【完結】カバネリ RTA 【金剛郭からの生存者】   作:神埼

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【幕間】砂糖の話

駅制度が始まる前から高松では砂糖作りが盛んに行われていた。駅制度が始まるとなれば作付け面積は驚くほど小さくなるのだが、金剛郭から限界まで砂糖を作れと指示をされていた。

 

元々砂糖は高額な輸入品であったが、国産化が始まって暫くしてからの駅制度。輸入などできるはずもないし、砂糖作りの盛んな西海道は既にカバネの巣窟になりつつあった。砂糖の原料となる吉備は育てられる地域も限られており、金剛郭は讃岐や阿波に砂糖の生産に全力を尽くすように指示したのである。

 

可能な限りの作付け面積を砂糖作りに使い、食糧等は他の駅から手に入れることが決められた。勿論金剛郭からの指示であり、食糧生産を主産業に決められた駅は、高松などの砂糖の生産を指示された駅に食糧を提供しなくてはならない。金剛郭は該当地域の年貢を軽くしたり、支援をするなどかなりの優遇措置をとっていた。南海道から金剛郭までの道のりでは、それなりに砂糖が出回っており、値段もそれ相応であったが、遠隔地では砂糖は殆ど出回らず、駅制度が始まる前の5倍の値段につり上がる事態であった。

 

駅制度が始まって暫くすると、ぽつりぽつりとカバネにのまれる駅が出始め、各地で食糧不足が問題になっても、砂糖の生産を請け負っている駅や、高松駅などに食糧を提供する駅の優遇は増すばかりで、そこまで苦労することはなかった。

 

金剛郭が崩壊してからは、優遇措置もなく砂糖ばかりが駅に溢れた。その状況に目をつけたのが下津井駅である。下津井駅は足繁く高松などの砂糖を生産している駅へと食糧を運んだ。食糧と砂糖を交換するのだ。元々の価格としては全く釣り合わないが、砂糖ばかりでは生きていけない。下津井駅は、山陽道の駅に砂糖を売りつけ、食糧を得て、また南海道へと行き食糧と砂糖を交換する。

 

下津井駅は多くの駅が引き篭もる中、せっせと金稼ぎをしていた。顕金駅の様に、異常に強い戦力がある訳でもないのに、山陽道と南海道を走り回っていたのだ。

 

顕金駅が再興し、カバネに有効な武器を生産していると聞いて山陰道の出雲まで来たくらいであるので、フットワークの軽さはかなりのものである。

 

砂糖生産の駅も、自分達で他駅に食糧を買い付けに行けば、足元を見られずに済むと考えた時期もあったが、駿城が帰って来なかったり、既に下津井駅がかなりの量の食糧を買い付けた後だったりと中々割に合わなかった。

 

黙っていても下津井駅は色々な駅から、食糧やらその他の生活用品等もかき集めて運んでくるし、砂糖と物々交換で生活できているのだから、まあいいかとなったのである。

 

そんな下津井駅と南海道をつなぐ瀬戸大橋は、砂糖生産の駅にとって生命線である。

 

下津井駅は下津井駅で、山本が顕金駅の家老となった最上と友人だというのには、知った当初は腰を抜かすほど驚いたが大喜びしていた。

 

道元がいる為、情で優遇されたりすることは無いのはわかっているが、貴重な伝手であり、人材不足の為かなり政方面で閉鎖的な顕金駅との繋がりである。今回の件も山本がなんの裏もなく書いた情報で、のこのこ顕金駅はやってきた。

 

早々に、手紙の中継や物資の搬送を請け負う便宜を図ることで、南海道四国連合への参入を免れる等、なにかと上手いことやっているのだ。今回の事で駅同士も友好的な関係を築けたため、更なる関係性も期待ができるというものである。

 




本日の更新はここまで。先が長い…。もう更新前のチェックの目が滑る。
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