無事です。生きてます。世間の年始の諸々は関係なく、ただ小説に手が回らなかっただけです。
とうとう顕金駅三城目の駿城が完成した。差添(さしぞい)城と名付けられた。当初は蓬莱城や甲鉄城からそれぞれ人を削る予定であったが、府中駅での件を考慮して、戦力の低下を抑える方針になった。
城主は樵人、運転士は甲鉄城の運転士で、ここまでは当初の予定通りであるが、八代、倉吉の武士をそれぞれ10名ずつ出し、小田駅で同盟駅の武士達を拾って出雲の守護をする予定である。
他駅に打診していた研修制度は、中々反応が悪い為、軌道に乗るまで時間がかかる見通しだ。指導の上手い狩方衆がいる甲鉄城で10名程度研修中で、結果如何で継続かが決まる。蓬莱城に乗せる案もあったのだが、甲鉄城の流民上がりの武士から反対意見があった。端的に言えば、
武士ですらない生駒や無名の意見が優先されやすい蓬莱城は通常の武士には合わない。
ということである。然もありなん。
差添城には同盟関係の神西駅、速谷駅、宍道駅、久手駅の4駅から武士を出させ、小田駅を中心に同盟駅周囲の巡回をする。
研修制度も差添城で行い、研修を受けている駅の巡回をしてほしいとの要望があったがお断りしたのだ。同盟駅は実質傘下に入っているようなものであるので、城主が人を従え慣れていない樵人でも務まるが、そこに研修制度でそれなりの立場の武士が入ると面倒事が起きること請け合いである。
それならば蓬莱城も同じではないかというと、蓬莱城の場合は指示に従わなければ死ぬだけなのである。とはいえ反対意見が尤もであったので蓬莱城の件はなくなった。対して差添城は比較的安全圏である出雲の顕金駅周辺を担当するので、蓬莱城や甲鉄城ほどの危険はない。比較的安全で暇があると余計なことをするのが人間であるので、差添城には研修制度は導入しない方針である。
神西駅、速谷駅、宍道駅、久手駅の4駅は顕金駅でいうところの下侍を30ずつぶっ込んでくる大盤振舞である。これにより、三城中一番乗車人員が多いのが差添城になった。大体の駅で国賊の子孫は持て余している。とはいえ顕金駅の機嫌は損ねたくないので、死んでも困らない人間です。好きに使ってね。とは言わないのだ。
道元と最上は勿論4駅の領主の考えなどわかっているので、1年間やり通し功績のあるものは小田駅で役職を与えるように迫った。食糧庫となる小田駅には顕金駅に恩義のある人間を置きたいのである。4駅の領主も要職でなければ構わないと条件を飲んだ。そもそも役人として小田駅に差し出している人員も、出来るだけ差別的でない者を選んで送り込んでいる。というのも顕金駅の武士は道元と勘太郎と最上を除いて、下侍やら、流民上がりやら、民人上がりで差別思想の強い武士を送り出せば問題があるとわかっていたからである。
小田駅も一度カバネに飲まれているので、住居などは未だ建設が続いており、差添城は木材の確保なども担当することになっている。
最初は城主なんて無理だと緊張しまくっていた樵人であるが、行商の必要性もなく、最前線でもなく、指揮下に入るのが下侍に当たる武士しかいないとわかってやっと腹を括った。八代の武士はほぼ壊滅の憂き目にあって若干卑屈なところがあるが、差添城に乗る倉吉の武士は一番若くて樵人と同い年であるので、主戦派が大敗する前に元服を済ませており、それなりの教養もある上で更に桔梗から教育もされ、多少の問題は対応できる為、樵人の下につけるのには丁度良かった。
差添城は運行表を作成し、同盟駅間の交通にも貢献するため、かかる費用は各駅が一部負担となる。各駅には週に一回程度立ち寄る程度であるが、駅周囲の巡回も兼ねている為、費用の負担は4駅からも不満は出なかった。
立ち寄りの際、商人等が行商などで使う為に乗車する場合、別途乗車料をとることになっている。商人等が主な対象であるので、乗車料に荷物の重さ分の貨物料も多少かかる。自分の駅の駿城であれば無料で乗れるが、流石に週一では運行していないのである。
差添城は甲鉄城と同程度の装備を備えており、いざというときの搬送にも役立てる為、通常運行時は7両編成であるが、最大12両編成にすることができるように、車両の予備が建造されている。予備の5両中3両は食糧備蓄庫扱いになっており、有事の際は優先的にその3両が接続される。三城中一番馬力があるので、冬季は除雪の役割も期待されている。
三城目の運行に伴い一番負担がかかるのが、毎度お馴染みの勘定方である。資金の出納がエグいのだ。今でさえひいこら言いながら処理しているというのに、4駅からの一部負担金やら差添城の出費やら、乗車料だの貨物料だのの差添城の収入やら諸々の出納が増えれば、もう処理しきれない。流石に勘定方が泣きついた。ここで桔梗に扱かれた勘定方部隊である。顕金駅は武士が極端に少ない為、禄の計算は非常に少ないが、駅全体の出納金額は他駅よりも多い。これから役人が増えたり、武士が増えたりすれば更に負担が増すのは目に見えているので、一気に20名の増員である。勘定方は泣いて喜び大歓迎したし、倉吉から来た武士はあまりの大歓迎に少し引いた。
嬉し泣きをしながら、一生懸命仕事の説明をする倉之助を見て居た堪れなくなりながら、倉吉の武士達は説明を聞いて更に引いた。下侍であった倉吉の武士には難しいことはわからないが、どう考えても出納の金額が大きいのだ。稼いでくる甲鉄城もやばいが、湯水の如くじゃぶじゃぶと消費する蓬莱城。その上蓬莱城の武士達の禄は意外と安い。
勿論それなりの額の禄は払われているが、しょっちゅう命懸けで戦っているとは思えない金額である。倉吉の武士達は知らぬことだが、元々甲鉄城に乗っていた時は、ほぼ無給に近かった武士達は安めの禄に不満がなかった。というかそもそも上侍の禄の相場を知らないので、下侍の頃よりだいぶ貰っているから使い道に困っている者までいるのである。
差添城の予備車両はデザインが差添城ってだけで、甲鉄城でも蓬莱城でも接続出来ます。一番馬力が少ないのが甲鉄城です。なにぶん一番古いので。
これで城主は
甲鉄城…ホモ君
蓬莱城…吉備土
差添城…樵人
となります。
差添城は比較的安全な同盟駅間をひたすらぐるぐるします。
これで甲鉄城と蓬莱城がちょっと長期的にいなくても、出雲の守りは安心ということです。
言い訳タイム
私はそもそもプロットを書かずに今まで書いております。なんとなくこんな感じはありましたが、だいたい思いついたシーンに肉付けしていく感じでプロットと言えるほどではありません。
例を出すなら敗走の話は元々ホモ君ばっさりやっちまおう。から始まり敗走2を書いてから他を付け足しました。
現在ちょっと長いやつを書いているのですが、想定より長くなり、思いついたシーンに肉付けするのに四苦八苦しております。勢いだけで続きを書いておりますので、最近息切れしてしまいました。
上記の理由から書き切ってから、ちょいちょい帳尻合わせをすることが多い為、まず書き切らないとアップができません。
長い話はたぶん書けると思うので、暫しお待ちいただければと思います。