私はようやくE 1を突破したところです…
お互い頑張りましょう!
…
それからは俺の予想通り空母部隊は大和艦隊上空でまるで蓋をするように制空を取った。
そして、流星隊もまた予想通り魚雷を2本積んでいた。
が、この空母部隊による攻撃での損害は予想以上に軽微だった。
いや、予想外と言える結果だった。
何せ時津風が小破以下の損害で、他の子は無傷だった。
別に流星隊の練度が低かった訳じゃない。
だが、それ以上だったのが雪風と島風だった。
島風が攻撃隊の投弾のタイミングをずらし、雪風がまるで攻撃が当たらないところが分かるかのように味方を誘導していた。
「これは予想外だな相棒。」
「そうだな。」
「これはどうなるか分からないわね〜。」
遂に戦艦同士の殴り合いの距離になった。
先手を取ったのは大和だった。
いや、すでに先手を打っていた。
砲撃戦開始前に大和の艦載機が連合艦隊に接近、チャフを撒き撤退していった。
何で大和艦載機が連合艦隊に接近できたのかって?
実は大和は訓練開始直後ぐらいに艦載機を発艦させていたのだ。
だが余程の運がないと大和艦載機が辿り着くことは不可能だったが、運良く大和艦載機は連合艦隊上空に辿り着いた…
そして今正に戦艦同士の砲撃戦が始まろうとしていた。
「全主砲薙ぎ払え!」
大和掛け声と同時に砲撃戦の火蓋は切って落とされた。
驚くことに大和が最初に使用した弾薬は三式弾であった。
初弾は外れたが、三式弾使用による動揺が連合艦隊内に広がった。
これが連合艦隊側の致命的な隙となった。
浮き足立っているところに大和第2射が着弾。
ワシントン、サウスダコタ双方のバイタルへの攻撃には至らなかったが、双方の艦尾にあるカタパルト、観測機が大破。
これにより、両戦艦は暫くの間、目視のみの砲撃しかできなくなった。
さらに驚くことに、そこで大和は主砲を大きく旋回、完全に戦艦を目標から外した。
これもまた連合艦隊側を大いに混乱させることになった。
その間に大和は修正を終えたのか、主砲射撃を再開した。
大和が狙った先は…そこには誰もいない。
ただ、上空に3機の瑞雲が旋回しているだけであった。
しかし、次の瞬間俺たちいや、きっとその場にいた大和以外の誰しもが耳を疑うことがいや、五感全てを疑うことが起こった。
それは…大和が主砲の砲撃で、展開していた連合艦隊側の伊168と伊201を判定ではあるが撃沈したのだ。
「えぇっ!?嘘でしょ!?」
「大和…これは流石の武蔵でも予想できなかったぞ…」
この時俺は無線を聴かせてもらってたが、連合艦隊側の動揺はかなりだった。
『嘘でしょ!?ヤマート、潜水艦撃沈したんだけど!?』
『おいおい…なぁアカギこれからミー達はどうする?!』
『アブクーマ!ミー達はどうするー?!』
『『『ワシントン(さん)ご指示を!!』』』
『と、ともかく私たちがヤマートを何とかします!アブクーマ達は隙を見て雷撃をしなさい!アカギ達はアブクーマ達の援護を!』
『『『『『了解!!!』』』』』
ワシントンの的確な指示により、すぐに各自が行動を開始した。
が、次の瞬間天津風が被弾した。
いや、正確には被雷した。
そう、被雷したのだ。
「ほう、やるな。流石だ。」
「どういうことなの?!そっちに潜水艦がいるなんて聞いてないわよ!!」
「安心しろ陸奥、俺も聞いてない。」
「あれは雪風の魚雷だ。」
「えっ!?」
「まさか!」
「雪風が積んでいる酸素魚雷の射程を考えれば不可能ではない。が、当たるかどうかは運にかなり左右されるが…。」
「…いや、きっとこれは運じゃないと思う。」
「何?どういうことだ相棒?」
「そうよ。教えて〜!」
「俺の主観だが、雪風は恐らく狙って撃ったんだと思う。」
「はっ?」
「どういうこと?」
「うーん…つまり運の要素もかなりあったと思うが、雪風もまた天津風の癖を読んで、天津風がこう動いてくるって考えて撃ったんじゃないかって…俺は思った。」
「それって…」
「いや、俺は提督の言っていることは当たっていると思う。」
「うぉっ!?天龍!?」
「何だよ!最初からいたぞ!」
「いやだって、ずっと声が聞こえなかったから…」
「はぁ!?俺は今日のお前の秘書艦だぞ!そんなことする訳ねぇじゃねぇか!」
「まぁまぁ、実は私も今天龍がいたことに気がついたわ。だからそんなに提督を責めないであげて。」
「くっ。わかったよぉ…」
「で、天龍よ提督の言っていることが当たっているとはどういうことだ?」
「そんまんまの意味だよ。アイツ長距離でも魚雷結構当ててくるんだ。で、何でそんなに当たるのか聞いてみたんだよ。」
「ふむ。」
「そしたらアイツ、何となくそう動くと思ったからだとさ。」
「…そんなことができるのか…」
「あぁ。だがあれは決して偶然なんかじゃねぇぞ。アイツはしっかり考えて、その上できっと当たるってタイミングで撃っているだけだ。」
「…」
「俺も実はそういう雪風みたいな感覚。絶対当たるっつうタイミングみてぇのがはっきり分かる時が時々だがある。」
「不思議だよな?でもあるんだよ。武蔵さんも陸奥さんにもそういうタイミングみえてぇのがあると思うけどよぉ。」
「…確かに私も感じることがある。この砲撃は必中だってのがな。」
「…そうね、確かに私もあるわね…。」
「その感覚が雪風は人一倍敏感というか、鋭いんだよ。それがアイツのすげぇところだ。」
「そっか…よく見てるんだな天龍は。」
「…まぁ雪風のそれが分かるようになったのはお前のお陰だ。提督。」
「えっ?」
「お前がローテーションとか言って、第一線の艦娘でも後方支援の艦娘でも関係なく遠征艦隊を編成しているからだ。だからその…ありがとな…。」
「天龍…」
「でも、その分燃費無視の編成だから資源の備蓄スピードが遅いんだけどね。」
「うっ、陸奥、それは言わないでくれ…」
「あら?褒めてるつもりなんだけど〜?」
…後で天龍には存在を忘れちゃったことに関して、個別にお詫びしておかないと…普通ならメッチャ怒られる事案だったのに全然怒らなかったから…
「おっ?相棒、見ろ。」
「ん?」
武蔵に促されて見てみると、戦艦だけでなく、水雷部隊も砲撃戦を開始していた。
どちらも練度が高い水雷部隊がいるせいか、お互いに未だ命中弾がなかった。
…
そして、昼戦が終わり夜戦となった。
この時点で双方の被害は、まず連合艦隊側は戦艦サウスダコタが中破、空母は無傷、水雷部隊は摩耶と天津風が大破、阿武隈、綾波が小破、であった。
そして、大和艦隊側は大和が小破、矢矧が中破、時津風、長波が中破であった。
お互いが夜戦戦力を半減させての夜戦突入であった。
夜戦突入と同時に何と綾波が探照灯を大和艦隊に向け照射、これにより大和、矢矧が丸見えとなってしまった。
これに呼応して戦艦ワシントン、サウスダコタ、阿武隈、ジャービスが大和、矢矧に攻撃を集中。綾波は艦隊から大きく離れ、単艦で大和艦隊に突撃を敢行した。
正にソロモンの再来であった。
しかし、大和艦隊も黙ってはいなかった。
なんと、探照灯に照らされた大和と矢矧の影から雪風、島風、長波が雷撃を敢行、そして大和と矢矧の間から縫うように時津風が飛び出してきた。
中破の損害を受けていた時津風だったが、綾波に向かい突撃を敢行、無論綾波も時津風の動きを読み、攻撃を時津風に集中。
歴戦の駆逐艦である綾波から集中的に攻撃を受けた時津風は程なくして撃沈判定をもらった。
しかし、時津風が撃沈判定をもらう直前に放った魚雷が運悪く、綾波の機関部に直撃。
綾波もまた大破、行動不能判定をもらい、事実上の撃沈判定を時津風からもらった。
夜戦初戦において、双方駆逐を1隻ずつ喪失した。しかし、綾波により、艦隊の位置が連合艦隊側に把握されてしまった大和艦隊側の方が分が悪かった。
と次の瞬間連合艦隊側に複数の水柱が上がった。そう雪風たち駆逐艦娘が流した魚雷である。
この魚雷により、ワシントンが中破、摩耶が大破から撃沈判定に陥った。
なぜ雪風たちは魚雷を当てることができたのか。それは大和、矢矧の卓越した見張り員の技量によるものだった。
なんと、大和、矢矧双方の見張りが微かに見えた連合艦隊の砲撃の光から艦隊の位置を計算、それを駆逐艦娘たちに伝えてあったのだ。
連携と練度が合わさり不可能を可能とした攻撃であった。
しかし、ここで大和、矢矧に攻撃が集中、大和、矢矧は大破してしまう。これにより大和、矢矧は攻撃への参加ができなくなった。
この時点で、連合艦隊側の攻撃可能戦力はワシントン、サウスダコタ、阿武隈、ジャービスであった。そして空母は今回の訓練は昼戦で終わる、終わらずとも空母の夜戦参戦なしに余力を残して終了すると踏んでいたため夜間攻撃機などは一切乗せていなかったのだ。
それに対し、大和艦隊側は攻撃可能戦力は雪風、長波、島風のわずか三人であった。
「うーん、結構いい勝負だ。」
「そうね〜。」
「さて、大和たち、いや今はもはや大和艦隊は駆逐艦だけになってしまったから、雪風たちというのが正確か…その雪風たちはどう動くのだろうな。」
「うーん…このままだと大和艦隊の負けだな…」
「何でだ?」
「確かに戦艦や水雷部隊はかなり減らしたが、空母が無傷だ。その空母を逃せば残存戦力的には負けになる。」
「…そうね…」
「ってことは…」
「あぁ、雪風たちはまだ油断、いや勝利にまだ手は届いていないってことになる。」
『ヤマートを打ち取った今、まだ私たちには勝機があるわ!みんな踏ん張りなさい!!』
『『『はい!』』』
『…ワシントンさん!』
『どうしたの?アブクーマ?』
『誰か今私たちの横を通ってそっちに行きました!気をつけて!』
『thank youアブクーマ!』
とここでまた連合艦隊側で水柱が上がった。
位置的には阿武隈の位置だ。
さらに続け様にサウスダコタで火災が発生。
赤々と燃えていた。これぐらいの火災すぐにサウスダコタなら鎮火するだろうと思った。
が、
『お前いつまで鎮火に時間かかってんだよ!』
『うるせぇ!さっきの大和砲撃で消火関係が動かねぇんだよ!』
そう、運悪く大和が放った砲撃がサウスダコタの消火機構にダメージを与え、鎮火ができなくなってしまったのだ。
と、ここで阿武隈とサウスダコタに攻撃してきた艦娘があろうことか探照灯を照射。
探照灯を照射していた艦娘は、
島風であった。
島風は自身の俊足を持って、連合艦隊に肉薄、自慢の酸素魚雷を阿武隈に浴びせ、砲撃でサウスダコタの副砲群の弾薬に引火させたのだ。そして、島風が照射した先には残りの夜戦艦隊、そして空母がいた。
無論、艦隊のど真ん中で探照灯を照射された連合艦隊側も黙っていない。攻撃を島風に集中し、少しでも早く暗闇を取り戻そうとした。
しかし、全艦娘の中でも最速の足を持つ島風相手に中々有効打が打てずにいた。
それもそのはず小回りのきく軽巡、駆逐艦はこの時すでにジャービスしか残っていなかったのだ。そう阿武隈は先の島風の攻撃で撃沈判定をもらっていた。
次の瞬間空母たちがいる付近から大きな爆発音が響いた。
目を凝らしてみると空母全員の艤装に撃沈判定を意味する旗が立たっていた。
島風が今はもうワシントンとサウスダコタ、ジャービスしか残っていない連合艦隊側の夜戦部隊を引きつけている間に雪風、長波が空母の撃破に向かったのだった。しかも、俺の気のせいじゃなかったら、その中に水上機もいた。
ついに艦体規模は違えど3対3の状況となった。連合艦隊側は戦艦がいるとはいえ、どちらも既に中破状態、ジャービスはかろうじて無傷。それに対し雪風、長波、島風は小破以下の損害である。正に互角の状況である。
さて、この訓練一体どうなるのだろう。
…
「そこまで!!」
武蔵の号令で戦闘訓練は終了した。
「さて、皆早速だが、本訓練の結果を発表する。」
ゴク
「大和艦隊のA勝利だ!」
\やったー!!!!!/
「皆、落ち着け。では提督、一言頼む。」
んー何となく予想していたが、やっぱりか…俺こういうの苦手なんだよな…
「え〜、コホン。まず双方お疲れ様。」
「「「「お疲れ様でした!!!」」」」
「まず、勝利した大和艦隊のみんなおめでとう。そして勝利に届かなかった連合艦隊のみんな、戦には次はないが、今回は訓練だ。だから今度は勝てるよう奮励努力してくれ。」
「「「「「「はい!!!」」」」」」
「そして、勝った大和艦隊もここで終わりにせず、反省点をしっかり確認し、次に繋げてくれ。」
「「「はい!!」」」
「いいか?勝つことが目的ではない。全艦娘の最終目標は全員が生き残っての勝利だ。俺はこれしか目指さない。勝利のために誰かが犠牲になるくらいなら勝利なんてくれてやる!そのぐらいの気持ちだ。」
「無論、命を懸けるなとは言わない。犠牲になる覚悟で敵に攻撃をしなければならない場面も多いと思う。だがその時決して死に急ぐな!生きることを最後まで諦めるな!」
「「「「「…」」」」」
「それが俺から戦場に向かってくれる君たちに言えることだ。俺は君たちの無事を祈ることしかできない。だからここで待つ俺と残った者たちを悲しませないでくれ。」
「「「「「…」」」」」
「いいか?」
「「「「「「はい!!!!」」」」」」
「以上だ。」
「提督、ありがとう。提督の言う通りだ!戦いは1回では終わらない。ずっと続くのだ。戦いが終わる時、それは平和な海を取り戻した時である!その時まで誰一人欠けるなよ!それを防ぐための本訓練だ!しっかり反省点を洗い出せ!」
「「「「「はい!」」」」」
「…陸奥、何かあるか?」
「そうね…じゃあ一つだけ、誰とでも同じレベルの動きができるようにしなさい!今後はもっと色々な艦娘と行動する機会が増えるはずよ。それなのに特定の子としか100%の力を発揮できないようじゃ提督を悲しませるわよ!いいわね?!」
「「「「「はい!!!」」」」」
「…以上、解散!」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
お気に入り登録してくださったOkada7859様ありがとうございます!
次回もまたシリーズ初登場の艦娘が登場する予定です!
次回の投稿は来週の水曜日の予定です!
お楽しみに!
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