ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空 作:それがダメなら走っていこう
存在しない最終章第五章
終わりのはじまり。
【Location:ウトナピシュティムの本船】
回転しながら落下し、爆発していくウトナピシュティムの本船の中で。
管理ユニットから首だけ出した燃え盛る青い炎を宿す黒服。
「クックック……見えますかマエストロ、アレが」
「あれが、崇高……キヴォトスのヘイローさえレールにして走る鋼の蛇に」
「それを追う峻厳、そしてそれを止めるために踊る漢……」
「ああ……何たる荘厳で美しい……
黙示録的でさえある光景か……喝采を……万雷の喝采を……」
双頭のマネキン……マエストロはひとしきり歓喜に打ち震える。
「もう少し特等席で眺めていたいところだが……
ここはいささか危険に過ぎる、続きの鑑賞は地上でやろう」
「美を前に心情は痛いほどわかるが観測も考察も退避してからにすべきだ
此処に居座るとさらに醜い姿になってしまうからな……」
「クックック、ゲマトリアの英知でさえ追いきれぬ究極のオーパーツ……
カバラの名を冠する先進波を捕まえるタイムリープシステム
各車両は光を覆い隠す殻……死の樹のオマージュ……
10レイヤーのOSIの階層モデルも混じっていますね……」
「一体いくつのテクストとメタファーが込められているやら……クックック!!」
興奮して解説を辞めぬブラックスーツの怪人を
管理ユニットから引きずり出し……
双頭のマネキンマエストロは、オーパーツを使い掻き消えた。
地上では様々な人たちがキヴォトスのヘイローを指さしている。
無名の司祭が片手を頭の後ろに回す振り付けで踊っている。
【Location:時間列車カバラ】
「ん、見事な着地」
プレナパテス先生は山賊に略奪される米俵めいてクロコの肩に担がれている!!
ちなみにシロコの方も無事分離!!
ちなみにシロコとクロコはちゃんと分離した。
色彩放逐装置が妙な働き方をしたようで
クロコを放逐しきれず実体化させてしまったようだ。
これが終わったらプレ先、襲われるんだろうな……
せっかくミイラから復活したのに……
すぐまたミイラにされそう……
マフティーがそんなことをのんきに思っていられる時間はそう長くなかった。
「何だ、この、げっそりする感覚は!!」
歌おうにも歌えない、踊ろうにも踊れない。
凄まじいプレッシャー、いや怨念めいた情念を感じる……
舌がもつれる、足が震える……
「忘れられない記憶を私に刻み付けてください……先生……全部お時間いただきますね♡」
「にはは……生徒には言えない『秘密』を作りましょうよぉ……」
「すまない、セクシーセイアですまない……」
「これからも、よろしく!おねがい!します!!共に夜明けを見ましょう……ひひ」
「最高のゲームを作るために……恋愛経験も教えてくれるよね……?」
「お姉ちゃんと一緒じゃなく、私だけで先生を独占したいですね……」
「うへぇうへぇ……もう何も信じられない……信じられるのは先生だけだぁ……」
「うちといっしょにロストパラダイスリゾートで暮らそう……?」
「ずっと、ずぅーっと一緒ですよ……マフティー先生♡」
そんな心の声が、時間列車の前の方から聞こえてくるのを神経に受信した……
(◠ڼ◠;)
"うわっ……思ったよりヤバいのが出てきたね"
"マフティーどうすんのこれ、ボク帰っちゃダメかな?"
プレイヤ先生も断片的に怨念と情念を受信したようだ……
「大切なものは決して消えることはありません。
大丈夫です。何とでもなるはず、マフティーがきっとやって見せてくれるはずです。
ですから帰りましょう。プレイヤ先生。
――私たちのすべての「奇跡」が在る場所へ」
₍₍(ง #)ว⁾⁾
「ふざけんなアロナぁ!?感動が台無しだよ!!」
「貴方の担当生徒でしょう、早く何とかしてください」
プレナパテス先生には目をそらされた……
「ん、色彩の力はまだ残ってる、プレナパテス先生を担いで飛ぶくらいなら何とかなる」
「演算――空間跳躍のサポートはお任せください」
そういえばクロコワープがあったなあ!!
プレ先とプラナ、クロコ分の脱出シーケンスは考えなくてよさそうだけどさぁ!
ナチュラルに見捨てないで!!!
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「ウワーッ!!行きたくないー!!タスケテ―!!
待て、待ってくれ、待って!見捨てないでプレイヤ先生!プレナパテス先生!」
「プレイヤ先生、プレナパテス先生!
待て!!待ってくれ頼む!!私の意志を、思いを継いでくれ!お前らが!!
お前らにしかできない!お前らは選ばれし者だというのがわからないのか!
お前らならなれる!!完璧な……究極の先生に!!」
「プレイヤ、プレナパテス行くな!!私を……俺を置いて行くなアアアア!!」
マフティーも必死である!
恥も外聞もなくプレイヤ先生とプレナパテス先生に縋りつく!!
ここで置いていかれたら希望の未来は断たれてしまう!!
(◠ڼ◠;)
"流石に『帰る』を選択するのは冗談だけどさ……"
「マフティーのガバに振り回された身としてはこのくらいしても許されるのでは?」
プレ先もプレイヤ先生も冗談がきついって……!
"同僚の先生を見捨てたら先生のコスプレイヤーになっちゃうじゃないか"
"私は……ボクはなりたいんだ……『ほんとう』の先生に"
"先生のコスプレイヤーじゃなくて"
"生徒と遊び惚けるものじゃなくて"
"生徒の幸せと健やかな成長を祈るものに、祈りの責任を負えるものに"
"それにこの列車がキヴォトスをループさせてるんだろう?"
「ん、それがあった……クロナを何とかしないとまたやり直し……」
クロコもワープを取りやめた……
"マフティーとプレ先をブラッドレッドアーカイブから助けたら……どうしよう"
"キヴォトスと生徒はなんとか護れそうだけど"
"貞操とか社会的風評とか独身生活とかは守れるかなあ……?"
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「それも大問題だが……だれがどの面下げてクロナに逢えというんだ……」
(◠ڼ◠#)
"逃げるな、先生と大人の責任から逃げるな"
"マフティーが犯した最大の過ち、ガバはクロナを放っていたことだと思うよ?"
「導くべき生徒を放置、この件に関してはマジでビンタものですよマフティー」
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「耳が痛い……」
「私もせっかく蘇ったのにまた一から色彩の教導者として生徒を託すのは御免です」
「とは言えクロナと『色彩』を何とかする算段はあるのですかマフティー?」
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「ある、これに関してはチャートがある。
俺たち三人は先生としてはみな半端だ。
しくじり先生のマフティー、
コスプレイヤーのプレイヤ、偽りの先生のプレナパテス……
しかし、大人のカードをそろって翳して
三人でシッテムの箱のパスワードを完全詠唱したことはないはずだ
一人だけでもダメで、思いだけでも力だけでもダメだが……
三人そろえば、あるいは」
(◠ڼ◠;)
"なるほど、三人そろって大人のカードを使えば"
"色彩の黒い虹を塗り替えてカバラを止めることができるかも……"
「大人のカードの光を重ねて虹を作る……
この列車に込められた呪いのテクストを塗り替えて
何とでもなるかもしれませんね、では早速……」
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「まて、プレナパテス先生……!まだ早い!!
果てなき怨嗟と呪いが鳴らない言葉を乱している……
声の波紋を押さえつけろ!!」
「お話は、終わったかい、先生方?」
「不可避の破滅に怯え、夢に呑まれ
今ここにある今日を「選んで」しまったセイア。
いや、セイア*テラー!!」
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「カードを構えろ!総力戦だぞっ!!」
【Location:時間列車カバラ10i/寝台車キムラヌート】
【シマエナガのなくころに】
時間列車カバラの車内の光景が、真夜中のトリニティ
月の上る百合畑へと書き換わった。
あたりには沢山のベッドが散らばっている……
豪奢なものから、病院の寝台まで。
セイアが寝ていたと思しき、たくさんのベッド。
「現世は夢夜の夢こそまこと」
「こんなところまで来てしまうとはね……」
「プレイヤ先生よ、君はよくやった。
さあ、私の介錯に身を任せたまえ。
君は死に、そしてキヴォトスを忘れ、外の世界で目覚める。
解放されるのだよ。この忌々しいプロセス、キヴォトスから……」
(◠ڼ◠#)
"断る!!"
「ん、ふざけないでー!せっかくプレナパテス先生が生き返ったのに
一からやり直しなんて認められるわけないー!」
「なるほど、シロコ*テラー、君も先生の色香に呑まれたのか。
全く、君は頭蓋骨の中に海綿体でも詰まっているのかい」
「まだ見ぬ明日、希望、未来、可能性……生徒の笑顔……まあ、どれでもいい……
青い夢に酔っぱらったもの。
そういう者を始末するのも、預言者の役目というものだ……」
セイア*テラーはガンスラッシュ……
イギリス銃剣の不滅の刃デュランダルを構えた。
「そんな空虚な言葉は私は信じない。
今確かにある今日、存続の保証。
未来永劫にトリニティの人理を継続する。
来たまえ、私が誘ってあげよう。
クロナの黒き夢の中へ……」
(◠ڼ◠#)
"マフティー!助っ人をよこせ!!"
₍₍(ง #)ว⁾⁾
「ああ!何とでもなるはずだ!色彩とテラー生徒に相性は考えなくてもいい!因縁で選べ!!」
"前衛はミカ、アツコ!中衛はサオリ!後衛はミサキ!支援はヒヨリ、ナギサ!"
「大概の生徒は地上に送還済みです、大人のカードで召喚するしかありません!」
セイア*テラーがわずかに顔をしかめた。
「……これは、何とも皮肉な組み合わせじゃないか」
「アリウススクワッドにティーパーティとは」
「はは……わからないのかい、ミカ、ナギサ……
永遠、永遠があるんだよ……永遠があるんだよ……」
「いい加減に起きてくださいセイアさん!!
私たちが望んだのは、そんなものじゃないでしょう!!
キヴォトスの明日であって、トリニティのかりそめの平和ではないはずです!」
「未来永劫にトリニティの人理を継続する……」
「私たちがこの永遠のお茶会を続けている限り、キヴォトスは滅びない」
「聞こえないなあ、セイアちゃん!貴女の言うこと、相変わらず一つもわかんない!」
「うん、わかった、それじゃ、ちゃんと喧嘩しよっか、セイアちゃん」
「トリカス仕草を反省しなきゃ、じゃんね」
「はあ……ああ……マフティー……あるいはエリン……」
「我らの祈りが聞こえないのか……」
「無名の司祭にそうしたように……我らに……英知を……」
「マフティー先生、ミカ、ナギサ、誰でもいい、この煉獄の悪夢から開放してくれ……」
「……魔女でいいじゃんね、魔女らしいやり方で、お話しさせてもらうから」
「君がいくらゴリラでも当たらなければどうということはないんだよ!!」
「ひっどーい!何言ってるのか聞こえないじゃんね!」
「アッハハハ!おお、素晴らしい!夢の中でも魔女とは!」
「けれど、けれどね」
「悪夢は巡り、そして終わらない物だろう!!」
セイア*テラーとミカとナギサ、アリウススクワッドが戦っている。
セイア*テラーには予知と直感で攻撃がなかなか当たらない。回避率が高い!
銃弾と一緒に思い出が飛び交う。
あまりにも高速な戦闘展開はマフティーには見えなかったが……
セイア*テラーの声の波紋
総力戦BGMだけはおぼろげに聞こえた気がする……
Beatrice! Maga crudele!
(ベアトリーチェ 残酷な魔女!)
舞い踊る蝶の翅 夢と現(うつつ)行き交い
降り止まぬ雨音は 真実(まこと)も嘘も隠す
開かれし宴と 選ばれし羊と
絡み合う憎しみが 杯を満たす
エデン条約調印式のスチル 選ばれし羊 先生。
アリウススクワッドと憎しみ合うミカ
ベアおばと憎しみ合う先生
ナギサの持つ紅茶のスチルが映り込んだ気がする。
囚われた世界で 何を探している
許しあえる奇蹟(きせき)を 願っていても
声は風に浚(さら)われ 君に届かない
繰り返す孤独 愛がなければ消えない
寄せては返す 喜び 哀しみ
暗い夜半の海へ 流そう
涙も傷跡も 全てが交じり合い
偽りの君は 闇の中へ
Rumore di onde. La voce del mare come un canto
Ascoltando sembra purificarsi la copa commessa
Mi culla dolcemente il rumore delle onde
Sereno mi addormento e ho sogni felici
(波の響き 潮騒の唄)
(禁断の実に触れた 罪を潜めるように)
(波の響き 優しい揺り籠)
(浅い眠りに包まれて うたかたの幸福な夢を)
閉ざされた眸で 何を映してる
壊れたその欠片を 集めてみても
触れた指を零れる 君に届かない
彩られた虚実 愛がなければ視えない
Senza amore, la verita non si vede
(愛がなければ視えない)
……遂にアリウススクワッドとミカとナギサが、声の波紋を押さえつける。
アツコのヒールでセイア*テラーから受けた傷を癒し
ナギサの弾幕が、ヒヨリの狙撃が。
ミサキのロケランが、セイア*テラーの回避余地を潰す。
セイア*テラーはミカの隕石を避けたが、そこまでだった。
「永遠のお茶会など虚しい、そのことを思い知れ!!」
サオリが足止めをして。
「セイアちゃん……歯ぁ食いしばれ!!貴女の為に、祈るね!!」
銃を手放し踏み込んでいたミカが、セイア*テラーをぶった。
確定会心クリティカル。
「なんて、皮肉なんだろうね……ミカと、アリウススクワッドが私を殺しに来る――」
「この予知を覆したくて――なんと永い夢を見てきたんだろう――」
「ああ、これが目覚め、夜の終わりが来る……閃光が……緑の導きの光が よすがが、見える……」
「ああ――全て……永い夜の夢だったよ……」
セイア*テラーは頽れた。
セイア*テラーを構成していた
ピンクと紫に色調を変える六角形の宝玉――神名文字が
真夜中の百合の畑に散らばった……
獲得期待報酬 初回 神名文字 セイア×120
面白いかどうかとか、原作再現は置いてきた!書きたいものを書く!
セイア*テラー戦総力戦BGM
うみねこのなく頃に