黒龍を討ち損ねたリンク(厄災)が、ダンまち世界に出現したようです。   作:さぬきのみやつこ

3 / 25
約2700文字


フッフッフッ

『オラリオを代表する派閥の1つ“ロキ・ファミリア”には、奇妙な噂がある。

曰く、ロキ・ファミリアのホームの中庭には、誰も知らない謎の野菜が生えている。

曰く、ロキ・ファミリアには、誰も抜くことができない謎の剣がある。

曰く、何もないはずの地面からは時折、人の話し声が聞こえてくる。

曰く、誰もいなかった筈の部屋に、急に灯りがつく。

曰く、謎の彫像が突如として現れたと思えば、目を離した瞬間に姿を消している。

曰く、火が通っていれば、岩石すら食す者がいる。

曰く、誰も知らない謎の女性が、ホームを自由に出入りしている。

数えて7つ“ロキ・ファミリアの七不思議”と呼ばれるこれらは、実のところ1人の人物が全てに関わっている。

今日はこの中で、謎の野菜と謎の剣について、触れていくとしよう。

 

 

 

リンクの朝は早い。

ファミリアでも1、2を争うほどの早起きの彼は、朝目覚めるとすぐに身支度を済ませ、夜の警備をしていた団員達に声を掛けて回る。

 

「リンクさん、おはようございます。」

「おはようございます。遠征が終わったばかりなのに早いですね。」

「今日からまた畑仕事ですか?今日くらい休んでも良さそうですけど・・・」

 

「ああ、おはよう。俺も休みたいんだが、遠征の間空けてしまったからな・・・どうしても気になってしまってな。」

 

和やかに団員たちと話している男、実際にはすぐにでも畑仕事に行きたくてしょうがないのだ。というのも、今回の遠征でポーチの中身を、大幅に消費したからである。

ここでリンクのポーチについて、少し説明しよう。

この規格外の収納量を誇るポーチには、剣や盾を含む武具から野菜まで、様々な物が収納されている。そしてその全てがハイラル産(ブレワイデータ基準)のものだ。つまり、ここオラリオでは一切補充が効かないのだ。

無くなるのがツルギソウやヨロイソウだけなら、諦めがついたのであろうが、マックス系の素材は別だった。

この男、何を思ったのか、畑を作った。しかもうまくいった。

ポーチのアイテム枠の収納限界まで、マックス素材を集めたときは、狂喜乱舞していたな・・・まあ、遠征でゴッソリ無くなって絶望した顔の方が笑えたが・・・おっと誰か来たな

 

「おはよう、リンク。朝早くから、精が出るな。」

 

「リヴェリアか・・・おはよう、もう少し寝ててもよかったんじゃないか?」

 

「それをお前が言うか?」

 

「ふっ、違いないな。」

 

「畑の調子はどうだ?」

 

「順調そうだ・・・この調子なら、次の収穫も期待できそうだ。」

 

「そうか、よかった。・・・草取りか、私も手伝おう。」

 

リヴェリアと呼ばれた女性は、エルフの中でも珍しい、ハイエルフと呼ばれる王族の1人だ。その彼女が畑仕事を手伝うのは、もちろん打算的な意味がある。

 

「・・・リンク」

 

「なんだ?」

 

「よければ今のうちに、次の収穫に際してのエルフの分の取り分を.決めておきたいのだが・・・」

 

交渉だ。ハイラル産の野菜は、ロキ・ファミリアのエルフ達に絶大な人気を誇る。

リヴェリアはエルフ達を代表して、毎回の取り分を決めているのだ。

 

「ゴーゴーニンジン、ヨロイカボチャ、ガッツニンジンは5:5」

 

「よし、次」

 

「姫しずかを含む薬草類は2:8」

 

「いいのか?」

 

「前回は譲ってもらったからな、今回はこちらが譲ろう。・・・ただ、マックスラディッシュと大マックスラディッシュは、遠征での消費が激しかった。次回がいつになるかわからないが貯蓄に回したい。」

 

「1割だけでも都合できないか?アリシア達が楽しみにしていた。」

 

「・・・遠征では迷惑をかけた、2割譲ろう。」

 

「感謝する。」

 

これが謎の野菜の真相だ。

初めは家庭菜園ほどの大きさでちまちまやっていたのだが、毎年、規模が拡大しており、今では中庭の半分を、畑で占領している。収穫は、ファミリアのエルフ総出だ。

 

さて次は謎の剣だが、これも簡単だ。

 

「そういえばリンク。預かっていた剣は、いつも通り一晩共にした後にいつもの場所にさしておいたぞ。」

 

「ありがとう、いつもすまないな。」

 

「構わない・・・と言いたいが、本当に意味があるのか?コレ」

 

「ああ、剣が消費した神聖力を補うのに、ハイエルフほど適した人材はいないだろう・・・あとは自然の中で休ませるだけだ。畑だが」

 

「神聖力・・・ロキ(神)では駄目なのか?」

 

「ロキ(無乳)は駄目だった。」

 

以上、謎の剣の正体は“退魔の剣”だ。

基本的にダンジョンに行く時以外は、畑の中心に(1年の内半年以上)刺さっているこの剣は、抜こうと思えば誰でも抜けるのだが、リンクが愛用している剣ということを皆知っているので誰も抜こうとしない・・・結果、誰にも抜けない謎の剣が完成してしまったのだ。

 

いかがだったかな?

少しは暇つぶしになっただろうか?

残りの5つは、また後日語らせてもらうとしよう。・・・そろそろ奴が来るのでな・・・』

 

オッス!オツカレー!I´・ω・`)/

 

『フッフッフッ、遠征から帰ってきたようだな?』

 

アー、キイテヨアクマチャーン(´・ω・`)

ヘンナイモムシガワイテテサー( ̄Д ̄)ノ

 

『なかなかに苦労したようだな、こちらもゾナウギアの収集には手を焼いたよ。・・・話が面白ければ、少し値引きしよう。』

 

マジー?ガンバルワ(╹◡╹)

 

『フッフッフッ、せいぜい面白い話をしてお金を落としていってくれ。』

 

マカセロリ!(≧∀≦)

 

七不思議の1つ、地面から聞こえる話し声の正体は、何故か地面に埋まっていた悪魔像だ。

ただ、下手に器のやり取りをするとロキに目をつからられるため、こちらでは、ゾナウギアの収集、販売をして、お金を稼いでいる。

リンクが来てくれないと話し相手がいないため、値段はとても良心的だ。ゾナウギアの他に魚と虫の販売も行っているぞ!

 

『フッフッフッ、まいどあり。』

 

 

➖プチ設定集➖

・退魔の剣

こちらの世界に来てからワガママ放題。週休4日、遠征あとはリヴェリアの添い寝がないと拗ねる。ちなみに、一度だけロキ(無乳)が添い寝をしてみたが、拗ねて1年ほど眠りについたことがある。

 

・ゴーゴーニンジン、ガッツニンジン、ヨロイカボチャ

効能:特になし

特徴:煮てよし、焼いてよしの万能野菜、生でも美味しい!

補足:エルフ達の好物、特にレフィーヤ

 

・姫しずか

効能:消音効果付与

特徴:主に薬の材料として使われるが、隠れた効能にダイエット効果がある。サラダにしてもイケる。

補足:リヴェリアが愛飲

 

・ポカポカハーブ、ヒンヤリハーブ、ビリビリハーブ

効能:特になし

特徴:スパイスとして重宝される。

補足:フレイヤ・ファミリアがたまに買いに来る。

 

・その他

ポーチに有り余っているため、現在は栽培していない。

個人でたまに消費、購入があり。

 

 

 

 

 

 

 




読んで頂き、ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。