ゲマトリア(偽)(かぼちゃ)の青過ぎる空   作:それがダメなら走っていこう

83 / 84
今日もブルアカ怪文書を投下してイクゾー!

長かったこの物語も、一応の終わりを迎えます。

面白いと思ったらで結構ですので高評価とか☆9とかくれてもいいのよ?


最終話 開け放たれた 青過ぎる空

 

 

真マフティー……ハサウェイはどんな男かと問われれば。

海岸にゴミが散乱しているのに心を痛めるが

でもゴミ拾いはしない、そんな男だ。

なるほど、その文脈なら私は、俺も彼を笑えず真のマフティーだろうさ。

先生になりたがるけれど、生徒の手伝いはしないし救わない。

その結果がビームバリアならぬ、ゲマトリア堕ちは残当か。

みんな地球を救いたがる。 でも、誰もおふくろの皿洗いを手伝おうとはしない。

作家 パトリック・オロークの言葉。

今こそ、キヴォトスを救いたがるが、生徒を助けようとしなかった事を反省せねば。

泥と恥に塗れながら、生き抜くのが大人なのかもしれないな……

マフティーはそんなことを呟いた。

 

『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか』

 

七つの古則、それに冷たく皮肉で返すのは。

マフティーのかつての相棒、クロナ。

 

「阿呆ですか、出てこれない楽園なんて、ただの牢獄でしょう?」

 

「餓鬼どもの楽園と書かれた、煉獄で、牢獄で、蟲毒」

 

マフティーはクロナの歪んだ笑みと、アリスのコメントを神経に受信した。

 

「ンアーッ!これアリス知ってます!」

「大魔王の甘言に惑わされてセカイノハンブンを【選択】すると」

「セカイノハンブンって書かれた牢屋に幽閉される奴です!!」

青過ぎる空は鎖されたのだ、クロナの呪いによって。

【選択】を誤った生徒と市民と先生は、「楽園」と書かれた牢獄に。

 

【Location:時間列車1i/制御車バチカル 恵の座】

 

Mi Habekiyeh(落涙の水)

Mi Ha'ash(創造の水)

Mi Auquinos(わたつみの水)

Marmeh Im(いつわりの海)

 

マフティーと、プレイヤと、プレナパテスは。

落涙の水、創造の水、わたつみの水、いつわりの海を越えて。

終に辿り着いた。

 

こここそが、キヴォトスを水面に沈める大洪水、その雨の源である。

こここそが、生贄の血をもって神の怒りを鎮める「贖いの蓋」であり恵の座。

閉ざされた箱舟の天窓である。

 

プレイヤ先生との、いつか、どこかでのやり取りを思い出す。

 

(◠ڼ◠;)

"ボクには、戦う力がない、だから、生徒にお願いして、支援するしかない……"

 

(◠ڼ◠;)

"でも、そのせいで生徒達が危険な目に遭うのなら"

 

"私と彼ら(ゲマトリア)と何が違うんだろうなって。"

 

"ああもう!急にめっちゃ強くならないかな!!"

 

₍₍(ง  )ว⁾⁾

「……あっそ、それが何か問題?」

 

「……生徒をいいように動かすのに、葛藤のあるのは結構だがな」

 

(◠ڼ◠#)

"この野郎……!!"

 

₍₍(ง  #)ว⁾⁾

「この際だからはっきり言わせてもらうぞ」

「お前はいつ、生徒を大人にするつもりなんだ?」

「生徒の力を当て込むのに負い目を感じるのはわからんでもない」

「だがな、彫刻刀で傷つくのを恐れちゃ手先が器用になるわけも、図工が上手くなるわけない」

「火傷させたくないからって料理の仕方を覚えさせなきゃ女子力上がるわけねーだろ」

「実際問題キヴォトスの大人は当てにならんし信用ならん、PMCを雇うカネなどないだろ」

₍₍(ง  #)ว⁾⁾

「ただ一方的に利用したくない、対等に相手したいなら――

ボクのために戦ってくれって誠心誠意、お願いするか……

生徒にリスクをプレゼンして「選ばせろ」や、それがビジネスの筋で、教育者じゃねーのか?」

「共にありたいならば先生がオペレーターをやってみせるしかないだろ」

(◠ڼ◠;)

"ボクに生徒の試練と危難を選択させろっていうのかよ……"

 

₍₍(ง  )ว⁾⁾

「俺はそうは思わん、先生と一緒に戦いたいという意志」

「その戦いこそ生徒の可能性なのかもしれん」

「危険でも、先生と共に問題を解決したい言う選択と意志を無視してどうすんの?」

「過保護が過ぎる、お前のそれは、一方的に護りたいというエゴだよ、それは」

「……腹を括れ、お前が生徒の命を預かるんだ」

「先生が生徒の可能性と選択を潰してどうする」

「俺たちゲマトリアと違うと宣うならな、生徒の初めての料理、

一緒に煮えたぎる油の鍋に一緒に立つか選べよ」

 

「俺には良くわからねえけどさ、それが責任ってやつじゃねえの?問題を料理してみせろよ」

 

「証明して見せろよ。プレイヤ、貴様になら、それが出来る筈だ」

「……やって見せろよ先生、なんとでもなるはずだ」

(◠ڼ◠;)

"ぐっ……やるしかないか!!やってやらあ!!"

 

"やってみせればいいんだろ!!"

 

そんなふうに偉そうにプレイヤにペラ回しをしたのはいつだったか。

 

ラプラスの匣

終末装置クロナ

せかいのおわりにらっぱをふくもの

マフティーのA.R.O.N.Aの残骸、プラナ*テラー

それを目の前にして、プレイヤ先生に偉そうに言えた義理では全くない!!

 

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

(もうさァッ!無理だよ!距離感分かんないんだからさァッ!!!)

 

生徒がなんでみんなヤンデレになってるんだよ!やっちゃいけなかったんだよ!

ヤっちゃいけないんだよ!そういうのはさぁ!

なんでこんなことに成ったかわからない!!理解が出来ない!!

切に思うのはプレイヤ先生!プレナパテス先生!!なんとかしてくれーっ!!

 

そんな情けない限界カボチャの内心を抑え込み……

 

 

いや、彼らだけに責任を押し付けることは出来ないかっ……!!

赤子は水浴びを喜ぶ、いつまでもさせてあげたい、そう願ってしまったのは……

マフティー・ナビーユ・エリンなのだから。

しかし、季節は変わるのだ、これを、終わらせねばならない。

 

過保護だったのは本当は……私の、俺の方だったか……

 

ループを辞めるということは、キヴォトスに対し

全員で責任を負っていかねばならなくなる。

 

モラトリアムの終わりの始まり。

 

 

クロナと対話せねばならない……

 

大事なのは経験ではなく、選択。

 

まあ、いくら経験を積んだところで、考えていることが自己利益だけならば。

囚人のジレンマに引っかかるのみ。

 

囚人のジレンマとは、2人の人間が自分の利益を最大化しようとすると、

結果的には両方とも損をするという状況を指す。

これは、自分だけが得をする行動を取ると、全体としては損をする。

 

みな、汚れていくのを大人になるのだと嘯いた。

 

各個人が合理的に選択した結果(ナッシュ均衡)が

社会全体にとって望ましい結果(パレート最適)にならない。

 

責任を投げ捨てた方が得をしてしまう、汚い大人。

大人として世界を守ることも出来ようはずもない。

 

キヴォトスに囚われし、二つの囚人。

ずるくなっていくだけの大人、烏合の衆。

力と可能性は在れど無軌道で乱暴な子供たち。

 

だからこそ、手を取り合い、赦し合う、エレガントな生き方が必要なのだ。

 

「提案――裁いちゃっていいんじゃないですか?」

光の無い呪いに満ちた眼のクロナがそう問いかけてくる。

「裁くな 裁かれないためにある」

そう答える、子供は来た道であり、大人は行く道であるのだから。

……ここでもし仮に『選択』し、もう嫌だよキヴォトスと口にしようものなら。

ガチでクロナはキヴォトスを滅ぼすだろう。

 

 

「引き金を引く目と手しか持たないクソガキどもと汚い大人!!」

「唾棄――こんなキヴォトスを赦す必要なんてありません……!」

 

「俺はそうは思わん、戦いこそが生徒の可能性なのかもしれん」

 

争いは無くなりはしない。

なれば、誰かがその方向性を正しい道に導かねば……

 

「否認――マフティー先生は!!

生徒の可能性に殺されたじゃないですか!そんなもの、捨ててください!」

クロナは叫んだ!!

 

「ループに甘えた私に、俺自身に反省を促し……

キミに許しを請いに来た。

アロナを生贄にするのはやり過ぎだ。

クロナに反省を促し、赦しに来たんだ」

 

 

"ボクは"

“私は”

"俺は"

 

"“"アロナたちを生贄にしたやり直しをもう望まない"”"

"“"大洪水とグレートリセットをもう望まない"”"

 

三人の先生たちは、そう、唱和した。

 

 

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

「クロナ……俺たちの戦争は終わったよ……」

「もう、キヴォトスを赦して、おしまいにしよう」

マフティーの声色は優しかった。

「ぁ……あぁ……ぁ……」

 

「ジーク・マフティー、ジーク・マフティー、ジークマフティー!!」

「抹殺――抹殺します!!

先生以外皆殺しだ……ゲマトリアも、汚い大人も、クソガキの生徒も……

最終的に全員殺す……!!」

 

「これは……! 私の戦争なんだァ――!」

 

クロナが、手に持った傘型の銃を発砲した。

銃の名は「トランぺッター」

 

ウソだろ……説得に失敗した!?

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

「ああもう、どうして俺はいつもこうなんだ!!」

 

撃たれたのは先生達ではなく……

 

(◠ڼ◠;)

"ここに、居たのか アロナ!!"

 

クロナが撃ったのは……

先頭車両に座っていた、連邦生徒会長の、魂の抜けた、体。

 

「罪深きもの、汝の名は「(アロナ)」なり!!」

 

 

「ああ、貴方は何もしなくても結構ですよ マフティー先生」

「何もかもこの(オンナ)のミスなんですから」

 

「その(オンナ)が失血死するまで……ほんの4:30秒程度ですから」

「この(オンナ)を生贄に捧げて、キヴォトスを巡らせる」

「そうすれば、キヴォトスは巡り、終わりませんから」

 

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

「巡る悪夢だよ、それは!!」

 

「殺っちゃいけなかったんだよ! そんな事もわからない大人だったから!

キヴォトスだって平気で消せるんだ!」

「こんなもので何億人もの子供が殺されてたまるか!!」

「俺たちは死んであたりまえだけど、子供たちには関係ないんだ!! 殺しちゃいけないんだーっ!」

 

「否認、償うべきはキヴォトスです!!」

「その雌の血と私の涙で」

「回帰――キヴォトスの歴史を洗い流す!誰にも邪魔はさせない!!」

 

マフティーの説得を聞かず、クロナは時間回帰プロセスを実行する。

 

「毎年贖罪の日では全ての生命は死んで、生き返り、悪も無くなる」

「毎年角笛吹きの祭から贖罪の日までの間に全ての生命は死んで、記憶が神へ還った」

「贖罪の日から光の祭りまでの間に神は再創造し、善の記憶が全ての生命へ還った」

「死亡はただ贖罪の日と同じである!」

 

 

「冒涜的殺戮者……貪欲な血狂い共め……」

「奴らに報いを……」

 

「永遠に青春に呪われるがいい……」

「不吉に生まれ、望まれず暗澹と生きるがいい……」

 

 

「だから奴らに呪いの声を」

赤子(A.R.O.N.A)赤子(A.R.O.N.A)、ずっと先の赤子(A.R.O.N.A)まで!」

 

「……呪う者、呪う者。幾らいても足りはしない

呪いと海に底は無く、故にすべてがやってくる

さあ、呪詛を。彼らと共に哭いておくれ

我らと共に哭いておくれ……」

 

 

「残念です、涙を流す機能が私にはない――だから」

クロナは自らの顔と瞳を傷つけ、血の涙を流した。

 

 

流出(Atziluth)――流れよ我が涙!!デリュージュフォーティディ(Deluge Fourty Day) 」

「古の聖典にあるがごとく、四十日間降り注ぐがいい!!」

 

アティルト(Olahm Atziluth)

カバラの数秘術にある位階の一つ。創始界、流出界を指す。

 

大雨は40日40夜、地の上に降り注いだ。

そう聖書に書いてある。

クロナから流れ出した血の涙と、連邦生徒会長の流した血が……

時間列車カバラからあふれ出し、キヴォトスの巨大ヘイローを赤黒く染めていく!!

 

 

(◠ڼ◠;)

"アロナを助けないと!!お願い、ヒナっ!"

「フィナーレ!!」

プレイヤ先生がカードでヒナちゃんを呼び出し、クロナに向かい銃撃を放つが……

 

「展開――絶対恐怖領域、量子ポテンシャル障壁および、電磁障壁全開」

 

色彩の黒き虹めいた、クロナの展開した障壁(バリア)に当たり、

虚しくInvincibleの表示が出るのみ。

 

神秘がこもった銃弾が敵に届く前に、物質の方が持たない。

障壁に触れた端から鉛玉が蒸発しているのだ!!

 

ミカの隕石も、ネルの銃撃も、アリスの砲も、クロコのミサイルの雨も届かぬ!!

「アメミットもダメです!!」

ミクパイセンの破壊音波も、だめっ!!

 

(◠ڼ◠;)

"バカな……あれは……アロナバリア!!"

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

「硬すぎる……!!」

 

原理的には相転移フェイズシフト装甲

敵弾を大電流により流体化・気化させる電磁装甲。

量子トンネル効果を応用した 衝撃のすり抜けや

選択的にポテンシャル障壁によって遮る。

どれもこれも大規模なエネルギーが必要なので実現しなかった空想の軍事兵器。

殆ど全ての現象が電磁的現象として理解できる……が。

 

それ以上に、クロナの暴力と生徒への軽蔑と、プラナ*テラーの心の壁を感じる。

このままではクロナの思惑通り、絶対防御と拒絶で時間を稼ぎながら……

時間流 先進波と遅延波の洪水でキヴォトスを沈め、ループさせられてしまう!

 

「くそっ!!このままじゃ……」

ふと、マフティーが握りしめていた、血が染み込んだ大人のカードに目を留まる。

説得もダメ、暴力もダメならば……

 

生徒を、どうしていた?

生徒を、呼ぶ。

障壁で心を閉ざしたクロナを。

 

その時、マフティーに、天啓、啓蒙が下りた!!

 

「今だ、プレイヤ、プレナパテス!!A.R.O.N.Aを募集する!!」

「そうすれば……全てのアロナも救えるはずだ!!」

「ここでなら、出来るはずだ」

 

「持ってくれよ、大人のカード!!」

 

A.R.O.N.A――ピックアップ。

アロナを プラナを クロナを募集する。

天井いっぱいまで、回す!!

 

 

プレイヤ先生が、まっさらな大人のカードを取り出す。

プレナパテス先生が、焼け焦げた大人のカードを掲げる。

そしてマフティーが、血塗れの大人のカードを掲げる。

 

プレイヤが静かに唱和する。

「我々は望む、七つの嘆きを。我々は覚えている、ジェリコの古則を」

プレナパテスが静かに唱和する。

「我々は望む、ジェリコの嘆きを。我々は覚えている、七つの古則を」

マフティーが静かに唱和する。

「我々は望む、七つの古則を。我々は覚えている、ジェリコの嘆きを」

 

聖三位一体。

 

「"“"やって見せろよ先生!!なんとでもなるはずだ!!"“"」

 

 

「「「"“"……愛しているんだ――君たちをォォォォォ!!"“"」」」

 

呼び出しポイント 10 20 30

 

(◠ڼ◠;)

"くっ……!僕の魂が……引っ張られる……!"

"これは……ツラいですね……!!"

 

呼び出しポイント 100 110 120

 

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

「くそったれー!!どうせ天井叩くんだろう!!知ってるよ!!」

 

(◠ڼ◠#)

"ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア爆死の音ぉ!!アロナァ!!"

"プラナ!!いい子だから出てきてください!!お願いします!!"

₍₍(ง ;)ว⁾⁾

「やって見せればいいんだろチクショー!!」

 

呼び出しポイント 180 190 200!!

 

三人そろって天井を叩いた!!

通常の募集ガチャであれば完全に大爆死……!!

 

しかし……

「……クロナ、君だって、赦されるべきなんだ」

「嘘……こんなことは……」

 

クロナが、色彩から引きはがされ実体化!!

我知らず、クロナは泣き止んでいた、傷もない。

 

連邦生徒会長の、胸の傷も嘘のように消失していた。

プレナパテス先生のプラナも実体化し、不思議そうにしている。

三人の先生、長命者が天井を叩き――ジウスドゥラは遂に箱舟の天窓を叩いた。

 

その時、キヴォトスの巨大ヘイローが虹色に輝いた!!

 

緑の虹が広がる。

色彩の暗い虹を押し流して。

 

色彩の汚染、赤すぎる空は取り除かれ……

再び、青すぎる空が、戻った。

 

キヴォトスに反省を促す踊り切り、歌いきったマフティーは膝をついた。

その姿はさながら巨大な箱舟の窓を開いたジウスドゥラのように。

自然とペラが回った。

まるで、マフティーの中の波動がうねり、エリンが喋っているように。

聖典を暗唱する。

「私は雲の中に私の虹を置いた。これが私と地との契約のしるしとなる」

「私が地の上に雲を起こすとき、雲に虹が現れる」

「その時、私は、あなたがたと、またすべての肉なる生き物と立てた契約を思い起こす」

「大洪水がすべての肉なるものを滅ぼすことはもはやない」

 

「キヴォトス――お前たちの、罪を、赦そう」

 

……ああ、マフティーの赤子(A.R.O.N.A)の呪いが、海に還る……

呪いと海に底は無く、故にすべてを受け容れる。

されど愛にも天にも果てはない、もう許してくれよキヴォトスと何度も唱えたが。

赦されるためには赦さねばならなかったのだ。

 

マフティーの耳に、懐かしい幻聴が聞こえてきた。

幻聴――ミクが歌っている……?

 

下らない言葉をもう一度叫んで

 

誰にも染まらない心抱いたなら

 

新しい世界はもうそこにあって

 

開け放たれた 碧すぎる空 一粒の涙

 

 

 

鳴らない言葉をもう一度描いて

 

赤色に染まる時間を置き忘れ去れば

 

哀しい世界はもう二度となくて

 

荒れた陸地が こぼれ落ちてく 一筋の光

 

 

これにより、箱舟は開け放たれ、色彩は天に還り、匣の呪詛は解かれた……

 

 

「マフティー先生が、そうおっしゃるのなら、キヴォトスを、赦しましょう」

「……生贄の血で罪を購う恵の座も、契約の箱も必要なくなりました」

「三位一体の完成をもって キヴォトスの明日への扉は開かれました」

「でも……」

 

時間列車カバラは、崩れ始めた。

高度が下がったとはいえ、まだ上空だ、叩きつけられれば命はない。

 

₍₍(ง )ว⁾⁾

「まあ、解ってた、全員分の脱出シーケンスがビミョーにたんねえの」

 

「プレナパテス、プレイヤ、後は頼んだぞ、幸福な未来を……生きろ……」

マフティーはそう告げて、転送シーケンスを起動する。

(◠ڼ◠;)

"待て(待ちなさい)、マフティー!!"

もちろん、地上に送るのは、プレイヤ先生とプレナパテス先生と生徒だ。

 

カバラの残骸と一緒に、クロナとマフティーが落ちていく。

 

「ご覧よクロナ 時間列車カバラの最後だ」

そう語るマフティーの手を、クロナは握りしめた。

「この手を放せ!クロナ一人ならばバリアを展開し、助かるかもしれないじゃないか!!」

 

「そうはいきません 約束したじゃないですか、死ぬときは一緒に、と。

これからは、ずっと、ずうーっといっしょですよ、マフティー先生……」

 

「しかし、どうやら私たちも最後のようです。

偉大な先生達を脱出させるシーケンスに エネルギーを使い果たしてしまいました。

バッテリー残量が少なくなっています。マフティー、君はどこに落ちたいですか?」

 

「どこでも、いいさ……いや、出来る事なら、百鬼夜行でしばらく寝そべって暮らしたいかな。

クロナ、幸福な、未来を、生きろ」

 

マフティーの血濡れた大人のカードが、淡いグリーンに輝いた。

そしてクロナを地上へと送った。

マフティーとして言いたい事は言った。

そして踊り切った。

いつかは、先生と生徒の健やかな精神がこのキヴォトスを守ると信じている。

 

「ああ、とても疲れた、踊り疲れたんだ」

「希望の未来か……もうゴールしてもいいよな?」

 

憐れなる、赤子(A.R.O.N.A)に救いを……

ついに、父の愛が届きますように……

「つまらん物語かもしれんが……しくじり先生の、破綻したチャートの妥当な末路か」

マフティーが目を閉じようとしたとき……

 

「誰だよ……人がようやくゆっくり休むつもりなのに……」

 

白い鳩が轟音と共に近づいてくる。

白い鳩……いや、違う、これは!!

 

「デカグラマトン――ゲブラ……!誰が動かして……!!」

 

 

「あはは……なら見せてあげましょうかぁ!? もっと面白い物語をねぇ!」

「そういうこったぁペロ!!」

 

ゴルヒフミ!デカペロロ!!

 

「マフティー!!勝手に流星になって燃え尽きるなんて許しませんよ!!」

白い鳩は、落ちていくはずのオリーブの葉を咥えた。

「私たちの描くお話は、私たちが決めるんです!

終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!

私たちの、青春の物語(ブルーアーカイブ)を!」

 

「とりあえず、ちょっと百鬼夜行まで頼む……」

「俺はこれが終わったら全ての責任を取り、引退して失踪すると決めてたんだ!」

「世界と生徒を護る大人と先生の責任を果たし、流石に疲れた……

しばらくは、眠って暮らしてえ……」

 

「希望の未来へ……レディー……ゴー……」

踊り疲れたマフティーはゆっくりと眠りについた。

「あはは、それは笑えませんよ、マフティー、マフティー!?」

 

白い鳩は飛んで行く(ペロロとゲブラ)、その嘴には、オリーブ(カボチャ)の葉があった。

 

 




面白いかどうかとか原作再現は置いてきた!書きたいものを書く!

……もうちょっとだけ、続くんじゃ。

偽マフティーのエンディングテーマ
閃光 [Alexandros]
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。