百合エロゲー?の世界で偽狩人は生き延びる 作:レンガチェッカー
狩装束が超臭ぇ!
先人の錬金術師が開発した洗剤様々よ本当に。
……あれ、錬金術とは?
洗えば洗うほど赤黒いなんかが流れる。
魔法があるといえど水もたくさん使うし時間がかかっちゃう。
上下の衣類と手袋、帽子、靴、洗うものが少なくない。
イルヴィナさんすげーよ、これ洗ってたんだからよ。
あと……あったあった。
謎の烏羽。
白い線がきれいな黒い羽、大事に取っておかないと。
シグルドは気づかなかった。
汚れが移らないようにパンツ1丁で洗濯している背後でイルヴィナがじっと見ていたことを。
(……このパンイチ、スケベすぎる!)
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翌日、シグルドは朝早くから思索にふける。
先日に魔女ジリアンへ再度会うとアポ取りをしたがその際の手土産は何がいいかについてだ。
お土産が思いつかない。
いやー、なんならいいかな?
花とか香水を送って喜ぶ人じゃないし。
まさか教会に関連する人の首とかじゃないと喜ばないタイプ?
だったら無理じゃ。
別にエルアラド聖教会をボコしたいわけじゃないし。
復讐には手を貸せぬ。
お中元を買っていくか?
錬金術云々で作った何かの方がいいかな?
錬金術の産物をジリアンが受け入れるかわからないけども。
手ぶらで行くのも失礼だ、何かないか……
次に護身を前提とした武器。
丸腰で向かうのはヤバい、最悪の場合は人狼娘が襲ってくる。(敵対的な意味で)
ノコ鉈は実質放置のメンテ中。
刃が血などで切れ味が落ちてるため使用は躊躇う。
剣は使いたくないけど……今の自分で使えるのはあれしかないか。
悩ましい話ばかりだ。
「烏羽さん差し入れ何がいいか教えて」
「ベツニナンデモイイヨ(裏声)」
「わかったよありがとう」
……一人でなにやってんだろ。
悲しくなってきた。
少しハイになってるけど。
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お土産ヨシッ
例の羽根ヨシッ
武器イチオウヨシッ
覚悟デキテナイケドヨシッ
来るところまで来ちまった。
もう下がれねぇ!
相変わらず辛気臭いしやべー雰囲気が充満してる。
ん?人の声?
叫んでるような声。
それに複数人いるのか声質は様々だった。
お祭りでもやってるのかな?
『何をやってる!?魔女は殺せ!』
『ぐぁああああっ!?』
『貴様ァ!人を何だと思ってェェェ!』
現実から目を背けるのは辞めよう。
今日は帰ろう、うん。
あの綺麗なお姉さんもきっと今日は手が空いてないんだ。
明日また出向けばいい。
『今片付けているから少し待ってなさい。』
前言撤回。ダメみたいですね。
近くの枯れ木に止まった烏からの声、ジリアンの声だ。
「わかった。ここで待つ」
返答は特になく叫びがただ響く。
『魔女の手先か!』
『やめっ、あ゛あ゛ぁぁぁ!?』
『人を誑かすので飽き足らず殺戮にまで染まったおぞましい外道がぁ!!』
『穢らわしい悪魔が!罰を受け容れろっ!!』
正直今までで一番恐い。
何が起こってるのかわからないのが逆に怖いんだよ……
ふと、風がよぎる。
物音がした。
音のあった所を向くと、
肘から先、人の腕だった。
「ほわっ」
変な悲鳴が出るわこんなの。
シンプルに怖い。
ケダモノ狩りをしてても夢に出るレベルなんだけど。
『あぁぁ!ボクの手がぁぁぁ!?』
『くそっオメェら時間を稼げ!』
『憎き魔女から逃げるのかっ!?ぐぉぉ!?』
もう嫌だ。帰りたい。
『穢らわしい魔女の傀儡のくせに!許されると思うな!』
『ハメやがったなど腐れ坊主!勝てるわけがねぇ!』
走る音が聞こえる。
こっちに来ているんだが?
『ごめんなさい。貴方のいる場所へ一人逃げたわ』
知ってるよ!
どうしろと!?
やるしかねぇじゃん、いったい何を!?
うわ来た。
おじさま!来ないでぇぇ!
「はぁ、はぁ、貴様も魔女の手先かぁぁ!!!」
剣を構える。
だって棒立ちだと死ぬ!
「い、いや自分は……」
「くたばれぇ!!!」
もうやだぁ!!!
おらっ、仕掛け発動!リーチ伸びろっ!
教会の杭じゃオラァ!
メイド・イン アスフォディルのパチモンだけど!
「なんだとぉ!?オグッ!?」
伸びたリーチを利用して先端を相手の腹へ思いっきり押し付ける。
剣の形をした教会の杭の変形後はウォーピックや大鎌に似た形状となり刃は横に傾く。
構造上、正面への突き技に殺傷性はほぼない。
「ゲホッ、オエェ!」
突き飛ばされた男は尻もち状態で悶えた。
『ガァーッ!ガァー!』
『ガァッ!』
烏の群れがこっちに来てる。
数はいっぱい。
一目散に悶絶してる男へ群がる。
「やめろ!クソッ!触るな!クソがクソがクソがぁ!」
『ガァーッ!』
見るな、見たらヤバい、絶対ダメ!
でも周囲の警戒しなきゃ何が起こるかわからない。
「おいっ!なんとかしろお前っぐぁ!?やめっ!いだぁっ!!」
『カァー!』
できるだけ目線を他に向けて周囲を見るんだ。
視界がぼやけるっ!?なんで?
「ぎ、ぃ……っ!!……!?……!」
視界が霞む……集中力が持たない……
気分が悪い。
あ、体倒れ
「__待たせたわね。……あらっ、大丈夫かしら?」
世界が白い……?
「倒れちゃったらしょうがないわね。私の住処にこのまま招待するわ」
___________
……今横になって、寝てるのか?
そういえば今日はジリアンに会う日だった。
準備して行かなきゃ。
起きないと。
かなり悪い夢を見た気がするけどただの夢だ。
「……うーん」
布団をはがして……ん?
ここうちじゃなくね?人様の家かな?
嫌な予感してきたぞ。
まず今着てる服が外着だし不自然もいいところだ。
壁には丁寧に変形後教会の杭が掛けてあるじゃないか。
絶対に自分じゃない誰かの仕業だ。
変形前はリーチが短いので場所を取らない。
とりあえず戻しておこう。
「__そうなっているのね」
「!?」
「こんにちは、アスフォディルの末裔さん。約束の羽根も持って来ているから私の住処に招待したの」
「あ、あぁ……」
見てたんかいワレぇ……ジリアンさんや。
悪い夢は現実だったかー。
てことはここはあの魔女のハウスね。
「おもしろいけれど少し不快、
「答えられる範囲なら」
「えぇ、あなたの武器は初めて目にしたけど、でもどこか教会が作ったものに似てる気がして。どうなの?」
キッショ……くないけどなんでわかるんだよ。
鼻にワンちゃんでも住んでる?
「あくまでも複製品だ。聖教会ではないが確かに教会と呼ばれた存在の産物だな。……医療教会だったか?」
ヤーナム産なんて言ってもわかるわけないしどうしたものよ。
「それも知らないわね」
「もう存在しないから仕方ない。自分が知っていることなんて恐らく僅かだ」
「……そう、ないものに興味を抱いても仕方ないわね」
魔女裁判ならぬ教会裁判、教会に関わったやつからシバかれて行くぞ。
医療教会は割りと獣の病の元凶だし、聖教会の人達と仲良くシバき合いそう。
「自分からしたらただのケダモノ狩りの武器、それ以上でもそれ以下でもない」
「変に勘ぐりをして悪かったわ。それに対して追及はもうしない」
「了解した」
あ、お土産。
カバンどこやったかな?
布団の上にあったわ。
中は何も盗られた形跡はなし、と。
「……招かれるからには最低限の礼儀がある。どうか受け取って欲しい」
厚さの薄い箱を渡す。
「開けてもいいかしら?」
「当然」
簡素な箱の中身は、手のひらに乗る程度の歯車で構成された機械が入ってところどころに呪文の文字が入ったもの。
裏には天へ羽ばたかんとする金の烏、外れた手枷と首枷を持ち烏を見る処刑人、枷を外されたらしい血で濡れた手で頭を抱えて跪く人の絵が描かれ、警句が刻まれている。
「魔法の機能拡張、補助をする道具みたいね………へぇ、
「どんなことを思ったかはわからない。が、人の業は人の死で変わりはしないと思っている、滅ぶまでな」
「まるで私達に赦せと言ってるようね?……でも貴方に言われるととても耳が痛いわ」
「そうか、だが意見のやり取りは後にしよう。魔女の助力を乞うために来たのだから」
ゼノバイド幹部、ルドルフの居場所を突き止めるためにここまで来たんだ。
「改めて黒鴉の魔女に願い、そして力、あるいは導きを求める」
「えぇ、聞いてあげるわ」
「どうかエルアラドにおぞましい淫魔をけしかける狂人の居場所を暴いてほしい。ヤツは放置などしようものならいずれ世界に災厄を振りまく化け物へ変貌を遂げるだろう」
無理かもな。
エルアラドを助けるニュアンスあるし流石にだめ。
せめてヒントだけでも欲しい。
どうでもいいテキスト
災の巡り
魔法と科学の混じった代物だが形式としては魔道具の一種
裏には絵とそれに追随する一遍の警句が刻まれている
罪とは人が背負い償うもの、故に生きねばならぬ
省みることでしか人は変われず罪を真に自覚できない
また、死が生者へ平等に訪れる安息である為にもだ