終了地点から動かずに、セイリオスの魔力斬撃を連続で放つ。
……レオン先生も応戦するように特大の魔力刃を放ってくる。
──待て、この距離で打ってくるだと……!?
「読まれたことに対する意趣返しとか、しれっと大人気ねえなアンタは!」
「判断も随分早くなったが……俺の顕魂術も向上していること、そこを見誤ったな」
ああもう、先生の仰る通りだよ!
まさか
レオン先生の放ったその魔力刃は、割と早い段階で霧散を始める性質を持つ。
しかし、それこそがこの顕魂術の極めて厄介な点の1つだ。
その様は、水飛沫ならぬ光飛沫と言わんばかりである。
更には、俺の魔力刃をも利用してその拡散範囲はかなり広がってしまう。
くっそ、完全に読まれてたってわけか!
咄嗟に回避態勢に移るが、気付いた時にはもう時既に遅し。
──顕魂術でも対人戦において屈指の凶悪効果を持つ魔力飛沫を、僅かにだが貰ってしまった。
「(ちぃっ……掠ってなおこれだけの遅延っぷりかよ!)」
光飛沫を掠った左手を基点に、魔力の伝達が遅延する感覚が生じ始めている。
顕魂術どころか、精霊を経由する魔法に対しても……勿論、魔道具関係にでも通用するであろう状態異常だ。
この国においては最凶の一手とすら言えるんじゃねえか?
そんな鬼の手とすら言えるものを使ってきたってことは、それなりに本気を出してきたってこと……なのか?
正直、レオン先生相手にこの状態はもはや勝ち目はほぼ皆無だろう。
だが、それで攻め手を緩めるなど論外だ!
防御に回った時点で、億に一つの勝機なぞ訪れやしねえ。
──普段以上に魔力を込め、そして圧縮しやがれボケナス!
俺が咄嗟に手に取ったのは千紫万紅の方だ。
魔力伝達の遅延は、すなわち顕魂術の発動そのものが遅くなるということ。
その遅延度合いは魔力の込める量に比例するっていうのは把握済みだ。
逆を言えば、凝縮と動作技術の比重が大きい千紫万紅なら影響は少ないってことだ!
そこで不意を突いて、仙人に拾われたという俺のダチから教わった魔技をここで解き放ってやった。
「空間そのものを斬る技法を顕魂術に乗せるか……随分面白いものを覚えてきたようだな」
俺と陽ノ花家次男坊のみが使える、物どころか空間をぶった斬る顕魂術。
変則的な技術が問われるこの剣術を、俺は闇属性魔力を凝縮した上で居合から解き放った。
さながら、まんますぎるが『次元斬』って言ったところか?
初見だと魔力の流れが掴めない限りは避けられないんだが……やっぱ遅いな!
魔力はかなり圧縮しているはずだが、それでも体感で分かるくらいの遅延がある。
その僅かな綻びをレオン先生が見逃すはずはなく、爆発的な加速と共に一気に接近してきた。
だが、終わるにしてもコンマ1秒でも足掻いてやる!
「これが、偉志ノ大陸流フェイントだおらあ!」
同じく居合の構えから抜刀するが、放たれるのは次元斬じゃないぜ?
抜刀の軌跡をそのまま描いた、特大の魔力刃だ!
流石にレオン先生もこれは読み切れなかったようだが、やはり俺の方は魔力の練りまで甘くなっている。
そんな有様では、本家本元のスティンガーの前では時間稼ぎにしかならなかった。
──次の瞬間には、完全に間合いに入り込まれ、得物である大剣を突き付けられる。
要するに、完全にチェックメイトないし王手だった。
「これで、今回の稽古試合は終了だ……また一段と強くなったな、マッド」
「そんな涼しい顔で言われても実感湧かないっての……」
緊張の糸が見事に解けてしまい、俺は盛大に後ろ向きに倒れ込んだ。
その後にこみ上げるのは、言うまでもなく悔しさであった。
「ああーくそ、やっぱり対抗手段考えるのがキツイ!レオン先生は攻防敏捷全部揃っててズルい!」
「実戦でその手段をどんどん閃かれて、変幻自在に攻め込まれ、挙句常に読み合いに持ち込まれる俺の身にもなってほしいものだが……」
「無傷だから別にいいじゃねえか!」
読み合いに持ち込まねえと勝機すら見込めないんだ、そこはしょうがないだろ!
さっきは何とか魔力察知による後出し戦法も出来たが、いつもそういうわけじゃない。
一体どうすればこの世界最強(仮)に勝てるのやらか……。
……ラスを盾にするとか、そういう頭の悪いこと言い出したらマジでぶっ飛ばすぞ?
「……いや、どうやらそうでもないようだぞ。これを見てみろ」
何だよ、筋肉自慢でもしようってか?
いや、レオン先生の身体って一般的な剣士のそれだから何を今更……って、あれ?
籠手が外されて外気に晒された右腕から少々ばかりの赤い液体が流れてやがるんだが。
……レオン先生が血のりとかそういうドッキリを仕掛けるはずもねえから、それは必然的にマジの出血ってことだ。
「恐らく、あの空間そのものへの斬撃が掠ったんだろう」
「ああー、確かに俺が使うのは箱型に斬る様アレンジしてるからな……って、要はやっとレオン先生に一撃入れられたってことか!」
初のレオン先生との対人戦から続く、怒涛の35連敗は無駄じゃなかった!
まあ、一撃を入れたってだけだがそれでも確かな一歩だ!
「魔力遅延の影響下でアレだけの速さが出せるんだ。やはりお前は規格外……いや、破天荒だな」
「はっはっは!次は別のやつも含めた二撃入れてやる!」
「……全く、調子のいい第二王子だ」
こちとら、グランナイツ近接組相手の稽古試合は全敗なんだぜ?
恐らく通算にしたら……300連敗くらいは軽いんじゃないかね。
こんな調子で開き直らなきゃやってられないっての!
まあ、何度でも挑んでやるよ。
その地平に至るまでなら、地面だろうが血だろうがいくらでも見てやるさ!
さて、稽古試合が終われば反省会……というわけでもなく。
レオン先生が俺の離宮に屯するという、ぱっと見確率的ウルトラCな光景が展開されている。
……なんて思うが、昔から暇を見ては来ているから俺は慣れてるんだけどな。
会館に行ったら行ったで、デイジー師匠からいい加減そろそろ休んでくれって言われるからじゃないか説もあるな。
俺の革命発起後はやたらあっちこっち行ってるようだし、まあ唯一の肉親としては心配もあるんだろうけど。
そんないつも通りの俺側離宮だが……今日は更に賑やかだ。
「ようやくレオンに1発入れられたか……。偉志ノ大陸の技法、この目で見てみたかったものだ」
「次の稽古試合でも魔物狩り同伴でも、機会なんていくらでもあるさ」
「その1発を入れるために傷だらけになってたら、本末転倒だと思うんですけど~?」
イグノックス兄さんとクリスティーナ姉さんもいるんだ、そりゃあ騒がしくもなる。
ちなみに、二人と一緒にいることが多いエリオ姉さんはこの場にいない。
弟子と共に興味深い場所を見つけたからと、意気揚々とすっ飛んでいったって話だ。
相変わらず、研究の事になったら行動力お化けだよなあ……。
「……クリスティーナ、それは俺のことも責めているのか?」
「レオンもほぼ本気でやってましたよね?よって3割同罪ってことにしておきま~す」
3割って随分微妙だなおい……。
というか、あんまり手を抜かれたら稽古の意味無いと思うだが?
全く、クリスティーナ姉さんの過保護は困りものだよな。
「そんな酷いことを考えるのはこの頭かな~?」
「ちょ、何で俺の考えてること分かって痛い痛い痛い止めろっての」
「おいバカ、マッドの頭が悪くなったらどう責任を取るんだ。それくらいにしろ」
「そうやって甘やかしてばっかりだから、こんな無茶苦茶する子になっちゃったんじゃないの?」
俺を庇ってくれるのは嬉しいけど、もうちょい仲良くしてくれ二人とも!
それと俺を挟んで痴話喧嘩するんじゃない!
レオン先生に止めるようにと念を……あ、目を逸らしやがった。
おい、ラスにグランロード様が日和見かましたって告げ口してやろうか?
「あらあら、まさに教育方針で揉める夫婦喧嘩ですね。マッド様も参考になるのでは?」
そしていつの間にか入ってきてたセラがこれまたワケの分からないことを言い出した。
前者はいいんだ、言うほど間違ってないし。
要するに、俺に痴話喧嘩をする予定何てまるで無いってことだよ。
変化球で弄ってきやがって……お相手想定はどうせアイツなんだろうけど。
「ちょ、いきなり何を言ってるのセラ!?」
「……まさか夫婦というのは、こいつと俺のことじゃないだろうな」
「レオン先生はただの伯父バカだからさておき、流石にクリスティーナ姉さんをショタコン一歩手前にするのはまずいんじゃね?」
「誰が伯父バカだ。俺は単に、ラスが平和な世の中で真っ当に育ってくれることを願っているだけだぞ」
だーからそれを伯父バカって言うんだよ。
キュイも知ってることだぞ、これは。
そして、塩対応全開のイグノックス兄さんと珍しく狼狽するクリスティーナ姉さん。
見事なまでに対極な感じだが……それがまた逆に怪しいんだよなあ。
あんまり弄ると思わぬ反撃貰いそうだし、俺は程々にしておくけどな!
引き際は肝心ってよく言うだろ?
「レオン、ここにいましたか……おや、イグノックスとクリスティーナも。なかなか珍しい組み合わせですね」
「絶賛可愛い可愛いマッド様の教育方針について揉めているところでして……ラインヒルト様も何かご意見があれば遠慮なくどうぞ」
「ああもう、その弄りはもういいです~!ほら、何か急用があるんだから邪魔しちゃダメですよ!」
流石クリスティーナ姉さん、普段が普段だから逃げるのも早いね。
まあわざわざレオン先生を探していたくらいだ、それなりに火急の案件なんだろうよ。
よって、セラもいい加減真面目モードになりやがれ。
「それで、何かあったのか?わざわざ俺を探すほどだから、それなりのことだろう」
「そうなりゃ、俺たち3人がいるのも存外都合よかったりしたりすんじゃねえか?」
「……この件は、密かに動ける少数精鋭が求められています。そういう意味では、マドラーシュ様の仰る通りですね」
あ、これは確かに俺とかイグノックス兄さん向きだな。
単純に騎士団が絡むような用件なら表で動くカルリッツ父さんかデイジー師匠に頼めばいいわけだし。
確かに、俺も多数の兵に混ざっての遠征とか討伐の経験はそれなりにある。
ただやっぱり向いてるっていうか、性に合ってるのは単騎ないし少数同行だ。
それにしても、密かにねえ……この時点で相当に臭う案件と見たぞ。
他の4人の表情から見ても、俺と同じこと考えてそうだな。
そしてそんな俺たちの内心を知ってか、ラインヒルト先生は静かに頷きながら続ける。
「最近、王国東部を中心に人攫いが横行しているそうです」
「人攫い、それも東部だと?ラインヒルト先生、それってまさかとは思うが」
「……お察しの通り、その主な対象は亜人種です」
……ああくそ、だろうと思ったよ。
どこのどいつらがやったか知らねえが、随分とナメた真似してくれやがる。
亜人種が対象って時点で、方向性はかなり定まってるからな。
奴隷、人身売買……こういう掃き溜めのような言葉しか浮かんでこねえ。
マジで胸糞ワリぃぜ……。
「マッド、気持ちは分かるが詳細はまだある。一旦抑えてくれ」
「……了解。すまんね、てめえ勝手に流れ切っちゃって」
「ううん、むしろそうやって怒ってくれてる方がお姉さんは嬉しいかな。普段は問題児だとしても、真っ当な人間として育ってくれてるって実感できるもの」
「その怒りや嘆きこそが、お前の力になる。いつも言っているが、制御だけは怠るなよ」
……やれやれ、ここまで慰められないといけねえってことは俺もまだまだか。
イグノックス兄さんの異名のような燃やし方が理想なのは分かってはいるんだがねえ……。
いつまでも幼気の至りだの若気の至りで片づけてはいけねえよな。
偉志ノ大陸に今度行った時、この手の修行も足してもらおうか。
「東部については、どうしても魔物も絡むこともあって治安が安定しきれない面があります。それを踏まえた上でも、今回の人攫いはどこか妙なのですよ」
「まさか、他国が絡んでいるなんて話ではないだろうな……」
「決めつけは出来ないけど、普通にあり得る話ですね〜。例えば、隣のアーイレン帝国なんかは奴隷制度を禁止していないので、過激派がこちらへの工作がてらこっそりなんてことも……」
そのケースで真っ先に挙がるとすると、確かにアーイレン帝国の過激派になっちまうんだよな。
地理的には確かに遠いが、奴隷って意味では動機がないわけでもない。
王国に攻め込むための口実作りとして上手く利用してくる可能性もあるからな。
……ただ、さっきから俺の頭の中で警報がすげえ鳴ってるんだよな。
いっぺんオーバーヒートしかけたからこそ、より勘が冴えてるのだろうか。
「なあラインヒルト先生。例えばなんだが、クラマ族を拉致る時に魔法を使ったであろう痕跡があったりとかしたか?」
「……王国の貴族という線か。なるほど、それも有り得る話だ」
レオン先生が真っ先に半ば同調の姿勢を見せてくれたな。
……この人の場合、案外思い当たる節があったりするんじゃないのかね。
イグノックス兄さんとクリスティーナ姉さんはまさに『その線を忘れてた』と言わんばかりの顔になってたな。
まあ、忘れてたってだけでその可能性が出てきたことは微塵も驚いていなかったけど。
……うん、見事なまでに俺たちの中でこの国の貴族って信用スコア皆無なんだなあと実感したよ。
二人も友人がいるってのに随分薄情だなって?
友人がいるってのと貴族全体を信用するってのは、残念ながらイコールじゃねえんだわ。
「また今回も、少しばかり先取りされましたね……流石の勘というべきでしょうか」
「おいおい、有り得ることの内で挙げただけだってのに」
「流石はマッド様、偉志ノ大陸の方々が見ていたら鼻高々だったことでしょうね」
鼻高々かは知らねえが、改めて感謝しておかねえとな。
さて、魔法の痕跡があったってなると……確かに王国の貴族って可能性がかなり高くなる。
しかし、問題はその動機だ。
単に奴隷が欲しいってんなら、胸糞悪い言い方だがそれこそアーイレン帝国経由で仕入れる方が確実だ。
東部でしかも亜人種相手って言うのは、まさに二重のリスクでしかない。
更に顕魂術を4年も扱ってきたクラマ族を相手取ったってことだからな。
わざわざそこまでするってことは、恐らく別の狙いがあるんだろうが……。
そこまでは流石に見当もつかねえな。
「で、ラインヒルト先生。もう片方の妙なことってのが残ってるが……」
「何とか犯行現場を逃れた者の証言ですが、その誘拐犯は魔物らしきものを従えていたとのことです」
は?魔物っぽい何かを従えてただと?
想定外ではあるんだが、それ以上にどんどん嫌な予感が強くなってきている。
常人ならばまず考えねえっていうか、
……だが、俺たちはそんな常識は振り払って、深い方を見据えなければならない。
楽観方向にばかり逃げてばかりの無自覚な思考停止、それは即ち死ぬことと同義だ。
世界の欺瞞を叩き込まれたあの夜から、俺は常にそれを心掛けてきた。
んでもって、そんな考えが一瞬でも過っちまったら行動するしかねえだろ?
「魔物まで絡むとなると、事は複雑だな……これは俺たちが出るしかないようだ」
「信仰ばかりの能無し共め、この際徹底的に叩きのめしてやる」
「気持ちは分かるけど、イグノックスはやりすぎ厳禁ですよー?」
そして、この3人も俺と同様の考えのようだな。
だからって、シンクロして賛同せんでもいいだろうに……。
まあ、こうなったらもはや俺たち以外では到底手に負えない案件だろうしな。
「というわけだ、俺たち4人で調査兼突撃と行かせてもらう。ラインヒルト先生、文句はねえよな?」
「本来でしたら、このような後ろ暗い案件をマドラーシュ様に携わって頂くなど畏れ多いことなのですが……そこは今更ですね」
「そこは国の暗部にも首を突っ込んでいく、素晴らしくも尊きマッド様ならではということにしておきましょう、ラインヒルト様。心配性も余り過ぎると、変な皺が増えてしまいますよ?」
「し、皺?一応私はエルフですから、そこまで気にするようなことでは……」
こらセラ、そういうこと言うもんじゃない!
確かにラインヒルト先生はこの国屈指の苦労人だが、流石に老け込むにはまだ早いだろうが。
むしろしょっちゅう真面目顔のレオン先生の方がよっぽどおじさ……いてっ。
「……俺も、一応まだ若いつもりだぞ。カルシオンの入れ知恵を鵜呑みにするのも程々にしておけよ?」
アンタもそういうの気にしてるのかよグランロード!
これじゃあキュイにおじさんって呼ばれた時におちおち笑っていられねえじゃんか。
というわけで、現在のアリーナ環境でもそこそこ暴れていて且つPvEでも対闇サブアタッカーになるレオン様です。
登場当時は対策が出来なかった麻痺や、LP・敏捷ダウン、味方のクリティカル耐性アップにそこそこ固いシールド自前張り可能とやりたい放題でしたねえ……
稽古試合で使用描写があるスキルは2つだけですが、そもそも彼の設定はグランサガ原作準拠な点が多いのでかなりチート寄りな強さです。
その分、伯父バカだったり意外と天然だったり意外と年齢気にしていたりと日常ではボケが多かったり
後しれっと主人公が新武器使ったり、思いっきり疾走居合だ次元斬使ってますが元ネタより普通に弱いです。
本作ではザトのスキルがベースですからね
そりゃあDMC基準の性能で打てたら、色々とヤバいことになる。
武器も、こちらはあくまでいい素材を使っただけの刀ですからね……。
アーイレン帝国が名前だけで出ていますが、正直扱いはまだ決めかねています。
まあ、国そのものが敵になるようなことは絶対にしませんけど。
そして、この実質4話目では新たな転天キャラ、要するに二人目が登場予定です。
一体誰が出てくるか、予想してみるのも面白い……のか?
Youは何を求めてこの作品を?(要するに需要調査です)
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転天キャラでのNLとか他絡みを所望
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グランサガの二次がレアすぎて
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バトルハードモードに釣られた
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ちらほらある(?)デビルメイクライ要素
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その他(そもそもの作風とか)