ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空   作:それがダメなら走っていこう

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今日もブルアカ怪文書&与太話を製造してイクゾー!

おや?黒ユウカの ようすが……

独自設定やら独自展開いっぱい。

ターンAガンダム劇中歌
「BLACK HISTORY」を流してお楽しみください。
9/2 すまんの、描写漏れがあったので最後にすこし追記しました。


Vol.4 カルバノグ/インレの兎編
black history/たった一つの冴えたやり方


 

【Location:ミレニアム・ユウカの私室】

 

「ンアーッ!!注射針がデカすぎます!!」

 

漫画みたいな巨大注射器の採血をぐずる天童アリス。

健康診断にかこつけて天童アリスの体細胞――

修復用ナノマシンを採取した。

天童アリスには無茶な戦闘により身体の48%を損傷するも、短時間で完全回復してしまう驚異的な再生復元能力があるが……

 

 

「ダメね、プロテクトとロックを外せない……

コピーや複製も出来ない。

これじゃアリス本人にしか適合しないし――」

 

ヒマリが設計し、ユウカの持ち出しで作った未来観測機関「識」の予測演算結果でも……

 

コユキが頑張ればあるいは無名の司祭勢力に属するものへの拡大適応が可能ではあるが、そこまでだ。

 

誰にでも使える万能医療ナノマシンにするとコユキがぶっ倒れる……

そんな演算結果を「識」は吐き出した。

 

「コユキに手伝ってもらってもあるいは無名の司祭系列のオーパーツの修復位にしか使えないか……」

 

 

これでは黒ユウカの目的には使えない。

デカグラマトンが直せても仕方ない。

先生が助けられなければ意味がない。

 

「TURN X TURN A TURN X TURN A……」

 

何時も愛用している関数電卓……AC……オールクリアボタンを押す。

 

ご破算、ご破算、ご破算、ご破算。

 

追い詰められた表情で早瀬ユウカは検算する。

 

 

「ターンX……ターンA……ターンX……ターンA……」

 

うわごとのように黒ユウカは美しいソプラノで呟く。

何度も望む未来を求めて未知を追い求めても。

何度変数「X」を計算しても。

演算結果はご破算、オールクリア「A」に戻ってしまう……

 

「exhaust this……」

 

イグゾースト。

使い尽くす、からにする、くみ干す、へとへとに疲れさせる

疲弊させる、疲れ切る、くたくたになる、そして――余す所なく研究する。

 

「black history let me down!」

 

let me down ――私を失望させる。

 

黒歴史――ユウカは、思い出した。

ユウカの演算能力の一部と化していた黒服も、思い出してしまった。

 

 

シャーレのカフェに落ちていた、ショットシェルの空薬莢に触れた時……

ばら撒かれたバグの欠片に。

 

 

あの日、あの時、あの場所で。

上空75000mから、先生は流星となって戻ってきた。

アロナはやってくれた、頑張った。

でも――

 

数か月後――先生は血を吐いて倒れた。

 

「なぜ、なぜ、なぜ、なぜ!!なんで!?」

 

忘れていた、先生ならきっとなんとかなると。

なんとでもしてくれると信じていた。

奇跡だと、神秘だと、崇高だと……!!

 

先生を「仲間と認識し、互いに競い合える」と認識していた。

信じていた。

 

思い出していく。

黒服()が欲しがっていたもの。

ほんとうに、宇宙戦艦なんかが欲しかったの?

 

あの日、あの時、あの場所で先生に尋ねた。

 

 

「今こうして、私に尋ねる行為そのものが、どんな代償であれ差し出す覚悟がある――ということなのですね」

 

「アトラ・ハシースの箱舟」と同様に、キヴォトスの起源が込められた名――

「兵器」の最終形態――「ウトナピシュティムの本船」

 

「……その前に、一つ警告を。

先生の肉体は、これを使用した瞬間――

取り返しのつかない被害に遭うでしょう。

二度と、以前の状態に戻ることは出来ません。

――死に至る事さえ、有り得るのです。

それでも、よろしいですか?」

 

「あなたは、絶対に己を理解できないだろうと豪語しておりましたね

……ええ。私は今もなお、あなたという存在を理解する事などできません。

何故、すでに定められた運命を変えられると考えるのですか?

何故、破滅を迎える未来にあえて突き進むのでしょうか」

 

「……今一度お聞きします。

……何故?と」

 

本船を起動した代償が、先生に追い付いてしまったのだ。

身構えている時に死神は来ないものだ。

身構え終わった時に、先生に死神が来た。

 

終わらない円周率の計算。

どんなにどんなにどんなにどんなに計算しても終わらない。

 

こんなものが、こんなものが数秘術(ゲマトリア)の至高!?

 

(定められた未来を変えられない程度の性能に興味はありません!!)

 

(ざけんじゃないわよ!!)

 

((こんな冷たい方程式が崇高であってたまるか!))

 

「……ブラック……ヒストリー……」

 

「BLACK HISTORY」

 

あの時は、私は「何故?」と言った。

 

今ならば――わかるかもしれない。

この端末が、この体が方程式の答えをくれる。

 

ノア、コユキ、リオ会長――セミナーの仲間たち。

ネル先輩、アスナ先輩、カリン、アカネ、トキ。

ウタハ先輩、ヒビキ、コトリ。

ヒマリ先輩、エイミ、チヒロ先輩、コタマ先輩、マキ、ハレ……

モモイ、ミドリ、ユズ……アリスちゃん。

そして、先生。

 

「クックック……答えは得ました。

私は――私たちは今日この瞬間を絆と定義し、証明することになるでしょう」

 

 

 

 

カイザー残党が一発逆転を賭け、アビドスの砂漠の地下からウトナピシュティムの本船を発掘、制圧する前に――

 

 

「アビドス――今更許してもらえるはずもありませんね」

黒ユウカは、少しだけ悲しそうな顔をした。

 

「ウトナピシュティムの本船を起動して――」

 

「その代償で、数か月後に血を吐いて斃れる先生は見たくない」

 

ではどうすればいい。

合理と理性は無慈悲――

タダで、『先生』が代償を払わずに変数を持ってくるには――

 

モニターに、実験室のガラスに……

青い光が反射した。

ユウカの眼に溜まった涙の中の青い炎が。

 

「クックック……まだあるじゃない、完璧な、やり方が」

 

代償が消せないのなら、方程式の「移項」をすればいい。

 

「少なくとも、先生がやるよりは、私たちの勝率は高いはず――」

 

黒ユウカは袖で乱暴に涙をぬぐった。

 

「Q.E.D――これがたったひとつの冴えたやりかた」

 

たった一つの冴えたやり方――

SF小説で、主人公の少女が寄生生物を母星に持ち帰らぬために――

宇宙船の進路を太陽に向かって突き進ませる――

 

「悲しみも悲劇も、全て因数分解してやるわ!」

 

例え、一人でも。

ウトナピシュティムの本船を制圧し、それを先生に渡す。

 

 

モモトークのマフティー、ゴルコンダ、マエストロたちにメッセージを送る。

 

「ゲマトリアは解散しました」

 

これでいい、これがいい、今までやってきた

ゲマトリアの皆は巻き込めない。

 

『色彩』と無名の司祭が到来すれば。

私とマエストロ、不死身のデカルコマニーはともかく――

 

ゴルコンダはほぼ確実に「居なくなってしまう」から。

色々と尽くしてくれたマフティーも多分襲撃を耐えきれない。

だから、これでいい。




面白いかどうかとか原作再現とかは置いてきた!書きたいものを書く!

ゲマトリアは、おしまい!?

black history
暗黒の[陰惨な]過去[歴史]
そして、「黒」の経歴でもあります。

BGM
BLACK HISTORY 菅野 よう子
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