ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空 作:それがダメなら走っていこう
無事ランキングから斬り落とされる、残念でもなく当然。
ここからが地獄だぞ。
誰得マフティーシャワーシーン&回想回。
マフティー性に呑まれた作者のペラ回しを許してね。
サウダージ(葡)
郷愁、憧憬、思慕、切なさ、などの意味合いを持つ、ポルトガル語。
清廉なる波に踊った『愛』とヘルメット団のサウダージ
(この事態をどう考えたらいいんだ?)
しっかりと鍵を掛けて
カボチャのヘッドを外して洗う。
シャワー室の壁に手を付き……何をするでもなく立ちすくむ。
地獄のように熱い熱湯
氷水のように冷たい冷水を浴びながら、悪夢の残滓を洗い流したい。
あんなクソスレに、覚えて置くべき事なんか一つもない。
全部箱の中に置いて行ってしまえばいい
そう、一つもありはしない……筈だ……。
踊る水が神経に追想を呼び起こす。
記憶(アーカイブ)は遠く……良い踊り方を思いつくまで
現実逃避くらい許してくれよ。
これは現実逃避だ。
面白おかしい珍ルートアーカイブに加工前の
未編集の追憶(アーカイブ)だ。
「夢」のいない 「愛」の時間。
マフティーの思い出、回想が始まる。
「───そ、速報です!!シャーレの先生が意識不明の重体に……!」
「早いよ!早すぎるよ併走者!!」
最悪のブレイキングニュース。
全身から力が抜け、アロナのいない、いるわけもない……
安物のタブレットが指先から滑り落ちる。
マフティーは絶望の苦さを知っている。
「終わりだ、オワッタ……オワッ……タ……」
「先生が死んで、
「フヘへへへ、ハハハハハ 終わりだ終わり!!」
「何もかも!!」
「再 走 確 定!……やだ!ダメ!決まり!」
「キヴォトス壊れちゃった……
こんなのってないぞ、テストに出ないよぉ……!」
膝から崩れ落ちる。原作知識が告げる、キヴォトス終焉のお知らせ。
今だけは、踊れねえ……踊りたくねえ……
泣き言しか出ないよ……
「もうできることは検証とおふざけだけ……」
「これからキヴォトスは……
どんな夢を私マフティーエリンに見せてくれるんでしょうね……」
ボソッとつぶやきが漏れる。
「愚問だ、悪夢と地獄だろ……」
お道化てみても。現実は変わらない。
あとは、永くて短い断末魔。
偽マフティーらしく、ハイジャックでもして遊ぼうか……
『マフティー、アンタがうちらのホバークラフトを
ハイジャックしたときは何だこいつ!って思ってたけどさあ……』
「河駒風ラブー!ヘルメット団全国統一しようぜ!
どーせ暇なんだろ!無限にお家壊され続ける前に!」
『何言ってんだこいつ、何やってんだこいつ……』
彼女はあきれた、俺は踊り続けた。
『キノコヘルメット団とタケノコヘルメット団が和解したんだ!
ヘルメット性の違いで絶対和解できなかったと思ったのに!
すげぇよ、マフティーは!』
ヘルメット性ってなんだよ。
お前らすげーくだらない理由で纏まれねえのな……
いや、キノコタケノコはくだらなく無いのか……?
「ヘルメット団……いや
学校の垣根を超えたマフティーダンス部を作る……
せめて、踊りたいように踊っていいだろ?」
それからもジャブジャブヘルメット団とマフ活を続けていく。
「クロノス報道部ニュースです。
シャーレの「○○先生」が重体になってから、75日が経過しました」
おかしいよな、おかしいよな、おかしい。
ニュースなんか聞きたくない。
「銃を捨てて踊れ!踊るんだ!
連邦生徒会に反省を促すダンスを踊れ!
非暴力、不服従!」
マフティーヘルメット団になったり
カボチャヘルメット団になったりした。
声を枯らして与太を吐き、だまくらかし、ヘルメット団を躍らせる。
「クロノス報道部ニュースです。
連邦生徒会のカヤ防衛室室長とアオイ財務室室長は
全国統一を果たしたカボチャヘルメット団……初代総長河駒風ラブと交渉。
学校を超えた連邦生徒会下部組織、マフティーダンス部として認め
カイザーグループを解体、分割した資金を部費として割り当て……
平和なダンス部へと……
なんとヘルメット団が無軌道に暴れなくなりました!!
これによりキヴォトス各地の治安が向上……」
『いやー!出来ちゃたなあヘルメット団全国統一!』
『やってみせたなマフティー!これからうちら、何をすればいい?』
「カボチャヘルメット団のみんなで夏合宿しようか。
夜はキャンプファイヤーを囲んで……マフティーダンスを……
皆でマイムマイムを踊るんだ、きっと面白いぞ、すごく」
俺はそう答えるしかなかった。
「クロノス報道部ニュースです。
「先生」の意識が戻らなくなってから、
100日が経過した本日───病院より緊急発表がありました───」
ニュースなんか聞きたくない。
焼けるような真夏のビーチ。
砂浜でヘルメット団がビーチバレーをしたり、ダンスの練習をしている。
「俺ら……いや……
私マフティー・ナビーユ・エリンの存在意義を
生徒は思いもつかないだろう。
知らないほうがいいことだ」
『はぁ………?何言ってんだよマフティー
ヘルメット団はこれからだろうが!
そんなことより、課題曲を指示してくれよ!』
毎日が楽しいんだ、と彼女は笑った。
無軌道に暴れるより、大人の傭兵をやっているよりずっと、そう語った。
「そうだな……
ワールズエンド・スーパーノヴァ。
BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜
これで歌って踊ってくれ。
締めの曲は……unwelcome schoolだ。」
曲が流れ出す。
ヘルメット団のレッスンが始まる。
『いつだって僕らは~誰にも邪魔されず~♪
本当のあなたを、本当の言葉を
知りたいんです、迷ったふりして』
皆のヘルメット越しに揺れる目線がこっちを向いた気がする。
「僕は、風になる……直ぐに歩き出せる……」
「次の街ならもう……名前を失った……」
「僕らの事も……忘れたふりして……」
次のキヴォトスは、僕らの事を忘れてくれるはず。
上手く歌えない、歌はどちらかというと呟きに代わる。
皆は上手く歌える、マフティーは上手く歌えない。
『ラフラフ&ダンスミュージック僕らいつでも笑って汗まみれ~♪
何処までも行ける~♪』
「……絶望の果てに……希望を見つけたろう……
同じ……望みなら……此処で……叶えよう……
僕は……ここにいる……心は……消さない……」
『ラフラフ&ダンスミュージック僕らいつでもべそかいてばかり♪』
おうちないなったもんねキミら……お家なくなるもんね……
ネームド生徒に蹴散らされるもんね……
「朝が、来ないまま……いつまでも……このままでいい……
それは嘘……間違ってる……!!」
透き通る世界に呑まれた者を想う。
でも彼らを非難できない。反省を促したいが咎めたて出来ない。
あの『俺ら』は、ここに確かにある今日を選んでしまったのだ……!
「重なる『夢』、重ねるウソ、重なる『愛』、重なるリズム……」
もう許してくれキヴォトス、赦してくれよキヴォトス。
『ライブステージは世界の何処だって!』
『ラフラフ&ダンスミュージック♪』
『僕らいつも考えて忘れて~どこまでも行ける~♪』
未来と可能性を信じ切った顔で……
ヘルメット団があんなに歌ってはしゃいで可愛いね……
「良い感じだ……振り付けはマフティーダンスでなくてもいい……
次の曲、練習しようか……」
BEYOND THE TIME〜メビウスの宇宙を越えて〜
ガンダム、逆襲のシャアEDが静かに奏でられる。
「サヨナラ言えなくて」
「いつまでも、抱きしめたかった」
「張り裂けそうになる、この胸を……君に差し出して」
「遥かな宇宙(そら)の元 コバルトに、光る、地球(ホシ)がある」
キヴォトスの青空は透き通るほどに青い。
「哀しみは、そこから始まって……」
「愛しさが、そこに還るのさ」
「ああ、メビウスの輪から……抜け出せなくて……」
「いくつもの、罪を、繰り返す」
マフティーのカボチャマスクの顔を覆う。
プレナパテス先生、プレナパテス先生。
後何度繰り返せばいいのでしょう。
『平和より自由より正しさより~♪』
『君だけが望むすべてだから~♪』
『離れても変わっても見失っても~♪
『輝きを消さないで~♪』
『ユーキャンチェンジデスティニー 時のむこう~♪』
『ユーキャンチェンジフューチャー 闇の向こう~♪』
『ウィキャンシェアザハッピネス 探していく~♪』
「許し合える……その日を……」
「夢という……風に……導かれて……」
「あやまちの 船に……揺られていく……」
「We belong to Earth 生きて……行けるのなら……」
「いつかまた、戻れる日が……ある……」
「ああ……メビウスの輪から……引き寄せられて……」
「いくつもの出会い、繰り返す……」
「BEYOND THE TIME……」
『希望より理想より憧れより、君だけが真実掴んでいた♪
儚くて激しくて偽りない、眼差しを閉じないで♪』
二曲目が終わった。
ヘルメット団がビーチバレーと海水浴で……
ダンスレッスンであんなにはしゃいでる。
unwelcome schoolが奏でられる。
「赤子は水浴びを喜ぶ。
いつまでもさせてやりたい……
天使の言葉を借りたマフティー性の寛容さ……」
ヘルメット団はジャブジャブと砂浜と水辺を蹴立てていく。
若さを持て余し、気にくわないから暴れる、いがみ合う。
暴れることでしか自らの存在を証明できない
秩序に叛逆し、何処までも無軌道に。
そんな彼女たちが、ダンスや歌に邁進し
ついには連邦生徒会から部費をもぎ取った。
「……しかし、 季節は変わるのだ」
「ああ、神経の苛立ちが限界だ、目が回る、目が回る、目が回る」
もう、真っ白なビーチチェアで
寝そべってるくらいしかやることがない。
テーブルにはキヴォトスでも珍しいアルコール。
ヘルメット団で作らせた白リキュール密造酒。
輪切りのパイナップル、その上にホイップクリームとハッカ。
天辺に乗ったチェリーのカクテル。
刺したストローで一口飲むが、もう喉を通らない。
河駒風ラブにくれてやることにする。
「ほら、飲め、ヘルメット団のボケナス天道虫 お前の為に……
エンド・オブ・ザ・ワールド・デイライトを作ってやったよ」
このカクテルの名前は、世界の終りの日の輝き。
『これお酒じゃねーか!飲めねーよ!
しかもテメー!一口飲んでんじゃねーか!!』
なんか顔真っ赤にして河駒風ラブはグラスを拒絶した。
「いいんだ、いいんだ……飲まないなら持ってろ。
もう世界は――おしまいなんだから」
カボチャマスクの首を振って
そっとカクテルグラスを押し付けた。
「俺をケチな淫行教師だなんてぬかしたら、ただじゃおかんぞ。
不良なのは間違いないが……最低限、清廉にやってきたつもりだ。
河駒風ラブ!……マフティーとの契約はここに終了する。
連邦生徒会に反省も促した!
ヘルメット団による全国統一の夢は叶った筈。
最後にこのパインとチェリーでも喰ってろ」
カクテルから輪切りパインとチェリーを摘まみ
マヌケに空いたギザ歯に放り込んでやった。
『もごもご……何言ってんだよマフティー……ヘンだぜ』
「短い短い夏だったが……お前と踊れて面白かったよ、河駒風ラブ」
『お、おう……確かにただ闇雲に暴れるより、面白かったけど……
なあ、マフティー、せめてアンタのカボチャヘルメットの下、
どうなってんのかうちに見せ……』
unwelcome schoolが止まる。
キヴォトスが炎に包まれる。
爆発オチの時間だ。
爆発、閃光、全ては破壊の波に呑まれていく。
無名の司祭の謀略に包まれた死の神アヌビスが覚醒するのか。
アトラ・ハシースの箱舟が浮かぶのか
無名の王女が覚醒するのか。デカグラマトンが暴れるのか。
ゲマトリアが暴れるのか それとも……どうでもいい。
先生が斃れた以上、滅亡を止められずなんやかんやあって滅ぶのだ。
後はこれを切り抜いて、BGMで誤魔化して。
楽しいアーカイブにしてラプラスの匣に仕舞えばいい。
何にも救えぬ男の絶望など、実際安くて犬にも食われない。
……現実が戻ってきた。
暖かい潮風じゃなく、冷たいシャワー。
ほんの一瞬展開された追憶(アーカイブ)は
あっという間に再圧縮される。
塩っぽい水と一緒に排水溝に吸い込まれる。
黒い暗礁に圧縮される。
昨日見た悪夢をはっきりと覚えてはいられない様に……
タオルで頭を拭いてカボチャを被り直す。
洗ったタイツとジャージに着替える。
「お疲れ様ですマフティー
さっぱりできました?
ずいぶん長いシャワーでしたが……」
ミクパイセンが出迎えてくれる。
「ああ……疲れることが多すぎてね……
気晴らしに水着美女と戯れる夏の砂浜に思いを馳せていたのさ。
おっと、清廉さに欠ける欲望透き通る発言をしてすまない
マフティージョークさ」
「へええ……いいですねえ夏の砂浜……」
ミクパイセンの眉間に皺が寄った。
「ほんと、清廉さとデリカシーのない発言ですよそれ。
怒りました、私もビーチリゾートに連れてってもらいます」
「マジかよ」
「マジです」
あれ……これアビドスリゾート編のフラグ立ってないか!?
勘弁してくれ、赦してほしい!
「ミク……少しミレニアムの方を見て回りたいんだが……」
「護衛の仕事ですね、お供します」
いい加減ゲマトリアアジトに引きこもっている場合ではない。
パヴァーヌ編が動いているか現地に確認しに行かねば……!
面白いかどうかなど一切保証できません。
この作品は作者の勝手な妄想100%で出来ている
与太話と怪文書です。
ヘルメット団ダンス時BGM
BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜
ワールズエンド・スーパーノヴァ