鋼と仮面と絆の魂を纏いし革新者姫騎士、愛護る為力を振るう 作:カオスサイン
Sideクーガ
「性懲りも無く何やってやがんだ?」
「チッ!…寝首をかかれたくないだろうがよ!聖騎士だったコイツの兄貴は裏切者なんだぞ!」
「それはテメエがかかれるような事をやらかしてるようにしか見えんが?
それに何も悪い事していないその子自身に暴言吐いて良い理由にはなんねえよ」
一人の女生徒にしつこく絡んでいた不良の言い分に俺は呆れる。
「ぐっ!?…」
「それでも納得出来ないっていうなら決闘買ってやろうか?
テメエが言い出した事だろ」
「ッ!…いいだろう!後悔すんじゃねえぞ!」
「フッ!…敗北した時の言い訳でも考えとくんだな」
俺は奴との決闘を受ける事を了承した。
「あ、あの!…」
「ン?」
決闘の準備に取り掛かろうとしていたその時、絡まれていた女生徒が俺に話しかけてきた。
「わ、私はレオーネ・オルファー、本当に大丈夫なんですか?…」
「俺はクーガ・アスフェル、あんな奴になど負ける俺じゃないよ…それよりオルファーさん…君のお兄さんは一体どういった理由で裏切者だなんて言われているんだい?」
「そ、それは…」
オルファーさんは俺の疑問に語り出す。
「血鉄鎖旅団…ねえ…」
「はい…」
「血鉄鎖旅団」…天上人に異を唱え反抗するという組織に彼女のお兄さんは騎士団を裏切って加入し国を去ってしまったようだ。
そんな御大層な理想を建前にして胡散臭さと何か裏の意図があるとしか感じない組織に家族を泣かせてまで入るとは…
「無意味だね…」
「え?…」
「君のお兄さんは本当に馬鹿な事をしたようだ…本当に周囲が見えていない…天上人とか地上人がどうとかの枠組を取り払った所で人々が相互理解をしなきゃ結局同じ事の繰り返しにしかならないんだよ…まあきちんと対策を取ろうとしない王国に絶望しても無理は無いとは思うけどね…」
「…」
正直な所、天上人に対して必要以上に恐れ譲歩をしている様な国の重鎮達には何も期待など出来ない事は俺も重々感じている。
「少なくとも馬鹿げた理想を叶える為に大切な筈の人を泣かせているようじゃ本当に愚かだとしか言いようがないね…だけどそんな奴の為に君が苦しんで涙を流す必要は無いと思うよ」
「それは…」
俺はそう言い彼女の頭をそっと撫でる。
「それでも一緒くたにしてくる無粋な奴が居るなら俺は約束しよう!
オルファーさんの事を一人になんかさせないと!」
「アスフェルさん…」
「クーガでいい…それじゃあ行ってくるぜ!」
「あ…」
俺は模擬戦場へと向かった。
Sideレオーネ
「…」
私はレオンお兄様が騎士団や国を裏切り血鉄鎖旅団なんて組織に入った事で他の人達からは疎まれてしまっていた。
素行の悪いクラスメイトからもそれを追求されて私は何も反論出来ないでいた。
だがそんな中でもクーガさんやイングリスさん達が味方でいてくれたのは非常に嬉しかった。
でもクーガさんにはレオンお兄様の理想が無意味なものでしかないと否定されて悲しくなった…けど彼にはちゃんとした考えがあり私の事を思っての発言だったようだ。
「クーガさんの手…凄く暖かかったな…///~」
私を糾弾してきた不良生徒との決闘にへと向かったクーガさんの背を見送りながら私はおもわず呟いた。
後になって恥ずかしさが込み上げてきて悶えたのはいうまでもない。
Sideクーガ
「ああ、一つ言い忘れていたが勝者特権を決めようじゃないか。
俺が勝ったらアカデミーを退学しろ!」
「良いだろう…ならば此方も同じ条件を提示しよう…貴様にアカデミーに在籍する資格など無いのだからな!」
「ッ!…吠え顔かかせてやる!」
不良男子は勝者特権を利用して俺を追い出そうと画策するようだがならばと此方も遠慮無く利用させてもらう。
「喰らえええええー!」
「殺気が駄々洩れだな!その程度の力量で俺に挑んでくるとは愚策だったな!」
奴が剣を振るって攻撃してくるがそんなものに当たるELS純正種イノベイターの俺ではない。
「何だと!?…」
「今度は此方の番だな!」
「く、糞がっ!?…」
俺が魔印から召喚したプリンセスナイトソードを構えると奴は苦し紛れに魔素弾を放ってくるが難無くソードを軽く振るって全弾離散させる。
「なん…だと!?…」
「力量差も理解出来ぬ輩に勝利など訪れない…終わらせよう!<プリンセスストライク>!!」
「ぐああああー!?…」
俺の必殺奥義に対応出来なかった奴は無様に吹っ飛び気絶した。
「約束は守ってもらうからな…」
俺は気絶した奴を抱えてアカデミーの外に出て即ポイして教室へと戻った。