公安所属の性格反転半天狗のヒーローアカデミア   作:入魂ロフス

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22話

……緑谷視点……

 

 グラントリノとははぐれたけど分倍河原くんと会えて良かった!

 保須市には分倍河原くんと一緒にミルコも来ていた。USJの脳無を完封した愛剋天もいるからグラントリノも多分大丈夫!

 

 問題はこっち…!

 じきにプロヒーローがやってくるし憎珀天が居るから飯田くんとプロヒーローは守れる…。

 僕がヒーロー殺しを引きつけ続ける!

 

「ハァ……!」

 

「ッ!」

 

 ヒーロー殺しの得物は日本刀!フルカウルで一気に懐へ飛び込む!!

 

ダンッ!

 

(長物に対し間合いを詰める…良い判断だ)

 

 ヒーロー殺しが即座にナイフを取り出し斬りつけてくる。

 

 そんでえええええ股下をくぐり抜ける!!そして跳躍!!

 

(消えた?いやーー…)

 

 振り返ったヒーロー殺しの視界から消えた時間で"溜め"の動作…グラントリノの元で習った…インパクトの瞬間のみ出力を上げる…!

 

「8%デトロイト…SMASH!!」

 

ゴォン!!

 

 

 

……分倍河原視点……

 

「8%デトロイト…SMASH!!」

 

ゴォン!!

 

「ぐっ!」

 

 なんだあの爆豪みたいな動き!?緑谷も職場体験で成長してるのか…!

 っとこんな事考えてる暇はねえ!今のうちに二人を安全な場所へ…!

 

「!!なっ…」

 

 っ!緑谷の様子が変だ…!個性を食らったのか!?

 

「……パワーは中々だ…シッ!」

 

 っこっちに来る!木龍2体全力攻撃!木龍1体緑谷をヒーロー殺しから離せ!

 

 バリバリゴゴォン!シュルル……

 

「俺の動きを見切ったんじゃない…シィッ!」

 

 ヒーロー殺しが電撃と遠当てを軽々と避けてこちらに駆け寄ってくる。

 クソ…最近避けられがちだな…!

 

 トトッ!

 

「ぐっ!」

 

 腕っ!いつの間にナイフ投げてやがった!

 

「無間業樹!」

 

ズゾゾ……!!ドドドドドドドンッ!!

 

「視界から外れ…フッ!確実に仕留められるよう画策した…カッ!そういう動きだった」

 

 木龍から飛び出す無数の小さい木龍の中を跳び回って斬り払いながら淡々と緑谷を評価するヒーロー殺し。

 

「口先だけの人間はいくらでもいるが…シッ!お前は生かす価値がある…ところでお前…」

 

「っ!いつの間にっ!」

 

「身体が二分されると分裂するそうだな」

 

ッザン!

 

「っ分倍河原くん!!!」

 

 気づけば目の前でヒーロー殺しが刃を振り抜いていた。

 

 

……轟視点……

 

 …?なんだ…?一斉送信…飯田…?位置情報…増援頼む?

 

「……………」

 

「ケータイじゃない俺を見ろ焦凍ォ!!」

 

 飯田が危ない…!

 

「どこ行くんだ焦凍ォ!!!」

 

「江向通り4-2-10の細道。

 そっちが済むか手の空いたプロがいたら応援頼む!お前ならすぐ解決出来んだろ!

 友達がピンチかもしれねえ!」

 

 メールを見た時の名状し難い胸騒ぎ…嫌な予感がする…!

 

 走って…走って…走って…たどり着いた先で俺が最初に見たのは…。

 

 

 

 

 分倍河原の生首だった。

 

 

 

 

 

……分倍河原視点……

 

 不味い不味い不味い!!!

 

 俺は愛剋天が居るから死なないが飯田とプロヒーローが危ない…!

 

「飯田ァ!逃げろォ!」

 

「分倍河原くんっ…!首が…!」

 

 飯田と緑谷は首無しの俺の姿に動揺してヒーロー殺しの動きに気付いてない!

 プロヒーローが狙われてる…!マズいマズい!

 

「じゃあな…正しき社会のための供物っ!」

 

 分裂っ!!

 

…………………………

 

「………またここか…。」

 

「「「「んじゃ今回も名付けよろしく」」」」

 

「おう…サッサと決めないと飯田が危ない…じゃあ…。

 蒼激天で」

 

…………………………

 

 

ゴオオォォォォ!!!!

 

「お前ェ……!!よくも分倍河原を……!!」

 

「「「「轟くん!?」」」」

 

 アイェェェェ!!?轟ィ!?俺が決死の覚悟で分裂した意味よ!!

 …ていうか轟ブチ切れじゃねえか!!ヒーロー殺し相手に冷静さを欠くのはまずい!

 

「次から次へと…今日はよく邪魔が入る…」

 

「轟ィ!俺は大丈夫だ!相手は殺人鬼だ!冷静さを欠くな!」

 

「……いつの間に増えたんだ」

 

「っ!!文字通り分裂するわけか…!良い…!」

 

 轟のツッコミでようやく俺が分裂したことに気付いたらしいヒーロー殺し。

 良い…!じゃねえよよくも首チョンパしやがったな!?

 

「「轟!一緒に3人守り抜くぞ!」」

 

「……っおう!」

 

「ハァ……どうなるか…!」

 

レロ…

 

 …!?っ身体が動かない!

 刃を舐めた…!血か!!

 

「分倍河原!どうした!」

 

「「ヒーロー殺しの個性だ!そいつに血を見せちゃダメだ!」」

 

「轟くん!多分血の経口摂取で相手の自由を奪う!皆やられた!」

 

 憎珀天と蒼激天を両方縛られたが俺ら2人のの個性は身体が動かなくても作用する…!油断した隙を突く…!

 仕込みを始めよう…!

 

 新しい分身の個性はそれぞれ…複製・千本針・爆弾化・クラゲ……!

 そして蒼激天の個性は水魚…!これらの個性で出来る有効な攻撃は…!

 

 

 そうこうしているうちに轟が腕を投げナイフで刺され、緑谷が復活してステインを引きずり飛ばした。

 ていうか俺もいつの間にか動けるようになっていた。

 

「「二人とも畳み掛けるぞ!!」」

 

「「「!」」」

 

 俺が叫ぶのと同時に路地裏の壁から大量の木龍と水魚が湧き出しヒーロー殺しを包み込む。

 っ!!中でヒーロー殺しの動きが速くなった!

 

「轟ィ!凍らせろ!!」

 

「っ!おう!」

 

バギバキバキバキバキバキバキッ!!!

 

 轟の氷結で氷と樹木の牢獄が形成される。今にも出てきそうだがこれだけ足止めできれば十分だ!

 

「轟!着火しろ!!」

 

「…?おう!」

 

ゴォッ!!

 

ドガァァン!!!

 

 轟が氷の牢獄に炎をかざした途端氷の牢獄が爆発を起こした。

 

「っおい分倍河原!これやりすぎじゃねえのか!?」

 

「大丈夫!手加減はしたさ!全身打撲と少しの火傷で済んでるはずだよ!」

 

 煙が晴れると中にはバタリと地面に倒れ込むヒーロー殺しの姿があった。全員が安堵の息を吐く。

 

「さすがに気絶してる…?っぽい…?」

 

「じゃあ拘束して通りに出よう、なにか縛れるもんは…」

 

「木龍に咥えさせるか…」

 

「念の為武器は全部外しておこう!」

 

 

 戦闘が終わってすぐに飯田とプロヒーロー…ネイティブさんがヒーロー殺しの個性から解放された。

 ゴミ置き場には意外といろんなものがあって拘束に使う道具は一式揃っていた。

 

「さすがゴミ置き場、あるもんだな」「分倍河原くんやはり俺が引く」「お前腕斬られてるだろ」

 

「悪かった…プロの俺が完全に足手まといだった」

 

「いえ…一対一でヒーロー殺しの"個性"だともう仕方ないと思います…強すぎる…」

 

「五対一の上にこいつ自身のミスがあってギリギリ勝てた。

 多分焦って分倍河原の個性が頭から抜けてたんじゃねえかな。

 分倍河原の個性に対応がなかった」

 

 皆で反省会をしながら大通りに向かって進んでいると…。

 

「む!?んなっ…何故おまえがここに!!!」

 

「グラントリノ!!!」

 

「緑谷の職場体k「座ってろっつったろ!!!」

 

ドカ!

 

「グラントリノ!!」

 

 わあ…すごい元気な爺ちゃんだな。

 

「まァ…よぅわからんがとりあえず無事なら良かった」

 

「グラントリノ…………ごめんなさい」

 

 緑谷がグラントリノっつーヒーローに説教され始めたとき、他のヒーローもやってきた。

 

「細道…ここか!?あれ?」「エンデヴァーさんから応援要請承ったんだが…」「子ども…!?」「ひどい怪我だ!救急車呼べ!!」「おいこいつ…ヒーロー殺し!!?」

 

「あいつ……エンデヴァーがいないのはまだ向こうは交戦中ということですか?」「ああそうだ脳無の兄弟が…!」

 

「ああ!あの敵に有効でない"個性"らがこっちの応援に来たんだ」

 

 俺が首斬られても無事って事は愛剋天も無事なんだろうけど…戦闘が長引いてるんだろうか…。

 

「………三人とも…助けに来てくれて助かった。ありがとう」

 

「良いんだよ飯田くん」「しっかりしてくれよ、委員長だろ」「「ええんやで」」

 

「……うん…」

 

 時間で言えばほんの5〜10分くらいの戦いだった。

 けれど俺らにとってはものすごく長い戦いのように感じーー…

 

バサッ…

 

 っ!!俺ではない翼の音。誰だ…?

 

「伏せろ!!」

 

「え?」「まずいっ!!」

 

「敵!!エンデヴァーさんは何を……」

 

 俺たちの集団に真っ直ぐに向かってきた翼の生えたタカのような脳無は緑谷を掴んで上空に連れ去った。

 

「「「「緑谷くん!!」」」」

 

「え、ちょ…わあああ!!」

 

 なんで緑谷を選んだ…!?クソっ追いかけなきゃ…タカと斥風でブッ飛ばーー…

 

レロッ

 

 

ゾアッ!!!

 

 

 いつの間にか拘束を抜け出したヒーロー殺しが女性ヒーローの頬についた脳無の血を舐めて駆け出した。

 脳無が飛行能力を失いナイフで脳を貫かれ緑谷を奪われる。

 

「偽物が蔓延るこの社会も…徒に"力"を振りまく犯罪者も…粛清対象だ…ハァ…ハァ…」

 

 …っ!!今の一瞬で脳無を殺害して緑谷を人質にとった!?

 

「全ては…正しき…社会の為に…」

 

「助けた…!?」「バカ人質とったんだ!躊躇なく人殺しやがったぜ」「いいから戦闘態勢とれ!とりあえず!」

 

 急展開にその場に動揺が走る。

 

「何故一カタマリでつっ立っている!!?そっちに一人逃げたハズだが!!?」

 

「エンデヴァーさん!!あちらはもう!?」

 

「多少手荒になってしまったがな!して…あの男はまさかの…」

 

「うう…放っせ…!」

 

 緑谷を助けなきゃ…!エンデヴァーが来たから大丈夫だとは思うが一応手の中に爆弾魚を用意しておく…。

 

「エンデヴァー…」

 

「ヒーロー殺しーー!!!」「待て轟!!」

 

「贋物…」

 

ゾゾゾ………!!

 

「正さねばーー…誰かが…血に染まらねば…!」

 

「ーーー…!!」

 

なんっだ……これ………!!!

 

「"英雄"を取り戻さねば!!」

 

 ヒーロー殺しがゆっくりと歩みを進める。

 凄まじい威圧感…エンデヴァーまでもが後ずさる。

 

「来い…来てみろ贋物ども…!俺を殺していいのはオールマイトだけだ!!」

 

 目の前にいた女性のヒーローが尻もちをつく。

 

「……!気を失ってる…」

 

「ハッ…ハッ…」

 

 ……見るからに重傷…誰も血なんか舐められてない。

 なのに…ヒーロー殺しだけが、相手に立ち向かっていた…。

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