リハビリ作品ということもあって毎回短めになってしまっていて申し訳ない限り。3000字目標にして書いてるはずなんですけどね…。
というわけで3話目です。
「……どこだここ。」
目を覚ましたら、そこは知らない天井であった、というのは度々創作で使われるフレーズだが、まさか自分が使うことになろうとは。
そんなことを考えつつ、寝ているベッドから体を起こし、辺りを見回す。
「やあ、おはよう。」
ベッドの横に備え付けられている椅子。本来ならベッドで寝ている私の知り合いかそれに近しい人が座っているべきその椅子には、どう考えても知り合いではありたくない、目隠しをした変態が座っていた。
「……」
「待って待って、無言でナースコールしようとしないで、説明するから。」
思わず病院の人を呼ぼうとナースコールのボタンを押そうとしたところ、慌ててその変態が私の現状を説明してくれた。
♢
「……つまり、あなたは呪術師で、あの屋敷で倒れてた私を拾ってここまで連れてきた、と。」
「まあだいたいそうかな。若干違うところもあるけど。」
「…ですが、なぜあなたは私を保護したんですか。メリットとかないと思いますけど。」
どうやらこの目隠し改め五条、ただの変態ではなかったらしい。案外真っ当な人物のようだ。
しかし少女から見ても、彼が自分を保護する理由がない。赤の他人である自分を保護するということはそれなりの利用価値が自分にあるべきだろうと彼女は考えたのだ。
「はー、随分達観してるねぇ。まあ小学生にもなってないだろう女の子を保護しないわけないだろうって言うのと……君の中にいるそれが理由かな。」
『おや、それはつまり私が怖いということかね?君ほどの人間が。』
突然自らの手の辺りから聞こえた声に驚いてそちらを見ると、明らかに自分のものでは無いだろう口が、自分の手の甲から生えていたのだ。
「…うわ。」
『……私だってこのような意思疎通の方法は取りたくないがね、貴公のような人間と契約してしまった以上、これが最も効率の良い意思疎通の方法なのだ、我慢してくれたまえ。』
「そうですか…。」
「随分面白い体になったみたいだね、君。」
少女と口の会話に、目隠しが笑いながらそう言った。
「……ま、君がそういう体になってしまった以上、うちの学校の方で君を保護する必要があるって訳。」
「学校、ですか。」
「そ。君を野放しにしてると上がごちゃごちゃうるさくてね。だから上に手を出される前に貰っちゃおーう!って寸法さ。」
学校は楽しいぞー!となにやら手をワキワキさせている五条を横目に、自らの手に着いている口の方を見る。
『…何かね。』
「あなたはそれでいいんですか。」
そう問いかけると、口はクク、と少し笑いつつ言う。
『構わないとも。私としては狂った人間がどのように過ごしていくのか、少し気になるところではあるのでね。貴公を観察することができるならば、その行動を縛るつもりは無いとも。』
「……そうですか。」
そうつぶやくと少女は顔を上げ、五条の方を改めて見る。
「お、決まった?」
「…決まったも何も、私に決定権なんてないですよ。……行きます、あなたの学校に。」
そう少女が言うと、五条はニヤリと笑って、「そう来なくちゃ」と言った。
♢
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