ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空 作:それがダメなら走っていこう
与太とネタと怪文書の類だから!
ゲマトリアの応接室で初音ミク?さんに
ブラックコーヒーを出して神経を鎮めるよう促す。
「落ち着いたか?」
「はい……なんとか……落ち着いたら色々……思い出してきました。
右にしかヘイローがないので変な感じ……
こう、じゃなかった気がするけど……」
しきりにツインテールを弄っている……
透明度の高かった焦げたアビドス制服は
謎の爆発と共にオーパーツが変化したフリル制服に着替えて貰った。
出現した初音ミクフリル制服は通常のものと違い
デザインはほぼ共通だが白が殆どなく
カラーリングが全体的に黒に置き換わっており
セーラーカラーのラインは赤、腹部の飾りの部分は紫だ。
ちょっとだけ透明度が強化されている。
わずかにスリットと横乳を強調した
胸部装甲だけでもう透明度が高い、匠の技ですねクォレワ……
露出は多くなくていい、素材の持ち味を活かせっ!
ニチアサ行けるライン、偉大なる統括Pもお喜びになるでしょう……
悪堕ちしたわー 友情パワーで蘇ってー!
いかん、透明度の高さに思考がそれた。
神経でも胃でもないものがイラつきネタキャラ化しそうなので
真面目な話をしてマフティーに大事な清廉さを保とう。
友情パワー以前にこいつがミクの皮被ったユメ先輩なら
ガチのハサウェイ化した暁のホルスに粛清されるわ!
「私はゲマトリア所属のマフティー・ナビーユ・エリンだ。
記憶喪失で名前も思い出せないとのことなので
関連性のあるそのアンドロイド素体に名付けられるはずだった
初音ミク嬢と仮に呼称させてもらう、すまないな。
死んでいるから元の名前は使えないと思ってくれ」
「思い出せませんし、その辺はまあ……
えっと、要するに私、生き返った……んですよね?
友軍を逃がすため殿でビナーと戦ってたはずだったんですけど……」
「けど……?」
「あの機械の蛇トマト食べてました」
「……トマトって、野菜の?」
「はい」
「あかーんーー!!ムリィ!
せめてシャーレの精鋭が最低でも2部隊は欲しいわ!」
トマト、つまりは難易度トーメントじゃねーか!
ビナー君じゃなくてビナーさんかあるいは様を付けろよデコ助野郎!
違いを痛感する静観の理解者の方です!
「あれ一体にネフティス・カイザー総崩れになってましたから……」
初音ミク?は髪を弄るのを止め、自らの頬を抓っていた……
「何をやっている?」
「生き返ったのが夢じゃないことを確かめてて……
私にそんな途方もない奇跡みたいなことが起きたなんて……」
はぁー、溜息出ますわぁ……
どうしようもないほどに、仕草がその人!!
該当人物がユメパイセンしか思い浮かばねえ!
「狙ってやったわけではないがな……
ゲマトリアの実験中、偶発的な形で君は蘇生した。
簡潔に説明するよう努めるが……元から取り巻く状況も含め複雑な話だ」
「なんとか……ついていきます」
「会話が成立するということはエピソード記憶が逝ったか……
要するに言葉や日常生活などの意味知識はあっても
思い出や人の名前と顔……誰と誰とあったあたりはさっぱりか」
その辺飛んでるとそもそも会話が成立せんからな……
「その辺はさっぱりです、元から自分で何か決めるってのは苦手で
あ、多分……そういう性格だったんだろうな……って……」
「まあ、記憶が飛んでも性格や思いはそう変わるものではないが……
死んでから生き返ったという自己認識があるなら当然だな。
現状、君は無所属でどこの学園の庇護も受けていない。
しかもここは生徒の神秘を利用してのし上がろうとする
ロクデナシの悪い大人が集まった秘密結社ゲマトリアだ」
「悪い大人なんですか!?ちょっと待って整理させてください……
えっ、私今ヘルメット団やプラプラしてる無所属の無軌道学生!?」
ショックを受けてしまったようで頭を抱えている。
「私はメリットよりもリスクが勝ると考えているので
君がうんと言ってくれれば当座の生活費を渡して
ミレニアム、アビドス当たりで穏便に別れて再入学して欲しい
シャーレの先生に拾ってほしい気持ちでいっぱいだが……」
頼む―頷いてくれー!護衛は喉から手が出るほど欲しいけど!
ぜひ自分で頑張ってミレニアムかアビドスに入るか
シャーレで保護してもらうか……
「いやいやいや、右も左も殆ど分かんないんですよ!?
自分で何かやれ、って言われても……困ります……」
首を振られた。
もう許してほしい。
「だろうなあ……」
そして黒服とかマエストロとかゴルコンダたちが
テンション爆上げの図を思い出してしまった……
「あ、ダメだ、無責任に放り出すと他の奴らが黙ってない」
「死んでしまった人が生き返るのがすごいことってのは
流石にわかります……」
「カイザー辺りのブラック企業も
君のヘイローを砕いても解剖してでも秘密を探りたい奴は多いだろうな
身内にも多そうだから嫌んなってしまう……」
ベアおばとか黒服とか……
マエストロもゴルコンダもテンション高かったから……
「折角生き返ったのに死にたくないです!!」
「だろうなあ……」
「私の心配してくれるんですか?
……あなた、何でそんな悪の組織にいるんです?」
「生きる為に仕方なくだよ!これしか仕事がなかったんだよ!
本当にいい加減にしろよキヴォトス……」
「何もかも環境が悪い……その気持ちちょっとわかるかも。
ああ、48時間寝て暮らしたい……
ふわふわした理想だけ語ってたい……」
初音ミクパイセンは眠そうな顔してる……
「……お前結構ダメな奴だろ?人のこと言えんが」
「ひどくないですか!?」
「お姫様扱いされて当然と思う所が困る。
舐めた事抜かしてると反省を促してやる!
状況はそんなところからとっくに過ぎてんだよ!解れ!」
「そんなあ……ダメですかぁ~」
「ダメというか死ぬぞ?寝て暮らすともれなく実験体生活だぞ」
「そういわずに何とかしてくださいよぉ~」
「泣きつくな神経が苛立つ!お前そのゆるふわな性格で
今までどうやって生きてきたんだ……!!」
「頼りになる後輩が……
いたような気がしました、顔も名前も思い出せませんけど」
お辛いんですが。
お労しいんですが。
あとマフティーの粛清フラグを立てるのはヤメロォ!
カリカリ激おこ閃光の暁のホルスによる
マフティー粛清フラグを立てるのが趣味なのこの子!?
「……なんとかしてやってもいいが、その先は地獄だぞ?」
「あはは、何言ってるんですか……
キヴォトスは控えめに言ってとっくに地獄でしょう?
頑張ってもどうにもならなくて……
奇跡みたいな何気ない日常の幸せもあっという間に失われる……」
「眼のハイライトを消すな、そんな顔をするな、闇を出すのやめろ」
「じゃあ何とかしてくださいよマフティー、出来るものなら!」
「アビドスに千年の栄光を齎して見せてくださいよ!!」
「もし出来たらなんでもしますから!」
「気持ち悪い媚びをうってんじゃぁ無い!!神経が苛立つわ!」
マフティーは暇人!
ここでクッソ汚い回答するやつは腰抜けのアホだ!
「き、気持ち悪い……そこまで言わなくてもいいじゃないですか」
「なんとかしてほしかったら敬意を払え!何でもはなんとかならんが!
仕事はある、護衛戦力が足りんのだ……」
「護衛……まだなんとかなりそう……やってた気がする……」
「後は……歌えるか……?」
「歌ったこと無いです……すみません」
「はあ~……まあ、いい……
本当はちょっとダンスに伴奏が欲しかっただけだからな……
やってもらうのは護衛、歌と踊りのレッスン
そして実験にかかった費用の返済と勉強だ!
それ以外はフヨウラ!」
「借金返済勉強護衛……歌と踊り以外だいたいいつもの事ですね!」
「もうやだ……中身完全にパイセンじゃねーか……」
話しているうちにわかってきたぞコイツ……
自分の事となるといくらでも自堕落になって……
平和で一人だと何時までも遊んですごしているような奴で……
依存気質、小心でおっかなびっくりで
責任を負いたくなく、重大な決断をするのはストレスで……
わりとポンコツで……
「でも悪い人の組織なら……
強盗とか襲撃とかも出来なきゃダメですか……?」
「誰かを傷つけるのは嫌か……最大限配慮しよう」
「はい、護るならまだしも傷つけるのは……
基本的に私モチベが他者に依存してるんです。
私のために何かやってくれる人に私は何かしてあげたい」
「お前、もしかしてお世話焼きだろ?
頼んでもないのに甲斐甲斐しく世話焼いて」
「一人が怖いから」
「お前それお願いされたらなんでもやるって事と一緒じゃね……?」
「よっぽど嫌なことじゃない限り……友達とかなら……」
「しっかりしてっていわれない?」
「事あるごとに言われた気がします」
「強く頼まれたら断り切れない?」
「はい」
剣の代わりに盾もった女版エミヤ、
ブラウニーみたいなやつじゃね……?
「もしも、もしも砂漠が緑に代わり、皆が助かるとしてその代償が自分だったら頷けるか?」
「死ぬのは嫌、死ぬのは嫌ですけど……
その判断が間違いでないのなら……」
「そこで迷うあたりもう駄目だ、普通の奴は自分が一番かわいい。
それしかないのなら、そうするのだろう?」
「どうせ地獄なら生きた意味があってほしいじゃないですか。
我慢しちゃうかもです。
信じた物の為に、皆の為に……私って、優柔不断で色々ダメですから……」
「ダメ……じゃあないが色々と時代が悪いな……」
決断はストレスに代わるけれど
人がかかわると素直で真面目で
みんなの為なら色々考えてくれて頼られ周囲に祭り上げられるタイプ。
クラス会議で学級委員長に推されてみんなの為でお願いされ頷くタイプ。
恐らくは限度のない献身、回りの人間次第でいかようにも変わる。
すっごい悪い奴が周りに居ればいつまでも不幸な子。
女友達居たら周りがほっとけない子だわ……
滅茶苦茶いい子であり都合のいい子でもある。
「土壇場になると肝が据わる方なんです。
護ると決めたら死んでも引かない
例え死んでも守りたい」
「その生き方は地獄だぞ」
「でも……最後の最後。
私の体は無敵の盾で出来てはいなかった。
14に砕かれる中で
私が人間だったということを思い出しました」
いざという時に自分を勘定に入れ忘れて
最後はみんなの為に死んで全方位曇らせ発生装置。
無理した笑顔でつっこんで
最後の最後で本音を漏らすところまで含めて……
無私かつ自己犠牲的な選択を衝動的に取って
後からそれを後悔する子だ……
「でも……護ってくれ、と頼まれたのなら……
仕方ないですよね……命の恩人でもありますし……」
「死ぬまではやらんでいい、良心が苛立つ」
マフティーのなけなしの良心をチックチック刺激して来るんですけどぉ?
トマト食ってる方のビナーに一歩も引かなかった女だ、面構えが違う。
「個室を与えるから別命あるまで待機。
食糧、武器弾薬、教材など追って渡す」
「はーい、いろいろ考えて指示してくれる人がいると楽ですねえ」
「主体性を持つよう反省を促してぇ……」
初音ミクの皮被ったユメパイセンを個室に待機させ
タブレットを弄る。
初音ミク:検索結果:0件
「コラボが終わったから『削られて』しまったか」
存在し続けるといずれエンジニアが作っちゃうという因果が発生するから……
経緯を追加調査していく。
××ユメ
アビドス高校三年生生徒会長
最終任務はカイザーコーポレーション
セイントネフティス合同の発行の「ビナー調査任務」
ビナーの活動範囲調査中に遭遇。
鉄道建設現場視察に来ていたネフティス令嬢及び
同行したカイザー私設兵とヘルメット団の撤退時間を稼ぐため【KIA】
カイザーとネフティスに停車駅用地を提供する形での
生徒会長の停車駅誘致があったがビナーの危険性の為
セイントネフティス主導アビドス砂漠横断鉄道はルート変更を余儀なくされ
アビドス校舎―オアシス間の停車駅は廃案に。
「彼女は彼女で夢みたいなことを何とか自分で叶えようとしていたか……
すべて裏目に出てしまったようだが……」
疲れた……とても疲れた……
神経が苛立ちすぎる……寝よう……
結局、睡眠時間は殆ど取れなかった。
何故ならば……
「聞いてくれマフティー! あの動きはシッテムの箱を模した……」
「オシリスの復活をなぞらえた文脈と記号では……」
「話にもならんほどの芸術性がそこにあった!
美に跪かせていただきたい!」
「語りあかそうじゃないか!舌を噛むほどに!」
「そういうこった!!」
ゲマトリアの先輩方に叩き起こされ、根掘り葉掘り話を聞かれたからだ。
「あの人たちが専門用語でまくし立てて
何言ってるかちんぷんかんぷんです……いつもこうなんですか?」
ミクがゲッソリした表情で問うてきた。
「実際悪い奴らで美術家と文豪こじらせてテロ行為とかするけど
死んでいい奴って……わけでもないんだ……サークルの先輩だし……
衒学的過ぎて私もついていけなくなることがあるんだ……」
「その割には流暢に対応してますよね。
ヘイロー壊したりしなきゃテロでも政治と金で
結構有耶無耶になっちゃいますよねキヴォトス」
ミクがテロ位ならまあ……いたずらの範疇のような顔
してたからやっぱりここ常識がおかしいって。
「マフティー性の欠片もない
キヴォトスのそういう治安も福祉も優しさも清廉さも高潔さも皆無な弱肉強食。
ひっじょーに良くない傾向だと思うぞ……反省を促してぇ……すべてに……」
パヴァーヌまでそんなにたくさん時間ねえんだぞ!
ミレニアムプライスまでにもっといろいろ準備させろよぉ!!
というか踊りつかれたし悩みつかれたから寝かせろよぉ!
ミクパイセンとゲマトリアサークルの愉快な仲間たち。
マフティーの胃や神経に加え良心を痛めつけるミク先輩。
面白いかどうかは分からん。