ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空 作:それがダメなら走っていこう
荒唐無稽な与太と怪文書には
意味深な歌と道化踊りが必要だ、そうだろう?
今回、与太と情報の洪水やらなんやら注意。
ブルーアーカイブはとても複雑に込み入った
「青春」の物語だ。下手をこくと永遠に終わらない青春。
登場人物は多岐にわたり流れもメタファーも複雑怪奇。
それぞれ胸に秘めた思いで暴走する。
美しくも愛らしい少女たちが奏でる
絡まってほどけない愛憎、多すぎる登場人物に複雑すぎる物語。
これを解き解して少女たちのメンタルケアをしようとする先生の心労たるや!!
頑丈なのは生徒と住人だけ!
スナック感覚で銃や爆発で容易く死んで再走!
清廉さを保ったまま出来るのなら真の漢だ!
必死こいて銃弾と少女に踊らされる俺ことマフティーとしては神経が苛立ってしょうがない!
「ティータイムには音楽が必要ですわね。
いつもは優雅なクラシックですがたまには違う曲も……」
ほらー、またナギサ様がおかしな事言い出したよ畜生。
「長居するのもあれだしそろそろお暇しようかなと……」
「一曲だけなら……お茶とお茶菓子もご馳走になりましたし……」
ミクパイセン、そんな目で見るな……
「優雅に紅茶を嗜むのには向いてないので構わないのなら……」
「それじゃ、マフティー、適当に一曲選んでください」
「道化のダンスと歌姫の歌をナギサ嬢にお目に掛けよう。
優雅なお茶には全く相応しくないロックで恐縮だが……」
即興のライブが始まる。
曲目はMAD SKY-鋼鉄の救世主-
「暴走する常識の狭間で 操られていることも知らずに」
「君は少し考えたふりして 予定通りの未来を選んでいく」
(ナギサ様にミクと二人で目線をやる)
「耳を澄ましてごらん 胸の奥 悲鳴が聞こえてくる」
(マフティーの電話をかけるダンスポーズ)
「大地を蹴る 鋼鉄の
(マフティーの蹴り上げるようなダンスポーズ)
「監視された 箱庭の
「朱い雨は血を流すようにそっと 二人の肩 優しく濡らすけれど」
道化の諧謔、替え歌が入る。
箱庭の所が
「耳を澄ましてごらん とめどなく悲鳴が聞こえてくる」
「大地を蹴る 鋼鉄の
「隔離された 箱庭の
「耳を澄ましてごらん 探してた答えが聞こえてくる」
「やがて僕は 最後の鍵を解く 待ち焦がれた君を連れて次の舞台へ」
「何も言わず 狂った空の下 腕の中で身を任せて眠っていて」
「君の目が再び開くとき 新しい時代は訪れる」
「革命の鼓動と歌声を 裂けた鼓膜の隙間から脳髄に刻み付けて――」
曲目が終わり、ミクと俺は一礼する。
ナギサ様は
カップを持つ手が微かに震えたりしていたが……
「な、なかなか個性的な演奏と音楽、踊りでしたわね……」
「あはは……なんというかカッコいいロックではありますけど……
滅茶苦茶に不吉というか……不気味というか意味深っていうか……
文脈的に皮肉が含まれていそうで落ち着かないというか……
ナギサ様私もそろそろ帰りたいなー、なんて……」
「そういうこったペロ!」
ゴルヒフミとデカペロロは所在なさげに目線を彷徨わせた。
「色々言いたいことはあるがヒフミとデカペロロは
無難に普通に膝をついてやり過ごすほかないだろ……
っと、ミク、どうした?」
ミクがふらつき、腕やら脇腹をさすった。
「いえ……何でもありませんマフティー。
歌ったら盾の当たった所とかズキッと……
やるなあ……今の後輩たち……なんでもありません」
「ええい、痛むなら痛むと言え!
黙って無理された方が神経が苛立つ!」
ああもうパイセンは無茶する子だったぁ!
「すまないがナギサ嬢、ミクの具合が悪そうなので今日はこれで帰らせて……」
テラスのドアが勝手に開いた。
「テラスにクラシック以外が流れてるとは珍しいね……
ナギサ……その……すまない……」
十字に金のヘイロー
目に隈を作った狐耳金髪ロング幼女、百合園セイアが
銃の代わりに枕を抱えて入室してきた……
「神経が安らぐようなお茶はないかい……
たわいのない話をしてくれ……私が眠れるように……
ヒッ! マフティー・ナビーユ・エリンっ!」
こちらを見るなりひっくり返って卒倒しそうになり
枕を放り出して尻もちをついて後ずさる。
距離を取ろうと足をじたばたさせるも壁に阻まれて出来ない。
セイアは乙女の尊厳が漏れ出すことを堪えた。
「嘘だぁ……やだぁ……つまるところ夢だろこれ……夢に決まっている……
存在を捕捉されうるはずがないっ……」
「悲鳴を上げるな神経が苛立つ……!
どうして私はこう間が悪いんだ……おかしいよな……おかしい……
ところがどっこい夢じゃありません……現実です‥‥‥!
ヒフミのおじさんで居たかったのに……」
「ナギサ! ナギサぁ……今だけはお願いだから助けて!
サンクトゥス分派とかフィリウス分派とかどうでもいいから!
その……私の命の方が問題なのだよ!!」
「セイアさん!? セイアさん!?
どうしましたの尋常じゃない窶れ方ですわよ!
何がどうなってるんですのぉ!?」
「あ……はは……これ収集つくんですかぁ!?
ナギサ様、とにかくセイア様を助け起こしましょう!」
「どういうこったペロ!?」
「どうしてこうなった……」
マフティーは天を仰いだ。神経が苛立つほど蒸し暑く、空は透明な青さだ。
ティーパーティのテラスで行われる
大狂騒、大混乱。
そして数分後――
「夢の中では会ったが初めまして、か、私はマフティー・エリンだ……
確かに、友達と話をしろとは言ったが今来るか……」
「あ、ああ……百合園セイアだ……こいつら悪い大人だよ
……どうか、どうか助けてくれたまえナギサ……」
「は?はあ?」
セイアはナギサにピタッとくっついて陰から恐る恐る覗き込んでいる。
ナギサは訳が分からないという宇宙猫の顔をしている。
「どういうことですマフティー、夢の中であった? そんな乙女チックな……へえ……」
ミクパイセンはスンって表情が抜け落ちた。
無の顔をしているが神経が警報を鳴らしたので慌てて宥める!
「何を勘違いしてるか知らんがセイアがアジトを覗いていたから警告しただけだ!
ややこしくなる!」
こっからどうペラを回せばいいんだよ……
「君も悪党には血も涙も情もないと考える口かね?
世の中そんな単純なものでもないんだ、無視して回らない地縁しがらみもある。
そんなこと、トリニティの派閥政治でもまれたキミたちには自明の理だろう。
気紛れに慈悲を施す事だってあるさ」
エデン条約に差し支えるというかぐちゃぐちゃだよぉ……
こんなのテストに出ないよぉ……
「ついでに言うのであれば、私は闇夜の無敵の怪物でもない
今は特にな……アビドスの連中にしこたま煮え湯を飲まされてきたばかり……
ミクも本調子じゃない……
狂気と陶酔に任せて踊る気分でもない……」
セイアは訝しんだ。
「私は今すぐ悲鳴を上げてミカや正実を呼ぶか
アビドスの連中に通報したい気持ちでいっぱいだよ…!」
「よせ! やり合う気は、無いと言うことだ……!
恐怖はきちんと見定めないとなくならないぞセイア……」
「キヴォトス最高クラスの神秘、暁のホルスの全力をその身で味わってきたばかりだ……今ならば会話が成立する」
「そもそも……なぜアビドスと事を構えることになってるんですのぉ?」
「ゲマトリアの秘術で命を取り留めたミクを返せと殴り込んできたんだ……
頭に血が上っていて話にならんかったわ!」
「滅茶苦茶強かったですね、アビドスの皆」
「向こうからすれば勝ち逃げかもしれんがこっちからすれば痛み分け
私のチャート分析はめちゃくちゃだ……!
放っておいて寝そべっていても勝手に崩れるエデン条約など放置して回復に努めたかったのに……!」
「勝手に崩れる!? エデン条約はそもそも機密です!!」
「知らん知らんほっときたかったわ約束された脳破壊ナギサ会長!
救済不能の疑心暗鬼がよぉ!」
(※グローバル版)
「なっ……」
ナギサ、絶句。
「失敬、いささか神経が昂ぶり過ぎて余計なことを言った、忘れてくれたまえ
いささかマフティー性に欠ける暴言、失礼した」
「つまり……なんだね……その……マフティーは今弱っていて
私たちと事を構える気は無くて……エデン条約にも興味はない……
知りたいこと、聞きたいことはたくさんあるんだ……」
セイアの方がおずおずとだが切り出してきた。
こっちの方はまだ冷静になったら話せるな。
「ゲマトリアの目的はなんなんだい?」
「個人によってバラバラだが神秘と恐怖を解明して崇高にたどり着くこと。
形而上学的神、あるいはキヴォトスの覇権や玉座、何をもってそれとするかの定義も各人によって曖昧だ。
お前たちトリニティが一枚岩ではないように。
一応の大義は存在するが基本的に真面目に考えているやつは少ない」
「ゲマトリアの大義とは?」
「色彩などのキヴォトスを滅ぼす脅威を退けること。理念自体は同意する。
例え生徒を利用しようとも、私は個人的には神秘の無駄遣いなどしたくない。
私マフティー・ナビーユ・エリンは投資家で道化で預言者の王だ、ストップ安、上場廃止の株はいらんよ。
誰もいない舞台など滑稽が過ぎて寒い。
更地のキヴォトスの覇権を握っても無意味だ。
私は投資家で、思想家で、舞踏家だ。
キヴォトスのブラックマンデー・ドゥームズデイは見たくない」
神経が尖って何喋ってんだか分かんなくなってきた。
舌が乾くので紅茶を掴んで飲み干すが、すっかり冷めきって香りが飛んで苦いばかり、高級茶葉もこうなると台無しだ。
「滅びを排除した後……
先生ときちんと雌雄を決してこそ意味があると考える」
「理屈は通っている……だけど騙していないなんて保証ができるのかい?」
「そ、そうです、到底信じられません……まだトリニティのエデン条約を……
平和を願う気持ちも無視して利益に変える悪い大人の企みがあった……
そういわれた方が納得できますね……」
「反省していないトリニティにそんな価値は無い。
不祥事で自分たちの株が暴落しようとしているのに気づいていない大企業で学校法人だ。
個人投資家は利益にシビアでなければやっていけん」
ぶっちゃけセイアやナギサが自分たちの気づいていないトリカス味を反省して少女たちの精神成長が描かれるのはエデン条約編を通してだしな……
「そんな価値は無い……そんな価値は無い……?」
打ちのめされたような顔をするナギサ。
「マフティーは……どこまでも敵かもしれないが……
どこまで未来が見えているんだい?
同じタイプの異能者として気にかかるんだ……
未来が見えない、ミカの事がわからない……不安なんだ……」
「優しく知りたいことを教えてくれる先生ならともかく、カボチャの道化に聞いても悍ましい真実、あるいは与太と諧謔しか出てこんよ。
真実を語るものが最も愚かなものである、道化には相応しいかもしれんが」
エデン条約にどんな影響あるかわかんないし
もうチャートぐちゃぐちゃで
適当なペラまわすしかないんだよぉ!
「……不思議の国のアリスのマッドティーパーティはご存じかな?
女王から「時間の無駄」と怒りを買ってしまい……
小アルカナで対応するなら黒服がスペード、ハートの女王はベアトリーチェか。
マエストロはクラブっぽいな、話がそれた」
「それ以来、時間が止まったまま終わらないお茶会を続けている。
ずっとここで ――永遠に終わらない―― お茶会を続けているのです。
時計は止まっているのに、お茶会の客は『汚れていないカップ』を求めて、
果てしなく無意味な席替えをしながら時間を過ごすふりを続けます」
「ま、まさか……」
「それがティーパーティ、皮肉なことだな……
セイアは未来を見ているのではなく、過去を見ているのかもしれないぞ?」
「楽園にたどり着きし者自身が、その事実を自覚することはできるだろうか」
「マフティーならこう言うよ。
『溺れゆくものは海の深さに気を取られ、広さを知らぬ』
質問を質問で返すようで悪いが、巨大な水槽で海ごと汲み上げられた魚は
壁につくまでそこが海か、はたまた水槽か区別が付けられるとでも?
仕組みの深さ、水槽を割る方法があったらマフティーが知りたいくらいだ」
「そも、楽園の定義があやふやなのに 解を求めようとしている。
ハムスターホイールにしかならんよ。賽の河原だ、そうなってはいけないのに……
先生は優しい大人のやり方で君に解をくれるだろうが」
「古の経典にいわく価値あるものだけが天国に入り――
オリゲネスも同様に楽園と天国を区別し、アブラハムの懐。
楽園は高潔な死者の魂が天国へ登る準備をする地上の「学校」であると例えた」
「神の恵みと神との親しい交わりとを保ったまま死んで、永遠の救いは保証されているものの、天国の喜びにあずかるために必要な聖性を得るように浄化(清め)の苦しみを受ける人々の状態」
「また煉獄(プルガトリウム)は天国と地獄の間に位置する、
生前の罪を償うための中間的な世界である。煉獄に入った者は炎に焼かれ苦しむ」
「キヴォトスは天国じゃない、楽園と称すべきだ。
ここからが煉獄だぞ」
神経が尖り過ぎて与太とペラ回し、情報の洪水がどぱーっと
浴びせかけてしまったかもしれんな……
セイアは顔面蒼白だ。
「そんな……それじゃこのキヴォトスが……ハムスターホイール、巨大な水槽……
同じ時間をグルグルと回っている楽園で煉獄と言っているようなものじゃないか!」
「ああ、それとこれだけはセイアとナギサに頼みがある。
トリニティ自警団一年生、宇沢レイサをシャーレ居住区のカフェに決して、絶対に行かせるな。
与太や脅しじゃない。
特定の場所、土地と相性が悪すぎる神秘の筆頭だ。
カフェが爆発四散、シャーレのビルが消し飛ぶだけならまだマシだな。
私はラプラスの匣を開きたくない」
「キヴォトスの物理法則の安定性が乱れるんだよ……
互換無きテレポートによる核融合爆発、重力崩壊
最悪は真空の相転移、真空の対称性を破りかねん
試してみたいとも思わん。キヴォトスが亡びる」
「はっきり言ってマフティーの手に余るキヴォトス最悪の神秘。
それが起きる時間も不明、組み合わせてはいけない場所だけがわかる
例えば真夜中なのかもしれないし、真昼間なのかもしれない。物理法則の頑丈さを試したくはない」
「また他の女の子の話してる……レイサ……覚えとこ」
ミクがなんか言った気がするが無視だ
アプリ準拠世界でレイサカフェバグが直ってないと……えらいことになる。
後の与太でレイサがカフェを破壊した、とかカフェ出禁くらったとかの
笑い話で済むといいが……
走者の禁則をこの周回の先生が把握しているとは限らん。
「「どういうこと?」」
セイアとナギサは宇宙猫になった。
「あ、これアカン奴ですねマフティーさん、
土地を触媒にして罷り間違ってヘイローが物理現象に転化したら……
宇宙の法則が乱れる、そう言う文脈です」
「どういうこったペロ!!」
「未来永劫収容されるかヘイローを砕くかという極端な選択になりかねない
個人的クソヤバ神秘勢筆頭だぞあいつっていうかレイサは!
本人は悪くもなんともないのが最悪だ!
あとはなー、不味そうなのは自力でラプラスの匣のパスワードとトリップを割りかねないコユキとかか?
アイツ天然のニューロマンサーだろ……
無名の司祭の遺産のルーチン破壊出来るモモミドも怪しいし、瞬間記憶のノアも……
ミレニアムばっかだな……」
「……すまなかったな、夢を介した異能で災厄のラプラスの匣や色彩に接触しかねないセイア嬢にはどーしても能力乱用させたくなかった。
監視は解くからゆっくり寝ろ……」
そういったらセイアはへたり込んだ。
「もう既に卒倒したいよ……」
あ、イカン!!!神経が尖ってペラを回してたら
強大なプレッシャーが近づいてくる!このプレッシャー、ミカか!?
嫌な予感がする、早くこの場を離れねば!!
「話は終わりだ、行くぞミク!テラスの外壁を伝って出る!」
「ようやく終わりましたかぁ……」
「待ってくださいマフティー、貴方が話せば話すほど
聞きたいことが増えるんですけど!?」
ナギサがなんか言っているけど今はこのプレッシャーを避けるのが先だ!!
神経が全力で警報を鳴らしている!!
「連絡が欲しいならヒフミとデカペロロにしろ!さらばだ!!」
「あ、私も帰宅部系の仕事があるのでこれで失礼します!」
「そういうこったペロ!!」
ペロロ人形を抱いて脱兎のごとくテラスからダイブするゴルヒフミとデカペロロ。
すたっと着地する当たりキヴォトス人は羨ましい……
こちとら外壁を伝っとるんやぞ!!
もう何を話してどうすればハッピーエンドか完走できるんだ……
どう踊ればいいのかマフティーには分かんなくなってきたぞ……!!
調子に乗ってペラ回してたらエデン条約編ぶっ壊れるかもしれないが……!!
軽いノックの後……
ゆっくりと、軋むような音を立てて……テラスの扉が開いた。
「あはっ☆ ナギちゃんもセイアちゃんもいるじゃん!
久しぶりに三人そろったね☆」
「み、ミカさん……?」
「ミカ……ど、どうしたんだい……?」
情報の洪水で困惑しきり、倒れそうになっていたナギサとセイアの二人は今度は別の意味で震えた。
強すぎる神秘の圧。
「どうしたの? 顔色悪いわ二人とも、お大事にねっ☆」
「それじゃ、始めよっか、ゲヘナの奴らに媚びるなんて本当は虫唾が走るけど……
本当はゲヘナの連中の為に『冥福』をお祈りしたくて仕方ないんだけど……」
「予定通りに、完璧な、幸福なエデン条約の話をしよっか☆
……聞いてくれるよね? 友達だもんね?」
金色の瞳が嗤って光った。
面白いかどうかはは分からないし保証は無い。
もしこの世界のブルアカプレイヤーがいたら
考察で阿鼻叫喚かもしれん。