【完結】カバネリ RTA 【金剛郭からの生存者】   作:神埼

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顕金駅奪還作戦始めます。
色々無理あったりするかもしれません。
生暖かく見守っていただければ幸いです。


顕金駅奪還作戦 作戦会議

「皆さん!とうとうこの日が参りました!我々の故郷顕金駅を奪還するための作戦会議を開始致します!それでは最上。作戦の概要をお願いします。」

 

顕金駅の手前の宍道駅で操車場の一部を間借りしての作戦会議が始まった。

作戦会議には、直接戦闘には参加しない民人も参加している。

 

「はい。それでは私から作戦の概要を説明させてもらう。まず西門についてだ。西門は扶桑城が突っ込んで、扶桑城の爆発に巻き込まれている。道元様が集めた情報だと跳ね橋は落ちているとのことだ。しかしながらその情報が正確かどうかはかなり重要だ。よって西門の状況をまず確認する。西門の跳ね橋が落ちていればよし。落ちていなかった場合、上がるとは思わんし上げた者は駅内に残らなければならなくなる。その為一度跳ね橋を破壊する。一度西側に大きく回り込んで西門を確認する。」

 

「我々が脱出した東門から入って西門に行くのでは駄目なのですか?」

 

樵人がもっともな質問をする。西門に回り込んで戻るなど、1日がかりになるからだ。

 

「恐らく線路を扶桑城が塞いでいる。扶桑城の状況がわからない以上その方法は取れない。この中に西門及び扶桑城の状況を把握している者はいるか?いなければ話を続ける。」

 

会議に参加している者達は周りを見渡すだけで、誰も発言しようという者はいなかった。

 

「いないようだな。では続ける。跳ね橋が落ちているのを確認、若しくは破壊後、一度この駅に引き上げ、翌日、東門まで行き駅内に進入し跳ね橋を上げる。これでカバネが増えることはなくなる。」

 

「あの。」

 

生駒が手を挙げて発言を申し出た。

 

「なんだ?」

 

「他の駅に協力を仰いで西門をお願いするのは駄目なんですか?」

 

「跳ね橋の破壊をしなければならない場合が厳しいな。西門手前はトンネルだ。トンネルを抜けてからでは、四八式のような砲では距離が近すぎて使えない。もっと距離があれば曲射でもなんでもさせるがな。破壊工作の必要が出た場合、通常のカバネ相手も怪しい者達には任せられない。ワザトリでも出てみろ協力してくれた駿城を一城失うことになるぞ。我々基準で考えるな。顕金駅から脱出した頃のカバネリと来栖抜きの我々の戦力で考えろ。」

 

(さらっと来栖も抜いたな。)

 

武士達何人かがちらりと来栖を確認したが、来栖は特に文句はないらしい。人扱いされてないのに気がついてないのか、気にしていないのかわからないが掘り下げる必要もないので誰もなにも言わなかった。

 

「あっ!なら壁外の桟道橋はどうですか?あれなら壁沿いですから出直さずに東門から西門に行けます。検閲所に桟道橋用の車両があります。部隊を分ければ西門と東門を同時に進められます。」

 

「ここで部隊を分けるのは無しだ。融合群体が出た場合対応出来ない。最悪西門へ向かった奴らを見殺しにする可能性があるぞ。」

 

「ゔっ…。」

 

「話を戻す。東門の跳ね橋を上げたらカバネが集まるのを暫し待つ。集まれば跳ね橋前にてある程度掃討する。半刻を目安にする。集まらなければ操車場に行く。」

 

「操車場に行ったら全方位を囲まれるのではないか?」

 

阿幸地が手を挙げながら質問した。

 

「その通りだな。」

 

「いくら戦力があっても全方位は守り続けられまい!」

 

「だから操車場でカバネを殺せるだけ殺して完全に包囲される前に跳ね橋まで引き連れて行く。奴らは仲間を殺されれば怒るのだろう?ならば怒らせて跳ね橋前で掃討する。跳ね橋前なら陸橋だ。側面からの攻撃はあまり気にせず掃討できる。この時武士は班分けをして運用する。恐らく手は足りるはずだ。1日目は跳ね橋前で泊まり込みになる。カバネリ2人はある程度の突出を認める。戻れる範囲でな。これを何度か繰り返す。かかりが悪くなったら操車場を抑えるが、いくらかかりが悪くなるのが早くなっても、跳ね橋前で1日目の夜は過ごす。夜に操車場は抑えに行かない。操車場は遮蔽物が多く、視界が悪いと危険だからな。やるなら日が昇ってからだ。」

 

「うむ…。」

 

「ここで蒸気鍛治に質問だが、建造中の駿城は整備場に何両ある?完全に閉鎖できる物に限って報告しろ。」

 

「えっ?何両あった?」

 

「1…2…5両かなぁ…。」

 

「それ東出入り口のやつも入れたか?それはまだ扉ついてないところあるぞ。」

 

「じゃあ4両か?」

 

「4両も怪しいか?なら3両想定でいく。まず操車場の扇型車庫を封鎖する。封鎖作業は戦力を全て投入して速やかに行う。扇型車庫を封鎖したら閉鎖できる3両を作業車両で移動して、扇型車庫前の線路脇に掩体壕として設置する。掩体壕は民人の中で蒸気筒を扱える者に使わせる。さらにそれより外側に操車場内の資材などで阻塞を設置。全ての作業を終えたら扇型車庫を拠点とする。これを東門からの進入後3日以内に行う。不可能であった場合作戦を一時中断して引き「引き返すって言うんですか⁉︎」

 

「生駒。落ち着け。お前の悪い癖だな。」

 

「そこまでやっておいて引き返すなんて!」

 

「生駒やめろって。」

 

巣刈が生駒の袖を引くが、生駒は止まらない。

 

「……。」

 

「東門の跳ね橋を下ろして撤退したらまたカバネが入ってくる!外に出たら跳ね橋を上げられない!」

 

「生駒。顕金駅の人口を知ってるか?」

 

「はっ?」

 

「だから顕金駅の人口だ。」

 

「えっと3000くらいですか?」

 

「流民まで入れて4300くらいだ。」

 

「それがなんだって言うんですか?」

 

「扶桑城は何人くらい乗ってたと思う?扶桑城はうちと違って通常運行中だった。」

 

「だから!「何人だ?」

 

「…100くらいですか?」

 

「たぶんもう少しいるな。150人としよう。取り付いてたカバネも多めに入れて200。顕金駅脱出当初甲鉄城に何人くらい乗ってたと思う?」

 

「300くらいですか?」

 

「それは今の人数だな。八代駅手前で死んだり、駅で降ろしたりしたから顕金駅出身の民人は今それくらいだ。元は大体400いた。単純計算で4300引く400足す200だ。何人だ?」

 

「4100人です。」

 

「顕金駅に残された人間が全員カバネとなっていた場合は、その人数のカバネがいたことになる。カバネは血を求めて動くわけだが、いつまでも駅に留まる必要はあるか?」

 

「ない…ですけど…。」

 

「駅に餌はいない。となれば外に出る。顕金駅が堕ちたことが周辺に広がってからは駿城も立ち寄ってないはずだ。周辺最大の駅だぞ。そんなカバネの巣に立ち寄りたい駿城などいるものか。融合群体の思考回路はわからん。融合群体が巣にでもしてなければカバネの数はその程度の筈。お前と無名殿と来栖で、半日でカバネを何体殺せる?武士達で何体殺せる?」

 

「えっと…。」

 

「完全に封鎖してしまった後なら3日でかなり殺している筈なんだ。それなのに3日で先程の行程をこなせなければ異常事態だ。融合群体の心臓がいる可能性が高い。下手に粘って東門の跳ね橋を壊されてみろ。袋のネズミはカバネではなく我々になるぞ。跳ね橋は西門と東門にしかないからな。」

 

「…。」

 

「八代駅、金剛郭、海門で融合群体を見たせいで感覚が狂うのは分かるが、普通人のいなくなった駅にカバネが居座る理由はない。金剛郭は事情が違うが、八代駅と海門には人がいた。人がいないなら少なくとも増える理由はない。あるなら融合群体の心臓ができた場合だ。ここまではいいか?」

 

「…はい。」

 

「3日以内で行程をこなせなかった場合は融合群体有りとして、この駅に民人約200人客車2両を預かって貰い、甲鉄城は出来るだけ軽くしておく。我々は跳ね橋を下ろしたままカバネの巣を捜索し砲撃してカバネを刺激。融合群体を発生させた後融合群体を連れて脱出。融合群体は駅外に釣り出す。駅を大量破壊することになるから嫌だが、巨大な堀に囲まれた顕金駅に閉じ込められるのはごめんなのでね。融合群体は駅の外でぶち殺せば良い。わかるか?3日で行程を終えられないということは融合群体の心臓がいる。融合群体がいるなら、出直して駅外で殺す。異論は?」

 

「ありません。」

 

「そも融合群体を知っていても、無名殿は八代駅で初めて見たんだろう?狩方衆にいた無名殿がだ。我々とて金剛郭から約半年、海門まで見ていないではないか。そんなしょっちゅう発生してたら日の本はもう滅んでるぞ。だから基本的には融合群体は発生してない想定での作戦を説明している。一時中断する時は融合群体がいる時だ。話を続けていいか?まだ何かあるなら言っておけ。」

 

「ないです。」

 

「そうか。お前はすぐ感情的になるな。話は聞く。続けるぞ。」

 

「はい。」

 

「生駒。怒られてんじゃん。」

 

「うるさい。」

 

生駒が無名に揶揄われている。随分落ち着いたようだ。

 

「東門から進入して4日目にこの駅の駿城が物資の搬入に来る。拠点に戦力を残しつつ、甲鉄城で跳ね橋を下ろしに行く。扇型車庫に物資を搬入したらこの駅の駿城にはご退場いただく。そこからは地味に掃討して行くしかないな。普通の者達は無理だがうちにはカバネリがいるからな。カバネの探知には困らんだろ。4100体というと途方もない数に聞こえるが、こちらも単純計算だが武士は凡そ90名。狩方衆15名。1人あたり5体殺すと525体殺してる計算だ。無名殿や来栖、生駒、瓜生などこちらが1体殺す間に5体は殺すだろ?こちらが5体殺した時には25体、4人で100体。全体で625体。決して掃討不可能な数ではない。一日当たり625だとしても7日でお釣りがくる。」

 

「もっと倒せるし。」

 

無名がふくれっ面で抗議する。

 

「わかっている。単純計算だと言っただろう?武士だって5体殺すのに人それぞれ時間差は結構あるし、全員をずっと運用する訳じゃない。轢き殺すやつもいる。ワザトリだっているかもしれない。条件は様々だ。最初の一日はすぐに戻れるように目視範囲内とはするがカバネリ2人は突出していいんだ。好きなだけ殺してくれ。拠点設置後もカバネリ2人がいなければ捜索にかなり時間を取られるが、2人の協力があれば確実迅速に捜索を行える。全行程で長くて20日くらいだ。」

 

「長くて20日…。」

 

「ひと月くらいかかると思ってた。」

 

「そんなに上手くいくか?」

 

「海門のように指揮官をやれる奴がいれば無理だな。基本的にはカバネは馬鹿だ。初日で相当数は釣れる筈だ。血に飢えてる筈だからな。釣れなきゃ指揮が出来るカバネリでもいることになる。そうなったら少数精鋭でカバネリ叩きだな。作戦は完全に崩壊するわけだが。まあそれはそれだ。」

 

「それはそれって…。」

 

「簡単にまとめると、まず西門を確認。一度戻って翌日東門。東門に入ったら近くのカバネを殺す。いなくなったら操車場でカバネを殺す。完全に囲まれる前に東門に戻ってついてきたカバネを殺す。操車場と東門の行き来を繰り返す。東門で1晩。翌日早ければ操車場を抑える。無理そうなら1日目と同じ。3日目は操車場を抑える。これで抑えられなきゃ融合群体の恐れありで一時中断。抑えたら4日目に物資搬入。って流れだ。」

 

「よかった簡単にしてくれて。途中からよくわからなくなってたから。」

 

「作戦なんてその場で変わるかもしれん。だが予定通り進むならこれでいく。それと戦闘に参加する者達は覚悟しておけ。戦場は顕金駅だ。知った顔が襲って来る。躊躇うな。殺せ。あれらはカバネだ。もうお前らの家族ではない。友人ではない。こちらを食らうカバネなのだ。さっさと輪廻に送ってやれ。」

 

作戦の概要の説明が終わった。なにやら最後は演説じみた内容ではあったがその通りでしかない。顕金駅は故郷なのだ。誰かしらの家族、友人知人なのは確かなのだから。




顕金駅の人口は四八式鎮守砲に因んで、日本の村の人口48番目のところを目安にしました。アニメの最初の頃を見る限り駅内に田んぼも製鉄所もあって、小説を見る限り採掘もしてるので、あのサイズ感の駅に万単位はちょっと厳しいかなと思ったので。最初は村の中央値を取ろうとしたんですが2500くらいだったので変更しました。

顕金駅の詳細についてはここからハイパー捏造タイムに入ります。ご容赦ください。
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