百合エロゲー?の世界で偽狩人は生き延びる 作:レンガチェッカー
-王城-
衛兵と共に王城へ入る。
久しぶり、でもない。
前もちょっと来いやって呼ばれたからね。
お水もらったしさっぱりした。
相変わらず広くて衛兵さんいないと絶対迷う。
王城内は思ったより静かだ。
「あ、シグルドさんそっちじゃないです」
「すんません。気をつけます」
道中で返り血が固まってよかったよ。
じゃないと王城が殺人現場に……いや淫魔を城内で殲滅してるし誤差かもしれない。
ついでにお腹痛い。
ちょっとケダモノ狩ってただけなのにこうなるとは思わなんだ。
「ノエイン様、お客人を連れて参りました」
『入れ』
扉へノックをして衛兵さんは自分を見る。
「この先ノエイン様が居られます。どうぞお入りください」
「はい」
ノエインの指示ってあったけど何だったのだろう?
王女様を見る目が下品とかかな?
「失礼します。」
王城版の接客室といったところか。
部屋の奥にはエルアラド聖騎士団の団長、ノエインが待機していた。
エデンズリッターの一人、リッター・アスタロスとして。
あと美人でナイスバディ……くっ、殺せ……
「よく来てくれた。……むぅ」
……あ、血まみれだし安易に座れって言えないよね。
これは自分が悪い。
「ノエイン様。現状、時間がないと思われますので私はこのままでの対応をお願いしてよろしいでしょうか?」
「それは助かる。ではまず聖都での奮闘に感謝させてもらう_ありがとう」
「感謝を、確かに受け取りました」
「シグルド殿が言ったらように時間がない。聖都がどうだったか単刀直入に聞かせてもらおう」
良かった。
セシリィ王女を下賤な目で見てた的なお呼ばれじゃないのね。
「多数のオークと少しのオーガといったところでしょうか?特段淫魔として外れた動きはなく規模は軽く1000を越すとしかなんとも……ですが」
「何だ?」
「かなり厄介な化け物が一匹、聖都で交戦しました」
ゼノバットだ。
しかし名前は言えない。
何で知ってるの?ってなるから。
「コウモリだな?」
やっぱりおおよそで知ってるよね。
戦ったかはわからないけど。
「はい」
「どんな奴だったか教えろ」
「知能は人並みで中距離、搦手の優れた化け物でした。飛翔することも踏まえて近接戦を正面から仕掛けるのは危険かと愚考します」
「なるほど、シグルド殿はそう結論づけたか」
その含みのある発言はどういうこと?
なんか間違ってましたか?
あ、揺れた……本能に素直すぎて泣きたい
「あの、何か不満に思われることがございましたでしょうか?」
「む?ないぞ。ただ私は直接対峙してないのでな、知ってる者からどう思ったのか気になっただけだ」
「左様でございましたか」
よかったこいつバカだなとか怒ったとかじゃないんだね。
「更に悪い話だが厄介なヤツはコウモリだけではなかった。管轄外の騎士団より届いた連絡から少数の淫魔と膨大な亡者合わせて1万、それと凄まじい強さのオーガと出くわしたと報告がある」
「強いオーガ、そのようなことが……」
1万の敵もすごく危険だけど……
まさかいるのか?
ゼノバット以外のゼノモンスが。
「外見は手のひらを含む身体に複数の眼球がついてる醜悪なオーガと聞いたな」
ならゼノオーガか。
だとすれば純戦士or魔法職エデンズリッターがゴリ押しすれば勝機はある。
反対に自分だともう火力的にダメージを与えられる手段が限られてくるだろう。
散弾は効くのかアレに?
閃光は目がいっぱいなら逆に効きそう。
ノコ鉈は多分効くけど倒せるか分からない。
「あのコウモリに並ぶかもしれない敵がもう一体ですか」
「そうだ。だからこそシグルド殿には我が騎士隊と共に戦って欲しい。コウモリ、または件のオーガとの交戦が役割として。後で礼は出す。どうだ、頼めるか?」
どうせもっと心身合わせてイカれた奴らと戦うハメになるのだから今更だ。
先に理不尽な洗礼を受けたほうが参考になるだろう。
幸いエリート部隊が仲間だ。
「……はい。ご期待に添えるかわかりませんが今一度エルアラドのために戦わせていただきます」
「_ありがとう。しかし時間は惜しい、ついて来い」
「はっ!」
リッター・アシュタロス(ノエイン)についていくと警戒網が敷かれた場所聖都への通路がある所だった。
騎士隊の面々が既に待機している。
「私の可愛い部下達だ。今回の亡者やオークを中心に露払いはコイツらがする」
「あ、はいよろしくお願いします」
騎士隊の隊員は一斉に、かつ同時に剣を顔の前で掲げて応えた。
そして剣をこれも一斉に鞘へ戻し待機する。
『皆さんお待たせしました』
上空からセシリィが変身するリッター・ルシフェルが舞い降りた。
「いえ。ちょうど良い頃合いでした」
アシュタロスがフォローを入れる。
あとは……いた。
シルヴェール先輩おった。
空気を読んでか少し遠くで待機している。
いや、来て。
プレッシャー半端ないからお願い。
手を振らなくていいの、カモン。
「紹介が遅れたな。隣りにいるのは貴様らも噂くらいは聞いたことがあるだろう。郊外に淫魔が発生した際、果敢にオークやオーガと戦ったシグルド殿だ」
「彼が、ですか?」
「そうだ。しかも聖都で淫魔を倒しながら王城へ来たともな。」
それシルヴェール先輩のおかげです。
自分だけじゃ厳しかったですよ。
「ほぉ」
「おぉ」
「へぇ」
(おててふりふり)
先輩来てください。
なんか過大評価が発生してますね。
手は振らなくていいです。
情報、ゼノオーガのこととかありますから来て下さい。
「ノエイン」
「はい。__では大義や宣誓は省略し、これより聖都守備隊と聖都聖騎士団は聖都の中心を目指して進軍する。前進せよ!!!」
「「「うおぉぉぉ!!!」」」
「「「おぉぉぉぉ!!!」」」
「お、おぉぉぉ!!」
聖都奪還のためエルアラド最強の騎士団、聖騎士団が出撃した。
エデンズリッター二人いるし火力も十分。
自分の場違い感半端ないなこれ!?
____________
聖都
もうすごい、皆さんお強い。
特に聖騎士団の方達は強力だ。
ちょろちょろ出てくる亡者とかオークは瞬殺。
あっという間に聖都中心部よ。
そこには圧倒的な数の亡者とケダモノ達がいやがった。
割合では亡者が多いか?
「お前達、肩慣らしはできただろう?占拠されては地の利もよく練られた作戦もクソ喰らえだ。もういないだろうが幸い人質を取られてもシグルド殿が開放する手段を持ってるという…」
ノエインさんや、閃光のことっすか?
あんまりないので期待せんといてくださいよ。
「ですが凄まじく目が眩みますのでそこは対応よろしくお願いします」
「あぁ。お前達は突っ込んで生きて帰って来い!エルアラド聖騎士団の威光を見せろ、いいか!」
「はっ、騎士団長の為に!!!」
「王女殿下の御前だ馬鹿者、私のためではなく王女殿下のためと言え」
やたらでっかい団員の人がドヤサれた。
「すみません。我々は下賤出身の者が大半であり、真に高貴で美しい御方には畏れ多くて目を向けられんのです。それが宝石の如く美しい王女殿下となればなおさら。ご無礼の段、平にご容赦を」
彼は聖騎士団副団長、ドゥークロイ。
その恵体もありオーク、オーガの相手なら充分できる実力者。
「ふふっ、いつもながらお世辞が上手ですね」
「世辞などととんでもない。偽らざる本心でございます。真に美しく高貴なるお人は、自然と賛辞を引き出すものなのです」
「ほう、そうか。であれば……おかしいな。今まで私は貴様の口から賛辞を聞いたことがないのだが?」
「は?なぜ私が団長に賛辞など口にしなければならないのですか?もしかして自分を美しく高貴な存在だと勘違いしていらっしゃる?」
悪態を突くノエインに対し飄々としてるねぇ。
でもやめて笑いが吹き出そう。
堪らえろ自分、死ぬぞ。
「……本当に貴様はムカつくな。さっさと亡者の群れに突っ込んで死んでこい」
「はっ、それがご命令とあらばっ!まぁたかだか淫魔と亡者1万程度では我ら聖騎士団が全滅しようもありませんが_お前ら聞いたな!団長直々のご命令だ!」
騎士団の団長達は武器を構え臨戦態勢だ。
「派手に暴れろ!!!」
「「「おぉぉぉ!!!」」」
団員は突撃する。
彼らは亡者を紙屑のように次々と蹴散らしていく。
「ふん、口が回る。シグルド殿もそうは思わんか?」
え、自分に振る?
しかしノエインを美しいと言ったらアカン、ほんの少しでも百合に挟まったら死ぞ多分。
「失礼ながら、言葉こそあのようでしたが彼なりの騎士としての決意かと。ノエイン様の事を共に国の礎になる仲間、故に賛辞など不要と仰りたかったのでしょう」
「そんなことをヤツから言われたらこそばゆい。戯言が一番マシだな」
「ははは」
自分でも大柄の鉈を構える。
「兎にも角にも大物を二匹釣らねばなりませんので私も狩りに行かせていただきます」
「了解した。私もすぐセシリィ様と出るがくれぐれも死んでくれるなよ?」
「はっ!」
団員達の後より戦場に参加し、鉈を亡者達にカマす。
元が人間だった果てである亡者はケダモノ共より柔らかく襲いかかるしかしないのでオークよりは楽だ。
目標はゼノオーガとゼノバット、くれぐれも注意せねば。