というわけで、今回の幕間2つ目です。
少々長くなってしまったので前後編で分けさせて頂きます。
本編の空白の2週間を記した話、いざ始まり始まり。
『違法研究所摘発の結果、俺がこの人型素材を略奪したってことにしたいんだが、特に問題ないよな!?』
『そんなの、何から何まで気に入らないからってだけの話だが?』
差し伸べられた救いの手の主は、どこまでもハチャメチャだった。
破天荒と言う言葉は、彼の為にあるのではと思うほどで。
その理由も、あくまで我を貫くためとまさに自分勝手の極みそのもの。
……しかし、そんな所業に天啓のようなものを感じてしまった。
思えば、この時には既に魅入られていたのでしょう。
気付けば、その底なし沼のような深淵に私は自分から足を踏み入れていた。
違法研究所から救出され、そのまま私は上級冒険者のケルビム様へ身請け元が変わることとなった。
伯爵家では表向きは一応ただの庶子ではあったので、傍から見れば惨めな奴隷転落のように見えることだろう。
無論、そんな有象無象の言うことなど知ったことではありませんけどね。
あんなクソッタレな連中の元で庶子とはいえ貴族の血を継いだ子として生きている方が滑稽でしょうに。
血筋など所詮は札でしかない……何ともまあ、愉快で残酷な現実だ。
あの悍ましい実験の実行犯は貴族崩れですが、裏で支援していれば同じ穴の貉──
いえ、むしろ表向きまともを演じている分最悪ですね。
己の身可愛さでそんな人外に堕落するくらいならば、奴隷とはいえ人としての生を全うしたいものだ。
それに、奴隷とは形だけでただ弟子として引き取られただけに過ぎない。
確かにその過程と手段は強引そのものでしょう。
しかし、それも私の踏ん切りがつかないからと責任を肩代わりして頂いた結果だ。
あのヤケクソっぷりには最初は驚かされましたが……。
まあ、後になればいい笑い話になることでしょう。
……今はまだ、笑い話をする自分という光景が浮かびませんけど。
「ヴィルジールとのコンタクトとかその他諸々は皆に任せるとして……俺らが見張り役も兼ねるってことだから、寝床は必然的にここってことになるか」
「魔物の死体が残っていることと、薄暗いことを除けば快適性はそう悪いものではありませんからね……変なこだわりですが、そこだけは感謝しておきましょう」
実際、この施設を一時的に押収出来なかったらどうなっていたことか……考えたくもないですね。
それほどまでに、今回の実行犯は処理に困る存在だった。
……かつてのクーデターに関与していた貴族の生き残りですからね。
素体を拉致してきたならず者たちは見方を変えればただの誘拐犯……通常の方法で裁いてしまえばいい。
それに対して、かつて裁いたはずの存在はそんな簡単に行かない。
処刑されたはずの存在が、表沙汰になってしまえばどうなるか?
……間違いなく、パレッティア王家の沽券が危うくなることでしょうね。
あらゆる可能性が考えられるが、かつての時代に逆戻りという最悪も考えられる。
ならば、人知れずに処刑すればいい……なんて簡単な話でもない。
ケルビム様やレオン様の話振りからすれば、このような動きは以前から兆候があったとのことで。
彼らは、今回の一件は氷山の一角でしかないと想定しているはず。
そうなれば、今回の捕虜は折角掴んだ情報源と言い換えられる。
出来れば徹底的に吐かせて、その上で確実に始末したい……欲張ってしまうのも無理はないでしょう。
それに、皆さま……特にケルビム様はこの国家の膿がとことん気に入らないご様子だ。
排除するなら徹底的にということで、その効率化の為ならば手段は選ぶつもりはない雰囲気すら醸し出している。
ジョーカーと言うにも生ぬるい切り札級のカード、ヴァンパイアとの縁すらもいきなり切るほどですからね。
この国にそぐわない思考を持つ、なかなかに豪胆な方だ。
かのアニスフィア王女殿下でも、そこまで至ることが出来るかどうか。
その下地を提言したのは私ですので、あまり人のことは言えないのかもしれませんが……。
「さて、とりあえず見張りだけじゃ速攻手持無沙汰だから約束の教導に移るかね。とりあえず……俺とレオン先生が使ってたのが魔法じゃないってことは理解してるな?」
「それは勿論。あれだけ派手な威力を出しながらも精霊の気配がまるで感じられませんでした。その時点で、あれがただの魔法という選択肢は除外されますよ」
「案の定現実をきっちり見た上での柔軟思考できるようで何よりだ。まだまともに立証されてないっていう仮説も含めた新概念の連打になるが、質問あったらすぐ言えよ?」
──そこからはまさに、怒涛の勢いでした。
最初に語られたのは、この世界における魔法の成り立ちや精霊という存在の詳細について。
続いて、魂や魔力の関係性を凡例含めて叩き込まれた。
ふと聞くと荒唐無稽に思えなくもないが、一つ一つを切り取って考えればどんなに穿ってみても破綻は見受けられない論説ばかりだ。
そして、『顕魂術』……精霊の代わりに、己が魂の分体を媒体とする新たな技術体系の話に繋がっていく。
アニスフィア王女殿下が提唱している『魔学』なるものとは明らかに違うものであることはすぐに理解できた。
魔法が使えない者が編み出したという点、そして魔法省を初めとする魔法至上主義者が眉を顰めるという点はまるで同じと言える。
しかし、その性質は真逆だ。
誰でも魔法が使えるように深く掘り進めるか、既存の枝を振り払って新たな地平を拓くか。
もし双方どちらかを選べと言われたら……私は『顕魂術』を選びたいですね。
こちらは完全に精霊信仰に染まり切った世の中を自ら否定するという、言うなれば潔さを感じられますので。
その下らない価値観に染まり切った愚か者を知ってしまったのも大きいですね。
あんな愚かしい姿を見てしまったら、反発精神を持つのも無理はないでしょう?
それに、あの愚者たちから心身共に離反する手段としても丁度いいことこの上ない。
無論、そんな姑息な考え方は当然ケルビム様にはすぐに看破されました。
が、彼から否定の言葉はまるで飛んでこなかった。
そのような利己的な思考こそが望ましいと言わんばかりに肯定と推奨の意を頂いたくらいでしたね。
『所詮は技術で使い方次第だ。そこに余計な他者を介入させる必要はない』──こう言い切っていましたね。
今の私にとって最も必要なこと……裏の意図としてはその辺りでしょうか。
魔力についてやその他の仮説や議論もそこそこに、顕魂術を行使する際のの屋台骨となる『彫魂石』も授かった。
最初は無色透明だった宝珠が、魂の一部分を取り込むことで変色する様はなかなか面白いものでしたね。
この色で属性適性が分かるとのことですが……。
「空色の瞳に因むなら、夜空色ってところか。闇、水、風辺りか」
元々の魔法では水属性のみの適性でしたので、増えましたね。
こういう例は少なくないとのことで、やはり魔法は精霊に縛られるという側面があると皮肉全開の笑みを浮かべていました。
「……にしてもこの魂の色、プリシラって案外ロマンチストな面もあったりするんじゃねえの?あの時もやたらノリが良かったからな」
「……どうなのでしょう。それはこれから次第かもしれませんね」
……今思い返すと、あの時は本当に熱に浮かされていたのですね。
ほんの少しだけ気恥ずかしくなったので、あえて挑戦的に返してしまいました。
そもそも、その面を僅かにでも引きずり出したのは他でもないケルビム様じゃないですか。
この後、少しだけ術を試し打ちして教導初日を終えた。
──何となく言い負かされた仕返しにと、就寝時には大胆にも添い寝を申し出てみました。
それを聞いた瞬間、『いや別の部屋で寝るから』と全力で逃走されてしまいました。
なるほど、年相応な初心さも持っているのですね……。
なかなかに可愛らしいではありませんか。
それはもう微笑ましくて、自然に上げた口端がなかなか緩めることが出来ませんでしたね。
ケルビム様を弟のように思ってしまったが、当然口には出さないよう必死にこらえましたとも。
4日ほどが経過した。
初日の軽い座学からは、ひたすら鍛錬及び実戦だった。
私の適性属性は闇が圧倒的で、風と水……それに加えて雷の適性もあるようでした。
まさかの4属性でしたが、魔法においても雷は風の派生属性なのでおかしなことではないという共通認識でしたね。
ちなみに、ケルビム様は全属性に適性を持つとのことで。
まあ、驚愕より先に納得してしまいましたけどね。
そのことを指し示すかのように、ケルビム様の彫魂石の色はそれはもう鮮やかな純黒だ。
それは、あらゆる色を混ぜた結果で……彼の気質と性質をこれでもかと表しているのだから。
属性に限らず、彼の考え方や戦闘技術が分かりやすいところでしょう。
あらゆる人物や土地で得たものを全て糧にした、いわゆる我流で混沌とした戦闘技術。
精霊に縛られていてはまず出来ない術の数々は、恐らく色々なものから発想を得たと推測できる。
この数日だけでも、その術のバリエーションの多さに何度驚いたことでしょうか。
もし魔法が使えたら、それこそ神童などと呼ばれた可能性すらある。
まあ、その場合は今のやりたい放題な強さを得ることは難しかったと思いますけどね。
「やっぱプリシラは飲み込みが早いな。これは俄然燃えてきたぜ……こっから特別な個人ステップと行こうじゃねえか」
このことを口にしてみたら、このようなお褒めの返答を頂きました。
そこから教導の方向性が見えてきたとそれはもう楽しそうに進めていましたね。
恐らく、この時から面白おかしく育つのではないかという期待を掛けられていた……ということでしょうね。
そして始まったのが、私の更なる適性の掘り下げ作業だ。
ケルビム様曰く、同じ属性でも更にイメージの志向性は個々で異なるとのことで。
クリスティーナ様は治癒や防護を得意としていたり、レオン様は伝説の再現を特異としていたり。
他にも剣戟に付与するのが得意、徒手空拳に混ぜる方が得意……それこそ色々なイメージ適性がある。
ものの試しに最初に行ったのが魔力探知作業でした。
魂から派生するとされる魔力そのものへの感覚を鋭くすることは、顕魂術においては必須事項と言える。
何せ己が魂を以て空想を為す術なのだ、それは当然の事。
その理解の基でこの1週間を過ごしてきたから、付け焼刃ながらも自身の魔力に対しては多少鋭くなったつもりだ。
しかし、今回はその感覚を己が内ではなく外界に向ける。
更に言うなら、自身以外の魔力を対象とする。
今回はものは試し……自分とケルビム様以外の魔力を把握できれば上々だろうか。
……その条件で探知の網を張ると、自分でも驚くほどしっくりくる感覚があった。
「ケルビム様。2名ほどこちらに向かう気配がございますが」
「──おいおい、まさか一発ツモか?使ったのは……闇と風か」
「魔力に対して自身が持つ感覚を網のように広げたのですが……流石にありきたりでしょうか」
自身の中で定義した感覚を魔力の網にした、というべきでしょうか。
闇属性を用いたのは、単純に魔力を察するところに己を潜り込ませるため。
これは魔法における闇属性のイメージから引用したところがあるのですが……少々無駄が多いでしょうか。
ケルビム様の表情は驚愕から満足げなものに変わっているので評価は悪くはない……はず。
「いや、その探知法は完全にオリジナルだな。魔力がちょいと洩れてる辺りが改善点だが、適性開花って意味では合格だ。おいおい、これはマジで楽しくなってきたぞ!」
どうやらまた期待値が底上げされてしまったようだ。
あの愉快そうな表情を見る限り、ここから色々と無茶振りが増えそうですね。
まだ初心者編とはいえ、この4日でもそれなりにギリギリを突いていらしたので。
まあ、並の者ならばあっさり根を上げることでしょうが……私にとってはいい心地だ。
あの忌まわしき伯爵家で虐待されていた頃を思えば、人間扱いをされている分天と地ほどの差すらも感じますね。
その上で、こんな私でも現実を覆すだけの力があると言わんばかりの期待をかけて頂いている……。
自己否定の底なし沼に私が沈んでもそんなのお構いなしとばかりだ。
私を引き揚げるその手はとにかく力強くて、そして熱い。
──そこまでされたら、いくらでも応えて報いたくなるではありませんか。
……っと、誰かがいらっしゃるのに感慨に浸ってはいけませんね。
「境遇の方は聞き及んでいましたが……なるほど、その眼は昔を思い出しますね」
「イグノックスやクリスティーナが明らかに目をかけていると言うから心配になって飛んできたのですが……何ともないようで安心しましたよ」
「エリオ姉さんは人の事なんだと思ってんだよ……実績はあるんだ、そこら辺はもうちょい信用してくれねえものかね」
「貴方の場合、楽しそうにすると大体が『やっちまったZE☆』なオチに繋がるから目を光らせないといけないんですよ」
それなりの量の荷物と共に入ってきたのは亜人種……ミケ族の女性と、それなりに長身の妙齢の美女でした。
ミケ族の方、エリオ様は実は名前だけは存じ上げております。
伯爵家で唯一まともに接してくれていた兄がいるのですが……。
彼はせめてもの慰みと言わんばかりに色々と私の部屋に書物を持ちこんでくれていた。
そのお陰で、私は読書に耽ることが多かったですね。
私が興味を引いたのが古代文明に関するものだ。
その中でも特に印象に残っていた論文のその執筆者が『エリオ』……すなわち、今ケルビム様に苦言を呈しているミケ族と同じ名前です。
恐らくは同一人物でしょう……グランナイツに所属しても違和感はありませんからね。
このような人物とも人脈……いえ、半ば血の繋がらない家族関係にあるケルビム様は本当に何者なのだろうか。
そしてもう一人の女性、名はセラと言うのですが……彼女はある意味で私と同類と聞きました。
スタンピードの被害で自身の命以外の何もかもを失い、無力感という絶望に苛まれているところにケルビム様に助けられ、手を差し伸べられたとのこと。
多数の魔物相手でも、臆するどころか嬉々として、それでいて無慈悲に撃退していく様には一種の神性を感じて一生ついていく形となったそうです。
……確かに、私もあの時のケルビム様には間違いなく魅入られていた身。
同胞と言っても過言ではないですね……性格的にも合わないことはなさそうですし。
「あちらは2週間弱でスケジュールに空白が生まれるとのことですね。尋問作業の方は、残念ながらそこまで芳しくないようで」
「所詮貴族崩れは下っ端でしかねえってことか?まあ、その可能性も考慮してもう一手打っておいたから、そっちの成果に期待ってことで」
「一体何を仕掛けたのですか?セラの表情からして、良からぬことに思えてならないのですが……」
「何を言いますかエリオ様。ケルビム様の全速前進やりたい放題は微笑ましい、是即ちこの世の真理です」
エリオ様は頭を抱えておりますが……そこはセラ様に同意するところですね。
ずっと地下にいても気が滅入るからと外に出ては魔物と戯れたりもしたのですが……。
その時のケルビム様の手口は、それこそやりたい放題そのもの。
全属性をきっちり使い切って、あらゆる手法で無駄の無さと鮮烈さを見せつけていく。
相反する要素を同時演出する様は、否でも目を離せなくなってしまう。
私への顕魂術の手本も兼ねているのでしょうが……まるで英雄譚をそのまま演じられるか如くでした。
『無慈悲な主役』という二つ名がこれ以上に無いほど相応しい。
冒険者が故に知る人が知るという面は残念でなりませんが……ケルビム様自身はまるで名声を気にせずただ思うがままに動くのみ。
呆れたり叱ったりする者も確かにいらっしゃるようですが、グランナイツも誰もが彼の行動に魅せられているのは傍から見て分かるほどです。
「そういえば、東の方でまた討伐依頼が増えているとのことでイグノックス様とクリスティーナ様が動いているようですよ。いっそケルビム様も彼女を連れて参戦しては如何でしょう」
「おわ、侍女まで平然と無茶振りかましてきましたね!?プリシラ、こんな急流に乗っちゃダメですよ。千里の道も一歩からって言葉もありますし、ゆっくり着実に……」
「勝手に飴と鞭をするんじゃねえっての。まあいい加減この辛気臭えところも飽きてきたし、それなら東部のどっかで構えるとしますかね。プリシラもそれでいいか?」
確かに、私もこの殺風景には飽きが回ってきたところです。
そろそろ恒常的に外の空気が吸いたくなる頃合いだ。
ですが、私はあくまで奴隷でありながら弟子……決定権は主であり師にある。
「全ては貴方様の意のままに。私は主であり師のケルビム様についていくだけです」
「ここにとんでも御付きがいるんだから刺激するようなジョークは止めてくれや」
とは言いますが、セラ様は全く怒る気配はなさそうですよ?
むしろ、同胞ここにありと喜んでいる風すら見受けられますね。
その後の移動の最中は、何となく互いが互いに色々と話したのですが……
まあ、ここは割愛としましょう。
強いてまとめるなら、無事に友誼を結んだ……ということで。
殺風景かつ辛気臭い空間から東部のとある街を拠点とした。
ケルビム様が冒険者ギルドで依頼を受諾して、私はサポート役として実戦経験を着実に重ねていく。
探査の網を張り、ケルビム様の自動魔力探知をより確実なものにする作業が主だ。
かなり地味な役回りに見えることだろう。
しかし、ケルビム様曰く『今まで95ほどの確信がより少ない手まで100になるのは助かる』とのことだ。
初見殺しの封殺を得意とするケルビム様にとって、相手の情報をいち早く得られるかどうかは相当比重が大きい。
それと共に、私の唯一の強みと言える探知術を深部に追い込んでいく。
網に用いる魔力の質を向上させることで、相手に探りの気配を悟らせないようにする。
探知できる魔力タイプを生物の分類図の如く分け、探知の段階で即座に列挙が行えるようにわが身を生き字引が如く改造していく。
索敵と言えば簡単に聞こえるかもしれないが、その深度はやろうと思えばどこまでも掘り進められるものだ。
彼の蹂躙演舞をより確実なものにするためならば、これくらい易々と出来て然るべきでしょう。
その上で思わぬ副産物として……索敵とはまるで違う方向性の閃きも得ることも出来ましたからね。
「いいぜ、好きにやってみろ。なんなら、これからは俺の許可なんて取らずに好き勝手やっちまっていいからな?」
ケルビム様に相談してみたら、このような言葉を頂戴しました。
ただの放逐全開の返しに聞こえますが、不満はありませんね。
信用や信頼が大いに含まれているのは、普段の私に対する物言いである程度は理解しているつもりです。
……そんな彼にも困ったところというか、意外な弱点もある。
「ケルビム様、今日こそは部屋の中でお休みくださいね?」
「ああくそ、何でベッド一つしかねえんだよこの部屋!」
師匠と弟子としてなら特に問題ないのだが、その垣根が必要ない場合となると唐突に一人になりたがる妙な癖がある。
──同年代の異性への免疫がやや少ない、要するにそういうことです。
これでも以前に比べれば多少はマシになったとのことですが、それでもクリスティーナ様やエリオ様よりはやりづらいとのことで。
……一応私の方が3つほど年上なのですが、それでも同年代の括りに入ってしまうのでしょうか。
とりあえず、弟子としてその弱点は看過できないので、少々荒療治紛いのこともしでかしてみたり。
師を床や外で寝かせるなど、弟子としてあってはならないことですからね。
──ああ、もちろん今のところは添い寝までですよ?
まあ、ケルビム様がお求めならば満更でも……おっと、これ以上は止めておきましょうか。
変なところでケチるくらいならそもそも別々に部屋を用意すればよいですって?
それでは面白くな……こほん、もとい金銭のやりくりの修行になりませんので。
虐待を受けている頃を思えば、これだけでも十分すぎる程まともな環境ですからね。
それに、私は弟子として師の身の回りの世話をする義務もありますので。
……見事に話が逸れてしまいましたね、
そんな感じで実戦経験を順調に積むこと5日ほど。
討伐依頼の消化ペースがかなり早くなってきて、分配されてなおそれなりの量となる資金の割り振りをしていた時でした。
「パーシモン子爵領の魔物の間引きが滞っちまって、お陰でスタンピードでもねえのにお祭り騒ぎだとさ。これは飛び入り参加待ったなしじゃね?」
いつものようにギルド支部に依頼を確認してきたケルビム様が、どこか面白そうな笑みを浮かべて戻ってきました。
なるほど、それは確かに喜色満面になっても無理はないですね。
パーシモン子爵領と言うと、東部の中でもより処理が面倒な魔物が集まりやすいという話を耳にすることが多いですね。
土地柄なのか、魔石持ちのフェンリルが出てくることも稀にあるとか……。
まあ、ドラゴンを狩りまくるというトンデモ英雄候補のケルビム様からすれば造作もない相手でしょう。
それでも、ややマンネリ化して半ば作業状態の現在の討伐任務連続消化よりは楽しめるはずだ。
「私も同行いたしましょう。索敵パターンを増やせますし、アレの実戦投入もそろそろ考えていたところですので」
「それでこそ俺の弟子兼戦闘補佐役だ。向上心を持ってこそ才は羽化する……もうそれを理解出来てる辺り、俺は本当に良き縁に恵まれたものだね」
「ふふ、それは私のセリフですよ……そうと決まれば、手早く旅の用意を致しますね」
やや酷なステップアップではあるかもしれないが、立ち止まるつもりなど毛頭ない。
折角舞い降りてきた機会だ、出来る限り糧にしなければ勿体ないというもの。
下を向いているだけで悉く機会を逸してきた分、今大盤振る舞いしないでいつするのか。
忌まわしき血筋など吹き飛ばすほどの成果、そして貴方様にとっての愉悦をもたらして見せましょう。
はい、というわけで需要など知らんとばかりのプリシラ回詳細編です。
唐突に書きたくなったから仕方ない。
主に顕魂術を教えていますが、『これはいける』と言わんばかりに実戦に放り込むスパルタ形式という。
その中で徐々に自己肯定感を取り戻す……とまあそんなところですかね。
というか、ヒロインであるユフィリアより攻め攻め案件はどうなのか。
危うくR指定に飛び込みそうなアグレッシブさ、でもマドラーシュの攻略法としては地味に正しいのがまた……。
まあ見ての通り、この時点で既にセラのような尊きモードなのでさほど問題ではない……はず!
Youは何を求めてこの作品を?(要するに需要調査です)
-
転天キャラでのNLとか他絡みを所望
-
グランサガの二次がレアすぎて
-
バトルハードモードに釣られた
-
ちらほらある(?)デビルメイクライ要素
-
その他(そもそもの作風とか)