【完結】俺の姉貴はやべーヤツ   作:わへい

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 全世界5000億人の喜多ちゃん推しの皆様、お待たせいたしました!

 そして先に謝っておきます! 喜多ちゃん推しの皆様ごめんなさい!

 完全にギャグシナリオなので閲覧は自己責任でお願いします。



√K 恋の陰陽師

「レンくん、私達付き合いましょう!」

「……血迷ったか喜多さん」

「それが可愛い女の子に告白された男の子のリアクション!?」

 

 高校一年の夏休み明けの九月某日、STARRYでミーティングを終えた結束バンドの前で喜多さんが俺に向かってそう言い放った。この子が突拍子もないことを言い出すのは割と慣れっこなんだけど、今回は輪をかけて酷いな。どういう思考回路をしていたらそんなことになるのやら。

 

「き、きききき喜多ちゃん!! や、やややまっまやまやまだくんのこと、しゅ、好きだったんれすか!?」

「いいえ」

「じゃあなんでレンくんにいきなり告白したの!?」

 

 あっさり否定した喜多さんが虹夏ちゃんに盛大にツッコまれる。後藤さんは痙攣しながら今にも爆発しそうになってて、姉貴は無表情で喜多さんをじーっと見つめていた。

 

「レンくんは今、恋を知らない悲しき恋愛学習マシーンになってしまったわよね?」

「喜多さんのせいでね」

 

 夏休みに別荘に行って夜中に喜多さんと一緒に「僕の初恋を君に捧ぐ」を見た結果、俺は色んな人に「恋とは何か」ということを聞いて回っていた。知り合いには一通り聞いて回ったから、今はそれを昇華する段階にきている。

 

「そう、全ての責任は私にあるのよ。あの映画を見せてしまったせいでレンくんの恋愛に対する価値観……というよりもハードルがものすごく上がってしまった。このままだとレンくんは誰に恋することもなくハゲ散らかした行き遅れおやじになってしまうわ」

「最後のハゲ散らかした行き遅れおやじっている?」

 

 誰だって好きでハゲになる訳じゃないんだ!! 世界中のハゲに謝れ!!

 

「だからレンくんには私と付き合って───恋を知ってほしい」

 

 喜多さんは少し恥ずかしそうに頬を赤く染めながらそう言った。

 

 なんて殊勝で健気で可愛い女の子なのでしょう。普通の男ならこんな喜多さんの姿を見てしまったら一目惚れしてしまうに違いない。

 

 そう、普通の男なら。

 

 残念ながら俺は普通の男じゃないし何なら喜多さんが殊勝で健気で可愛いだけの女の子じゃないということも知っている。

 

「で、本音は?」

「レンくんと付き合ったら自動的に先輩の義妹になれるからそこからどうにかして先輩の娘に進化できないかと思って」

「相変わらずとち狂ってるね」

 

 どうせそんなことじゃないかと思ってた。というか「娘に進化する」って何? 字面が意味わからん上に俺としてはそんな野望はさっさと捨ててほしいんだけど。

 

「先輩の娘になる……つまり先輩は私のお母さん。よくある『大きくなったらパパと結婚するー!』ということを踏まえれば先輩はすでに先輩のお父さんと結婚していると言っても過言ではない。先輩と先輩のお父さんが結婚している→レンくんは先輩の娘=レンくんと付き合っている私は自動的に先輩の義娘……これだわ!!」

「はいはい解散解散。後藤さん、駅まで送っていくよ」

「あ、ありがとうございます」

「どうして私の熱い思いを無視するの!?」

「熱いからだよ!!」

 

 喜多さんが駄々っ子の様にいやいやと首を振りながら俺のシャツを引っ張ってくる。後藤さんの痙攣は収まっており、虹夏ちゃんは心底呆れた表情で喜多さんを見ていた。姉貴は変わらず無表情だったけど。

 

「そもそも俺は恋がどういうものかちゃんと理解できるまで誰とも付き合うつもりはないから」

「その『恋』を知るために誰かと付き合ってみるのもありじゃない?」

「……喜多さんのくせに一理ありそうなことを言いやがって」

 

 実際、告白されてから相手のことを好きになるというのはよくある話だ。ただ、告白してきた相手が自分に恋愛感情を抱いているということが大前提なんだけど……今回はその前提がぶっ壊れてるからなぁ。

 

「それにレンくんは色んな人から恋について話を聞いていたでしょう? だからそろそろ次のステージへ……つまり学んだことを実践する段階へ進む必要がある。私と付き合って色々試してみればいいじゃない」

「……確かに、いつか本当に好きな人ができた時のために学んだことを喜多さん()実験しておくのもあり、か」

「レンくんの思考が喜多ちゃんに侵食され始めてる!?」

「そうよレンくん! 私はレンくんと付き合うことで先輩の娘になれる。レンくんは私と付き合うことで恋を深く理解することができる(かもしれない)。まさにwin-win!」

「つまり喜多さんにとって俺は姉貴の娘になるための踏み台で、俺にとって喜多さんは本当の恋を理解するための踏み台ってことか」

「そういうことよ! 互いの目的のために互いを利用し合う……私達、お似合いの踏み台カップルね!」

「こんな打算だらけのカップル初めて見た!!」

 

 またもや虹夏ちゃんに盛大にツッコまれてしまう。ずいぶん後になってから思ったことだけど、この時の俺は本当にどうかしてたな。ま、まあ? 色んな人から恋について話を聞いてて情緒不安定だったしぃ?

 

「レンくん、ほんとにいいの!? そんな理由で喜多ちゃんと付き合っちゃっていいの!?」

「じゃあ虹夏先輩とレンくんが付き合います?」

「なんでそうなるの!?」

「……喜多さん、こんな理由で虹夏ちゃんと付き合えと? 俺にそんな不義理な真似をしろと? ───虹夏ちゃんに対して?」

「喜多ちゃんに対しては不義理な真似ができちゃうの!?」

「ふぐぅ……なんという重力波……!? 虹夏先輩からだけじゃなく、レンくんから虹夏先輩への感情もこんなに重かったなんて……!!」

「喜多ちゃんは喜多ちゃんでサイヤ人の重力トレーニングみたいになってる!?」

 

 喜多さん、俺の虹夏ちゃんへの愛を甘く見ない方がいい。仮に虹夏ちゃんが誰かと付き合っても嫉妬とかはしないけど、相手がとんでもないクズ男だったらどんな手を使ってでも別れさせてクズ男を潰す覚悟はあるから。

 

「リョウ! 大事な弟くんがとんでもない理由で付き合い始めようとしてるよ!」

「相手が郁代なら問題ない。それに、どういう結果になってもレンの情緒の成長に一役買ってくれそうだし」

「姉も姉で打算的な思考をしてるな!! この二人が付き合っちゃうとぼっちちゃんの精神にもおっきな負担がかかって───」

「あ、なぜか()()二人には青春コンプレックスが発動しないので大丈夫だと思います」

「ぼっちちゃんが爆発しないってよっぽどだよ!?」

 

 俺と喜多さんの間には微塵もあまあまな雰囲気はないからね。というか、喜多さんとあまあましているところが全く想像できないんだけど。

 

「虹夏、よく考えてほしい。とある複雑な事情から付き合わざるを得なくなってしまった二人は最初こそお互いに恋愛感情なんて抱いてなかったけど同じ時間を過ごしている内に二人の間に新しい感情が芽生えてくる……王道のラブコメでは?」

「付き合うきっかけに目を瞑ればね!!」

「リョウ先輩の言う通りです! 初めは偽物だったはずの恋人関係なのに知らず知らずお互いに惹かれていく……まさに『ニセコイ』ね! レンくんには覚悟の扉を開いて幼馴染の結婚式を無責任にぶっ壊してキムチを食べてもらわなくちゃ!」

「え? 俺あんなクズムーブしなくちゃいけないの?」

「喜多ちゃんの理論だとレンくんがあたしの結婚式をぶっ壊すことになっちゃうよ?」

「でも俺、虹夏ちゃんが四十歳のおっさんと結婚するって言い出したら絶対阻止するよ」

「……そうなったらちゃーんと責任取ってね?」

「もちろん。その時は俺と結婚しよう」

「えへへっ。そうだね♪」

「こらーっ! レンくん、私を差し置いてなんで虹夏先輩と良い雰囲気になってるのよ! 私達もう付き合ってるでしょう!?」

「そーなの?」

「そーなの!」

 

 打算まみれでお互いがお互いのことを踏み台としか思っていない最低のカップルになりそうだけど喜多さんはそれでいいの? これがラブコメ漫画の第一話とかだったら読者から反感を買いまくると思うよ。

 

「喜多さん、俺が恋愛感情を理解するための糧になってください」

「レンくん、私がリョウ先輩の娘になるための糧になってください」

「こんな最低の告白現場初めてだよ!!」

「ある意味お似合い」

 

 こうして、紆余曲折を経て俺と喜多さんは付き合うことになったんだ。

 

 

 

 

 

 

「レンくん、パラメータを上げるだけじゃなくてちゃんと女の子をデートに誘わないとダメじゃない」

「能力上げるの楽しい。俺はこいつを学力テスト一位かつインターハイで優勝するイケメン生徒会長に育て上げるって決めたんだ!」

「ゲームの趣旨が完全に変わってるわよ!!」

 

 喜多さんと付き合い始めて一週間、放課後の教室で俺は恋愛ゲームに勤しんでいた。俺が恋愛感情を学習する上での必須アイテムだって喜多さんに勧められたけど、女の子を攻略するより主人公を完璧超人に育て上げる方が楽しいんだよね。

 

「喜多さん、この選択肢だとどれがいい?」

「真ん中ね、間違いないわ」

「……評価いまいちなんだけど。はーつっかえ。喜多さんほんとに女心わかってる?」

「シナリオライターがおかしいのよ。私は何も間違ってないわ」

「あんたら少しはカップルらしいことしたらどうなん?」

 

 とうとう佐々木さんにツッコまれてしまった。後藤さんも後藤さんで俺と喜多さんに残念な物を見るような目を向けてくるし。まあ、確かに今の俺達は客観的に見て付き合い始めたばかりのカップルじゃないよね。

 

「失礼ねさっつー。これでもお昼休みに一緒にお弁当を食べたりバイト終わりは一緒に帰ったりしているのよ」

「そうそう。それに佐々木さん、俺は付き合い始めてから一週間で『かれぴっぴポインツ』を16ポインツも稼いだんだからね」

「『かれぴっぴポインツ』って何!?」

 

「かれぴっぴポインツ」とは読んで字のごとく「今の彼氏っぽいムーブだったわね!」と思われる行動を取った時に加算されるポイントのことだ。ちなみに喜多さんには彼女っぽいムーブをした時に「かのぴっぴポインツ」が加算されるようになっている。

 

 そして「かれかのぴっぴポインツノート」にポイントが加算された日付と行動をしっかり記録に残していた。

 

「私の『かのぴっぴポインツ』はまだ8……やるわねレンくん」

「ふっ……だてに恋愛学習マシーンやってないからね。これくらい造作もない」

「あんたらって()()()()バカップルだね」

「レンくん、私達すごく仲の良いカップルに見えてるらしいわ!」

「かぁ~っ! これは俺が恋愛感情を理解する日も近いな~っ!」

「ほんとにバカだねあんたら。……後藤もこんなのがいつも近くにいたら大変でしょ?」

「あ、でも『かれかのぴっぴポインツシステム』は私の『バーベキューポイント』が元になってるんですよ~、ふへっ」

「なんで誇らしげ? 周りもバカばっかりだったか……」

 

 佐々木さんが大きなため息を吐いている。元々俺も喜多さんと付き合ったところできっかけがきっかけだからあま~い雰囲気になんてならないとは思ってたけど、これはこれで楽しいからいいんだよ。喜多さんも楽しんでるし。

 

「喜多と山田……学校でも人気者同士のカップルだから二人が付き合い始めたって聞いた時は各所に衝撃が走ったのに……その実態が()()とか。頭が痛くなるよ」

「佐々木さんが苦しんでる……ここは俺のかれぴっぴムーブでポイントを稼ぐチャンス!」

「抜け駆けはずるいわよレンくん! 私がさっつーを元気づけてポイントを稼ぐんだから!」

「あ、どちらにポイントが加算されるかは私が判断しますね」

「後藤も後藤で変な楽しみ方してるし。はぁ……あんたなら目の前にカップルがいたら爆発しそうなもんだけど……」

「わ、私のリア充カップルに対する耐久力が上がったってことですね。ふへへ……」

「成長したわねひとりちゃん。だけど、いつか必ずあなたを爆発させてあげるんだから!」

「ま、負けませんよ喜多ちゃん……!」

「山田ぁ……ウチはもう疲れたよ……」

「佐々木さんの頭の上に選択肢が見える『優しく頭を撫でる』『何も言わず黙って抱きしめる』『ハイテンションで一発ギャグをする』さて、どれが正しいのかな?」

「山田の脳がギャルゲーに侵食されちゃったぁ……」

「あ、山田くん。一発ギャグなら私の新作がありますよ」

 

 これが俺と喜多さんの日常だ。放課後は大体こうやってバカなことをやってお互いに隙あらばポイントを稼ごうとしてそのジャッジを後藤さんや佐々木さんにお願いして……いや、喜多さんも言ってたけどちゃんとカップルらしいこともしてるからね。そういう雰囲気にならないだけでやることはしっかりやってますから!

 

 

 

 

 

 

「というわけで、今月の俺の『かれぴっぴポインツ』は121。喜多さんの『かのぴっぴポインツ』は104……よって俺の勝利!! 大勝利!!」

「ぐ、ぐぬぬ……こんなはずでは……やっぱりスタバでの『新作飲み比べいちゃいちゃイベント』で差をつけられたわね」

「あなた達は一体何をやっているのよ!?」

 

 十月一日、文化祭ライブに向けての喜多さんの特訓兼俺と喜多さんが付き合い始めたことを大槻先輩達に報告するために新宿FOLTへとやってきていた。九月の「かれかのぴっぴダービー」は見事俺の勝利に終わり、俺はルーズリーフに筆ペンででかでかと「勝訴」と書いてSIDEROSのメンバーに見せつける。

 

 あくびちゃんとふーちゃんと幽々ちゃんはそんな俺に温かい拍手を送ってくれたけど、大槻先輩だけは俺達に盛大なツッコミを入れていた。

 

「いや~まさかレンさんと喜多さんが付き合うことになったとは……」

「びっくりしたよね~。一番()()と思ってた組み合わせだもん」

「幽々は虹夏さんかぼっちさんと付き合うと思ってました~」

 

 俺と喜多さんがこれまでの経緯を四人に事細かく伝えると大槻先輩以外の三人はあっさり受け入れてくれて、先輩だけはむすっとした表情で俺を見ていた。まあ、打算まみれの踏み台カップルですからね。先輩がそんな顔をするのも無理はないです。

 

「あのね……百歩譲って山田の『恋愛感情を理解するために付き合う』っていうのは理解できるわ。百歩譲ってね! だけど喜多郁代!! あなたが山田と付き合う理由だけは理解できないわ!!」

「わかりました! じゃあ今からリョウ先輩の魅力を三時間くらいねっとりじっくりお話ししますね!」

「そんな暇があるなら歌とギターの練習しなさい!」

 

 先輩の常識的な反応を見ていると安心しますよ。多分大槻先輩は佐々木さんとも仲良くやれると思う。

 

「じゃあ喜多さん、今月のポイント査定も終わったし契約更改に移ろうか」

「はぁ、仕方ないわね……」

「査定と契約更改があるカップルなんて聞いたことないわよ!!」

「付き合うにあたって二人で決めたルールなんです」

「大槻さん、ポイントを貯めるのって意外と楽しいのよ?」

「普通は1ポイントずつ加算されるんですけど、後藤さんの琴線に触れた行動だと一気に5ポイントとか稼げるんですよね~」

「後藤ひとりがジャッジしてるの!? あの子の性格的に絶対無理でしょ!!」

「ひとりちゃん、すごくノリノリなんですよ。『山田くんと喜多ちゃんが付き合っているところを見ても青春コンプレックスが発動しない……? つまり私はすでに恋愛マスターへと進化していた? れ、恋愛マスターである私が公平なジャッジをしてあげますよ~』って感じで」

「後藤ひとりにそう思われるってカップルとして見られてないだけじゃない!?」

「でも、俺も喜多さんも別にふざけているわけじゃないんです。いたって真面目にお付き合いしててですね……」

「だから余計に性質が悪いのよ!」

 

 確かに打算まみれではあるけど、俺は俺で真剣に恋愛感情を勉強しようとしててその上で喜多さんを全力で楽しませようとしてるし、喜多さんも喜多さんで真剣に姉貴の娘になろうとしててその上で俺を全力で楽しませようとしてくれてて……

 

 あれ? もしかして俺達ってお似合いカップルなのでは?

 

「レンさん、そのポイントって貯めて何か意味があるんすか?」

「毎月こうやってポイントを集計して多かった方が付き合う上でのルールを一つ追加できるんだ」

「わ~、面白そう! どんなルールにするか決めてるの?」

「うん、決めてるよ」

「やだっ、レンくんったら私にどんな命令をしちゃうのかしら?」

 

 ふーちゃんと喜多さんがワクワクした表情を浮かべながら俺に期待の眼差しを向けてくる。言っておくけど、そんな面白い内容じゃないからね。

 

「えー、新しく追加するルールは『毎日一時間電話するのをやめる』です」

「なんでよー!? なんでやめちゃうのよーっ!? むしろ私は二時間に延ばしたいくらいなのにーっ!!」

「正直言っていい? めんどい」

「レンさん、それは正直すぎっすよ」

 

 だってさあ、毎日毎日学校でもSTARRYでも顔を合わせてるのにその上家に帰ってまで電話するとか話すことなくなるって。俺ってどっちかというとロインの返事も緊急じゃなかったら「後でいいや」って思っちゃうタイプだから毎日電話するのは……重いんです。

 

「俺達が違う学校に通ってて毎日会えるわけじゃない……それこそ俺と大槻先輩が付き合ってるんだったら毎日電話してもいいんだけど」

「ごふっ!?」

「ヨヨコ先輩汚~い」

「幽々がお口拭いてあげますね~」

 

 たとえ話で大槻先輩と付き合っているって言ったら先輩が飲んでいたジュースを吹き出した。そこまでびっくりしなくてもいいじゃないですか。軽くショックですよ俺は。

 

「確かに毎日電話はめんどいっすね」

「ほらー、あくびちゃんもこう言ってるし」

「ぐ、ぐぬぬ……」

「喜多ちゃん。よく考えてみてよ~。喜多ちゃんみたいな可愛い女の子に『毎日電話したい!』って言われたら微笑ましく思えるけど、男の子が『毎日電話したい!』って言うとどう?」

「……結構面倒な男の子ね。嫉妬心が強くて束縛してきそう」

「そうですよ~。その内『俺以外の男と話すな』とか言ってきますよ~」

「それはちょっと重たいわね。……でもレンくんに束縛されるのは悪くないかも」

「あ、わかる~! レンくんに『俺だけを見てほしい』とか言われたらね~!」

「……レンくん、ちょっと言ってみてくれない?」

「言わんわ!」

 

 俺に新しいルールを追加する権利があるっていう話だったのになんで俺がこの子達の要望に応える流れになってんの? ふーちゃんもすっごくキラキラした瞳で俺を見てくるし。やっぱふーちゃんと喜多さんって結構似てるところがあるよな。

 

 こんな感じでひと悶着ありながらも俺と喜多さんが付き合う上で新しくルールが追加されるのだった。あ、もちろん緊急の場合とか悩み事があるときは電話していいからね。毎日毎日電話するのが面倒ってだけだから。

 

「さーて、来月はどんなルールを追加してやろうか」

「もう勝った気でいるのね。言っておくけど、私が本気出したらすごいのよ」

「喜多さんがこのままで終わる女じゃないことはよーく知ってるよ。だけど俺にも考えがあるんだ。ふーちゃん、おすすめの恋愛漫画貸してくれない?」

「じゃあ最近ハマってる『その着せ替え人形は恋をする』を貸してあげるね。ヒロインがすっごく可愛くて主人公の男の子は鈍感なんだけどすごく真面目な(オタクにとって都合の良い)スパダリで、でも年相応の可愛らしいところがあって好感が持てるんだ~」

「あ、レンくんずるいわよ! 幽々ちゃん、私に力を貸してちょうだい!」

「山田さんが負けるように呪いをかけますか~?」

「そうしましょう!」

「呪いは反則だろ!?」

「でも『かれかのぴっぴ条約』には明記されてないわよ?」

「ルール以前に倫理的な問題!!」

 

 仮にも付き合ってる彼氏に呪いをかける彼女ってどんなヤンデレだよ。漫画とかゲームにしか存在しないだろそんな女!

 

「喜多さん、さすがに呪いはマズいと思うんでウチが男の子を攻略する恋愛ゲームを貸してあげるっす」

「ありがとうあくびちゃん! これでレンくんの心は私の意のままになったも同然ね!」

「ゲームで男心を理解したつもりになるとか片腹痛いわ」

「恋愛漫画で勉強してるレンくんに言われたくないんだけど!?」

「……案外、二人ってお似合いなのかもしれないっすね」

 

 あくびちゃんが呆れ気味にそう言っている傍らで大槻先輩は釈然としない表情をしていた。理由を聞いたら「どうして私には頼ってくれないの? 私ってそんなに頼りにならないの?」って言ってたんだけど、こういう恋愛ごとで先輩に頼るのはなんか恥ずかしいんですよね。

 

「先輩が頼りにならないなんてそんなことないです。絶対。何なら『古今東西大槻ヨヨコの可愛いところゲーム』でなら俺は誰にも負けない自信がありますね」

「そのおぞましいタイトルのゲームは何!?」

「ちょっと待ってレンくん! 大槻さんへの思いなら私だって負けてないわよ。だってこんなにも親身に技術指導をしてくれているんだから」

「俺は喜多さんよりも一年以上長く先輩と付き合ってるんだ。越えられない()ってヤツさ」

「はぁ~……レンくんったら()()のね。愛は時間じゃないのよ?」

「……ほう? 俺の大槻先輩に対する愛が浅いと? だったら『古今東西大槻ヨヨコの可愛いところゲーム』で決着をつけようか」

「受けて立つわ! 勝った方が『ヨヨしゅき♡ポインツ』を50ポインツ獲得できるということにしましょう!」

「なんでもかんでもポイント換算するなーっ!!」

 

 大槻先輩が恥ずかしそうに顔を赤くしながら叫んだ。だって先輩への思いが「浅い」とか言われちゃったらねえ? たとえそれが安い挑発だとしても! 男には! 絶対に譲れない戦いがあるんだ!

 

「大槻さん……これは言わば私とレンくんの戦争。つまり『天才たちの恋愛頭脳戦~ニセコイver~』なのよ」

「はあ……『馬鹿と天才は紙一重』とはあなた達のことね」

「大槻先輩が喜多さんのことバカだってさ」

「おバカなのはレンくんの方でしょ?」

「どっちも大バカよ!! よくそんなマウントの取り合いで付き合えてるわね!! 一体いつまで続くのでしょうね!!」

「あ、満期はクリスマスイブまでですね」

 

 最初に喜多さんと「最長でいつまでこの関係を続けるか」ってことは決めてたんですよ。あんまりダラダラ長引くのもの良くないからクリスマスイブをこの関係の節目にしようってことにしたんです。

 

「クリスマスイブまでにレンくんは恋愛感情を理解して、私はリョウ先輩の娘になります!」

「恋愛の満期なんて聞いたことないわよ!! はぁ……はぁ……よーく、よーーーーーくわかったわ。真面目に対応するだけ無駄だってことがね!」

「ヨヨコ先輩、気付くのが遅すぎっす」

 

 さてさて、先輩達への報告も無事に終わったし俺はふーちゃんから借りた漫画でさらに恋愛力を高めるとしようか。

 

 俺と喜多さんの恋愛頭脳戦はまだまだこれからだ!!

 

 

 

 

 

「とうとう文化祭ね……恋愛ゲームで磨きに磨いた彼女力で今日こそはポイントを荒稼ぎさせてもらうわ!」

「五条新菜(わかな)先生は俺に『スパダリとはなんぞや?』ということを教えてくれた……今日も勝つのは俺だ」

「あたし、もうこの光景も見慣れてきたよ」

「レンと郁代の『かれかのぴっぴダービー』はもはやSTARRYの名物」

「そんな名物いらないよ!」

 

 十一月、秀華高校の文化祭当日に俺と結束バンドのメンバーは一年二組の教室でやっているメイド&執事喫茶にやってきていた。やってくるといっても後藤さんとなぜか違うクラスの喜多さんはメイド服で、俺は執事服で接客をしていて姉貴と虹夏ちゃんはお客さんっていう立場だけどね。

 

「十月はレンくんと喜多ちゃんのどっちが勝ったんだっけ?」

「二か月連続で俺の勝利だよ。かーっ、喜多さんもなーっ。いいとこまでいってたんだけどなー。強すぎてごめんね?」

「ぐぬぬ……レンくんったら露骨に調子に乗ってるわね……!」

「ふう……敗北を知りたい」

(か、かっこいい……! い、今の『敗北を知りたい』ってフレーズ……新曲に使えるかも。ふへへっ、メモメモ……)

 

 俺が渾身のドヤ顔で喜多さんを見ると、喜多さんはそれはそれは見事な「ぐぬぬ顔」を浮かべている。可愛いから写真撮っておこう。今思ったけど、喜多さんと付き合い始めてから画像フォルダが喜多さんの写真で溢れかえってるな。ほんとにどれを見ても写真写りが良いね喜多さんは。

 

「レン、今回の勝利で新しく追加したルールは何?」

「『恋愛、勉強、バンド練習のバランスに気を付ける』だよ」

「めちゃくちゃ健全なルールが追加されてる!?」

 

 だって恋愛にかまけた結果勉強やバンド練習がおろそかになったら本末転倒だからね。

 

「喜多さんのことはすごく大事に思ってるけど、それと同じくらい勉強や結束バンドのことも大事なんだ」

「レンくん……」

 

 俺の言葉に虹夏ちゃんが感動したような表情を浮かべた。虹夏ちゃんに負担をかけたくないし、俺の存在が結束バンドにとってマイナスになるっていうなら俺は喜んで距離を取るよ。

 

「あ、山田くん。今のセリフ、1ポインツです」

「しゃあっ! 今月も幸先の良いスタート!!」

「また先を越されちゃったわ! くっ、私も何か良い感じのこと言わないと……!」

「あたしの感動を返せ!!」

「これは今月もレンに賭けた方が良さそう。オッズはどのくらいになるかな」

「賭けってどういうこと!?」

「毎月の『かれかのぴっぴダービー』でレンと郁代のどっちが勝つかSTARRYのスタッフで賭けをしてる。レンのおかげで私はこの二か月儲けさせてもらった」

 

 姉貴がとんでもないことを言い出した。STARRYのスタッフでそんなことやってたのかよ。もしかして星歌さんも参加してたりする? でも虹夏ちゃんは知らなかったみたいだしなぁ……

 

「店長は参加してない。店長はあれで恋愛に対してはレン以上にピュアだから。そして私は二か月とも弟の勝利を信じるという姉の鑑」

「姉の鑑は弟を賭けの対象にしないよ!!」

 

 虹夏ちゃんのド正論ツッコミが炸裂した。人様の恋愛を賭けの対象にするなんて何事かと思うけど、姉貴だしなぁ。いや待てよ? こんな姉貴の姿を見たらさすがの喜多さんも幻滅して姉貴への狂信が解けるんじゃ……

 

「リョウ先輩は私を選んでくれなかった……? つまりこれはリョウ先輩から私への試練……この程度の壁を乗り越えられないようじゃ先輩の娘にはなれないってことね!」

 

 解けてませんわ。ぜんっぜん解けてませんわ。むしろやる気に満ち溢れてスーパーキターンオーラが全開になって後藤さんが溶けちゃったわ。姉貴への狂信は解けないのに後藤さんが溶けるとはこれいかに。

 

「なんでぼっちちゃんはこれで溶けちゃうのにレンくんと喜多ちゃんのバカップルっぷりを見てても大丈夫なんだろうね?」

「レンと郁代は『カップルってこういうことするんだろ感』が強すぎてぼっちの青春コンプレックスが発動してないっぽい」

 

 酷い言われようだ。でも、俺は休みの日に喜多さんとお出かけしたり買い物にいったりネットで評判のカフェで過ごしたりっていうのはすごく楽しんでるよ。喜多さんって基本的にミーハーだから流行りのものを追いかけてるだけだけど。

 

「あ、レンくん。明日の午前中は一緒に文化祭を回りましょう。二年生の教室でおばけ屋敷をやってるからそこに行きたいわ」

「俺は外で待ってるから一人で行ってきてね」

「今の発言、-1ポインツよ。ほらひとりちゃん、溶けてる場合じゃないわ。しっかりジャッジして」

「あっあっあっ……」

 

 喜多さんはピンク色のデロデロ物質をかき集めて後藤さんを復活させようとしている。ほんとにこの子はどんな生態をしてるんだ。ただ、結束バンドにとっては見慣れた光景なので姉貴と虹夏ちゃんは特に気にすることなくオムライスを頬張っていた。

 

 さてと、俺もノリで執事服に着替えたけど俺の本番は明日だからな。客引きついでに明日の喜多さんとの文化祭デートの為に下見でもしてこよう。

 

 そう思った矢先の出来事だった。

 

「見つけたわよ郁代! ……その隣にいるユニセックスな容姿のイケメン。あなたがウチの郁代をたぶらかしている『後藤』ね!?」

 

 気の強そうな赤い髪の女性が教室へ入ってくるなりズンズンと俺に近づいてくる。その後ろにはおっとりした雰囲気の男性がいた。ご夫婦さんかな? というか、今「郁代」って言ったよね? しかも俺に向かって「後藤」って言ったよね?

 

 さてさて、どこからツッコんだものか。

 

「あの、人違いじゃないですか? 俺は『山田』ですよ」

「何が『山田』よ! 二秒で考えたような名字で私を騙せると思わないでちょうだい!」

 

 えー……なんだこの人?

 

「郁代に冷たい態度をとっておきながら都合の良いときに手取り足取りナニ取り教えて挙句の果てにご飯を奢らせたり貢がせたりしているヒモ男のテンプレ!! その容姿で郁代だけじゃなくて数多の女の子を泣かせてきたのでしょう!? 何か申し開きがあるかしら!?」

「ちょっとお母さん何言ってるの!? レンくんはそんな人じゃないわよ!」

「騙されてる女はみんなそう言うのよ!」

 

 あ、やっぱり喜多さんのお母さんだったんだね。目元がよく似てるなー……なんて現実逃避している場合じゃない。喜多さんママの言ってることは誤解も甚だしいし、それを解くのが最優先事項なんだけど。

 

「……姉貴、あとで家族会議な?」

「お腹痛いからお家帰る」

 

 逃がさんぞクソ姉貴。ご飯を奢らせたり貢がせたりって絶対姉貴のことだろ!? あれだけ俺が目を光らせてたのに……説教プラス来月は「姉貴に貢がないこと」っていう新ルールを追加するか。

 

 あ、でも新ルールを追加しても来月のクリスマスイブで満期になるから……

 

 そっか。もう来月でこの関係も終わりなのか。

 

 そう考えて強い寂しさを感じてしまうあたり、俺は自分が思った以上にこの関係を気に入っているんだなと改めて実感した。

 

 ちなみに喜多さんママの誤解はしっかり解いておきました。どうも喜多さんママの中で後藤さんと姉貴の人物像が混ざり合った結果脳内でとんでもないクズ男を作り上げていたらしい。そういう変な思い込みをするところは立派に喜多さんに受け継がれているようで。

 

 ちなみにミーハーなところは喜多さんパパに似たらしい。すごいな喜多一家。遺伝子がちゃんと仕事をしてるよ。

 

「彼女のご両親にきちんと挨拶……これはもう俺に100ポインツくらい加算されるのでは? ね、後藤さん」

「あっ、えっと……」

「ずるいわよレンくん! そうやってひとりちゃんに色目を使ってポイントを稼ぐつもりなのね!」

「あなた達は本当に健全なお付き合いをしているの!?」

 

 こうして喜多さんのご両親とも知り合うことになりました。喜多さんママはそれからしばらくの間俺を警戒していたみたいだけど、喜多さんパパとはすぐに仲良くなれたんだよね。……プラマイゼロだな!

 

 それにしても、喜多さんのご両親が突然やってきてびっくりしたけどそれ以上にご両親の前でわたわたしている喜多さんは可愛かったなぁ。自宅だとあんな感じになるのかな? 彼女の知らない一面を見られて大変満足でした。

 

 そして文化祭二日目は喜多さんと一緒に校内を回って結束バンドが体育館のステージでライブをやって、最終的に俺はステージからダイブしてきた後藤さんに押し潰されて保健室送りになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 十二月二十四日、クリスマスイブ。

 

 私とレンくんは手を繋ぎながら新宿中央公園のイルミネーションの中を歩いていた。

 

 新宿FOLTでのライブが終わった後の打ち上げの最中、レンくんが「こっそり二人で抜け出そう」って提案してくれたのよね。彼がそういう提案をしてくれてすごく嬉しくてドキドキしていたのだけど、それと同時に強い寂しさを感じていた。

 

 だって、私達の関係が今日で終わってしまうから。

 

 いつもならこんなに綺麗なイルミネーションの中を歩いているとテンションが上がってたくさん写真を撮るのに、今だけはそんな気分になれないわ。

 

 周りには幸せそうなカップルがたくさんいて、きっと傍目からだと私達も同じように見えているのでしょうね。

 

 実態は全然違うのに。

 

 私は心の中で自嘲しながら隣を歩くレンくんの様子をうかがう。彼はすごく真剣な表情で前を見据えていて、イルミネーションを楽しんでいるという雰囲気ではなかった。

 

 ねえ、どうしてあなたはそんな表情をしているの?

 

 私とこうしていることが楽しくないの?

 

 それとも、あなたも私と同じようにこの関係が終わってしまうことを寂しく思っているの?

 

 もしも、もしもそうだとしたら───いいえ、そんなことあるわけないわ。そんなの、私の勝手な思い込みよ。

 

 レンくんがそんな風に思ってくれているわけが……

 

 そう考えて私は胸の奥がチクリと痛むのを感じた。人生で初めての、痛み。

 

 どうして胸が痛むのよ。痛むほどの関係じゃないでしょう、私達は。だって……だって最初からお互い打算的な考えが合って付き合い始めたんじゃない。お互いに恋愛感情なんてこれっぽっちも抱いていなかったじゃない。

 

 だから、私が、こんな気持ちになる必要なんてない。

 

 ない、はずなのに……

 

 そんな私の胸中を察したかのように、レンくんは私の手を握る力を少しだけ強めた。彼にどういう意図があったのかはわからないけれど、たったそれだけのことが嬉しくて、たったそれだけのことで心が温かくなって、私も同じように握り返す。

 

 どうしようもない我儘だっていうのはわかってる。

 

 だけど、だけど……

 

 願わくばこの仮初の関係が少しでも長く───

 

「喜多さん」

 

 これまで沈黙を貫いていた彼が静かに口を開いた。

 

 気付けば公園内の「水の広場」までやってきていて、周囲は青を基調とした幻想的なイルミネーションに包まれていた。綺麗な青色、彼の髪と同じ色。

 

「約束通り、俺達の関係を終わりにしよう」

 

 レンくんは私と向かい合い、真剣な表情でそう言った。

 

 ええ、そうね。そうよね……約束、だものね。

 

 胸がきゅっと苦しくなる。さっきよりも強い痛みが胸の奥を駆け巡る。

 

 思わず私は俯いてしまった。これ以上、彼と顔を合わせるのが辛い。彼の顔を見ることができない。

 

 わかっていたはずだったのに。最初から決まっていたはずだったのに。

 

 彼との思い出が、この三か月の出来事が脳裏に焼き付いて離れない。最初は本当に、お互いに打算的な考えがあっただけの関係から始まったはずなのに。

 

 もしかして、もしかして私は本当に彼のことを───

 

「喜多さん」

 

 優しい声色で彼が私の名を呼んだ。ゆっくりと顔を上げると、彼は声色に負けないくらい優しい表情で私を見ている。

 

「俺達の、この関係は、これで……おしまい」

「……うん」

 

 もう一度、レンくんはそう言った。

 

 そうよ。明日からは関係が元に戻るだけ。以前のようなお友達に戻るだけ。それでいいじゃない。それ以上、私は何を望んでいるというのよ。

 

 嘘。本当は望んでいる。元の関係になんて戻りたくない、と。

 

 でも、言えなかった。レンくんにそんなことは言えなかった。

 

 だって、私が望んでいるだけで彼がそんなことを望んでいるはずがないのだもの。

 

「喜多郁代さん」

 

 だからこそ、そう思っていたからこそ私は───

 

「あなたが好きです。あらためて───俺と付き合ってくれませんか?」

 

 彼の言葉に私が何を思ってどう返事したのかなんてことはわざわざ言うまでもないことよ。

 

 でも、一つだけ教えてあげるわ。

 

 高校一年生の十二月二十四日。

 

 クリスマスイブ。

 

 この日私は───生まれて初めて恋をした。

 

 

 

 

 

√K 『恋の陰陽師』 fin




 喜多ちゃんルートです。

 完全にギャグシナリオですね。でも本編のレンくんと喜多ちゃんの関係だと絶対あまあまにはならないだろうなと思ってこんな感じになりました。

 嘘から始まった恋人関係だったけど最終的に本当の恋人関係になる。

 内容を要約すれば王道の恋愛ものだな! ヨシ!

 さて、とりあえずこれで四つのifルートが終わりました。いい加減新作の執筆を進めたいと思うので、次回の更新を本作の最後にしようと思います。

 最後はもちろん本作のメインヒロインぼっちちゃんです。

 ifルートではなく本編後のお話……言わばエピローグ「ぼっちアフター」ですね。

 次回の更新がいつになるかわかりませんがどうぞ最後までお付き合いください。

 ではでは、前回もたくさんの評価、感想、ここすきなどありがとうございました!

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