結局のところ、私は彼女達を、結束バンドを高く評価しているようで───過小評価していたらしい。
彼女達の演奏を聴いて率直にそう思った。
結束バンドの演順は一番最初。つまりトップバッター。
トリに次いで観客の印象に残りやすい、それ故にプレッシャーが大きくのしかかる順番。
もしも会場の空気に飲まれ、プレッシャーに押し潰されようものなら観客達はどう思うか?
「結束バンド? ああ、一番最初に
残念ながら、観客達にはそういう印象しか残らない。巻き返しができないのだ。三番目や四番目でのやらかしとは訳が違う。
しかも、一番最初にそんな空気にしてしまうことは、後に続くバンドにとって強烈な
これ以上盛り下がりようのない空気。つまり、トップバッターが失敗した時点で、観客達は後のバンドを、
「さっきのバンドよりはいいじゃないか?」「一番最初のバンドよりはマシだ」という風に、
でも、勝った。
彼女達は勝ったのよ。
想像を絶するプレッシャーを跳ねのけ、結束バンドは会場の空気の己の物とした。陳腐な言い回しにはなってしまうけど……彼女達は
それだけじゃない。
彼女達は体感した。
自分達の演奏によって、世界を塗り替えるような感覚を。
私も知っている。
この熱を。空気の振動を───自分達の世界が広がる瞬間を。何物にも代えがたい快感を。
「上ばかり見ていたら……足元をすくわれるわね」
結束バンドはこの経験を経て、バンドとしての殻を一つ破った。
認めよう。彼女達は、結束バンドは私達SIDEROSの脅威になりうる存在だと。
それと同時に、酷く同情する。
この後に演奏する───
「ヨヨコ先輩。なんかこうアンニュイな雰囲気で黄昏ているところ申し訳ないっすけど正しくは『足をすくわれる』っすよ」
「誤用警察はーちゃんだ!」
「それと~『足をすくわれる』っていうのは『卑劣なやり方で隙を突かれる』という前提があるので~今回のケースには当てはまらないと幽々は思います~」
「結束バンドさんは真っ向から観客をねじ伏せたっすもんね」
「ヨヨコ先輩って頭良いのにこういうところは締まらないですね!」
「でも、それが先輩のおもしろ……可愛いところだと思います~」
「うっさいわよあなた達!!」
せっかく私がライブ前の緊張感と高揚感で胸がいっぱいになっていたのに、どうしてこの子達は水を差すようなことを言うのかしら!?
「それにしても、まさか喜多さんが三曲目限定でボーカルに専念するとは……」
「ねー? すごかったよねー。いつもより気持ちが入っているというか……魂が震えてる感じがしたよね」
「喜多さんだけじゃなくて、他のみなさんもすごかったです~。ぼっちさんはギターが足りない厚みを微塵も感じさせない圧倒的なパフォーマンスで、リョウさんや虹夏さんはそんなぼっちさんをしっかり支えてて……」
「正直、鳥肌立ったっす」
喜多郁代がボーカルに専念する。それは私にとっても全く予想していないことだった。
ただ、なぜ彼女がそんなことをしたのか……その理由が、私にはわかる。
「あなた達、結束バンドを高く評価するのはかまわないけど……彼女達が私達に勝てると思っているの?」
しきりに結束バンドを褒めちぎるこの子達に、私は呆れながら問いかけた。
「まさか。さすがにそれはないっす」
「私達の方がすごいもんね~」
「それはヨヨコ先輩が一番よくわかっているのでは~?」
三人が私の問いに即答した。ふん、わかっていればいいのよ。わかっていれば。
たとえ結束バンドがどれだけ成長していようとも、勝つのはわた───
「ひとりちゃん大丈夫!? 顔がスライドパネルみたいになってるわよ!?」
「か、会場が盛り上がりすぎて……熱気で原形を保てなく……うぼぉあぁおぉfdgcbkjンkオkjbvyfr……!!」
「ぼっちちゃんやべえ音出てるって!! どっから出てるのそれ!?」
「虹夏、お茶」
「自分で取れ!!」
演奏を終えた結束バンドが帰ってきた。帰ってきたのはいいけどどうしてあなた達はいつもそうなるのよ!! さっきまで……さっきまで会場を吹き飛ばすくらい盛り上げていたバンドと同一人物なの!?
ほんとにもう!! 私達も人のこと言えないけど、締まらないわね!!
とはいえ……どうしても、私はあの子達に言いたいことがある。
「結束バンド、お疲れ様」
「あ、大槻さん」
ソファで屍になっている後藤ひとりを伊地知虹夏と喜多郁代が献身的に介護していた。山田姉は……零れ落ちた後藤ひとりの顔面のパーツを元に戻そうとしているけど、福笑いになってない?
くっ……人が今から真剣な話をしようとしているのに!! ええい、こんな空気に負けちゃダメよ大槻ヨヨコ!!
私はそこで、一度深呼吸した。
「これだけは言わせてちょうだい。あなた達はトップバッターの重圧を跳ね除け、会場の全てを味方につけた。私の想像を遥かに超える───素晴らしい演奏だった」
彼女達に伝えたかったこと。それは、演奏に対する純粋な賛辞であり敬意であり……混じり気のない私の本音。
「喜多郁代」
「は、はいっ……!」
名前を呼ぶと、なぜか彼女は緊張した表情になり背筋をピンと伸ばした。
「ギターボーカルであるあなたが
「私は……自分が未熟なことを自分が一番わかっています。大槻さんのような、プライドもない。そんな私が、今の結束バンドで何ができるのか……考えた、結果です。全ては、最高のパフォーマンスをするために……そして───あなた達に勝つために」
未熟故の強さ。
私が持ちえない。いえ、かつて私が持っていたかもしれない強さ。
だけど、過去の私にできたかしら? 自分の弱みを受け入れ、勝利のために、バンドのためにプライドを捨てることが。
「喜多郁代。私はあなたを尊敬する」
自然と、そんな言葉が口を突いた。
「喜多郁代だけじゃない。後藤ひとり……あなたはギターが一人少なくなることの弱みを微塵も感じさせない素晴らしい演奏を見せてくれた。山田姉と伊地知虹夏は後輩達の
私がここまで他のバンドを褒めることは珍しいのよ。だけどあなた達は、それだけのものを私達に見せつけた。
「その上で、宣言する───勝つのは、私達」
私が彼女達に宣言すると同時、スタッフから声がかかる。
「SIDEROSのみなさん。スタンバイお願いします!」
さあ、行くわよみんな。
結束バンド色に染まっているこの会場を、空気を───全部全部ぶっ壊す。
勝てる。
勝っている。
結束バンドの後に続いた
「結局、六番目のバンドも流れを変えられなかったか……」
「星歌さん、率直な意見を聞かせてください。ここまでで、結束バンドの出来は何位ですか?」
「言うまでもねえよ。文句なしの一番だ」
二番目以降のバンドのレベルも確かに高かった。全国の予選を突破し、ここまで勝ち上がってきた実力は本物だ。
だけど、それでも……今日の結束バンドは、どのバンドよりも上だった。
「ただ、お前もわかってんだろ?」
「……はい」
そう。この後に───
「
星歌さんの言葉と共に、真っ暗だったステージに光が差す。
「さあ、いよいよファイナルステージも大詰め!! 残るはトリを飾るこのバンド!! 前大会の優勝バンドにして、全国ウェブ予選をぶっちぎりの一位で勝ち抜いた今大会の優勝候補ナンバーワン───SIDEROS!!」
MCの熱い熱い口上の後に、ステージの上に四人の姿が現れた。
その中心に立っているのは───俺が知る限り、十代最高峰のギターボーカル、大槻ヨヨコ。
スポットライトを浴びる彼女の姿は、どこか厳かで、幻想的ですらあった。
そんな彼女と───視線が交錯する。
「多くは語らないわ」
俺の知らない彼女がそこにいた。
「あなた達の全部───私達が貰うから」
SIDEROSが炸裂した。
あくびちゃんのカウントからヨヨコ先輩が突っ走る。
メタルというものは、一口に言ってもサブジャンルを含めれば五十を超えると言われている。俺自身、邦ロックを中心に聴いているからメタルに詳しいってわけじゃないんだけど……いやそもそも、ヨヨコ先輩と出会うまでメタルをちゃんと聴いたことってなかったんだよね。
だけど俺は、出会った。出会ってしまったんだ。
二年前の、あの路上ライブ。
ヨヨコ先輩が、たった一人でギターを弾き、歌っていたあの日。
俺の世界が変わった気がしたんだ。
大げさだと思うかもしれない。俺くらいの年齢特有の痛い錯覚だと思うかもしれない。
でも、それがどうした。
あの感動は……心が、身体が、魂が燃え上がるような感動は俺にしかわからない。俺だけのものだ。
『あ、あのっ……!』
『な、ななななんなにっ!?』
『い、いきなりすみません……そ、その……あまりにもすごい演奏で、俺、感動しちゃって……つい声をかけちゃいました。ご、ごめんなさい!! き、気持ち悪いですよね突然!! えっと、その……応援してます! がんばってください!』
『あ、え……? あ、ちょ……ちょっと待って!』
俺とヨヨコ先輩のファーストコンタクトはこんな感じだ。今思い出してもものすごく恥ずかしい。なんだよこれ。コミュ障丸出しでひとりのこと偉そうに言えないよ。
でも、それくらい……言葉を失う───何を言っていいかわからなくなるくらい感動したんだ。
そして、今───
あの出会いを思い出させてくれるような、いや……それ以上の感動を、俺は味わっていた。
ヨヨコ先輩の刻むようなギターリフ。クリーンボイスとスクリームの使い分け。力強さとメロディアスの調和。速さ一辺倒ではない、絶妙なテンポダウン、緩急。
そして、あくびちゃんの派手で疾走感あふれるフィルからのふーちゃんの唸りをあげるような硬質なギターリフ。ヘヴィでスリリングなリズムを刻む幽々ちゃんのベース。
メタルの醍醐味が、魅力が……これでもかというほど詰め込まれていた。
私を───私達だけを観なさい!!
彼女達の演奏は俺達にそう訴えかけていた。
そして事実、この会場にいる誰もが、全員が、一人残らず彼女達の演奏の虜になっていた。
「は、ははっ……ここまでか、ここまでやるかよSIDEROS」
隣から星歌さんの乾いた笑い声が聞こえてくる。
この一年、いや……先輩と出会ってからの二年間。先輩のライブは何度も何度も観てきた。つい、一ヶ月前だって……
でも、今日のSIDEROSはあの時とはまるで別人。
そこで俺は、
ああ、そうか。
成長しているのは───結束バンドだけじゃないってことか。
「長らくお待たせいたしました!! いよいよ審査結果の発表だ!! 今大会は本当に、ほんっとうに過去に例を見ないくらいレベルが高くて俺達審査員も揉めに揉めた!! 気持ちだけなら全員に優勝トロフィーをあげたいんだけどそうもいかない!! ここに立った彼ら彼女らは全員優勝を目指してここまでやってきたんだ!! 今さらおててつないで仲良しこよしの優勝なんて、そんなわけにはいかねーよなあ!!」
SIDEROSの演奏が終わり、しばらくの間審査のために時間が空くことになった。その空き時間、俺と星歌さん、えれちゃんの間に会話はなく、ただただ演奏の余韻に浸っていた。
だけどえれちゃんはそんな沈黙が気まずかったのか、俺の気を引こうと俺の服の袖をつんつん引っ張ったりしていたけど俺が苦笑するだけに終わってしまう。
「いよいよ、ですね」
「だな」
「ふ、二人だけの世界に入らないでくださ~い! えれも、えれも仲間に入れて~!」
「ごめんごめん。えれちゃん、一緒に見届けようか」
「はいっ!」
えれちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねて自分の存在をアピールする。実年齢よりも結構幼い感じだなこの子。
「まずは審査員特別賞───マスカフィッシュ!!」
ステージに出場バンド全員が登場し、名前を呼ばれたバンドにスポットライトが当てられ、会場から大きな拍手が送られる。マスカフィッシュ……SIDEROSの前に演奏していたバンドだ。
「続いて第三位───カタカタ想い!!」
次に呼ばれたのは……二番目に演奏、つまり結束バンドの後に演奏したバンドだ。結束バンド色に染まった直後の演奏にもかかわらず第三位。彼らの実力も、紛れもない本物。
そして残るは───優勝か、準優勝か。
唇が、渇いているのがわかる。
吐き出す息が、震えているのがわかる。
心臓が、爆ぜるんじゃないかと思うほど高鳴っているのがわかる。
言っておくけど、俺は絶対に神様なんかに祈ってやらない。
神様の力を借りなくても、彼女達なら───結束バンドなら必ず自分達の力で優勝を掴み取る。
結成して、一年
たった、一年
努力が報われるには、短すぎる時間
人によってはそう思うかもしれない。
誰もが無謀な挑戦だとあざ笑うかもしれない。
だけど、だけど、だけど───
俺は決して───笑わない。
「
今まで一番、大きな拍手が会場から送られる。
会場の盛り上がりとは裏腹に、俺の頭の中は酷く冷静だった。
そうか……そうか。
まだ、届かないのか。
「優勝は───SIDEROS!! これでSIDEROSは大会二連覇を達成だーーーっ!! 全く、とんでもねえ連中が現れやがったぜ!! 俺達は今!! まさに!! 歴史が動いた瞬間を目の当たりにしているのかもしれない!!」
爆発と、振動。
空気が、揺れる。
歓声とも、怒号とも言えるそれが会場内を包み込んだ。
周囲の喝采をよそに、俺は静かに、そしてゆっくりと視線を結束バンドへと移す。
彼女達の表情を見て、俺は即座に理解した。
準優勝という華々しい成績に───
そんな彼女達の姿に安心すると同時に、俺は静かに手を叩いていた。
誰が何と言おうとも、それでも俺は伝えたい。
結束バンドの健闘に、SIDEROSの優勝に───惜しみない賞賛と敬意を。
「次は、負けない」
自然と、そんな言葉がこぼれていた。
「おう……ぞうだな……」
「号泣しながら言っても説得力ありませんよ」
「うるぜえっ……!」
「それ、
「
星歌さんは美人さんがしちゃいけないくしゃくしゃの泣き顔で全力で拍手している。こうやって全力で応援して、感情を隠すことなく純粋に振舞うところが星歌さんのいいところだよね。
「……感動しました」
「えれちゃん?」
そして、それまで静かだったえれちゃんがぽつりと呟いた。
「えれ、楽器のこととかバンドのこととかよくわからなくて……ただただ顔が良くて格好良いからっていう、すごくミーハーな理由でここまでやってきちゃいましたけど……なんでしょう、この気持ち。上手く言葉にできなくて……全部の演奏に感動して……」
「俺も同じ気持ちだよ。本当に、最高の演奏を見せてくれた。心の底から、そう言える」
「えれが感動したのは、演奏だけじゃありません! 結果が発表されてからの、レンさんの姿にも感動しました!」
「……俺の?」
「はい。レンさんは、結束バンドが準優勝でSIDEROSが優勝だとわかって……本当は悔しいのに、すごくすごく悔しくてたまらないのに……でも、そんな悔しさを見せないで、俯かないで……みんなに拍手を送っていました。そこにレンさんの、しゅきぴに対する深い深い愛を感じました。えれも見習わなければいけません」
人のことをよく見てるんだな、この子。ついさっきの、ほんの少しの時間で俺が思っていたことや、結束バンド、SIDEROSに対する気持ちを、えれちゃんは理解していた。
この子は、俺が思っているよりもずっとずっと人の心の機微に鋭くて、思いやりのある優しい子だったらしい。
えれちゃんの純粋な笑顔を見て、俺はそう思った。
だからこれからは、彼女に対する認識を改め───
「だからえれに───愛を教えてください」
前言撤回。えれちゃんはえれちゃんだったよ。
その瞬間、あたしの頭の中は真っ白になっていた。
何度も何度も経験してきたライブ。何度も何度も練習してきた曲。
誰もが、結束バンドの全員が持てる力の全てを賭した演奏。
間違いなく、過去最高の出来。
誰にも文句は言わせない。
あたし達が一番だ。
「優勝───SIDEROS!!」
だけど、彼女達はそんなあたし達の上を行く。
まだ……まだ足りないんだ、あたし達は。
彼女達に勝つにはまだ……
結束バンドを結成して一年、前回大会から九ヶ月、前回の音源審査落選からの今回の準優勝。
「よくやった」と人は言うだろう。
「大健闘だ」と。「準優勝は立派なことだ」と。
そうだよ。たった一年でここまでやってきたんだ。何の実績もなかったあたし達が、準優勝っていう立派な成績を収めたんだ。
だから、この結果に満足───
できるわけがない!!
あたしは……あたし達は優勝を目指していたんだ!! SIDEROSがあたし達よりすごいバンドだってことは最初からわかってた!! だけど!! それでも!! あたし達は本気で、勝つための努力をずっと続けてきたんだ!!
この結果に満足してしまったらバンドの成長が───終わる。終わってしまう。
あたしはそう、確信していた。
だからあたしは安心したんだ。
振り返って、みんなの顔を見た時───誰もこの結果に満足していなかったことに。
「では、準優勝の結束バンド───前大会の音源審査落ちからの大躍進……本当に素晴らしかった。何か一言、お願いします!」
MCの男性があたしにマイクを向けてくる。
ああ、どうしよう。言いたいことはたくさんある。悔しくて悔しくて、何一つ満足していないこのぐちゃぐちゃな感情を全てぶちまけてしまいたくなっちゃったよ。
そこで、気付いた。
最前列でレンくんがあたし達を───あたしをじっと見ていることに。
レンくんの表情を見て、わかった。
君も、この結果に満足していないんだね。
あたし達と同じ気持ちなんだね。
でも……それでも結束バンドとSIDEROSに対して賛辞を、敬意を送らずにはいられない。
君はそう思っているんだね。
───ありがとう。
君を見て、心が少し落ち着いた。
そして、そんなあたしの胸中を察したように、レンくんの唇が動く。
と同時に、あたしもレンくんと同じ言葉を紡いでいた。
「次は、負けない」
その一言に、尽きる。
あたしの言葉にMCの男の人は目頭を押さえて俯く。そして、次に顔を上げた時、彼は心の底からあたし達を応援するような笑顔を浮かべていた。
そのまま何も言わず、彼はSIDEROSへ───大槻ヨヨコさんへマイクを向ける。
そして彼女は、あたし達を真っ直ぐに見据えてこう言った。
「次
Tokyo Music Rise Spring
応募総数三三四組
ファイナルステージ進出七組
優勝 SIDEROS
準優勝 結束バンド
三位 カタカタ想い
審査員特別賞 マスカフィッシュ
あたし達の春が───終わった。
「どうでしたか?」
「ええ。本当に素晴らしい演奏を見せていただきました。若さ故の純粋さと奔放さ。燃え滾るような情熱。技術はまだまだ拙いながらも
「とすると……」
「はい。彼女達は満足していませんが、それでも準優勝という
「わかりました! そうおっしゃっていただけて、あたしも推薦した甲斐があったというものですよ! では、具体的にいつ声をかけますか?」
「上の許可が下り次第すぐにでも」
「わかりました~! あ、彼女達との連絡は任せてくださいね!
「確かに……いきなり私のような
「はい。任せてください!