黒龍を討ち損ねたリンク(厄災)が、ダンまち世界に出現したようです。 作:さぬきのみやつこ
大して進んでないです。
前回の人造迷宮攻略から数日経ち、ホームの一室ではリンク、フィン、リヴェリア、ガレス、ロキの5人による現状把握が行われていた。
「残念ながら、ヴァレッタは鍵を持っていなかった。」
「鍵の捜索は振り出しか・・・歯がゆいな、敵のアジトはわかっているというのに・・・」
ここ数日で起きた、闇派閥によるイシュタルファミリアの残党狩りは、つんでれベートさんの活躍により納まりを見せたが、倒された幹部は鍵を持ってはいなかった。
「敵の幹部を倒せただけ、よしとしよう・・・嫌がらせも継続、動きがあれば動ける用意もしてある。」
「が、この感じ・・・敵は待ちの姿勢を崩すかは怪しいのう。」
前回の侵攻で、敵の狙いはおおよそ把握できた。
できてしまったからこそ、焦りが出てしまう。
「さっきリンクと一緒にフレイヤのとこ行ってきたけど、イシュタルんとこが持ってた鍵は間違いなく、あいつが持っとるわ。」
「・・・・・・最悪、神フレイヤとの抗争も考えなければならないな。」
「それは最終手段じゃろうて・・・リンク!さっきから黙りこくっておるが、何か意見は無いか?お主のこういう時の勘は、馬鹿にできんからのぅ。」
並行線に近い会議の空気を変えようと、ガレスはリンクに意見を求める。
「・・・・・・・・・もしかしたら、いや、でも」
「どうしたんだい?何か思いついたなら言ってみてくれ。」
右手と左手にあるプルアパッドを交互に見比べ、被りを振るリンクに注目が集まる。
「俺とミネルだけなら、クノッソスに侵入出来るかもしれない。」
「例のワープ機能か?」
リヴァリアは、前回ワープを使った場面を目撃しているため、すぐに心当たりがついた。
「ああ、ワープマーカーはまだクノッソスの中に設置されたままだ。」
そしてリンクが言わんとすることは、その場にいる全員が理解した。
単独でクノッソスに侵入し、鍵を奪ってワープで脱出する。
単純で分かりやすい作戦だが、敵の隙をつけるかもしれない。
「・・・確かに有効打になりうるが、気付かれればすぐに対策を打たれてしまう。」
「門で隔離されてしまえば、動き回ることもできんしのう。」
そう、鍵が必要な門は人造迷宮に設置されている全ての門だ。
そして、潜入とは聞こえがいいが、失敗すれば敵の警戒心を最大限まで高めてしまう諸刃の剣。
「最終的な手段の一つになるだろうな・・・そもそも、ミネル殿のゴーレムが、まだ直っていないだろう?」
ミネルが復活したことで、プルアパッドのマッピング機能が開放されたものの、ミネルゴーレムから離れすぎるとプルアパッドを使うことができない。
パッドが使えなければ、ワープも使えないし、マップも使えず、迷子になるオチしか見えない。
「リンク、まだなんかあるやろ?」
「こちらの方がまさかな案なんだが・・・あの扉、ウルトラハンドでどうにかできるかもしれない。」
「「「「・・・・・・・え?」」」」
意味のわからない案が出た。
➖ホーム リンクの部屋
団員たちが鍵の手掛かりを探すべくオラリア中を駆け巡る中、2人だけホームに残った者がいる。
「色々やってたら、急に呼び出されてこっちに来たんですけど、どうしました?リンクさん」
「ああ、すまない。こちらでも色々確認してきたんだがな・・・門の形状にもよるが、保険として有効な手段を見つけた。」
ラウルが部屋に入ってくるのを確認して、リンクは2冊の本を戸棚から取り出す。
ラウルは、目の前に置かれた本を見て驚きの声をあげる。
「あ、あの、リンクさん?これどっからどう見ても“魔導書”に見えるすけど!しかも2冊とも!」
魔導書・・・それは、素養に関係なく、読めば魔法が発現するというチートアイテム
「そうだ、フィンと2人で、個人的な貯金を崩して買ってきた。」
「買ってきたって・・・いくらしたんすか⁉︎」
キカナイデ( ・∇・)
「あっ、はい、すみませんっす」
リンクは最後に、ラウルのステイタスの写しを並べ、魔法の欄を指す。
「これは、俺とフィンからの頼みだ。現時点で最も可能性のあるお前に、魔法の空きスロットを犠牲にして、“ウルトラハンド”を身につけてほしい。」
「わかりましたっす!やるっす!・・・でも、魔導書使っても狙い通りの魔法が発現するっすかね?」
ラウルは二つ返事で了承したものの、懸念される問題点に気がつき疑問を口にする。
「その点は問題ない。魔導書は使用者の資質を見る時、魂に呼びかけてくる。」
ならば!と、ラウルの前にプルアパッドの画面が向けられる。
『ゾナウの技術に精通しており、魂の賢者としても生きる私がサポートします。』
先日、仲間として合流したミネル。
悠久の時を経て、研鑽を積んだ彼女と秘石の力があれば、魂のことに関しては右に出るものはいないだろう。
「魂の干渉については、ロキにも確認を取ってある。そもそも魔導書自体がそういうものだ。」
『少し誘導するだけです。万が一も起こしません。』
「『俺(私)たちを信じてもらおう。』」
「お願いします!!」
ラウルは、万全の準備をしたというリンクとミネルの言葉を信じ、改めて了承の返事をする。
『よい返事ですね。・・・確かラウルと言いましたか?弟と同じ名前を持つ者に手を貸すというのも、感慨深いものがありますね・・・』
「あれ?弟さん居たんすか?」
『ええ、リンクがいた王国の初代国王をしていましたよ。しっかりしているようで、可愛いところもある自慢の弟でした。』
「なんか・・・国王って言われて、同列に扱われるの申し訳ない気がするっす。」
この後、ラウルは無事に魔法を習得した。
➖一方その頃
武装したモンスターの地上進出により、都市ら大混乱に陥っていた。
鍵を手に入れたいロキ・ファミリア
異端児を逃したいヘスティア・ファミリアとその他
鍵を取り戻したい闇派閥
それぞれの思惑がぶつかり合い、展開が目まぐるしく動いていく
だがここに、神々の思惑すら吹き飛ばす邂逅があった。
『ずっと長い間、夢を見ていた。』
1匹のミノタウロス
『1人の恩人と交わした誓い、そのために乗り越えるべき壁』
異業すぎる6つの腕には、それぞれ違う武器が収められていた。
『我が名は“ミノたん”!最強のミノタウロスになるもの!』
後に、ネームドモンスター“阿修羅”と呼称されるミノタウロスと、冒険者“ベル・クラネル”の2度目の決闘が行われた瞬間だった。
(さっきから無視してるはずなんだけど!ずっと1人で喋ってる!怖い‼︎)
ベル・クラネルは、予想だにしない決闘の申し込みに十数分悩んだ末、決闘を受けて負けた。
色々違うけど、正史通りに物語が進んでいる。
➖プチ設定集
・ミノたん
作者が5分ほど悩んだ末、名前を変更されたミノタウロス(アステリオス→ミノたん)
ダンジョンから産み落とされた際、腕が4→6 角が青ボコからライネルに変更されている。
・ゼノス編
めんどくさいので割愛
読んでくれてありがとうございます。