黒龍を討ち損ねたリンク(厄災)が、ダンまち世界に出現したようです。   作:さぬきのみやつこ

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それいけ!ラウル!


ラウルと無限の砂時計 火の島の章

➖メルカ島➖

 

古の姫巫女“ゼルダ”を探すはずが、逸れたリンクまで探す羽目になったラウルは、手がかりとなる幽霊船に向かうべく、幽霊船について色々と調べているというラインバックと無事、合流を果たした。

 

が!

 

「とりあえず・・・行き先とか、決まってるんるっすか?」

 

「ああ?とりあえず海図が手に入ったし、近くの島から手当たり次第行くしかねーだろ。」

 

「手掛かり、なかったっすもんね。」

 

ラインバックも幽霊船については、あやふやな部分が多く当てにならず、幽霊船と同じ呪いが発生している神殿では、古びた海図が手に入っただけで手がかりらしい手がかりがなかった。

 

ともあれ、メルカ島にいる理由もなかった2人は、手に入れた海図を見ながら、あれやこれやと旅の計画と航路の相談を進めていた。

 

「ひとまず、近場の島なら・・・ここっすかね?」

 

「あ?あー、そこは大砲島だな・・・そこには、頑固な鍛冶ジジイしかいねぇよ。」

 

「何か作ってるんすか?」

 

「船のパーツをいくつかな・・・金も手に入ったし、大砲を増設してもらうのもありだな。海の魔物も物騒になってきたしな・・・」

 

「今まで付いてなかったんすね?なら、ここに行って・・・・・・あれ?ここだけなんかゴワゴワしてないっすか?」

 

ラウルが、大砲島の次に指した島に違和感があること気づき、ラインバックを呼び止める。

 

「なんだ?ちょっと貸してみろ!」

 

こういうときは火で炙るか、コインで削っるか、鉛筆で擦るんだよ!と言い地図を調べると、赤い印が浮かび上がった。

 

「・・・・・・でかしたぞ、ラウル!幽霊船に繋がるか・・・まあ、わかんねぇが、これはれっきとした宝の地図だ!」

 

「宝、宝って、本当に現金なやつね!ラウルは幽霊船に攫われた、お友達を探してるんだから、寄り道してる暇はないわよ!」

 

「なんだよ!うるせぇーな!その幽霊船の手がかりがねぇから、ひとまず動こうって話じゃねーか!・・・小さくても目的があった方がいいだろ!」

 

(なんっすかね?なんかどっかで見た覚えがあるっすけど・・・)

 

ラウルは、喧嘩を始めたラインバックとシエラを尻目に、地図の印に既視感を感じていた。

 

方針が決まったラウル達は船へと乗り込む、行き先は火の島、大砲島経由だ。

 

「んじゃ、行くぜー!・・・ヨーソロー‼︎」

 

あとに残るのは、若者たちの船出を見届ける老人のみ

 

「・・・え、ワシの出番は?」

 

シーワンの出番は、ない!

 

 

 

➖火の島➖

 

火の島に向かう途中、大砲島で無事大砲を手に入れた一行は、日が暮れる前に火の島に到着。

 

途中、海の魔物に襲われたりしたが、船体をジャンプさせるラインバックの操船技術や、手に入れた大砲を百発百中で当てるラウルの腕前が披露され、快適?とは少し違うかもしれないが、安定した航海がされた。

 

「へー、見事に何もねーな・・・よし!ラウル、行ってこい!」

 

「え?ラインバックさんは、行かないんすか?」

 

「あー、俺様も行ってやりてーんだけどな・・・人が見あたらねーうえに、チラホラと魔物が見えんだろ?」

 

島についてすぐ、ラインバックから指示が飛ぶ。その指示に疑問を覚えたラウルだが、ラインバックが指をさす方を見てすぐに納得した。

 

島のあちこちに、メルカ島でも見た赤いスライムみたいやつや、蜘蛛?蟻?みたいなモンスターがウロチョロしている。

パッと見無人のこの島で、船を無防備にしたまま行動するのは得策ではないだろう。

 

贅沢を言えば、パーティ単位での行動をしたかったラウルだが、オラリアの外での冒険がいかにダンジョンと勝手が違うかを、改めて痛感する。

 

「りょーかいっす!ひとまず、島をぐるっと探索してみるっす!・・・シエラも、サポート頼んだっすよ!」

 

「まっかせなさい!ラインバックがビビってるんじゃ、しょうがないもんね。」

 

「べべべ、べ別に!ビビってねーけどな!適材適所ってやつだよ!船の整備もあるしな・・・・・・マジで、」

 

「ハハハ、じゃ行ってくるっすよ!」

 

ラインバックの足の震えは見えぬフリをし、ラウルは島の探索に入った。

 

「ヤバくなったら、ソッコーで戻ってこいよーー!!いつでも船出せるよう、しとくからなーー!!」

 

逃げる判断、これができる者は少ない・・・冒険も何もかも、命あってのもの種・・・

 

(出会いに恵まれたっすね。)

 

「あれ?ラウルったら、何で笑ってるの?」

 

内心、自分もビビリだからこそ共感する部分があったラウルは、ラインバックの言葉に、そう感じて笑みが溢れた。

 

「さあ?なんででっすかね?」

 

「ふーん・・・変なの。」

 

その後、なんかヤバいのがいたはずなんだが、ラウルは普通に倒して終わった。

 

➖ラウルが火の島で色々やってる時のロキ・ファミリア➖

 

「フィン!捜索隊の人選はどうなった!」

 

「足取りを探すのに、鼻が効くベートとアキが先行してくれる。あとは足が速いものが何人かいれば・・・」

 

「この際じゃ!フレイヤ・ファミリアの“ヴァナフレイヤ”と“ラビットフッド”に依頼は出せんのか?オラリアであやつらほど足が疾いもんはおらんだろう!」

 

「ダメだ、女神フレイヤが首を縦に振ると思えない!」

 

ラウルが火の島で探索をしている頃、神ロキの、リンクとラウルの恩恵が途切れた。という発言により、ロキ・ファミリアでは大混乱が起こっていた。

 

恩恵が途切れる=眷属の死

 

が、通例であるのだが、なったばかりではあるもののLv.8のリンクと、Lv.5のラウルがそう簡単に死ぬだろうか?

 

隻眼の黒竜の再来、なんらかのアンチ・ステイタスの呪い、フィンの頭には様々な可能性が浮かんだが、どちらにせよ最後の足取りを辿らねば、憶測しか立てられない。

 

幸い、2人でオラリオを出てから、そう日付が経っていなかったため、鼻が効く獣人の団員を中心に、すぐに捜索隊は組まれた。

 

早ければそろそろ、報告が飛んでくる頃合いだ。

 

「団長!ベートさんが戻ってきました!」

 

「戻ったか!」

 

ベートの帰還の報告を受けたフィンは、すぐさま玄関へと向かった。

 

帰ってきたベートの顔は、苦虫を噛み潰したように酷く、捜索の結果が、すぐにわかってしまった。

 

「・・・・・・ベート・・・報告を」

 

それでも聞かねば、ならぬとベートにいつの間にか隣に来たロキが、ベートに報告するよう促す。

 

「匂いを最後まで辿ったが、途中で途切れてやがった・・・イカレジジイは空も飛べるから、広めにさがしたんだが、少し離れた位置にこれがあっただけだ・・・・・・」

 

そうして、ベートが差し出したのは一本の剣、リンクが使っていた“退魔の剣”だった。

恐らく、リンクとラウルは死んでしまったのだろう。

何にやられたかはわからないが、都市の近隣に強力なモンスターが出現した可能性もある。ギルドへも報告をしなければいけない。

 

「ベート、ご苦労だった。悪いんだけど、残りの捜索隊に撤収の指示を出してきてくれ・・・僕は、これをギルドに報告をしてくる。」

 

「ああ、アキが相当荒れてやがる・・・少し手荒になるぞ。」

 

「悪いね、頼んだよ。・・・ロキ、辛いだろうが、ギルドに報告に行こう。事がことだ、まだ危機が残ってるかもしれない・・・・・・・・・その顔、何かあったのかい?」

 

彼女が、普通に辛そうな顔をしていれば、こんなデリカシーのない質問はしていなかっただろう。

けど、僕がこの質問をした時の彼女の顔は、何かに驚いたように面を食らっていた。

 

「え?うん、ちょっと待ってな・・・・・・・・・・・・あれ?ラウルの恩恵が復活しとる。」

 

「「え?」」

 

「うん、ちょっとだけ。」

 

「「ちょっとだけ?」」

 

もう、ホームの方では、わけがわからなくなっていた。

 

 

➖火の島の迷宮ボス部屋のラウル➖

 

「戻ったっす!完全じゃないけど、戻ったっす!」

 

迷宮を攻略し、ボス部屋にいた“火焔幻術士 ブレイズ”をブーメランでなく、サファイアの杖(たまたまカバンから取り出せた)で弱らせて、倒すことに成功したラウルは、奇声を上げながら広間を走り回っていた。

 

その要因となったのは、彼が先程手に入れた“ハートの器”によるものであった。

ここに来るまで、ステイタスが完全に封印された状態だった彼の身体能力は、よくて運動ができる一般人程度だったのだが、ハートの器を手に入れたことにより、本来の効果《体力(ハートゲージ)を増やす》が、なぜか《封印されたステイタスを解放》として作用した。

 

結果、現在のラウルの身体能力は、Lv.1の駆け出しと同じくらいになっていた。

それでも、あるとらないとでは全く違うと大喜びである。

ちなみに、魔法は戻っていない。

 

 

 

 




読んでくれてありがとうございました。
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