ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空 作:それがダメなら走っていこう
【Location:時間列車カバラ10i/寝台車キムラヌート】
カバラでは、この世界を一冊の
青く透き通る青春を記録するはずだったアーカイブは
いつしか呪いと憎悪、硝煙と血と涙で穢れ……
ラプラスの匣の中身は呪詛となってしまった。
枝の破滅、世界樹の破滅。
クロナの怒りの炎、災厄を納めるレーギャルンの匣。
ヤルダバオート、偽の神。
今やカバラはキヴォトスのヘイローを這い廻る赤い蛇。
サマエル 神の悪意 死の天使のモチーフも含まれているだろう。
列車の窓から見える景色がスゴイ速さで流れていく。
この列車がキヴォトスのヘイローを一週したとき
時は無慈悲に巻き戻され、このキヴォトスは終わってしまうのだろう。
ミカが悲しそうに神名文字を見つめていた。
セイア*テラーの遺志にして石の結晶。
「最初からこう出来ていれば……
始まりのセイアちゃんと最初から本気でぶつかり合えていれば……
エデン条約の惨劇は起きなかったかも……
結果論かな……でも、くだらない恩讐には、もう飽きたじゃんね」
「セイア*テラーちゃんは死んじゃったの?」
「死んではない、神名文字の中で眠っているのだ」
マフティーはこれに関してはきっぱりと断言した。
(◠ڼ◠;)
"ボクもそう思うよ……"
プレイヤ先生も同意見のようだ。
マフティーはセイア*テラーの神名文字を拾い上げた……
彼女の遺志、なかったことにはしてはいけない。
「セイア……彼女は元来強い子ではなかった……」
夢と予知に溺れ、結末を知るのを怖がるくらいには……
アリウスとトリニティが赦し合える奇蹟を求め……
先生に夢で逢えるだけで良かったのにという想いが
神名文字から伝わってくるようだ……
もう許してくれよキヴォトス、と何度も言った。
生徒が、赦し合える奇蹟を……
「貴女の目覚めが、有意なものでありますように」
マフティーはセイア*テラーの神名文字にそうささやく。
目覚めは有意なものであってほしい。
一応この石はセイアに渡して☆上げ、神秘開放するつもりだが……
でも湿気るのだけは勘弁してくれ!
【絶対者】
かつて、絶対者を生徒だと驕るな――!
とプレ先にのたまった無名の司祭よ。
異議あり……誰もが神々足らんとする世界では
お互いが牽制し合い相殺し合い
誰も絶対なる神にはなりえない。
忘れられた神々の神秘が生徒のテクスチャを被っているキヴォトスではなおさらだ。
無名の司祭の思い違いに反省を促してやる。
プレナパテス先生がクロコを生徒だというのなら、それでいいのだろうさ。
ふん、人間は既に精神という神を宿しているのに
どうしてこの上神になろうとする?
素晴らしい優しさや可能性を持っているというのに。
世界の行く末を、自らの自由意志で選択できるというのに。
なあ、遠つ彼方から来た波動、エリンもそう思うだろう?
エリンはひょっとしたらシナイの山の……いや、よそう。
デカルトとホームレスやってるのが関の山の
ブルアカの筋を知っているだけの転生者ナビーユが語るのも不遜だろう。
私は、俺は、しくじり先生に宿った名無しのモノたち。
はは……シャアの怨念を宿した『総意の器』フル・フロンタルかな?
結局のところ、プレ先にとってクロコは近すぎたのだ。
プレ先にとっては教師と教え子、精々が親と子の距離感のつもりで接したはず。
遠く、未知でなければ神には、絶対者にはなりえない。
クロコがなんかプレ先をクンカクンカスーハースーハーして吸っている。
“あの……シロコ……?”
「ん……お腹いっぱい♡まんぞくまんぞく」
いくらなんでも先生と生徒にしては距離感が近すぎやしませんかねぇ!!
教えはどうなってるんだ教えは!! おかしいよな、おかしい!!
プレ先ドカ食いクロコ……匂いだけで満足って声色じゃない!!
瞳孔ガン開きで自分に言い聞かせてるだけじゃねーか!
た、ただ、クロコの脳と情緒を焼き過ぎた結果
来世まで添い遂げるレベルの情念を抱かれたことについては……
生徒と先生の関係を飛び越えるために大人になっちゃったのは……
うん、プレ先の責任だから……
【Location:時間列車9i/電源車アィーアッブス】
【Location:時間列車8i/指定車ケムダー】
気は進まないことこの上ないが……
意を決して寝台車から次の車両に移る。
二両ぶち抜きで向こう側が見える。
……最初の車両のレイアウトはゲーム開発部の部室だ……
ただ、パヴァーヌでアリスが光の剣をぶっぱなした時の崩壊した時で止まっていないか……?
見慣れないバッテリーや発電機があるのを見るとここは電源車両だ。
……奥はグリーン車、指定席だ。
だが、座席の前面に設置された液晶パネルに映るのは
気軽な旅の情景じゃない。
コードや数字の羅列、イラスト、忌まわしきクソゲーの開発画面……!
デスマーチが行われたと思しく床には
エナドリ中毒者ハレの目じゃないくらい、妖怪Maxの缶やお菓子の袋などが散乱している……
なんか誰がいるかもう見当がつきそうだな―!!
モモイには栗めいた口をしたゲーム好きの女児という印象しかない。
トラブルメーカーだけど元気いっぱいのお姉ちゃん。
栗みたいな口をしたお菓子を食べて眠くなって爆睡する完全に女児、モモイ!
大人しいけどちょっと私を見る目がしっとりしているような気がするミドリ!
そんな二人がいるような気がして探したが……
今、私マフティーの目の前にいる二人は包丁とドスをもってて白装束で……
両方ともヘイローが真っ黒になってひび割れてて……!
ミドリの方は髪を伸ばしていて……
ハイライト卒業済みの地獄の底の様な目で私たちを見ている!!
主にマフティーをガン見している!!
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「待て、お前たちの望むものをやろう!!金か、新作のゲームか!!
どうしたらお前たちの恨みと呪いを鎮められる!!」
マフティー、渾身の精神的ドゲザだ!
デスモモイ……モモイ*テラーがブンブンと包丁を振るのを辞めて笑った……
目は笑っていない。
「マフティー先生。ネコミミを着けた実際カワイイ
ゲーム少女とお前は青春した。奇跡には代償が必要じゃん」
「お姉ちゃんと姉妹で先生を取り合うとか実際アビ・インフェルノジゴク。
はんぶんこしてしまえば問題は解決ですよね?
漢の責任をとって……貴方がパパになるんですよ?」
ミドリ*テラーがスゴク怖いことを言っている!
「まず手始めにマフティー先生には今から365日ASMR収録に付き合ってもらうよ!」
「ウスイタカイゲームを作るために大人の恋愛を実演してもらうのもいいですね」
「「私たちのゲーム開発のためにね」」
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「い、いやだ、いやだあああ!」
エッチなのはダメ!死刑って名台詞を知らないのかよ!
教えはどうなってるんだ教えは!!
「「すぐに、よくなるよ」」
「ヤーアアア! アーアアアアー!」
マフティーがテラー化したゲーム開発部の双子に連行されようとした
その時だ!マフティーの持つ血塗れの大人のカードが輝く!
(◠ڼ◠#)
"流石にこれは不味いよね!!"
プレイヤ先生の大人のカードも輝く!編成!!
「ハイ、アリス、モモイを殴ります!!」
「ゴミは掃除しねえとなぁ!!」
モモイ*テラーとミドリ*テラーが吹き飛ぶ!!
「ネルー!アリス!来てくれるって信じてた!!」
「だがその前にやることがあんだろ」
「え?」
マフティーには電車が止まったように感じた。
ちびメイドネルが振り返り、ブチ切れたダブルオーの迫力を出す。
マフティーの胸倉を掴んで吊し上げた。
「どんだけ生徒の脳を焼いてんだよ!焼き入れっぞ!!」「アアアアア!?」
「なんでゲーム開発部のチビどもがこんな様になってんだよ!!」「アアアアアーッ!?」
「ふざけてんのかぁ!?」「アアアアアーッ!?」
「ぶっ殺すぞ!!」「アアアアアーッ!?」
「わかってんのかぁ!!」「アアアアアーッ!?すまない、すまないネル!!」
そんな漫才をしていられる時間も長くはなかった。
むくりとモモイ*テラーとミドリ*テラーが起き上がる。
普通のモモイとミドリならネルとアリスに本気で殴られれば
昏倒は免れぬはずなのに……明らかにブーストされているのだ!!
「ああ……ずるいなあ……幸せそうで……」
「FATALITY……貴女たちを、殺すよ……」
心の底からの怨嗟をモモイ*テラーとミドリ*テラーは呟く。
「へっ、ちび共……イカレちまったのか?馬鹿野郎共が……
てめえら、そんなやべえ目をする奴らじゃなかったじゃねえか!!」
「ンアーッ!モモイとミドリの精神状態おかしいよ……」
「モモイとミドリの感情がデカすぎます!!思い出の中でじっとしていてください!!」
「いろいろあったじゃん」
「あなたたちのせいだよーっ!!」
「パーティーを追放された仲間が勇者刺しに来るなんてお約束じゃん」
「お姉ちゃんは勇者の所為でキヴォトスから追放されちゃったけどね」
「勇者が闇落ちして魔王になるのもお約束なら」
「パーティ追放を食らった元仲間が勇者に復讐に来るのもお約束だよね」
「ンアーッ!!身に覚えがあんまりありません!!これ追放物の文脈です!!」
アリスが魔王堕ちするのは大体ケイと無名の司祭の仕業だしな……
マフティーの神経には痛いほどの双子の矛盾と感情が伝わってくる。
ゲームの中じゃいつもヒーローなのに……
ふと気づけば画面に移る自分の顔
電車の外が羨ましくて
途中下車したくても、そこまでの度胸もなく。
キヴォトスを救うためにTSCを開発しながら……
ゲーム開発部廃部や姉妹の死の遠因となったものすべてを憎んでいる。
色彩によって増幅された痛々しいまでの矛盾と殺意。
「キヴォトスリセットしなきゃいけなくなったじゃん!」
「キヴォトスが地獄なのは!!」
「全部!!全部!!全部!!」
「先生がしっかりしないから!!」
「ミドリが死んだのも!!」
「モモイが死んだのも!!」
「アリスのせいだよ――!!」
「先生のせいじゃん――」
「冷酷算術妖怪、会長、C&C!あなたたちのせいだよー!」
ミドリ*テラーはドスを構えた。
「えぐらせてもらうよ、ネル先輩、アリスちゃん」
そのドスには色彩の力がオーラとなって見え、あからさまに危険なのだ!
「ああんっ!?やってみろやゴルァぶっ殺すぞ!」
「キッチリお前らの絶望は掃除しねぇとなぁ!!やるぞアリス!」
「ハイ!アリス!モモイ*テラーを殴ります!」
『『あなたたちを殺すよーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!』』
【溶けた双子 三眼の双子 ほんものの勝利】
凄まじい速さで殴り合い、切りつけ合っている。
キヴォトス人の上澄み、ミレニアム特記戦力のネルとアリス
モモイ*テラーとミドリ*テラーのとの戦いは色付きの風にしか見えない。
「ネルが負けることはあまり考えなくていい」
「負ける時は大体キヴォトスが終わるときや相手だからな」
ネルパイセンが敗北するときは
イベントムービーのアビ・エシュフ、トキ以外だと
大体キヴォトスが終わるときだからな。
立ったまま、ヘイローが砕かれているのはネルらしいが。
C&Cのダブルオーが片付けきれない 清掃しきれずカロウシする恐れのある悪夢の粗大ごみ、
無名の司祭の夢の島――アトラ・ハシースとか。
疑うことなくアリスと並んでミレニアム最強。
そも、約束された勝利の「約束」とはなにか。
前提条件がある、先生が正しい選択をした限りにおいて。
軽装甲ボスにはネルは連れていけないよ。
ネルが敗れるとすればことごとく尋常な相手じゃない。
無名の司祭の人形と化したAL‐1Sとか
デカグラマトンによるオーバーレイ
アトラ・ハシース。
ネルパイセンの立ち往生するスチル。
立ったまま、ヘイローが無くなっている。
深すぎる仕組みに勝利したことは一度もない。
仁王立ちで、誇らしげにヘイローを失うネルの姿は見たくはない。
「負けたことが無かったことになってるだけじゃん!!」
「舐めてんのかぁ!? ざけんなぁ!!」
「ンアーッ!このままではアリス、モモイにバラバラにされてしまいます!!」
「さて、ネル先輩、お姉ちゃんの代わりに一応聞くよ」
「また、私たちの記憶がすべてが一からやり直される……」
「何が言いてぇ」
「勝ったあなたは本当にハッピーエンドに辿り着けるの?」
「ネル先輩、貴女はとっても強いから」
「見てしまったはず」
「あまたの犠牲の上の空しい勝利、勝利の形をとった華々しい敗北も」
「クロナとノア*テラーの忘却のお陰で都合よく忘れているだけで」
ネルとアリスと戦いながら
ミドリ*テラーとモモイ*テラーは囁く!
「ネル先輩、勝つには勝つけど散らかすじゃん」
「アトラ・ハシースの撃破という【勝利】と【任務】の達成に……
先生と周囲の被害が含まれていなかった」
「ただ――次に任務をくれる人が居なくなっただけ」
「勝利でも奇蹟でもない、無為な破壊と散らかし」
「勝利以外のすべてを失った ミレニアムの瓦礫の上で――」
「少しでも、やり直したいと考えなかったといえる?」
ミドリ*テラーの虚ろな眼が ネルの勝気な瞳を覗き込んだ……
ネルは当然のごとく殺気を込めてガンをつけるが
威勢や怒気、根性の様なものが吸い取られる感じを覚えた……
コワイ!イビルアイ!!
ミドリ*テラーの言葉が蛆めいて耳を這い上り、脳をかき回す錯覚をネルは覚えた……
「勝利以外のすべてを取り落として発狂して、ようやく私たちは同じものになれる……」
「ざっ……ふっざけてんのかぁ!」
ネルは常のごとくブチ切れていたが、その頬はわずかに引きつっていた。
ネルのヘイローが微かに罅が……
色彩による悪影響だ!!
「FATALITY……アリスも思い出そう?こっちに来ようよ……」
「ンアーッ!ささやき戦術です!!」
デスモモイことモモイ*テラーの包丁で刺されても
ナノマシンで構成されたアリスには致命傷にはなりにくいはずなのだが……
アリスのヘイローが黒ずんできている!!
「ンアーッ!このままではアリス、闇落ちしてしまいます!!!」
₍₍(ง ;)ว⁾⁾
「目を逸らすな!!メンチの切り合いで目を逸らしたら不味いって!」
「ミドリ*テラーはネルのエゴに対して攻撃を仕掛けている!!」
「塗りつぶそうとしているぞっ!!」
(◠ڼ◠;)
"……マフティー、君はネルとアリスの勝利を信じていないのかい?"
"……先生が生徒に出来ることって、そうなんじゃないかな"
“あまりの惨劇が貴方の心を曇らせているのは分かります”
“しかし……キヴォトスの為に、私たちの為戦う生徒を応援してあげてください……”
“どうか……よろしく……お願いします……”
プレイヤ先生……プレナパテス先生……!!
約束された勝利 保証対象外の戦いだ。
引き裂かれし永劫に呑まれたらすべてが終わる。
「ネル……アリス……頼む……勝ってくれ……!
俺に……私に、勝利を信じさせてくれ……!!」
「双子の呪いと怨念、そして色彩を片付けろ!!」
「やって見せろよネル、アリス!!何とでもなるはずだ!!」
このデスマーチは、終わらせないといけない。
「へっ、了解……任務は……成功させなきゃな!!」
ネルがミドリ*テラーの刃を素手で掴んだ、当然出血!!
だがしかしネルは怯まぬ!!
「ようやく捕まえたぜ」
ネルは不敵に笑い、そのままミドリ*テラーに頭突き!
「オラオラオラオラオラァ―!」
怯んだミドリ*テラーにネル、追撃!止まらぬ!!
「まだです……まだ諦める訳には……」
「痛い……助けて……許せない……!」
「いいやおしまいだちび共、あたしは、ミレニアムが好きだ
お前らだってそうじゃなかったのかよ……」
「よぉ、お前ら……、満足かぁ……?
こんな電車の中で引きこもってて……あたしは……嫌だね……」
「光よっ!!」
決着は、ついた。
マフティーは倒れ伏すミドリ*テラーとモモイ*テラーに向かって語り掛けた。
「すまなかったな、モモイ、ミドリ……不甲斐なくて……
一生懸命作ったものをクソゲーなどと言って悪かったな」
「断ずる前に、面白いゲームを作れるよう教えるべきだった」
「きっと、面白いゲームを作れると信じるべきだった……」
マフティーの反省、懺悔。
ならない言葉を、もう一度。
「あれ?先生?……そっか。これ、まだ夢なんだね。」
「おかえりなさいませ、せんせい……今日は……なにを……お手伝い……」
獲得期待報酬 初回 神名文字 モモイ×120 ミドリ×120
「お、おい、あいつらがなんか石になっちまったぞ!!
あいつらにとり憑いた色彩をぶっ殺したはずなのに……」
「パンパカ……ファンファーレを鳴らす気にはなれませんってハッキリわかんだね」
アリスは散らばった石を回収した……
「彼女たちは可能性の獣、怨霊だったんです。
思いの力と色彩という魔物の力で何千年も生きていたんです……」
「でも大丈夫です!一度生まれたものは簡単には死にません!」
「ハイ!というか一時的に気絶させただけで湿度の問題は解決してません!」
「責任を取ったらいいのに……」
「マフティーは†悔い改めて†どうぞ」
小さな勇者様の花の咲くような笑顔での
辛辣な言葉と視線がマフティーに突き刺さる……
「もう許してくれよ……」