ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空   作:それがダメなら走っていこう

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今日もブルアカ怪文書&与太話を製造してイクゾー!


鳴らない言葉

 

【Location:ウトナピシュティムの本船・医務室】

 

「………………不気味か、レイサ、こんな男は」

「いえ……衝撃的過ぎてびっくりしただけです

マフティーさんじゃなく、キヴォトスの闇に……」

 

セイアとレイサが居る医務室が、重苦しい沈黙に包まれた。

 

「いつか、誰かが、キヴォトスの救世主、先生を願ってしまった。

待ちきれなかったんだろうな……

マフティー・エリンの存在そのものが黒歴史だ」

 

「黒歴史……私は、私にもあります……宇沢レイサは……

スケバンを止めてスイーツ部でキラキラした日々を過ごしたかった

カズサの古傷、グリグリえぐっちゃいました……

喧嘩友達だと思ってたのは私だけで

カズサにとって忘れたい思い出になっちゃったんです……ひっく……」

 

「今回だって……間違えて渡しちゃいけない子に匣を……

キヴォトスが滅んだら私のせい……ですか……

本当にごめんなさい、私、いつもこうなんです……

勘違いして、一人で突っ走って……すみません……

ごめんなさいセイアさん、ごめんなさいマフティーさん」

 

後悔でいつも明るく元気なレイサが見る影もない……

「レイサのせいじゃ……すまない……私が警告と受け取れず

猜疑に囚われてしまったばかりに……」

「レイサもセイアも悪くない……謝るのは私の方だ、すまない……

あの時点で素直に信じられるはずもない……

誰がどの面下げて夢に逃げたセイアを責めれるか……

嫌われてもいいからベアおばや色彩に精神を砕かれる末路は避けたかった」

 

「ブルーアーカイブは先生の為の物語(ナラティブ)だ。

だけどね、裏に秘められたメタテクストはそこには罪を背負って歩く救世主の苦難と責任もついてくるんだ。

責任を負えなければ偽預言者となって散ることになる」

 

 

知らなかったのか?ただの淫行教師が赦されるはずもない。

キヴォトスを舐め腐ったものの末路は悲惨だぞ。

 

ゲーム準拠ならゲーム準拠でそんなことまで考えないといけないの!?ってなるし……

生徒の為に育成編成凸贈り物と素材を山ほど用意……

任務失敗が生徒の死の可能性もあるんだぞ。

むしろこのガバチャーでここまで来れたことが驚きだわ。

 

「マフティー……君は……プレイヤ先生をなぜそこまで信じられる?」

 

「……奴こそが待ち望んだ本物の先生だからだ

私、マフティー・エリンはアイツに全てを賭けている」

 

私は神経の中で叫び続けてるよ!!

(頼むー!!プレイヤ先生――!何とかしてくれー!!

出来ればいい感じに全部なんないかなぁ!)

 

「そうではないか?

かつてのマフティーは結局この世界を救えなかった。

ということはこれまでの先生もまた偽物ではなかったと誰がいい切れよう」

 

「プレイヤ先生がしくじり先生(マフティー)、偽物の偽物になってもらっては困る。

真の先生のあり方、選択を、責任を、体で覚えてもらわねばならないのだ。

その苦労も……実れば良いのだが……」

 

「私の見た未来と違う、もう滅茶苦茶だよ。

エデン条約の時は先生が来るはずだったじゃないか……

それに、シロコテラー来襲の経緯も……あれは、色彩と無名の司祭に操られたプレナパテス先生が最後に残った生徒を託しに来たはず……」

 

 

「エデン条約では、セイアが有能過ぎると先生の出る幕が無くなる」

「そんな理由で……!!いや、キヴォトスがナラティブ、物語に呪われているとすれば……

メタテクスト、先生の試練を消すようなマネは許されないということかい!?

まるで運命に呪われているようじゃないか……」

 

セイアはやっぱり頭の良い子だ、打てば響く。

 

 

「トリニティが皆仲良しでエデン条約がつつがなく進行するとアリウスが救われなかったりする」

 

「キヴォトスの深すぎる仕組みを破壊する方法が知りたくてたまらないよ……」

 

 

「かつてセイアは私にこう問いかけたな。

楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか。

あの時は、あまりにも陰鬱な解すぎて言えなかったが……」

 

シャングリラ、失楽園。

 

「追放されて、楽園が壊れて初めてそこが楽園だったと知る。

そんな証明――求めていないだろう?」

 

完全なる不信。

「理解できないものを通じて、私たちは理解することができるのか」

 

「理解できない行動が行われて初めてそれが愚行愚挙だと理解できる」

理解できる愚行に堕ちてくることは有るよ。

 

「トリニティシマエナガよ、光の糸を見たことがあるかね」

「トリニティシマエナガって……光の糸……」

「政治と謀略で穢れた鳥の巣の中で、ミカとナギサとの友情は、真実ではなかったのか?」

 

「レイサにしてもそうだ。

スイーツ部のカズサは苦境のレイサを助けに来てくれた……確かに絆は有ったのだ……

孤独のヒーローレイサの頑張りは、無駄じゃなかったのだ」

 

「はは……マフティー!!いくらなんでも皮肉すぎやしないかい!?

最後に呑んだ真実の紅茶は、とんでもなく苦くてエグイ。

ミカやナギサと笑いさんざめいた他愛のない日常が……!!

光の糸……途轍もない奇跡だったなんて気づくなんて……!

幼い感情に振り回されるミカを小馬鹿にしたことが全ての発端……

トリカス……シマエナガ……マフティー!その皮肉なんとかなんないのかい!!

いちいち皮肉を言わなくてもいいじゃないか!当て擦りが酷いよ!!」

セイアがプリプリと怒った。

「すまないなセイア……」

 

 

「だが言われても仕方ないくらい以前の私は酷かった!

風通しの良くなったトリニティも、ミカがイジメられない未来も、この胸の悔恨と痛みもすべて忘れて……この反省を失くしたくない!

何もかも忘れてやり直すのはダメだ!もうこれでいいよ!!

永遠のお茶会はもうこりごりだ!!夢なんか見てる場合じゃない!!

私はこの苦い紅茶で良い!!」

 

 

「折角仲良くなれたレイサとの縁を手放すのも嫌だしね……

取り巻きは沢山いるけどね……ミカやナギサ以外を仲のいい親友と言い切れるかというと……」

「セイアさん……」

「サクラコ様もアレはアレで常に企んでるように誤解されやすいだけで楽しい人だぞ。

深読みしすぎるセイアは政治的意図を勘ぐって疲れるかもしれんが」

 

「あらかじめセクハラではないと断言しておく。

マフティーの清廉さに反する酷い例えをするが……

ハナコの制服の下は水着なのか下着なのか……奴がやらかすまでわからん!」

 

「セクハラ一歩寸前の酷い例えだよ!普通に下着をつけている良識があって欲しい……!」

「何もつけてない虹色に輝く可能性も普通にありますね」

セイアは顔を覆い、レイサはげんなりした。

「何を言わんとするかは分かるよマフティー……

ハナコに良識が残っていることを信じるしかないということか……

未来も人も同じ、か……明るいと信じるしかない、此処を楽園とするしかない」

 

「そういうことだ……ダメだってわかってるならちょっとでもマシにするしかない」

 

「あ、マフティーさん、全部終わったら逃げなきゃダメです。

もうだいぶだいぶ手遅れかも……

逃げてください、どこか遠い所へ。たぶん一生何処かに監禁されます」

 

レイサがマジ顔でそんなことを言う。

 

「いやおかしいだろ、おかしいよな、おかしい」

 

「アトラ・ハシースの愛してるんだ君たちをはダメです!

かっこよすぎる死にざまでみんなの脳を焼く気ですか!」

レイサに思いっきり大声で叫ばれた……

 

「君の頭は種しか入ってないスカスカカボチャなのかい!?

トリニティの誇るメンヘラピンクゴリラを構い倒せばそうなるに決まってるじゃないか!」

セイアにはおもいっきり罵倒された。

「……もう赦してくれよキヴォトス……」

 

 

「プレ先は?」

「手遅れだろうね……そもそもこのアトラ・ハシース騒動がプレナパテス先生を生き返らせる為にシロコテラーが引き起こしたものだ。

まさしく魂魄百万回生まれ変わっても添い遂げるレベルの恐るべき情念だよ」

「手遅れですね……」

 

「すまないプレナパテス先生……マフティーには命だけしか救えんかもしれん……」

 

「もう予知も筋書きも当てにならない。

キヴォトスの物語、ナラティブは壊れまくっているからね……

偽りの先生を助けられる希望が残っていると信じるべきだよ、マフティー」

 

「そうだなセイア……そのあとの事は……」

「後は当人たちの問題だよ」

セイアは目を逸らした。

「……そうだな! あ、色彩ビナー戦ではみんなは上手くやっているか確認せねば……」

 

 

【Location:アビドス砂漠・色彩ビナー戦】

 

ミノムシカヤデコイにビナーのミサイルが吸い込まれている!!

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”アーッ!!死ぬ、死んでしまう!!

防衛室へのビナー救援を握り潰したのは私だけど!謝りますからー!!

でも融資と財政支援要請を突っぱねたのは、アレは!アオイが!

書類に不備があるからって!!ぎゃあアアアアア!!」

吹っ飛ばされても雨雲号からワイヤーで吊るされ再出撃!

 

「うへぇ~うへぇ~……! おじさん今更こんな事言いたくないんだけどね~

おい、ユメ先輩、おい。

もっとしっかりしてくださいって私あれほど言いませんでしたっけ」

 

「ひぃん!マジでごめんなさいホシノちゃん!!反省してるから!!

出てる!暁のホルス出てる!キレッキレの尖ったナイフみたいなホシノちゃん出っ放し!

漆黒の殺意で光る眼で見ないで!!

その怒りと眼光は色彩ビナーにぶつけて!お願い!」

 

ホシおじの精神テンションは今! 一年生時代にもどっている!

パイセンが カイザーのワナに殺されたあの当時に!

冷酷!残忍! 慈悲はない!

 

「あの時の殺してやるぞ陸八魔アルはホントに怖かったわ……」

 

ミクパイセンを睨みつける暁のホルス、背景でミサイルのデコイにされているカヤ。

マンガの様な誇張された涙を流して平謝りするミクパイセン。

暁のホルスの殺気に白目剥いてるアル社長。

 

「勝ったな」

 

マフティーは思わずそうつぶやいた。

色彩ビナーの戦闘中で茶番の掛け合い出来てる時点で余裕だろ。

こうなればもう後は採集決戦だ。ビナーは素材をはぎ取られるのみの運命だ。

アビドス方面の虚妄のサンクトゥムがへし折られるのも時間の問題だ。

プレ先を助けたらアトラハシース撃破のどさくさに紛れて本気で明日に向かって逃走することを考えたほうがいい気がするぞ……

 




面白いかどうかとか原作再現は置いてきた、書きたいものを書く!
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