楓の助手兼護衛として、日々を過ごす仁助であるが最近は切実な悩みがあった。
楓がふとした時にそっと寄り添ってきたり、ご飯を食べて行けと仁助を家に上げようとするのだ。
「私はどうしたらいい?」
「はぁ?ふざけてんのか?」
「解散!解散!」
「ご馳走様でした!」
武士達はキレた。深刻な顔で相談があると言うから聞いていたのに完全に惚気ではないか。ふざけるな。
仁助は来栖にも聞いたが困った顔をして
「己に聞かれても…」
これである。
来栖も武士達も役には立たぬと仁助が選んだのは最上である。なんといっても最上によってつけられた立場であるので。
「お前は楓殿をどう思っている?」
「…か…かか…可愛いらしいなと。」
「そうか。家には上がったのか?」
「上がっておりません!」
「次誘われたら上がれ。食事だけいただいたら帰るつもりで上がれよ。それで更に寄り添ってきたら、自分の気持ちを伝えた上で楓殿の気持ちを聞け。そんなつもりではなかったと言われたら大人しく引け。仕事の調整はしてやる。そこで色良い回答ならあとは大人同士好きにすれば良い。楓殿の口から色良い返事を聞くまで手は出すなよ。殺すぞ。」
「は…はい。」
かなり具体的な助言が来た。しかも自分の勘違いで砕け散ったら仕事まで調整するときた。最後は物騒な言葉が出たが、仁助は心底感謝した。
横で聞いていた服部は、未だかつて殺す宣言されたのは、カバネだけだったから人では仁助が第一号だな。などと考えていた。
不幸な事故とか、消えてもらうとか、儚くなってもらうとかの言い回しはすれど、殺すと正面切って言っているのは初めてであった。
斯くして仁助は楓と気持ちを通じ合わせた。報告を聞いた武士達はキレながら仁助を祝福した。これが楓でなかったら、街で遭遇したら少しだけ茶化して憂さ晴らしくらいはしたかもしれないが、そんなことしようものなら最上に殺されかねない。
前衛面子の中では弱いが、前衛を張れない武士達からしたら最上は普通に強いので、恐ろしいことこの上ない。それどころか直接来ない方が怖い。何をされるかわからないのでとても怖い。武士の代わりはいても、楓の代わりはいないので、楓を不快にさせたら絶対に最上が出てくる。下手をしたら道元も出てくるし、菖蒲にも叱られかねない。なんという鉄壁の防御。
仁助と楓は仲睦まじく、往診のために駅内を巡る。
雰囲気が変わった2人は、民人に揶揄われて頬を染めながら笑い合っている。めでたい話題に民人達は時折茶化しながら、2人を暖かい目で見守っている。
対して
「ちきしょう!俺も嫁さんが欲しい!」
「来栖とか倉之助が女子に人気なのはわかる!だって顔が良い!仁助!お前は俺たちの仲間だと思ってたのに!」
「最近倉之助もお相手がいるらしいぞ。」
「なんだと!」
「道元様の連れてきた文官の女子だと。」
「またそういう子か⁉︎」
「ちゃっかりしてやがるな。倉之助の奴!後楯が怖すぎて茶化せやしない!」
「待て待て。服部は?あいつも城に勤めてるじゃないか!」
「そういう相手はいないらしい。」
「本当かよ。」
「聞いたとき遠い目をしてたから本当だと思う。」
「服部…。」
「ところで来栖は?」
「来栖が進展させられると思うのか?」
「いや。ないな。」
「それどころか道元様が菖蒲様の婿を連れて来かねないのでは?」
「道元様異性斡旋係みたいになっちゃってるじゃん。」
「いや連れてきたのは道元様でも仁助の件に手を入れたの最上様じゃん。…あれ?倉之助は最上様の手は入ってないのか?」
「待って待って。それ倉之助まで手が入ってたら、服部も実は手が入り始めてたりとか…。」
武士達は戦々恐々とした。
「それで実際のところはどうですか?」
「お前ら暇なんだな。くだらないこと言ってる暇があるなら、仕事を振ってやるからきりきり働けよ。」
雅客が代表して聞きに行かされたが、最上に塵を見るような目で見られた。
倉之助の件は、最上が手を出したことなどないし、特に気がついてもいなかった。別に最上は年頃の女子のように他人の恋愛事を話題にしたい訳でもない。仕事に支障をきたすなら話は別だが、そうでもなければ誰と誰が男女の仲になろうがどうでもいいのだ。
仁助の相談に乗ったのだって、楓を逃したくないが為である。甲鉄城の時でも厳しかったのに、今となっては医者の真似事などしてる暇などないので、万が一が起きないようにしたかっただけだ。
自分が忙しなく働く中、武士達は他人の恋愛事情に夢中である。それは塵を見るような目で見もするというものだ。
とうとう公式キャラをオリキャラとくっつけてしまった。
許して。
たぶん我が家の公式キャラ内で、一番結婚が早いのが仁助。
個人的に
生駒と無名は恋人期間長めで、人間に戻れたら結婚。
侑那と巣刈は仕事を一緒にこなしながら暫く過ごして、恋人期間はそこそこで結婚。
みたいなイメージがあります。
来栖と菖蒲様?読む分には好きなんですが、あそこくっつくのか?来栖のあれめっちゃ推してるアイドルに対する反応みたいな印象を受けるし、菖蒲様は来栖のこと意識してなくないですか?小説でもピンチを助けられて、まさかの"お母様"だったし。
読む分にはくるあや好きなんですがね。(大事なことなんで2回書きました。)