【完結】カバネリ RTA 【金剛郭からの生存者】   作:神埼

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【小話】管理職

今の顕金駅は、管理職も中間管理職も不足している為、道元達のところに本来処理する必要のない仕事が、毎日上がっている。肩書きだけ管理職の武士達には学がないので、一度教え込まないと管理職としての仕事を任せられないのだ。

流民の受け入れが落ち着くころには、本格的に管理職や中間管理職の育成に乗り出せる予定ではある。

 

家老は本当ならこんな死ぬ程忙しい役職ではないのだ。駅の全体の政治や経済の方針を領主と決めたりするのが本来で、彼方此方の経費やら、細かい方針やら、陳情やらを処理するのは管理職であるのだ。

勘定方に取りまとめの計算はさせているが、経費の割り振りは任せられない。奉行所も現場で終結させられるようなトラブルは処理できても、それなりの罰を与えなければならないようなものは処理できない等、各所において"ここまではできるけど、ここから先はどうしたら良い?"という状態なのだ。管理職さえいればその裁量で処理できるのだが、据えてあるのは肩書きだけの管理職なので仕方ない。

 

その上、道元達はどうせやるなら徹底的にと、使えなくなった家屋などを取り壊して区画を整理したり、寺子屋を職業訓練所にしたり、流民の孤児の育成計画をたてたりと、割と余計なことも自分達で企画しているので忙しいのは当然である。少し余裕が出来るとあれこれと互いに提案し、採用して動き出すまでが早いのだ。

菖蒲は基本的にNOは言わない。そもそも菖蒲がNOと言いそうな提案は上げないので当たり前ではある。

 

そこまで重要ではないが、菖蒲が難色を示しそうな場合は他に振るのだ。六頭領とか六頭領とか六頭領とかに…。

大体呼び出されるのは阿幸地である。

 

例えば着物である。

100人困ってます。と言われて50しか用意出来なかった場合、道元達が振り分けをしたら仔細を報告しなければならない。それを見れば菖蒲は城の財貨を放出しかねない。なにせ七夕で私財を投げ打とうとする人であるので。

そこで困った時の阿幸地(六頭領)である。困ったと申し出ている者の内、貰えるなら貰っとけと便乗している者も結構いるため、50を阿幸地に投げて振り分けをさせるのだ。

六頭領には家屋取り壊しの際、民家から使えそうな日用品の回収もさせているし、住居や職の振り分けも任せているので、入居先に着物があることも多いのでなんとかなるのだ。

 

報告では、

 

着物の不足の陳情の件は、武士の所有となった、元上侍の屋敷より提供された着物で対応することとした。準備した着物にあっては、六頭領へ受け渡し、真に困窮している者に対し順次配布予定である。

 

となる。

 

城での報告は六頭領に渡した時点で終結なのである。

まあ今後足りなくなるのは確実であるので、他駅へ行く商人などに依頼して準備させておくのだ。

 

組織形態としては、実は六頭領の方が優良である。というのも甲鉄城で武士達は戦いに明け暮れる日々であったが、六頭領は割と暇であった。

暇であるので、元々いた配下に加え甲鉄城の民人内で配下を作り、意見の聴取などにあてており、偶に最上に振られる仕事を如何に速やかにこなせるかを楽しんでいた節がある。

 

かつて六頭領は上侍に賄賂を掴ませたりしていたくらいなので、そもそもやり手であるし、その下の配下も民人の中ではそれなりの地位の人間なので人を使うのが上手いのだ。

 

家老3人衆の下につく武士達とはえらい違いである。武士達は下侍と蔑まれてきたため、使用人を雇う事すら気後れしていたので。

 

これでは六頭領が、ボランティア精神に溢れた善人のようだがそういう話でもない。

家屋取り壊しの際の日用品の持ち出しは何も民人の荒屋だけではない。極一部の上侍の屋敷からそれなりの商家なども含まれている。

道元達は把握していながら、そこからの押収はしていない。賄賂みたいな物である。万が一誰かに突き止められても、道元達が把握していた記録はない。あくまで取り壊し予定の民家からの日用品の持ち出しを許可した記録しかないのだ。

上侍の屋敷だろうが、商家だろうが民家は民家である。四方川の所有ではないので、六頭領も問題にはならない。

 

「再興にあたり混乱極まる中でしたので、高価な物品のある家屋の把握がしきれておりませんでした。」

 

「民家からの日用品の持ち出しの許可は得ています。一部例外があるとは伺っていません。」

 

これである。

例え絶対嘘だろ。と思われようが証拠も無ければ、この真っ黒黒助達が絶大な貢献をしているのも確かなので、誰にも文句は言えないのだ。

 

というわけで阿幸地達はしっかり利益は得ているし、道元達も仔細を報告したくないものの一部を阿幸地達に振っている。

せめて使える上侍があと5人くらいいれば、もう少し上手くやるのだが、いないものはいないので仕方がないのだ。

 




上手くやるってだけで、綺麗にやるとは言ってない(笑)
"菖蒲様は清く正しく美しく"が3人衆のスローガンです。その下が真っ黒でも良いんだよ。さらに下は割と綺麗だし。
上侍はそれなりの教育は受けてるし、なにより汚ねぇ奴を嗅ぎ分けて、汚ねぇ話を持ちかける能力が培われてるので沢山いなきゃ意外と便利。群れると面倒なだけなので、道元達も欲を言えば優秀なの10人くらい欲しいなぁ。とは思ってます。
まあ10人もいたら甲鉄城時代にギスるのでそもそも上手くいかないんですがね。
今の顕金駅は、菖蒲と3人衆の経営者枠の下に100近い新人社員がそのままついてる感じなのでめっちゃしんどい。
蒸気鍛治は割と沢山残ってるので、蒸気鍛治も割と職的にはしっかりまとまってます。それなりに年嵩の奴を管理職にしてます。鈴木さん?そんな仕事しなくていい。開発して。
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