【完結】カバネリ RTA 【金剛郭からの生存者】   作:神埼

112 / 153
敗走3

翌日も蓬莱城はワザトリ捜索に出たが、陽が落ちるまでワザトリを発見出来ず府中駅に帰還した。武士達のフラストレーションは溜まりっぱなしである。甲鉄城で大損害が出た事もそうだが、今府中駅に戦力が集まりすぎている。今顕金駅で何かあれば大惨事になり得るのだ。早く戻りたいが、甲鉄城に大損害を負わせたワザトリも討伐したい。来栖もカバネリ二人も太刀使いのワザトリの事を考えれば、突出も出来ずじりじりと気持ちばかりが逸る。

 

そんな中、最上に再手術が行われた。府中駅に運び込まれた当初、カバネになるのではとおっかなびっくり行われた手術が不十分だったのか、縫合した傷口の中が化膿していたのだ。仁助は顔を歪めていたが、府中駅の医者の気持ちも分かる為、文句を言いはしなかった。むしろカバネウイルスに感染しているかもしれなかった最上の命を繋いで貰っただけありがたいのだ。

 

府中駅に対しては、来栖が道元に持たされていた書状により話はついているし、なんとしてもワザトリを討ち取って欲しい府中駅側の希望もあり、来栖が折衝のため苦労する必要がないのが唯一の救いである。

 

府中駅滞在3日目

 

少し足を伸ばした先で、血入りの瓶でカバネを集めてカバネ狩りを行った。目当てではないワザトリに無名が対応し始めた時、甲鉄城の面子から声が上がった。

 

「あいつだ!」

 

「太刀使いです!」

 

来栖が指示された先に目をやると、太刀を手にこちらに向かってくるカバネが確認できた。無名はワザトリに対応中の為、まずは来栖1人での迎撃となる。

 

「生駒は車両から離れるな!」

 

今にも飛び込んできそうな生駒に警告を飛ばして、ワザトリと来栖が激突した。ワザトリはカバネの臂力を存分にいかして来栖を後退させた。数合打ち合いが続くが互いに有効打がない。激しく打ち合う中、来栖は違和感を感じた。最上や瓜生と近い動きが目についたのだ。

 

(もう学習したのか。こいつは此処で仕留めねば。)

 

先日の交戦で、最上や瓜生の動きを学習したワザトリは二人の動きを取り入れた。だが先日の交戦で二人は逃げの一辺倒だった為、回避行動こそ学習したものの攻撃はそこまで学習しておらず、最上のように足を刈り取りには来ない。とはいえ回避行動を学習したからから、此方からも有効打を入れられていない。

 

既に20合を越える打ち合いをしているワザトリと来栖を、カバネに対応しながら武士達は観察していた。とてもではないが横から援護できる状態ではない。臂力の差か若干来栖が押されているように見える。

 

「ワザトリだ!」

 

わっと武士達が散った場所に生駒が滑り込み、新手のワザトリに生駒が対応する。その間に無名がワザトリを討ち取り来栖の援護に向かう。

 

「来栖!入るよ!」

 

ワザトリの横合いから無名が蒸気筒で殴りかかる。最上達から学習した回避行動で、それをかわしたワザトリが無名に太刀を振り下ろすが、来栖が太刀を跳ね上げた。来栖と無名の猛攻を回避するワザトリが反撃を挟んで来るが、来栖と無名はお互いの隙を埋めつつ、ワザトリを押していく。激しい打ち合いが続いたが、来栖がワザトリの左手を跳ね飛ばし、無名が懐に入り込んでワザトリを討ち取った。

 

同時に生駒もワザトリを討ち取ったことで、残すはワザトリではないカバネの討伐である。融合群体になることもなく、集まったカバネを討ち取り切った。ひと段落したことで武士達は息を吐きつつ、来栖と無名相手に十数合もやり合ったワザトリに恐れ慄いた。

 

蓬莱城は甲鉄城より戦力偏重編成である。更には吉備土を来栖に、民人上がりの武士を元々の武士達に入れ替えて来ている。もし来栖がいなかった場合、このワザトリ相手に初見で死傷者無しを実現できるかと言われたら、不可能だと断言できる。そもそもがワザトリの容姿を知る甲鉄城の面子の指示で、来栖をワザトリに割り当てられたのだ。生駒が相手をしたワザトリの様に、ワザトリだと判明した瞬間には何人斬られているか分かったものではない。

 

最近は生駒も戦い慣れ、武士達と

無名との連携も円滑になったことで弛んでいた緊張を取り戻す結果となった。

 

甲鉄城は蓬莱城と比べれば戦力的には劣るものの、時に非道な判断もする面子が揃っていたためあの程度で済んだのだ。蓬莱城と違い金属被膜の加工もない車両で、あのワザトリに入り込まれ、更には他のカバネも入り込んでいたのだからあの程度の損害で済んだのは奇跡と言える。

 

ワザトリを討ち取ったことで、急いで蓬莱城は府中駅へと引き返した。蓬莱城には見届け役として、府中駅からの武士が数人乗車しており、連日獅子奮迅の大立ち回りをしていた来栖達が、該当のカバネを討ち取ったのを認めた為、府中駅から離れること自体は問題がない。

 

問題があるとすれば最上の件である。

再手術により弱り切った最上を移動させても良いのかということである。来栖、仁助、瓜生で検討した結果、府中駅から薬剤などの提供を受けて顕金駅に帰る事が決定した。最高戦力を投入した結果、現在の顕金駅は政方面でてんてこまいとなっているからだ。最上と損傷の激しい甲鉄城を置いていく訳にも行かず、甲鉄城と蓬莱城の面子を入れ替えて、二城連なって戻る事を選んだ。仁助や看護師は当然蓬莱城に乗り、顕金駅への帰路に着いた。

 

途中カバネの襲撃はあったものの、速やかに討伐され、顕金駅へと帰還を果たした。操車場へと滑り込んできたぼろぼろの甲鉄城を見て、蒸気鍛治達は大層へこんでいたが、三城目を建造中であったことから、損傷した車両を既に出来上がっていた三城目の車両と入れ替えて対応することにした。甲鉄城の面子が負傷者だらけの為、直ぐに走行する予定はないが、いざという時走りませんではすまないのだ。

 

帰還した蓬莱城の面子のうち、普段それなりの役を割り振られている者達は仕事に追われる事になった。最上がいない為、最上や道元に任せている部分の仕事も落ちて来たのである。本来なら最上や道元が数日不在にしても、直ぐに潰れない様に仕事を調整しているのだが、最上は数日で戻れる様な怪我ではない。ただでさえ元々の帰還予定日を過ぎていた為、最上が作っていた仕事の余裕はないに等しい。完全に道元が潰れる前に仕事を再配分した結果、役付きの者の殆どが参考資料片手に頭を抱える羽目になった。

 

重傷者は全員、病院である楓の屋敷に搬送され入院となり、最上は抵抗力が落ちていることから、面会謝絶の措置がとられた。

2度にわたる手術に、発熱が続いていたことから、最上は意識はあるもののぐったりとしていた。お見舞いがしたいと一之進達が訪ねてきたが、抵抗力の落ちている最上は些細なことでも命取りであるので、楓は面会を認めなかった。

 

最上は二週間後に退院が認められ、自宅療養へと切り替わった。最上が仁助の手を借りつつ、自宅に戻るとちらりと厩に視線を巡らせた後肩を落とした。厩に疾風はいなかった。

 

「疾風ですか?」

 

「うん。」

 

ただでさえ退院したばかりでくたっとしているのに、あんまりにもしょんぼりと肩を落としている姿は、いつもより一回り小さく見えた。

 

「言っておきますが、疾風生きてますよ。」

 

「えっ⁉︎」

 

最上は弾かれたように顔を上げた。目を丸くして仁助を見上げてくる。

 

「城で菖蒲様が預かって下さってますよ。跳弾が2発当たりましたが、右耳が飛んだのと、右股あたりに当たってました。もう走れないかもしれませんが、楓さんが言うには命に別状はないようですよ。」

 

「…よかった。」

 

最上はあからさまに顔が喜色に染まりほっと息を吐いた。

 

「言っておきますが、貴方は自宅療養中安静ですからね。」

 

「わかってる。…どうせ私が会いに行ったところでなにもできないしな。」

 

そういう事じゃないんだけどなとか、そんなに大切なら何故戦場に出すのかとか、言いたいことや聞きたいことはあったが仁助は何も言わずに最上を送り届けた。

 




ワザトリ君(カンスト)とは2人がかりで戦ってますが、安全性と確実性の為で、来栖と無名は単騎でも討ち取れます。ただし無傷ってわけにはいかないかもしれない。

疾風はホモ君が馬に乗れるようになった頃に与えられて、一緒に育ってきた相棒にして家族。知人も友人も家族も死に絶えて唯一残った家族。一緒に戦って死ぬなら仕方がないけど、あんな風に巻き込んで死なせるのは本意じゃない。

ホモ君の休暇の過ごし方から、疾風に乗るがログアウトします。

府中駅には御礼として、後日蓬莱城が食糧や薬等を持っていくついでに、周囲のカバネを殲滅しに行きます。ただでさえワザトリ探して殺しまくってたのでかなり減ってる中追い討ちをかける蓬莱城w

これがRTAだったら

はい。安芸の国の府中駅に行けるようになりました。周辺を蓬莱城が解放したからといって府中駅に行商に行くと手痛い損害を受けます。なぜならクソ強ワザトリ君がいるからですね。何度か試走しましたが甲鉄城が全滅したり、瓜生が死んだり散々でした。良くてホモ君中傷、瓜生重傷で死者6名でした。じゃけん来栖を連れて行きましょうね。ここで蓬莱城突っ込んどきゃいいでしょってやると、蓬莱城の武士が5人死にます。仁助も死にます。ただでさえ医者不足の顕金駅で仁助に死なれると困りますので、来栖を連れて甲鉄城で行きましょうね。ホモ君、来栖、瓜生以外はモブなんでね。死なれても顕金駅はノーダメージなので、死人確定のイベントは蓬莱城で行かずに甲鉄城でいきましょう。

来栖は甲鉄城の城主の仕事を見学させる名目で連れ出せます。菖蒲様の伴侶になるわけですから、城主の仕事くらいはできないとね!来栖を連れ出す場合は蓬莱城は顕金駅から遠く離れて活動できなくなりますので、他国とかのカバネを事前に狩っておきましょうね。

イベントが始まりました。やっぱり来栖は強いですねぇ。来栖と瓜生がいればホモ君はワザトリ君の方にはいりません。反対側からくるカバネに対処するために、艦橋に行くを選びましょう。カバネが3体入ってくるので、狩方衆と殺しておきます。おっと来栖達の方ももう終わったようですね。死者2名重傷者2名でゴールイン!死者2名と重傷者2名だけはどうしようもないので諦めましょう。ワザトリ君が入った時点でもうそうなる運命だから。蓬莱城に来栖を突っ込んでも、死者2名重傷者2名は変わらないので甲鉄城で行くのが正しいんですね。ネーム有りの武士に死なれると、政が滞ったり、士気がだだ下がりしたりします。何度やり直しても仁助が死ぬのよ。他の方の動画を見る限り、二城目を運行していた場合、二城目の中で一番好感度の高い武士が死ぬみたいですね。うちは仁助の好感度が一番高いってことですね。

みたいな感じですかね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。