天と地の居木   作:木檜 煌人

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第3話

 

 

「……つまり、近づかず目も合わせずと言うことだな。」

 

 

「えぇ。それしか生きる方法はないわ。」

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

(ザッ…ザッ…ザッ……)

 

 

「ところで、いつまで歩くのだ?」

 

 

「そうね…後1キロも歩けば私の乗り物が置いてある集落に着くわ。」

「そこからはこの荒野をひたすら西に向かおうと思うの。」

 

 

「集落?」

「そこには人が?」

 

 

「いえ。」

「正確には「集落だった場所」ね。」

 

 

「集落「だった」………」

「じゃ今は…???」

 

 

「魔物の「住み処」よ。」

 

 

「……!!!」

「また変なのが???」

 

 

「いいえ。安心して。」

「その「住み処」に居るのは「ネズミ」だけよ。」

 

 

「ふぅ…ネズミか…」

「少しは休めるといいが……」

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ザッ…ザッ…ザッ……)

 

 

「やっと着いたわ。」

 

 

「……確かに誰も居ない……」

「ネズミ以外は……」

 

 

「…着いて早速だけど私は乗り物を取ってくるね。」

 

 

「あぁ…」

 

 

「………」

「……ジョン…」

「本当にすまない。」

「SOSがここから発信されていたから来たばかりに……」

「まさかあんな惨い最後になるだなんて……」

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ブォン…ブォン…)

 

 

「長い間置いてたけど、無事掛かって良かったぁ。」

「今度こそあそこに辿り着いてみせるわ。」

「そして、「あの人」に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…しかし、よくみると死体ばかりで本当に人間は居ないみたいだな……」

 

 

 

(ガサガサ…)

(ギギ…ギ……)

 

 

 

「ん?なんの音だ?」

「そこに何か居る……の………か…………!!!」

 

 

 

(ギギギ~)

(ギ~ギギ~~)

 

 

 

「!!!」

「何だこいつら!!」

「ただの「ネズミ」じゃない!!」

「めちゃくちゃでかいし、何て数だ……」

「それに、何に群がっ……て………!!」

 

 

 

(ギギッギ~)

(ギ~ギ~ギ…!)

 

 

 

「ヤバい…」

「見つかった……」

 

 

 

(ギギギ~~)

(ギ~~ギ~~ギ~~!!!)

 

 

 

「そっちがその気なら……」

 

 

 

(バンバンバン…)

(バンバンバンバンバンバンバン…)

 

 

(ギ~ギ~ギ~)

(ギェ…ギギ…)

(ギ…ギェギ…)

 

 

 

 

 

 

「この音は…」

「…!!!」

「まさか……!」

「ウィルス!!!」

 

 

 

 

 

 

 

(ハァ…ハァ…ハァ……)

 

 

「やっと片付いたか……」

(ハァ…ハァ…)

 

 

 

「!!!」

「ウィルス!!」

「大丈夫?」

 

 

「あぁ…」

「なんとかな…」

 

 

「…この数は…おかしい…」

 

 

「…えっ?」

 

 

「いつもより数が多すぎる…」

「それにこの食べ方…」

「まるで一番美味しくて柔かいとこを知ってるような…」

 

 

「いつもと一緒じゃないのか?」

 

 

「えぇ…」

「これを見て…」

 

 

「!!」

「どれも女の胴体だけ…」

「それに、全裸で食べられてる割には血痕が一切出てない…」

 

 

「えぇ…」

「きっと全ての死体はさっきのネズミが食べたのよ。」

「だけど、他の部位は別の場所で切断してるわ」

「おまけに血抜きも完璧…」

「単なるネズミがこんな高等なことは出来ないわ。」

 

 

「あぁ…」

「と言うことは、犯人は鋭利な刃物で一刀両断し、血抜きもし解体にも慣れてる…」

 

 

「えぇ…」

「そゆこと。」

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 

(ブォンブォン……)

「こんなところは長居しない方がいいわ。」

「さぁ。乗って…行くわよ。」

 

 

 

 




「球体ネズミ」
一般的なネズミはせいぜい15センチ位だろうが、このネズミは全長60センチになる。
体毛は全身ピンク色で、尻尾が異常に太く短いのが特徴。
普段は主に土を食べ、死肉を食べることも集団で群れることもない。
「この球体」では唯一の食物底辺動物であり、狩りの方法も知らない生物。


「変異ネズミ」
上記ネズミよりも身体は小さく、全身30センチ。
体毛は全身が赤く、尻尾が無い代わりに四肢の爪が長く鋭く、歯も鋭利になっている。
このネズミは上記のネズミが何らかの影響で変異したらしく、その食性と統率性を遥かに凌駕している。
もちろん、生きた人間にも襲いかかる。
その時の捕食は作者も簡単には書けないほどの地獄絵図である。


「集落」
まだここが「楽園の惑星」の時に存在した「緑地型集合地」と呼ばれていた場所。
そこにはたくさんの人々や動物が住み、水が溢れ緑豊かな場所だった。
「球体」と呼ばれるようになってからは、至る所に腐肉が転がり、人間や動物、植物までもが枯れ果て、「血食型捕食地」と呼ばれるようになった。
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