公安所属の性格反転半天狗のヒーローアカデミア   作:入魂ロフス

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23話

 緑谷達がヒーロー殺しと戦う一方…保須市街ではミルコと愛剋天が脳無の集団と戦っていたーー…

 

「ハッハァー!!コイツ全然気絶しねーなぁ!!」

 

 ミルコがヤケクソになって叫ぶ。

 2体いた白い脳無はミルコの蹴りで一発で気絶した…けど黒い脳無は既に何度も腕を斬り飛ばされ背中を蹴り砕かれたにも関わらず起き上がって来る…!

 USJの時はオールマイトの強力な一撃でKO出来たが俺とミルコでは殺さずに止めるのは難しい…!

 こうなったら…!

 

「ミルコ!今から接近して一発ブチかまします!」

 

「オーズ!任せるぞオラッ!」

 

ダンッ!!バゴォン!スパパン!

 

 ミルコと同時に黒い脳無に攻撃し、その隙に脳無の目の前に接近!

 

「グルル…っ!?」

 

「オラァ!!」

 

 ミルコが黒い脳無の膝裏を蹴り飛ばし膝カックンの状態にする。

 ここで溜めが完了する。

 

「出力最大!狂圧鳴波!」

 

ッギャリギャリギャリギャリ!!!!

 

「っーーーー……!!」「げえっ!」

 

 強力な衝撃波と音波で黒い脳無の剥き出しの脳を揺らして気絶させた。脳無が膝から崩れ落ちる。

 リカバリーガールに言われた通り危険度の高い技だが今回は高耐久の脳無が相手!最大出力で問題ナシ!

 範囲を絞って黒い脳無に集中させたがウサギの耳で聞き取れてしまったミルコが悲鳴を上げる。

 

「ミルコさん!巻き込んですいません!」

 

「勝手に聞こえただけだから気にすんな…オエッ…」

 

 周辺で暴れ回っていた3体の脳無を片付けて一安心していた所で身体に違和感を覚えた…ってこの感覚は…!

 

「っ!ミルコ!俺ちょっと気絶します!」

 

「…は?何言って…オイ!」

 

……………………………

 

「ここに来たって事は緑谷達の方で俺が二分されたってことか…!!

 早く救けに行かなきゃ…!」

 

「「「さっさと俺らに名前付けて言ってこい!」」」」

 

「それじゃあ…赫無天で!」

 

……………………………

 

「おお!?オーズまた増えたのか!?」

 

「「ミルコ!もう一人の俺が殺されました!あいつらが危ない!」」

 

「っ!!行くぞオーズ!」

 

 ミルコと俺達が急いで緑谷達の元に向かおうとしたその時…!

 

「地下に逃げたぞ!追え!」

 

ドガァァァン!!!

 

「「「!!」」」

 

 先程まで俺達がいた所から手がドリルになったクジラのような黒い脳無が現れた。さらにその脳無の口の中から黒い脳無が現れる。

 

「次から次へと…どうなってんだ!?」

 

「そっちに向かったぞっ!…っミルコか!」

 

 エンデヴァーが走って来た所でミルコの怒りが頂点に達する。

 

「てめーらいい加減にしろぉ!!」

 

ッダン!バゴォォォォン!!!

 

 ミルコがクジラの脳無の背中を蹴り折った。

 

「すまないミルコ逃した奴がいるんだ!コイツらは任せるぞ!」

 

「さっさと行ってこい加齢臭!」

 

「カレッ…!くっ…!」

 

 ミルコの言葉にエンデヴァーが地味にダメージを受けて走っていく。

 新しい分身達の個性は巨大化・武具創造・ケンタウロス・熱感知…そして合体分身の個性が操鎖…!

 これなら脳無を片付けて緑谷達を救けに行ける…!

 

「ミルコ!拘束します!」

 

「新しい個性か!やっちまえ!」

 

 鎖を生成…巨大化×ケンタウロスで巨大人馬化!

 

「ミルコ!愛剋天!これ巻き付けて!」

 

「あたぼうよ!」

 

「いいぞオーズ!最高だ!」

 

 ミルコと愛剋天が俊敏な動きで脳無に鎖を巻き付ける。

 ミルコがサムズアップするのに合わせて全力で振り回す!

 そんでえええ振り下ろす!

 

ガリガリガリガリッ!!!!ッドゴォォォン!!!

 

「グガガガガガガっ!?ゴボッ!!」「ギガッ!?」

 

 ヨシッ!内部にいた脳無も衝撃で気絶してる!さっさと緑谷達を救けに行かなきゃ!

 

「行くぞオーズ!」「「はい!!」」

 

 緑谷を救わんと走りまくって現場に着いた時にはヒーロー殺しが気絶して全てが終わった後だった。

 

 

一夜明けーー…保須総合病院

 

 俺は首チョンパされたので普通は死ぬんだが分身を出しっぱにして憎珀天の首を固定し続けたら首が繋がったので4人の中では結構軽傷だったりする。

 首に切断痕は残ったけども。

 

「分倍河原くん。誰が何と言おうと君が一番重傷だよ」

 

「やっぱそうだよね」

 

 治ったとはいえ首チョンパはシャレにならないもんな。

 

「…冷静に考えると…凄いことしちゃったね」

 

「そうだな」

 

「あんな最後見せられたら…生きてるのが奇跡だって…思っちゃうね」

 

「それな。俺とか首繋がる前に個性解除してたらそのまま死んでたもん」

 

「…君は本当に奇跡だよ…!何回死にかけたら気が済むんだ分倍河原くん…」

 

 緑谷に叱られた。お前に言われたくねえとか思ったけど思い返してみれば俺の方が酷かったわ。

 すまん緑谷。

 

「最後の動き…分倍河原以外はあからさまに手加減されていた…。

 あんだけ殺意向けられて尚立ち向かったお前らはすげえよ」

 

「いや…違うさ俺はーー…」

 

ガラ…

 

「おおォ起きてるな怪我人共!」

 

「ようオーズ!」

 

「グラントリノ!」「マニュアルさん…!」「ミルコ…!」

 

 轟のとこのエンデヴァー以外の俺たちの職場体験先のヒーローが病室に入ってきた。

 

「すごい…グチグチ言いたい…が」

 

「あっ…す…?」

 

「その前に来客だぜ」

 

「「「?」」」

 

 ヒーロー達の後ろから犬の顔をした黒服の人が現れる。

 

「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」

 

「面構!!署…署長!?」

 

「掛けたままで結構だワン。

 君たちがヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒だワンね」

 

((ワン…!!))

 

「ヒーロー殺しだが…火傷に骨折、全身打撲となかなかの重傷で現在治療中だワン」

 

 ……やりすぎたか?

 

「超常黎明期…警察は統率と規格を重要視し、"個性"を"武"に用いない事とした。

 そしてヒーローはその"穴"を埋める形で台頭してきた職だワン。

 個人の武力行使…容易に人を殺められる力。本来なら糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは先人たちがモラルやルールをしっかり遵守してきたからなんだワン」

 

 …この人はヒーロー社会の闇とかは知らなそうだな。

 

「資格未取得者が保護管理者の指示なく"個性"で危害を加えたこと。

 たとえ相手がヒーロー殺しであろうともこれは立派な規則違反だワン。

 ミルコから戦闘許可が下りていた分倍河原君を除く君たち三名及びプロヒーロー。

 エンデヴァー、マニュアル、グラントリノ、そして分倍河原くんが瀕死の重傷を負ったことについてミルコにも!この七名には厳正な処分が下されなければならない。」

 

「待って下さいよ!」「轟くん……」

 

「飯田が動いてなきゃ"ネイティブ"さんが殺されてた!

 緑谷が分倍河原を連れてこなきゃ二人は殺されてた!

 分倍河原一人だったらヒーロー殺しに勝てなかったかもしれない!

 誰もヒーロー殺しの出現に気付いてなかったんですよ、規則守って見殺しにするべきだったって!?」「ちょちょちょ!」

 

「結果オーライであれば規則などウヤムヤで良いと?」

 

 轟の怒りの言葉に面構署長が冷静な一言を投げかける。

 

「ー…人をっ…救けるのがヒーローの仕事だろ」

 

「だから君は"卵"だまったく…いい教育をしてるワンね雄英も…エンデヴァーも」

 

「この犬ー…!」「やめたまえもっともな話だ!!」

 

 面構署長の言葉を勘違いしたのか轟がさらにブチ切れる。

 轟お前意外と熱い奴だな…俺が首チョンパされた時もそうだが…ちゃんと人のために怒れるいい奴だよお前は本当にもう…!

 

「まァ…話は最後まで聞け」

 

 轟がグラントリノの制止に素直に従う。

 

「以上がーー…警察としての意見。

 で、処分云々はあくまで公表すればの話だワン。一方で汚い話公表しない場合、ヒーロー殺しの火傷跡からエンデヴァーを功労者として擁立してしまえるワン。

 ミルコと共に黒い敵と戦った方の分倍河原くんは流石に隠蔽出来ないがね。

 幸い目撃者は極めて限られている、この違反はここで握り潰せるんだワン。」

 

 この人はなんだか悪意を感じなかったからそんなことだろうと思ったよ。

 

「だが君たちの英断と功績も誰にも知られることはない。

 さて4人とも…どっちがいい!?一人の人間としては…前途ある若者の"偉大なる過ち"にケチをつけさせたくないんだワン!?」

 

 面構署長に選択を突きつけられる俺たち。

 俺は別にエンデヴァーに手柄渡すのに抵抗はないし…皆の経歴に傷が付くのは困る…。

 

「まぁどの道監督不行届で俺らは責任取らないとだしな」

 

「分倍河原が生きててくれて本当に良かったよ!

 よく頑張ったな分倍河原!私の事は心配すんな!」

 

 マニュアルさんは残念そうに涙をこぼし、ミルコは俺の無事を祝ってくれた。

 

「申し訳ございません…」「ごめんなさいミルコ…」

 

 飯田と一緒にマニュアルさんとミルコに頭を下げる。

 ミルコ…俺がヘマしたせいで…ごめんなさい…。

 

「よし!他人に迷惑かかる!わかったら二度とするなよ!!」

 

「謝らなくて良いって言ってんだろ!お前はよく頑張った!」

 

 マニュアルさんとミルコに励まされて飯田と俺が顔を上げる。

 

「「「「……よろしく…お願いします」」」」

 

 改めて四人で一緒に面構署長に頭を下げた。

 

「大人のズルで君たちが受けていたであろう賞賛の声はなくなってしまうが…せめて、共に平和を守る人間として…ありがとう!」

 

「初めから言って下さいよ…」

 

《思わぬ形で始まった路地裏の戦いはこうして人知れず終わりを迎えた。》

 

《ただー…その影響もまた人知れず僕らを蝕んでいた。》

 

 

 

 

 

《ヒーロー殺し逮捕!》

 

『保須市で暴動。徒党組んでの犯行か』

 

「昨日夜八時頃、保須市にて七人の敵による暴動が起こった。負傷者は軽傷者を含め102名とされているが、街への被害は甚大で今後更に増える可能性が高い」

 

『ヒーロー殺しの最後』

 

「その場に居合わせた7名のヒーローと高校生4名が向かい合っていたところを駆けつけたエンデヴァーが仕留めた形だ」

 

『ミルコと高校生お見事 敵多数を打倒!』

 

「今回の敵の暴動、ミルコが現場に居合わせており敵は速やかに退治された。その際ミルコの下で職場体験をしていた学生が逮捕に大きく貢献したとされる。」

 

『大規模敵襲撃!』

 

「七人の敵はいずれも住所・戸籍不明の男。

 その外見的特徴とNHAテレビが偶然捉えた二人の男の姿から先月雄英高校を襲った"敵連合"との繋がりを指摘する声も上がっています」

 

 

……死柄木視点……

 

 先生が特別に三体も特別製の脳無を貸してくれたってのに…!

 

「……どこもかしこも……脳無は二の次かよ。

 忘れるどころか…俺らの方がおまけ扱いか…!」

 

 クソが……!

 

「しかもなんであのガキ共がいるんだよ!角のガキはまた増えてやがるし!チートがよ!」

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