【完結】カバネリ RTA 【金剛郭からの生存者】   作:神埼

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こちらも死に設定。
医学に明るいホモ君。


【小話】お医者さん

『菖蒲様伝声管から失礼します。寒さと乾燥のせいか、甲鉄城内で感冒が流行っています。5両目より後ろには行かないで下さい。大体は7両目と8両目に集めておりますがどうなるかわかりませんので。』

 

「わかりました。薬などはあるのでしょうか。」

 

『全員に処方できる量はございませんので、体力のない老人や子供に優先して処方しています。銃眼を閉めて湿度を高めにする様に対応しております。前方の車両でもそのようにお願いできますか?』

 

「わかりました。ところで最上は今どこにいるのですか?」

 

『6両目です。6両目で患者の対応や6両目以降の警備などを対応します。倉之助と雅客をお借りしています。至急対処が必要と判断しましたので、事後報告で申し訳ありません。』

 

「それは構いませんが、6両目の者達は大丈夫なのですか?」

 

『基本的に6両目と5両目は物の受け渡し以外では行き来を禁じました。6両目は感冒予備軍です。感染者との接触がなさそうなものは5両目に移しました。カバネリは感染するか不明なので、生駒達は6両目に待機させております。問題ありません。』

 

「わ…わかりました。よろしくお願いしますね。」

 

菖蒲が伝声管を閉じる。

 

「最上め。勝手なことを。」

 

「ですが感冒の封じ込めは大切です。甲鉄城にお医者様はおりませんから。」

 

4日後

 

「明日には駅に着きますがそちらの様子はどうですか?」

 

『あっ菖蒲様。倉之助が報告致します。7両目は軽症及び快方方向の者。8両目は重症の者で分けております。』

 

「わかりました。ところで最上はどうしましたか?」

 

『8両目で経過観察をしています。老人が2人ほど危ないとのことでして。』

 

「そうですか。次の駅でお医者様や薬が確保できるよう努力致しますね。」

 

 

 

交渉の結果。6両目以降の者は下車させない約束で、駅に入れることになった。医者と薬はなんとか都合がついた。

 

「駿城で感冒が流行ると、大変なことになりますが良く対処されていますね。」

 

「医者ではありませんが、医学に少し明るい者がおりましたので。」

 

「それはそれは。前に運転士が軒並みやられて壊滅したという話も聞きます。隔離措置が早くて何よりでした。」

 

「まぁ…なんてこと…。」

 

 

 

『こちら6両目。雅客。艦橋応答願う。』

 

「仁助だ。菖蒲様と来栖なら外に出ているが何かあったか?」

 

『医者と薬はなんとかなりそうか?最上様が8両目の住人になったぞ。』

 

「えっ⁉︎そりゃ大変だ。服部。伝令頼む。医者と薬はなんとかなると思う。待っていてくれ。」

 

『わかった。』

 

 

 

 

「滞在は3日。6両目以降の者は症状がなくとも下車は禁止。薬はお医者様次第で采配が決まるそうです。」

 

「噴流弾と設計図で、医者の都合がついたのですからよかった方かと」

 

「菖蒲様。ご報告申し上げます。雅客から最上様が8両目の住人になったとのことです。」

 

「8両目では重症ということではありませんか!」

 

「菖蒲様。医者の手配がついたのは僥倖でしたね。医者に任せましょう。」

 

「ええ…。大丈夫でしょうか。」

 

 

 

 

 

「こりゃなかなかひどいな。」

 

「むしろこの状況でよく前の車両が無事でしたね。」

 

 

 

 

 

「診察が終わりました。老人2名手遅れの者がおります。引き取りの交渉をなさった方がいいでしょう。8両目に看病を担当している者がおりましたので8両目の薬については説明して渡して参りました。7両目については6両目の者に薬を渡しております。こちらも薬には限りがありますので豊富にお渡ししたとは言えませんが。」

 

「いえ。助かります。ありがとうございました。」

 

 

 

「最上様。薬をいただきました。こちらが鎮痛解熱。こちらが咳止めとのことです。あとご老人2人は手遅れと…」

 

「そうか。ごほごほっ…すまん。……なら、あの2人には処方しない。ごほっ」

 

「えっ!」

 

「この後重症者が出ない保証がない。ごほごほっ…それと3番4番8番11番は鎮痛解熱はいらない。げほっ…私もいらない。まだ熱が低いからな。上がってから処方すべきっげほごほっ…後の判断は任せた……。」

 

「えっ!」

 

 

艦橋にて

 

「手遅れと言われたお二人は、この駅で引き取っていただけることになりました。明日には駅のものが来てくれます。最上はどうですか?」

 

『わかりました。最上様は簡単に薬の差配を倉之助に指示した後休んでいます。咳が酷いので疲れたようですね。』

 

「そうですか。何かあったら艦橋に連絡をお願いします。」

 

『はい。誰か連絡員を置いてくだされば随時連絡致します。』

 

滞在2日目の朝

 

『こちら雅客。艦橋応答願う。』

 

「来栖だ。どうした。」

 

『手遅れと言われてた老人が1名死亡した。』

 

「了解した。最上はどうだ?」

 

『今日の朝から熱が結構あるらしいが自分で判断して薬を飲んだと聞いている。今は寝てるそうだ。』

 

「雅客は8両目に行った訳じゃないのか?」

 

『俺は7両目担当でね。倉之助が8両目だ。』

 

「そうか。お前達は大丈夫か?」

 

『今のところは問題ない。』

 

 

6両目にて

 

『が!雅客さん!雅客さん!『やーっ‼︎』

 

「倉之助⁉︎何事だ?」

 

『こっちこないで‼︎『あっ!ちょっと待ちなさい!』

 

「…ねぇ。行った方がいいんじゃない?」

 

「だな。行ってくる。」

 

8両目にて

 

「倉之助!」

 

倉之助が泣き叫ぶ一之進を抱えて立っている。一之進は手足を振り回して暴れている。

 

「こないで!こないで!」

 

「錯乱してるのか⁉︎」

 

「そうなんです!どうしたら良いですか⁉︎」

 

「最上様は⁉︎」

 

「この騒ぎでも起きません!」

 

「ちっ!最上様!すみません!」

 

雅客は最上に駆け寄って頬を張った。

 

「うっ…がかく…?」

 

「申し訳ない!一之進が錯乱して大騒ぎしてる。どうしたらいい⁉︎」

 

「さくらん?…さくらん…ってなんだ?…ああ…熱で頭がおかしくなってるんだ。…げほげほっ…えっと…首とかを冷やして熱を下げないとあぶない…ごほっ…なんだっけ…あまりつづくとしぬんだったっけ…?ごほごほっ…」

 

「最上様?あんたも実は結構駄目ですね?」

 

「うわぁぁあん!「雅客さぁん!」

 

「とりあえず首とか冷やすぞ!最上様の指示が正しいか自信ないが!」

 

雅客は6両目に繋がる伝声管を開く。

 

「こちら雅客。無名。聞こえるか?」

 

「聞こえてるよ。大丈夫?だいぶ賑やかだけど」

 

「一之進が熱で錯乱してる。最上様も結構駄目だ。身体を冷やしてやりたいから外の雪を桶にでも詰めて寄越すように5両目に言ってくれ。」

 

「わかった。」

 

6両目に繋がる伝声管を閉じ、艦橋へ繋がる伝声管を開いた。

 

「こちら雅客。艦橋応答願う。」

 

「吉備土だ。随分後ろが騒がしいがどうした?」

 

「一之進が熱で錯乱してる。最上様も結構駄目だ。倉之助だけじゃどうにもならない。俺も8両目にしばらくいる。手が塞がるから報告は待って欲しい。以上だ。」

 

『了解した。』

 

「最上様!寝てて下さい!」

 

倉之助の声に驚いて振り向くと、最上が立ち上がっている。

 

「起こしたのはすみません!でも寝て!あんたまで錯乱したら困ります!」

 

「ねる…?ごほごほっ…。」

 

「そう!寝て下さい!」

 

「ん。」

 

「はい。良い子!」

 

7両目と8両目の間の扉が開き、桶を持った生駒が立っていた。

 

「雅客さん。雪置いときます。」

 

「わかった。助かる。」

 

倉之助と雅客は一晩中看病することになった。

 

翌朝。

 

「雅客?何故8両目に?」

 

「あんた覚えてないんですか⁉︎」

 

「何が?げほっ。」

 

「一之進が錯乱して大騒ぎ。あんたもたぶん結構駄目でした。」

 

「結構駄目。」

 

「覚えてないんでしょう?」

 

「全く。ごほん。一之進は?」

 

「あんたの指示で首とか冷やして半刻くらいで治りました。信じていいか半々だったんですがね。ついでにあんたも冷やしておきました。」

 

「それは悪かった。対処は間違ってない。」

 

 

重症者がいなくなるまでここから3日雅客と倉之助は奔走した。

 

「結局雅客も倉之助も罹らなかったな。」

 

「鍛えてますので。」

 

「悪かったな。軟弱で。」




甲鉄城ってほんとギリギリをいってるなって。
あんな閉鎖空間で病気が流行らないわけない。
まして拠点の駅もないから、甲鉄城内でどうにかしないといけない。
飢えもそうだけど、病気も怖いよねって話です。

民人に世話させないの?って話だけど世話手伝ってる人もいます。時代背景的に、まだ変な民間療法とか普通に存在してます。それをさせないために仕切るのは武士だけど、手伝ってるのは民人。ただ私が上手いこと使えなかっただけです。
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