ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空 作:それがダメなら走っていこう
荒唐無稽な怪文書、割とここに極まれり回なんで。
あ、今回マフティーは磔なのでタイトルに踊り入らないです。
「手こずらせてくれましたわね、アリウスの新理事とアリウススクワッド」
陰湿そうなトリカスがクスクス嗤っている。
それに従わされる青い顔をしたトリニティ生徒がアリウススクワッドとマフティーの掛けられた十字架の足元に薪を積み上げていく。
アリウススクワッドの目は完全に死んでいる。
「決めることを諦めて……考える事を止めて……」
「知ってた。こういう結末だって」
「えへへ……上げては落として……先生に頼まれたアリウスの理事……
ちょっとはマシに……なりませんよね……私達を救ってくれればよかったのに……」
「私達には当然のことさ。私達は自分のやったことやろうとしたことにふさわしい罰を受けているのだからな……
虚しい……すべては虚しい……アズサ……お前は答えを見つけたのか……?」
こっから何とかなるペラ回しがあるんですか!?
磔にされているから踊ることもできないし!
「よく言っておくが、あなた達は、今日私と一緒にキヴォトスにいる。
明日以降は少し厳しそうだがな……」
アリウススクワッドはエリート特殊部隊、十全な状態なら逃走や打通の目も合ったが……
ベアおばによる反乱防止の為に補給は絞られ、継戦能力は絶望的!
召喚する予定の戒律の守護者はエデン条約締結前故に不在!戦力半減!
ベアおばの邪悪な計略と統率、命令系統を欠く!帥も邪悪な策も無し!
初戦では連携で優勢だったが早晩ゲリラ戦と憎悪と虚無に限界が訪れる!
イクサにロマンは不要!数と指揮、将の力で圧し潰す、足し算と引き算の世界だ!
博打に出て将を討てれば――だがおお、ナムサン!ミカテラー!!
ヘイロー破壊爆弾は読まれており起爆装置を壊された!ワンチャン無し!!
恐怖で統率されたパテル派の損耗恐れぬ非人道的突撃と包囲、陰湿さによって弾切れ!
彗星の魔女が戦場を決した。
多勢に無勢、衆寡敵せず!
トリカス仕込みの陰湿で凄惨なインタビューを受け、エデン条約のテロ計画をゲロらされた上で磔!
アリウススクワッド無惨!
「幾らなんでも火は不味いって……」
「おだまり!」
「ンアーッ!」
バシィ!と正論を吐く青い顔のトリニティ生徒を高慢で陰湿そうなトリカスが平手打ち!
青い顔をした生徒の左頬に紅葉が増える!
「おーっほほっ!あなたバカなんですの?
ちょっと火であぶられただけで死ぬ貧弱なキヴォトス人が何処の世界にいますの?
なにも殺すまで焼くわけじゃありませんわ。
連邦生徒会が来る前にかるぅく根性焼きと無様なミノ踊りしてもらうだけですわぁ!
犯人逮捕の際のコラテラルダメージというやつですわぁ!」
ナムサン!陰湿なトリカスの言うことはキヴォトスの常識だ!!
ただキヴォトスの常識はマフティーには当てはまらぬ!
「いいこと?アリウスの反逆者共がエデン条約にかこつけてテロを企み先生もゲヘナもトリニティも殺そうとした!
ヘイロー破壊爆弾などという危険物も持っていた……
ミカ様が起爆装置を破壊してくださらなければどうなっていたことか!
いわば、重・罪・人!ちょっと焼きを入れて連邦生徒会に突き出すだけですわ~!」
「アッハイ……」
「そうかな……そうだよね!」
流されるトリニティ生徒!
非道な拷問で済むかもしれないアリウススクワッドはともかく、マフティーはパンプキンパイだ!焼かれたら再走!
「で、でもミレニアムの株主を焼いちゃったら不味いんじゃ」
「おだまり!」
「ンアーッ!」
バシィ!と正論を吐く青い顔のトリニティ生徒を高慢ちきなトリカスによる再度の平手打ち!
青い顔をした生徒の右頬に紅葉が増える!
「有力者の派閥の後ろ盾くらい頭に入れてくださらない?
アテクシの後ろ盾は天下のカイザーグループ!
このカボチャは商売敵ですことよ!
ぽっと出のミレニアムの成金にいっっさい、配慮も忖度してあげる必要もございませんわ~!
これに懲りたらカイザーに対抗しようなど諦めることですわ~!」
ナムサン!マフティー暗黒マネーパワー、通じず!!
陰湿そうなトリカスがマフティーに近づく。
「ミレニアムの株主……部下の不祥事をもみ消しに来たといったところかしら?
自分で自分をお救いになったらどうかしら?
全ての株式とミレニアムの特許をカイザーに譲渡するなら…
無様なミノ踊りの時間を短くするようミカ様にお願いしてもよろしくてよ!」
トリカス、ほんまトリカス。
正直状況は絶望的である。
火で焙られただけでマフティーは死ぬぞぉ!
あーあ、また再走かあ……頑張ったんだけどなあ……
「自分が何をしようとしているのか知らないのか……
先生が君たちを赦してくれるように祈っておくよ……」
マフティーはそれっぽいセリフを言うことが精いっぱいである。
「まあ生意気!」
ボコボコにされたゲヘナモブ、アリウスモブ。
その祈るような両手に、火のついた松明を持たされ、両手は括りつけられている。
泣きながら松明を持つ彼らに銃を突き付けている気弱そうなトリニティモブ。
それを後ろで嗤いにいく陰湿そうなトリカス。
ああ、この構図でもうどうしているのかわかるね。
トリカスは責任を取る気はないようだ。
ミカはさっきから無言だ。
トリカスはほっといてミカに話しかけることにする。
ああ、思い出してきたぞ、思い出してきた。
「すまないなミカ、今回もダメだったよ、なんとでもならなかった。
アリウスと和解したい――やってあげたかった事を思い出したよ。
ミカの最初の清廉で高潔な願いだけは叶えてやりたかったんだが」
金の瞳が揺れる、見開かれる。
「ミカを救うには……
エデン条約も流れも何もかもを無かったことにするしかない。
あるいは徹底的に人格を否定するしかなくて――
どうあがいても、壊れて病んで狂ってしまう」
これは生き残る達人の間合いではない。
肉を切らせて骨を断つ捨て身の間合い。
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。
「ワガママでめんどくさい女で、それでも優しく明るく真面目なお姫様を。
世界が寄ってたかって魔女にしてしまった。
……世界が、優しければミカは──
学校に通い、友達を作って、幸せに暮らしただろう。
でも、なんとでもならなかった。ならなかったんだよ、ミカ。
だから──この話はここでお終いなんだ、すまないな、役立たずで」
「渇くなあ……」
喉と舌がもつれてきた。
「……………………」
ミカの金の目にはハイライトはない。
やがて堰を切ったようにまくしたて始めた。
「マフティーは分かったようなことを言って私を惑わす……
貴方がセイアちゃんみたいにワケわかんないことばっか言うから……!
私何にもしてないのにセイアちゃん壊れちゃった! 運命と未来が殺しに来る!
だからこうするしかないのっ!だったらせめてアリウスが先生を殺す前に殺す!
私は魔女になったのに、あいつらだけ許されるのは許さないっ!
魂魄百万回生まれ変わっても恨みを晴らす!前世で先生を殺した責任を取らせる!!
地獄の果てまで追い詰めて復讐しないとダメなの!!」
ミカの心はぐちゃぐちゃで支離滅裂だ。
何らかの形で彼女は編纂事象を知ってしまった……
ベアおばとの接触が契機か、偶発的なものかそれはわからない。
状況と心情と記憶と経験が整理されずに只管強いエゴで暴走している。
やりたいことはなんとなくわかるが……
アリウスを駒として虐げるベアおばと、アリウスに恨みのあるミカの組み合わせは最悪だ。
……ミカの羽に着いた赤い瞳が泣き止んでいる。
『せめて……死なば諸共……消えろ……私の大人の楽園が……
役立たずの兵隊も……先生も……イレギュラーも……!』
ベアおばぁあああああああああああああ!!
ベアおばああああああああああああああ!!
もう神経を尖らせて状況の打開策を……!
プレ先とプラナは現れなかった。
「――――何故わたしをお見捨てになったのですか……?」
その答えはすぐに神経の映す幻影として現れた。
プレ先はなんとかクロコの罪と責任を負おうとしていた。
先生は美食と一緒に登校拒否のフウカとジュリを救おうとしていた。
プラナは――レイサを手伝っていた。
「――全弾薬、補充完了。敵第三波、到達まで5秒ですレイサ。
神秘スタビライザー安定起動中、射撃弾道予測を表示――
危険、回避してください。
応射、今です、敵脚部損傷、敵より漏れ出た神秘を回収、肉体賦活に定格充填……」
そっか、そっか道理で!
みんながみんな、誰かを救うのに忙しい。
祈りが嘲笑われなかっただけ、マシか。
赦すしかないよね。
「腰抜けのアホにしてはよくやった方か……少しは何か成し遂げられた……か……」
「ラプラスの匣よ、私の霊を御手に――」
太陽は中天に高い。
ベアおばが合図を出し、陰湿なトリカスが松明を持たされたゲヘナ、アリウスモブに点火を促して……
昼の十二時ごろであった。その時、全地は暗くなった――
Let'sGo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「みなさん、私はペロロ様が好きです。
みなさん、私はペロロ様が好きです。
みなさん、私はペロロ様が大好きです」
「ん、知ってる」
「うへぇ~耳にタコができるよぉ……」
……は!?
この空気を全く読まないパロディはまさか……ペロキチ!?
1、2、3、4と書かれた目出し帽に5と書かれた紙袋!
それにあのトリニティ校舎屋上に陣取っているのは……覆面水着団……だと!?
「いいからさっさとやりなさい!アメミットぶち込みますよ!!」
ブチ切れミクパイセンが紙袋のファウストを脅しつけた。
「あはは!総力戦口上くらい言わせてくださいよぉ!」
「ヒフ……ンンッ、ファウストには『アレ』があるでしょう!!せっせと作ってるって自慢気に
モモトークで何時間も私に語ったじゃないですか!もうちょっとで完成だって!!」
「あはは……やっぱやめません!?ダメです、あれだけはダメです!!
幾らミクさんのお願いでも……キヴォトスわからせ用ですよ!?」
「良いからさっさとやりなさい!マフティーの危機です!ほんとに撃ちますよ!!」
「あははははちっくしょおおお!!
キヴォトスわからせ用ペロロ様の逆襲に何年構想掛けたと思ってるんですか!!
私のプロットが大炎上です!!私のさいっこうの黙示文学がぁ……!!
こんなところでぇええええ!!雑にいいいい!!」
「あ、あはは……こうなったら……よいしょ!
トリニティのみんなにも味わわせてあげます!
ペロロ様の本当の可愛さと、恐ろしさをわかってもらえるならぁ~~~!
それが私にできる、最高のプレゼントだから!」
「出ろぉぉぉぉぉっ!! お願いっ!! デカペロロジラ様ァァァァァ~~~!!」
「そういうこったペロ~!!!」
半泣きグルグル目で5と書かれた紙袋を被り、指パッチンするゴルヒフミのスチルを幻視した。
ヤケクソ気味に放り投げられたゴルヒフミのデカペロロ様バッグはぐんぐん大きく……
「わぁお……なにあれ……おかしいじゃんね!!」
この異常事態には流石のミカテラーにトリカス共もポカンとしている!
「いったいなんなんですのアバーッ!!」
陰湿なカイザートリカスお嬢様無惨!!巨大化するデカペロロジラ様の下敷きに!!
やりやがったミクパイセン!!
やりやがったゴルヒフミ!!
やっぱゲマトリアの絆しか勝たん!!
「平凡で、大した個性もない私(ヒフミ)。
凡庸で、三流悲劇文学のパロディを書く私(ゴルコンダ)。
トリニティが政治と自己の都合でマフティーを処刑するのなら……!!
私は私の好きを肯定したパトロンを助けに行きます!」
「文豪クズムーブ?
あはは……これが私の『リアリティ』です!誰にも文句は言わせない!!
いい歳してペロロ様のバッグとかダサいってクスクス嗤った奴らに反省を促してあげます!!」
「お前強めの私怨と私情混じってるだろヒフミぃ!!」
「大丈夫ですかマフティー!」
突撃してきた覆面水着団とミクパイセンが十字架から降ろしてくれた!
パイセン……優しいミクパイセン……!!
それに覆面水着団がマフティーを助けてくれるとは……!!どうしてだ……!?
目の前でデカペロロジラ様がトリカスを蹴散らしていく。
その光景があんまりにも愉快で、なんだか笑えてきた。
幾多の再走を重ねても、数えるほどしか言ったことのないセリフ。
最後に爆笑したのっていつだっけなあ?
マフティーは天を仰いで両手を掲げた。
マスクの中で一滴の光が零れ落ちた。
「あぁぁいしてるんだぁぁぁぁ君たちをぉぉぉぉ!」
「ウヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「アーッハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
突如現れた超巨大怪獣デカペロロジラ様。
混沌と狂騒に叩き込まれ阿鼻叫喚となったトリニティ。
その光景を見ながら、マフティーは狂ったように大爆笑していた。
面白いかどうかとか原作再現とかは置いてきた!書きたいものを書く!
次回、覆面水着団withデカペロロジラ様の逆襲VS彗星の魔女VSマフティー!
以下、省略されたゴルヒフミの完全詠唱。
「ペロロ様を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起しましょう!」
「髪の毛をつかんで引きずり降ろして眼を開けさせ思い出させてあげましょう!」
「トリニティの皆さんに恐怖の味を思い出させてあげます!」
「ペロロ様のカワイイ声を思い出させてあげましょう!」
「だがこの暗いお嬢様学園の闇の底で何年もの間堪え続けてきた」
「私にただのペロロ様ではもはや足りません!!」
「ペロロジラ様を!!」
「一心不乱のペロロジラ様を!!」
「天と地のはざまにはトリニティの政治では」
「思いもよらない崇高があることを思い出させてあげます!」
「超巨大デカペロロジラ様で、トリニティを燃やし尽くしましょう!」