(ブォ~ン…)
「…………」
「…もうすぐ「彼」のところに着くわよ。」
「その「彼」と言うのはどんな人間なんだ?」
「そうね…」
「体格も力も普通の人間より遥かに凄くて、常人では持ち上げることが出来ないものを軽々と持ち上げることが出来る怪力の持ち主よ。」
「…怖くないのか?」
「怖くはないわ。」
「だけど、一度怒らせると誰も手がつけられなくなるの。」
「音は優しい人よ。」
「…………」
「心配しないで。」
「彼は私達の味方だから。」
「…………」
(ブォ~ン……)
(…キキィ~…)
「着いたわよ。」
「ここが武器工場…」
「おぉ~い!」
「おじさ~ん!」
「久しぶりに会いに来たわよ~。」
「…………」
「誰も居ないんじゃ??」
「変ねぇ…」
「いつもは金床を打ってる音がするんだけど…」
「まさか、怪物に??」
「彼に限ってそんなこと…」
「…………」
「…もしかして裏山の炭鉱に居るのかしら??」
「炭鉱??」
「えぇ。」
「彼が打つ金属の素材は裏山の炭鉱から採掘してるの。」
「……行こう!」
「そうね。」
「無事だと良いけど…」
(ザッ…ザッ…ザッ…)
(……カァ~ン……カァ~ン……)
「やっぱりここに居た。」
(……カァ~ン……カァ~ン……)
「おじさ~ん!」
(…カァ~ン……!!!)
「…!!!」
「楓じゃないか!」
「久しぶりやのぉ~。」
「楓??」
「…この人がさっき言ってた「彼」???」
「えぇ…そうよ。」
「彼がこの「球体」で唯一の鍛冶職人であり、天龍一刀月乃の産みの親よ。」
「???」
「…楓ょ。この方は??」
「紹介するわ。」
「この人は「外」から来た人間「ウィルス」よ。」
「えっと…」
「そないに難くならんでもえぇ。」
「…ワシはこの「球体」で唯一の鍛冶屋「竜天堂」の主人「福冨正次郎」じゃ。」
「以後よろしくな。」
「…俺はコーダ・アンドリュース・ウィルス。」
「この「球体」からSOSが来て、部下を連れて来たんだが、到着早々怪物に襲われてた所を楓に助けてもらって…」
「それは難儀じゃったのぉ~。」
「…まぁこんな所でなんだから、「店」に行くとしようか。」
「店?」
「地上には「店らしき建物」は見当たらなかったが?」
「おじさんの店は「地下」にあるのよ。」
「???」
「なぜ地下に?…」
「…………」
「そなた等がここに来るまでに立派な建物は一切なく、どれも瓦礫ばかりじゃったろう?」
「あれには理由があるんじゃよ。」
「…………」
「まぁ…その理由は機会があれば追々話してやる。」
「それより今は「店」に戻って一段落する事じゃ。」
「…………」
「福冨正次郎」
前話で楓が話していた「彼」とは正しく「福冨正次郎」のこと。
性格や気質は前話で触れたので割愛する。
見た目は、身長2メートル、某ゲームのキャラクター並の体格。
彼が作る道具はどれも超一級品。
その種類は様々で、弾丸から刀、槍から弓矢、超大型金槌から超大型大剣、はたまた全身防具まで何でも強固に、器用に、それでいて軽い。
表向きは鍛冶職人であるが、本当の顔は大型種のみを狩るハンターでもある。