【完結】カバネリ RTA 【金剛郭からの生存者】   作:神埼

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サブタイトルを忘れて一度投稿した間抜けは私です。


奪還後

最上が二日酔い共を叩き起こす。

最上は酒は一滴たりとも飲んでいない。

堅将にお前は二度と飲むなと言われたらしい。本人は記憶がないそうで、何をしたのかわからないと言っていた。

恐ろしいので、菖蒲に飲ませる阿幸地達も注ぎにはいかず、寧ろ話を知らない民人が注ぎに行こうとするのを阻止していた。

 

 

「二日酔い共!のんべんだらりと寝ている暇はないぞ!再興するのだろう!まずは掃除だ!」

 

掃除というのは、カバネや人の遺体の処理である。丁度焼け野原だからとのことで、南西側の旧流民街で大規模な火葬をし、後に慰霊碑を建てることが決まったのだ。元々農地としての適性がなかった土地であるし、いずれにせよ、顕金駅の民人全員分の墓を駅内に作るのは無理である為、集合墓地とあいなった。

 

甲鉄城やトロリー、荷車を使いひたすら遺体を南西側の墓地予定地に運ぶ。

血に濡れた畳や床材なども、剥がされ運ばれていく。東門の陸橋脇などカバネの遺体の山である。しかも陸橋のため甲鉄城が乗り付けられず、来栖や最上などは馬に乗れるため、馬で荷車を引き、遺体を積んで甲鉄城が乗り付けられる位置まで何往復もすることになった。

 

遺体を一度に焼くことは不可能であるため、天祐和尚と菖蒲が常駐する墓地予定地で順次焼かれていく。

全ての遺体の処理が終わるまで3日間かかった。

遺体の処理が終われば駅内の清掃である。城の清掃は遺体の処理と並行して行われた。

その際、倉之助が城の中で一時行方不明となったが無事に発見された。罠にかかったらしい。

 

城の清掃が終わり、遺体の処理も終えた時、菖蒲と一部の武士で宍道駅へ道元を迎えに行った。来栖はもちろん護衛として菖蒲に同行したが、最上は再興計画上不在には出来ず留守番となった。菖蒲達は奪還祝いとして宍道駅で1日歓待された。

 

遺体の処理が終われば、阿幸地らと民人達に作業を割り振り、倒壊している家の撤去や、蒸気鍛治らによる扶桑城の分解撤去を進めさせる。

海門で菖蒲が確保した稲を植えるため、田んぼの整備も急ピッチで進められている。居残り組の武士達や狩方衆も大体は各作業に入れられており、民人達とわいわいと作業を楽しんでいる。

 

菖蒲が道元と城に戻った時には、最上は報告の紙束に囲まれて修羅場を迎えていた。

忙しさを察した菖蒲と道元と道元の部下も、挨拶もそこそこに情報整理を始めた。

伝令の倉之助や雅客や瓜生が忙しなく出入りし、紙束を追加したり、口頭で各現場からの伺いを立て、回答を受け取って出て行く。

戻った武士達も、各作業に割り振られて城から蹴り出された。

来栖は残念ながら、蹴り出されることなく城に残り、菖蒲達の指示に従って紙束を分類したり、簡単な計算を手伝うことになった。

 

(伝令でもなんでもいいから外に出たかった…。)

 

奪還翌日から指揮を執り続ける最上の前でそんなことを言ったら、なにを言われるかわからないため、来栖は黙って仕事をした。

 

倉之助と雅客と瓜生は伝令であっちこっちに走らされている。本来なら雅客ではなく無名が伝令の予定であったが、生駒からひっそりと、田んぼの作業にしてもらえないかと頼まれたのだ。

最上は理由を聞いて、無名の配置を田んぼの作業をする鯖の下につけた。

12歳の少女の情操教育のためなら、多少の効率低下は最上の許容範囲だった。その分雅客を走らせれば良いので。

瓜生は瓜生でなんだかんだ約半年世話になってきたし、再興したら居着いて良いと言われているので、狩方衆らの定住先のために走っている。

 

各作業が1週間程度で落ち着きを見せたころ、六頭領らや武士達を城に集めて住居区画の整理である。

民人は阿幸地らが意見を纏めて提出したので、菖蒲達が確認して問題がなければそれで進めることとなった。

武士達は全員上侍らの屋敷が与えられ困惑している。それに際して当主が唯一いる最上の家以外から、着物や美術品などの値打ちのありそうなものを全て城にかき集めることになった。

 

最上曰く

 

「お前らどうせ美術品の価値とかわからんだろ。そんなもの飾っていても意味はない。そのうち再興資金にするから全部押収だ。」

 

とのことであった。

 

武士達は泥棒の気分を味わいながら、家主のいなくなった屋敷から貴重品らしき物をかき集めることになる。

 

甲鉄城に乗っていた者達の住居さえ決まれば、流民の受け入れも始まる。

流民は労働力として阿幸地らが割り振りを任されている。

阿幸地達は新しく2人の代表を加え、名実共に六頭領に戻っている。

新しく代表になった者たちは、報告のために城に上がることを、最初こそおろおろしていたが、振られる仕事が忙し過ぎてすぐに慣れたようだった。

 

倉之助や最上の算盤教室最終選考者は、作業が落ち着きを見せた頃にはひたすら勘定をさせられ始めた。

 

仁助は楓殿の助手兼護衛として駅内を周る。

 

雅客は町奉行の役割を振られたため、数人の武士と治安維持である。

今は甲鉄城に乗っていた者達ばかりのため、大した問題は起きていないが本番は流民が増えてからである。

 

服部は瓜生と伝令であちこちを走らされ、吉備土、歩荷、樵人らは、菖蒲や来栖と食糧提供などをしてくれた各駅への挨拶のお供をすることになっているため、それ以外の場合には、各作業にその日ごとに割り振られている。

各駅では、流民の受け入れや、道元が勧誘してある、余所の駅では要職につけなかったが、能力を持て余している次男三男や女性を連れて来ることになっている。顕金駅に要職は腐るほどあるので。

 

民人達は甲鉄城にいた時と違い、これからの為に忙しくするのが楽しいらしく笑顔が絶えない。

対して甲鉄城にいた頃より死んだ顔をしているのは、城に常駐している面子である。政を行える人間が少なすぎるのだ。

勘定方など泣きながらずっと算盤を弾いているし、菖蒲もぐったりとしているが、他駅に挨拶に行くのだから健康的な顔で行くようにと、夜は道元と最上に早々に執務室から叩き出されるのである。

道元と道元の部下と最上は効率を落とさないようにと、最低限の睡眠をとっているが、食事すら仕事をしながらとっている。

 

甲鉄城が他の駅に挨拶に行く日、操車場には疲れ切っている道元と最上の姿もあった。道元の部下は居残りである。菖蒲は回収すべき人員の書かれた紙を道元に握らされた。

 

「話はついています。よろしくお願いします。」

 

「菖蒲様。笑顔で落としてきて下さい。このままでは私も道元様も死にます。」

 

道元も最上も目が怖い。来栖も2人が怖かったので菖蒲の後ろで固まっている。

 

二駅周ったら一度戻る約束で、菖蒲達とカバネリ2人と武士達半数と瓜生を抜いた狩方衆を乗せて甲鉄城は出発して行った。

甲鉄城の面子は、最上と道元が怖いだとか、普段している仕事の話で盛り上がっている。菖蒲と来栖などいつもあの2人と城で一緒にいるため、久々の外の空気で顔が晴れ晴れしている。

 

 

甲鉄城はこれからの顕金駅のために走って行く。




完走しました!ここまでお付き合いありがとうございました。

海門で吉備土が苗を持って帰って…などと言っていたと思うので原作も田植えまでには奪還予定だと思うんですよ。種もみじゃなくて苗を持ち帰るって。海門3月か4月あたりだと思ってるので速攻で奪還しないと間に合わない。

ホモ君と道元様はこれからが本番です。菖蒲様?もちろん頑張って貰いますが、死にそうなくらい頑張るのはホモ君と道元様です。

下侍ズは急にでかい屋敷与えられて困ればいいよ。
何人かで寄り集まって生活し出しそう。部屋とか腐るほどあるから。

後日談はちょっとなんにも考えてないです。
もし思いついたら書くかもしれないけど、そもそも見たい人おるんかっていうね。


それでは小説初書きの拙い作品を読んでいただき本当にありがとうございました。
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