武士達が寄り集まってコソコソとしている。来栖と吉備土と倉之助はいないようであるが、見張り以外は全員集まっているようである。
(次の駅…花街があるんだったか。たぶんそれだな。)
「最上様ちょっと…」
雅客が手招きする。
「なんだ?」
最上が近寄るとまだ早いだの言いつけられたらどうするだのと小声で抗議してる者がいる。
「次の駅は花街があるんです。」
「知ってる。芸者遊びまでならいいが、遊女を買うなら病に気をつけろよ。私は面倒見ないからな。あと遊女を買ったら暫くはカバネリへの血の提供から外れろ。病を貰ってたら血からもうつる。カバネリに性病がうつるかは知らないが。」
「ゔっ!」
「そこでです。一緒に行きませんか?」
「正気か雅客⁉︎」
「雅客。お前私の金子が目当てだな?」
「芸者遊びまでにしますから。ちょっとだけお付き合いいただきたいなぁと。金は出し合いますがそれでも少々寂しいもので。」
「芸者遊びまでなら付き合ってもいい。」
「やっぱダメ…えっ⁉︎いいんですか?」
「構わんが?」
「来栖は呼びませんが…?」
「あれが来る訳なかろうよ。倉之助は?」
「倉之助に言ったら来栖にバレるので。」
「そういうものか」
駅にて
「領主に紹介状をもらってきた。」
「紹介状⁉︎」
「まともな茶屋に行くなら当然だろう。雅客が最初に声をかけて来た時、紹介状を領主に頼んで欲しいのかと思ったくらいだが?菖蒲様や来栖には頼めまい。」
「頼りになるぅ。一番年下なのに!」
「さっさと行くぞ。」
「はい。他のものは分散して既に送り出しました。」
「手際がいいな。」
甲鉄城にて
「最上はどうした?」
「雅客さんと出かけたみたいですね。」
「そうか。雅客と仲良くなったか…。」
(雅客。頑張れよ…。)
茶屋にて
一番年嵩の芸者が上座に座る最上の横に座る。
「お侍さん。随分お若いのね。」
「一番の若輩者でね。後学の為に連れてきてもらった。こちらの駅では茶屋が多いが、駿城相手だけで商売になるのか?内需はそれほどでもあるまい。」
「茶屋そのものより、駿城で出張する方が身入りがいいのよ。危険な分。ね。その辺の茶屋は半玉ばっかりなのよ。」
「なるほど。では衣織駅や、篝駅なども出入りはあるのか?」
「あるわ。衣織駅は金剛郭が倒れてからちょっとピリついてるわ。領主が恐がりなのよ。検閲も執拗なの。篝駅はそうでもないわ。養鶏が盛んで結構賑やかでね。うふふ。いい雰囲気の時に鳴かれちゃうのよ。」
「おや。それはそれは。ふふっ。」
最上が手遊びしていた金子を芸者にそっと渡す。
「篝駅の先の九重駅は凄いわよ。カバネが人しか襲わないのを利用して外で山羊育ててたわ。」
「ほう。外で。逃げないのか?」
「埒があるのよ。大っきいのがあるわ。こつこつ作ったんですって。山羊を食べるのよ。乳を取るための山羊は中で、肉にする山羊は外で育てるの。餌やりは武士の仕事なんですって。時間をバラバラにしてあげるらしいわ」
「そうか。考えたな。だが餌やりが仕事とは拗ねてそうだな。」
「半々くらいかしら。食糧は売れるもの。山羊はちょっと臭いから私は苦手だけど。戦力があれば埒の外に堀を作りたいそうよ。小さな跳ね橋を渡せればもっと安全に世話出来るから。」
(最上様情報収集してる…。)
(だからきたんだな。)
(怖い15だね。全く。)
(しかし次は篝駅だな。これは。)
(卵焼き食べたい。)
(九重駅で警護を請け負う代わりに山羊を狙うのか?)
得た情報は、雅客とこの駅の民人から聞きました。で菖蒲様には報告します。(嘘ではない。)
ホモ君集られてますが、流石に1人だったら茶屋には行かないので、ちょうどいいかぐらいの感覚です。稼いでるのでまあ一回くらいは痛手ではないです。それよりピリついてる駅を避けたりしたい。カバネリが2人もいるので。
遊女を買いに行った武士がいるかはご想像にお任せします。