ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空   作:それがダメなら走っていこう

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今日もブルアカ怪文書&与太話を量産してイクゾー!!
この作品はブルアカ怪文書であり、
ユウカ黒服説をはじめとしたとんだ与太話が採用されかねない時空です。
そのことをよくご留意して作品をお楽しみください。


ゲマトリアブレイクダンス・主客転倒で乱舞する天使の羽

 

 

 

このままではマフティーの神経がストレスでマッハなんだが?

 

あれからミレニアムから安らぎのゲマトリアアジトに帰ってきて……

 

自室で一人泥のように眠ってしまった。

神経を苛立たせない夢見ない眠りは貴重だ……

至福の時間はすぐに過ぎる。

 

コンビニで買った好みの味で味付けされた排骨飯弁当を掻っ込む。

妖怪MAXパッションフルーツ味で流し込む。

まともな飲み物飲めねえなあ畜生。

コーヒーや紅茶を優雅にキメて寝そべってるだけの

偽マフティーに存在価値があるかどうかは疑問だけどさぁ!

 

某エナジードリンクのような元気の前借りが健康に気にかかるところだが……

健康に気を使ったところでキヴォトスで長生きできるとは……

死ぬか再走するかが絶対早いな。

 

因みにカボチャマスクの口部分はエンジニア部の遊び心により

こめかみのボタン一つで開閉可能。

眼の部分は防弾ガラス、鼻の部分は有毒ガス分解フィルターになっていた。

なんだ、あいつらもいい仕事をするじゃないか。

何時銃弾が飛んでくるかもわからないからな。

なるべくマスクは脱ぎたくない。防刃防弾全身黒タイツや防弾緑ジャージもそうだ。

予備も何着も発注しておいてよかった……

 

ふう……やっと一心地ついた……

ペラ回しとヤケクソで踊ったり泥のように眠ったり

肉と油、それに妖怪MAXのカフェインが苛立った神経に効く……

多少は神経の苛立ちがマシになる……

 

時間が出来たのでテイルズ・サガ・クロニクル2をプレイする。

…………多少遊べるようになっている。

 

「UIなど全体的に進歩し頭の痛くなる悪夢のクソゲーから

笑えるバカゲーになっている。

今後の発展を期待し審査員特別賞に推す、M.N.E……っと」

キャバァーン! 10万クレジットがミレニアムプライス審査会に入金!

 

「ふうっ……これで大体は……」

 

「もー!一人で食事にしてると思ったら……

カロリーボムのコンビニ弁当と妖怪MAXですか!?

一言言ってくれればいつでも作ったのに!!」

 

ちょっとムッとしながらミクパイセンが入室してきた。

手には可愛らしいサンドイッチだ。

 

「すまんね、ステージをこなした後にアビドスとのコンバットだ。

疲れ切っている時に献身を求めるのは趣味ではないよ。

自分を労わりなさい」

 

「いや確かに疲れて爆睡しちゃいましたけどぉ……

配慮は嬉しいけど健康が心配になるというか、頼りにされてないのもなんだか寂しいっていうか……

人のために何かやってあげるのはちっとも苦じゃないっていうか……」

 

ミクパイセンは両手の人差し指を処なさげに彷徨わせてもじもじし始めた。

 

「そういえば音楽ホールでアビドスの連中とやり合ったが

ペラ回しの部分とホントの事のすり合わせをしとかないとな……」

 

「あの人たち私をユメ先輩って呼んで気合入ってましたけど……

また会えたことがちょっと奇跡みたいで嬉しかったんですよね……

戦いたくなんかなかったのに……」

 

「ああ言わないとその場で殺されかねんかったんだよ……

マフティーをやるというのは辛いものだな……

サンドイッチを食べながらでいいから聞いてくれ……」

 

なるべく簡潔に明瞭に、どうしてああなったのかをミクパイセンに説明していく。

 

「もぐもぐ……記憶はないですけど、あの子たちは後輩で……

思い出はないけど一緒にアビドスの復興を誓った仲間で……

あの子たちは私がマフティーに記憶を消されて操られてると思い込んでいる……」

 

ミクパイセンは頭を抱えた。

 

「そうするしかなかったのは分かりますけど

これ滅茶苦茶こじれてますよぉ!!

なーんかあのキレッキレのナイフみたいな尖ったホシノって子が

懐くまでお世話をしたようなしていないようなぁ!!

あのガトリング構えた子にも見覚えがあるような無いようなぁ!!」

 

「他のやり方があるならば教えて欲しいって、マフティーは聞くよ」

 

もうだいぶだいぶ許してほしい。

 

「現状……ゲマトリアで時に味方時に敵でなあなあでやってくしか無く無くないですか?

記憶がないんであの時戻ってもぎくしゃくしかしませんし。

あの子たちだいぶだいぶ打ちのめされてると思いますし……」

 

「下手に希望が見えたから

脳を焼かれながらも食らいついてくるよなあ……」

 

どうしてこうなった、どうしてこうなった……

 

「はあ……私ちょっと心配なことがあるんです」

 

「なんだい……」

 

「記憶が戻って『ユメ先輩』になっちゃったらトコロテンみたいに

今の『初音ミク』が押し出されちゃいませんかね……それは、とても怖いです」

 

「あー、記憶媒体を上書きするみたいにか……別領域に書き込めりゃいいがな……

大丈夫と断言はできんな、記憶や思い出などほとんど、神秘の領域だ」

 

「どうしてこんなこんがらがっちゃったんでしょうかねえ……

やってみせてくださいよ、マフティー」

 

「確約は出来んが善処はする」

 

「やって見せてくださいね!」

 

ミクパイセンはこっちに信じ切ったような笑みを浮かべた。

 

通信コールがスマートフォンに入る。

おもしれー女こと黒ユウカからだ。

ゲマトリア用秘匿回線で掛けてくる。

 

「マフティー!!!記念公演をするだけがどうしてこんな大ごとになってるの!!

ゴルコンダもさぁ!音楽ホールの屋根吹っ飛ばすなんて!!

ゲマトリアの基本は手の回らない問題を協力して解く相互扶助じゃない!

こちとらわざわざ盗聴の心配のないトイレから

こっそり掛けてんのよ納得いく解出しなさいよ!

ぜんっぜん論理的じゃないわ!!どれだけこっちが面倒な演算に追われていると……!

しかもミレニアムプライス中に!なぜ、なぜ、なぜ、なんで!?」

 

「知らん知らんアビドスの連中が悪い俺は迎え撃っただけだ!

損害はミレニアムプライスに間に合わせるよう熨斗つけてネフティスに請求してやれ!!

どう考えても頭がヒットしてミレニアムの自治を侵害したのあっちだろ!!

ホール破壊については後でゴルコンダを詰めてくれ!!」

 

「もー!!憔悴しきったアビドスの連中は先生に慰めて貰ってる最中だしさぁ!

モモミドの廃部を撤回したのだけは美しい式だわ!!

後始末はその方向で詰めるからちょっとは大人しくしてなさい!!

解かなきゃならない問題も山ほどあるから!じゃあね!!」

 

 

ブツッ、といって通話は切れた。

黒服……ユウカに大分汚染されてるな……

 

「聞こえてましたけど……ゲマトリアのお仕事って……大変なんですね……」

ミクがしみじみと言った……

 

「正直もうだいぶだいぶ勘弁してほしい」

 

コンコン、と部屋の扉が丁寧にノックされた。

 

【マフティー、今少し宜しいでしょうか……】

【ゲマトリアの活動に多大な寄与をする

貴下に更なるご負担をおかけするのは大変心苦しいのですが……】

 

ゴルコンダ&デカルコマニーがメタくそに丁寧な言い方をしている。

また面倒事の匂いだよぉ!!

神経を尖らせなくても分かるわ!!

【そういうこった!】

 

デカルコマニー!お前全部わかって相槌打ってないか!?

「あー、わかったわかった……またゲマ活か……

ちょっとは休ませろよ……」

 

【わたくし、恩を着せるような言い方は好みではありませんが

マフティー、貴下と歌姫の劇的、文学的な救出について貸しがあると……】

 

それを言われると弱い……

ヘリに乗って救出しに来てくれなければ再走案件だった。

「回りくどいわ神経が苛立つんじゃ!!要件をなるべく簡潔に言ってくれ!」

 

【マフティー、貴方には神秘資源は至宝以外ありませんが

この世の儚い夢泡の幻影のような富の持ち合わせは残っているものと推察し……

文芸活動への理解を期待して少しトリニティまでご足労いただければと……

詳しい話は現地で……】

 

「要するにトリニティまで行ってなんかクレジット使った裏工作しろってことか!」

 

【そういうこった!】

 

「確かに金の持ち合わせはあるがマダムには会いたくねえんだけどなあ!」

 

【そこをなんとか……鉢合わせないよう取り計らいますので……

詳しい話は現地で……此処に向かってください……】

 

【そういうこった!!】

 

「わかったよ……移動のたびにまた銃撃戦やなんやらで

神経を苛立たせなきゃならないのか……

行くぞミク……仕事だ……」

 

「はーい……ほんと慌ただしいですねぇ……

寝て暮らせるのはいつになるのかなあ……」

 

げんなりしつつ支度を整えてトリニティに向かう。

 

……幸いなことに銃撃戦に巻き込まれることはなかった。

 

遠くのビルが派手に吹っ飛んだくらいで……

 

 

――いや、おかしいよな、おかしい!!

 

 

巻き込まれなかっただけで今これを日常って流しそうになったわ!!

 

キヴォトスいい加減にしろよ!

 

トリニティ総合学園。

そこはキヴォトス三大学園に数えられるお嬢様学校だ。

ミッション系のお嬢様学校といった雰囲気。

天使っぽい生徒が集まる。

 

便利屋などが所属し悪魔っぽい見た目の生徒が集まりフリーダム極まるゲヘナ。

天才が集まって成果を重視されるがトンチキな発明品で騒動を巻き起こすミレニアムサイエンススクールとは大分毛色が違う。

 

因みにトリニティ総合学園の実態は一部では生徒間で陰湿なイジメが行われていたり、派閥の内外を問わず互いの足をすくい合うような騙し合いが横行する。お嬢様学園の悪い所煮詰めてて俺らの間ではトリカスと呼ばれることもある!

 

ゲヘナもミレニアムもトリニティもほんっとキヴォトスいい加減にしろよ!

激しく反省を促してえ!!

 

っと、話がそれた、ゴルコンダ&デカルコマニー指定のカフェに向かったのだが……

 

おい、ゴルコンダ&デカルコマニー。

 

ゲマトリアいい加減にしろよ。

 

「あはは……"お父さん"が何時もご迷惑をおかけしてます……

マフティーさん……」

「そういうこった……ペロ」

 

聞き覚えしかないおしゃべりするペロロのぬいぐるみを抱きしめる少女にさぁ!

激しく見覚えがあるんだよなぁ!

そっかそっか道理で……

 

私たちの書くお話は私たちが決めるっていって重度のペロロ狂い。

乗り物の運転が得意でー

自称、普通の女の子……阿慈谷ヒフミっていうんですよねえ……

 

「初めまして……でいいのかこれ……私はマフティーエリンだ……

嫌な予感してたんだぁ……アイツらの端末ならこの子だよなぁ……!!」

 

「あはは……早速で悪いんですがマフティーさん……」

 

ヒフミはパンと手を合わせ、頭を下げた。

 

「あはは……ペロログッズとオーパーツをブラックマーケットで買い漁って

お金なくなっちゃいました!貸してください!」

「そういうこったペロ!」

 

ボイス付きペロロ人形がおしゃべりしてやがる……!

「金銭感覚に激しく反省を促してぇ……!!」

 

「あはは……貸してくれないともう紙袋を被って強盗するしかなくて……」

「そういうこったペロ!」

 

「お前のような自称普通の少女がいるか……!!」

ミクはなんか遠い目をしてる……

「ああ……親が親なら子も子ですね……」

 

「……貸すだけだぞ……なんで私はあんな親に助けられてしまったんだ……!

おかしいよな、おかしい……」

 

「あ、あはは……一応ちゃんと貢献してますよ!

オーパーツはそっちに流したり……

ナギサさまに頼まれてあれこれしたり……

ペロロ様のついでになっちゃって申し訳ないですが……」

「そういうこったペロ!」

 

「お前……つーかヒフミぃ!ペロロキモいって罵る皆の感情の嫌悪感とか恐怖を集めて

巨大なペロロ様を作り出し、ペロロ様の素晴らしさがわからない愚民に巨大ペロロ様の恐怖を叩き込みそれをもってキヴォトスを統治するとかさあ、ペロロ様の逆襲って最高に文学的な物語ですよね!とか考えてないか!」

 

 

 

 

ヒフミはさっと目を逸らした。

 

「あはは……い、いやだなあマフティーさん……

流石にそんなことは考えて……ませんよー……→

マフティーさん風に言うなら……

ペロロ様の素晴らしさをわからない人に反省を促したいだけで……」

「そ……そういうこったペロ!」

 

「……もうだいぶなんか私の神経は限界なんだが……」

「奇遇ですね……この子もペロロ様にベクトル向いてて安牌と言えば安牌ですけどだいぶアレじゃないですか……!」

 

ミクはげんなりした顔をした……

 

「はああ……利息はとらんがちゃんと書類は作るぞ……

そういえばファウストってどっかの格ゲーの医者を想起させるが、ゲーテの文学でもあるよな……」

 

 

「マフティーさんも、読んだことあります?不朽の名作ですよね」

 

「古典文学の傑作だな、伝承を下敷きにした悲劇の戯曲でもあり……

ゲーテ一流の諧謔と哲学をふんだんに盛り込み、ファウスト博士を通じて魂の旅と解放を題材にした……」

 

 

「まーた始まりましたねいつもの小難しいやり取りが……

ふあ……私もマフティーの為にこういうの覚えたほうがいいのかなあ。

でもメンドクサイZZZZZZZZZZZZZZZZZ」

 

神経は苛立……ないな……

銭金で片が付いてペラ回すだけならまだマシだ……

命の危険があるよりずっと……

想像とは違いトリニティでのやりとりは意外なほど平和だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪主客転倒・愛憎混沌≫

 

 

トリニティの何処かの一角……

 

純白の翼が落とす陰、それには無数の赤い目が覗く。

 

その赤い目は何処か怯えたようで――

 

自らの羽の落とした陰に向かって呟く桃色の髪の少女が一人。

 

「ナギサちゃんとセイアちゃんの目を掻い潜ってトリニティ領内を通過する?

一回だけならともかくそれで独自の領土を持つ?

おかしいと思わない?貴女。

誰かが手引きでもしない限り」

 

「私は、アリウス分校と和解がしたかった」

 

「私は――アリウススクワッドを絶対に許せない――例え魔女と呼ばれたとしても

地の底まで追いかけて復讐しないとダメなの」

 

その言葉は支離滅裂、どこかどころか非常に危うい。

 

 

「やってくれる人がいてよかったあ、先生に嫌われちゃうもの!」

 

純白の翼の少女のピンクの銀河じみたヘイローが光った。

 

「アリウスの乗っ取りに成功した貴女は、気を良くして

ティーパーティーで一番バカそうな私に目を付けた

おバカな傀儡がほしかったんでしょ?」

 

ハイライトのない金の瞳が、羽の影の赤い瞳を覗き込む。

白い踵の黒リボンの靴が悠々と捩じり踏んだ。

 

「貴女から色々覚えたわ、本当に色々――未来の事とか、ね?

セイアちゃんの目を逃れられるなんて素敵ね。

今度はちゃんと友達になれるかな?

目が多いのも悪いことばかりじゃないわ、キモいけど」

 

「預言者気取りが嫌いな貴女、小難しいことを言うあの子が嫌いな私」

 

「殺したかっただけで死んでほしくはなかったの」

 

「何度もセイアちゃんを傷つける、貴女の謀略で私の仕業なんかじゃない」

 

歪んだ自己正当化、現実逃避。

 

「自分の意のままにならない男なんか死んじゃえ、かあ……わからなくもない、かな?」

 

「貴女と私の違いは狂おしいほどにあの人を愛している……

うふふふ あははっ! もしも手に入らないのなら……

殺せば、二度と誰の手にも渡らない……!!

あ、ダメダメ、ちゃんとやっぱり手元に仕舞わなきゃ☆」

 

「自分が女王様じゃなければ気が済まない、短絡的で我儘で――

貴女と私、ほんとそっくり――いやな女よね、殺したいくらいに。

だからこそ――嫌な女同士主導権を争えばエゴの強い方が勝つのが道理よね?

神秘なら貴女に一杯あげたじゃない――

ちょっと自我がアレになっても些細なことよね?」

 

頬に指を添え何処までもコケティッシュに微笑んだ。

 

「馬鹿な女――それは私もか……まいっか☆ 二つのものは一つのものなんだし!」

 

「愛を知らない虚しい貴女――私が先生と劇的に巡り合うための『舞台装置』」

 

「貴女の為に祈るね――ベアトリーチェ」

 

桃色の髪の少女の金色の瞳が光って嗤った。

怯えに揺れる赤い瞳の影を

硬い床ごとたおやかな純白の踵が踏み砕いた。

まるで――嫌なものを陰に押し付けるように。

 




面白いかどうかなど、わからない。

主客転倒のBGMをあえてつけるなら「名前のない怪物」
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