天と地の居木   作:木檜 煌人

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第10話

 

 

 

「暑い…」

「ここはいったいどうなっているんだ?」

 

 

 

「ここは吽猿(おんえん)の砂漠と呼ばれている場所よ」

 

 

 

「吽猿の砂漠?」

「吽猿とは?」

 

 

 

「ん~…」

「簡単に言うと牛に似た猿って所かしら?」

 

 

 

「はぁ?」

「猿は牛に似てないし、牛は猿に似てないけど?」

「どういう意味なんだ?」

 

 

 

「前に言ったでしょ?」

「同種対同種、異種対異種、同種対異種。」

「この砂漠も該当するのよ」

 

 

 

「???」

「つまり…」

「この砂漠でも種族による生き残りを掛けた戦いが?」

 

 

 

「えぇ。」

「漏れることなくね。」

 

 

 

「……」

「…んで?」

「生き残ったのがその吽猿とか言う奴か?」

 

 

 

「えぇ。」

 

 

 

「…その吽猿とこの砂漠の関係は?」

 

 

 

「周りを見渡してみて。」

「私達以外に何が見える?」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「わかった?」

「それが答えよ。」

 

 

 

「つまり…」

「その吽猿とか言う奴がこの一帯を焼き付くしたと?」

 

 

 

「その通り。」

「植物も動物も吽猿に全て食べ尽くされたか、焼き付くされた。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「だけど、吽猿は今でも補食対象を探しているわ。」

 

 

 

「…補食対象がこの砂漠のどこに?」

 

 

 

「………」

「ここよ。」

 

 

 

「…???」

「つまり???」

 

 

 

「私達がその補食対象なの。」

 

 

 

「………」

「まさか…」

「狙われていると?」

 

 

 

「…時、既に遅いけどね」

 

 

 

「!!!」

 

 

 

(………………!!!)

 

 

 

「来るわよ。」

 

 

「!!!」

「来るっていったいどこ……か…ら…!!!」

 

 

 

(……………ギィィィィィ!!)

 

 

 

「!!!」

「こいつ…」

「確実に補食しようと足元から…!!」

 

 

 

「どうやら狙いはあなたね。」

 

 

 

「!!!」

「こんな至近距離じゃ……」

 

 

 

(ギィィィィィ……)

 

 

 

 

「くそ……」

「足元は不安定だし、第一に砂の中の奴をどうやって狙えば…」

 

 

 

「走って!」

 

 

 

「…!!」

 

 

 

「奴は砂の中に響く震動を頼りに追ってくるの。」

「走りながら時間が稼げるものを砂に落として!」

 

 

 

「時間が稼げるもの…」

「…!!!」

「これなら…」

 

 

 

(ギィィィィィ……)

 

 

 

「よし。」

「…こっちだ。」

 

 

 

(……ギィィィィィ)

 

 

 

「その調子で俺を追ってこい!」

 

 

 

(ギィィィィィ)

 

 

 

(ザッザッザッザッ…)

 

 

 

(ギィィィィィ!!)

 

 

 

「…今だ!!」

 

 

 

(………ゴロッ)

 

 

 

(ギィィィィィイイイイイ…)

 

 

 

「……食った…」

「グレネードを…」

 

 

 

(………ボン!!!)

 

 

 

(ギィィィィィイイイイイイイイイイ!!!)

 

 

 

「後は私がやる!」

 

 

 

(ギィィィィィイイイイイイイイイイ)

 

 

 

「月刀叨旋!」

 

 

 

(…ギィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!!)

(…………………)

 

 

 

「…やったのか?」

 

 

 

「…ふぅ。」

「これで吽猿も終わりね。」

 

 

 

「…本当に猿みたいな顔に牛みたいな身体…」

「それに、水掻きまで…」

 

 

 

「この水掻きは、水の中では使えないわ。」

 

 

 

 

「じゃあ何のために?」

 

 

 

「砂漠を泳ぐためよ。」

 

 

 

「…まさしく怪物だな。」

 

 

 

「そうね。」

「…だけど、彼等からすると私達の方が怪物かもね。」

 

 

 

「はは……」

 

 

 

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