どんな話が来ても大丈夫な心の広い方のみお読み下さい。
死に設定の愛馬の疾風を使いたかったんです。
本編では流石に出せなかったので。
「遠方にカバネを確認!」
「カバネだ!速やかに乗車しろ!」
「小夜⁉︎下緒⁉︎どこにいるの⁉︎」
「どうした⁉︎いないのか⁉︎」
カバネ発見の報に皆が甲鉄城に乗り込む中、鰍が小夜と下緒の名を呼び周囲を見回していた。
「いた!小川だ!」
服部から所在地が告げられる。
甲鉄城から少しばかり距離があるが、最上は周囲警戒と愛馬の疾風をたまには走らせるため、疾風に騎乗していた。
「私が行こう。あの2人なら疾風に乗せて帰って来られる。乗車完了次第甲鉄城を出せ。初速なら疾風は追いつける。近づいたら厩舎のタラップを頼む。疾風っ!」
「わかりました!頼みます!」
最上は疾風の腹を蹴り2人がいる小川へ向かう。
小川に着くと泣いている小夜と、なんとか小夜を連れて行こうとしている下緒がいた。
「下緒!どうした⁉︎カバネが来るぞ!」
「小夜が転んで!」
小夜は手のひらから出血していた。
「下緒。馬に乗せるぞ。先にお前だ。後ろ向きで乗れ。小夜を私とお前で挟む。」
「は…はい。」
「小夜。下緒にちゃんと捕まっていろ。」
下緒を先に乗せ、小夜を間に挟み最上も騎乗した。
「下緒しっかり捕まっていろ。口を開くな。舌を噛む。行くぞ。はっ!」
疾風は3人を乗せて疾走する。
甲鉄城はゆっくりと走り出している。武士達が車上に上がり蒸気筒を携えこちらに何か叫んでいる。まだ距離があるため声は聞こえない。
だが最上から見て左方を指示していることから、そちらからカバネが来ているのだろう。
「下緒!跳ねるぞ!」
左方の茂みから2体のカバネが飛び出す。速度は充分。カバネが飛び出した場所は少々窪地となっている。疾風は踏み切りカバネを飛び越える。
下緒と小夜を抱えているため刀を抜ける状態ではない。甲鉄城の車上から武士達が蒸気筒で援護をする。
甲鉄城に対して斜めに接近していき、とうとう並走し始めた時点で厩舎車両からタラップが降りる。
タラップから車内へ駆け込んだ勢いが良すぎて疾風は車内をバタバタと走り回る。
タラップの上げ下ろしやカバネの警戒のために居た歩荷と仁助はタラップを上げる。
「どうどう。疾風。よしよし良い子だ。」
最上が手綱を操り疾風を落ち着かせる。
少しして疾風は落ち着きを取り戻し、厩舎車両の入口で様子を見ていた鰍と鯖は疾風に近寄った。
「鰍殿。下緒から下ろしていいか?」
「はい。おかえり。下緒。」
「こ…怖かったぁ…」
「全力疾走だったからな。すまん。」
怖がる下緒を見て申し訳無さそうに最上は声をかける。
「小夜。おかえり。」
鰍が小夜に手を伸ばす。小夜はいつも通りの表情で、鰍に抱き止められた後床に下ろされた。
「小夜。怖かったね。」
下緒が小夜の傍にしゃがみこんで声をかけているのを、横目で見ながら最上も疾風から降りる。疾風を馬房へ連れて行こうとすると、後ろから羽織を引かれた。
「小夜。駄目よ。」
鰍が小夜に駆け寄る。
「うま。たのしかった。」
最上の羽織を引きながら、こちらをじっと見上げてそう言った。まさか小夜に楽しかったと言われるとは思っていなかったため、最上は目を丸くした後破顔した。
「ははっ!楽しかったか。小夜は見かけによらず豪胆だな。」
最上は小夜の頭を軽く撫でる。
小夜が最上に話しかけたことも、その内容も、最上が笑っていることも驚きだったため、最上と小夜以外の厩舎にいた全員が固まった。
「またのる。」
「また今度な。」
最上は手綱を引き疾風を馬房まで連れて行った。
「最上様って笑うのね。」
「初めて見ましたね。」
鯖と鰍は、下緒と小夜を連れて厩舎車両から出て行った。
この後度々最上に馬に乗せてもらう小夜を見られるようになる。
疾風は愛馬なので、全力疾走だったのに楽しかったとか、また乗りたいだなんて言われて、純粋にホモ君は喜んでます。
でも別に子供好きとかじゃないので、特に優しいとかはないです。普段は基本的に子供達とは関わらないです。
一之進とかは、ホモ君が(なんとなく怖いから)苦手なので寄ってきません。
小夜ちゃんハイパー捏造!