百合エロゲー?の世界で偽狩人は生き延びる   作:レンガチェッカー

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24話

 

シグルド達は更に下層へ降りて行く。

相変わらずゼノモンスやオークのことを考慮してか洞窟内の視界は確保できている。

 

ついに山場の一角にと遭遇した。

 

「敵性反応がありますね。数は10体、状況から改造された化け物でしょう。私は皆さんをサポートさせていただきます」

 

「サポートか、具体的には?光るあれか?」

 

アシュタロスは念のためと周囲に敵が隠れていないか探しながら尋ねる。

 

「ゼ、んんっ、ナメクジ相手に微妙でした。目眩ましはあまり期待できないでしょう。混戦になれば更に使いにくいかと申し上げます」

 

 

「ならどうする?」

 

「場合に応じて物理的な目潰し、水や土砂を無理やり飲ませる、ノコギリで怯ませるなどを想定してます」

 

「……好きにするといい。味方に被害が及ばない程度で、だが」

 

お前なら何とかできるだろ、のニュアンスでシグルドへ伝える。

 

彼は一瞬だけ引かれたことを気づけなかった。

 

 

「はっ!」

 

 

そして遭遇した。

予測通りゼノモンスの集団が行く手を阻む。

 

「私が先に半分仕留めるまでもう半分を皆で足止めしてくれ」

 

「「「はいっ!」」」

 

 

一人佇み差し迫るゼノモンスへ一瞥し、

 

「__そういう訳だ。切り捨てさせてもらう!」

 

『知るか、どういうワケだよ!』

 

手始めに喋るゼノオーガへ斬りかかった。

 

 

 

 

 

残るゼノモンスと対峙する聖騎士達とシグルド小隊。

シグルドは小隊を見てから言う。

 

「全力で合わせますので各自戦ってください。ではお願いします」

 

「「はい!」」

「わかったわ」

 

小隊はゼノモンスと戦闘を開始する。

早々にシグルドは散弾銃の引き金を引く。

 

『ギャッ!?』

 

ゼノバットが落下、地面にダイブした。

すぐにスクロールを取り出して開く。

 

「コウモリをお願いします!【フォールストーンズ】!」

 

魔法が発動、大量の落下する石が飛行での逃走を妨害。

 

『あぁ!?カスが効かねぇんだよ!!』

 

吠えるゼノバットはシャンシャットを目に映す。

槍を投げて仕留めようとしてるところをだ。

 

『な、そ、そんな貧者な、グッ、槍じゃ投げても効くわけねぇだろ!殺したきゃ近づいてみろよ!なんだ、怖いか?おい!』

 

 

シャンシャットはゼノバットの期待した反応を示さない。

冷静にダンッ、と音を出て一歩だけ踏み出し渾身の一投を繰り出す。

 

「どぉりぁぁあ!!!」

『おい、やめろぉ!待てぇぇぇ!!!』

 

 

『__貴様ァァ、ガァッ!?』

 

眉間にグサリと槍が刺さり絶命する。

 

 

(運良くゼノバットはやれて後4体、だが傲れば死ぬのはこちら……もう切ってしまえ。手詰まりからジリアンがバレる方がドンパチ初めて危険だろ)

 

散弾による引きつけ、目潰しの中で探知の魔法が込められたスクロールを開く。

 

何が拍子で化けの皮が剥がれるか分からない。

特に魔法の行使は身バレのリスクが高い。

魔法を行使するのも道中なら自分の領分だろう。

 

(敵性反応は依然変わらず。それは何よりだ)

 

一番近い敵はゼノトロル。

亜人種トロルがゼノバイドによる強化を受けた個体。

特長は肉体の回復能力、厚い脂肪と筋肉を伴い高い耐久性を兼ね備えている。

 

(しかしこいつはほぼ無視だ。劣化シグルドが下手に援護をすればジリアンの妨害になるな。それにエデンズリッター相手だとゼノトロル自体に勝ち筋もない)

 

 

偽シルヴェールが一人で釘付けにして聖騎士へ注意が向かない。

そうすることでシグルドが構うべきゼノモンスは3体。

ゼノプラント、ゼノオーガ、ゼノタウルス。

 

 

「小隊長!」

 

「今行きます!」

 

聖騎士の声に応えゼノトロルの背後を周りゼノプラントの下へ急ぐ。

 

ゼノプラントの触手を聖騎士隊の何人かで切断しながら持ちこたえていた。

走るシグルドに触手切断をしながら状況を叫ぶ。

 

 

「我々の武器では効果が薄い!代わりにやってくれ!」

 

「はい!」

 

速く動く物体に反応したのかシグルドを捕縛しようと触手が伸びる。

それを一人の聖騎士が斬り伏せ、シグルドを庇いながら彼の魔法の射程距離に入る。

 

「合図を出しますのでその瞬間下がってください!目安は触手の一斉攻撃、それを解決した後です!」

 

「おう!」

 

並外れた剣捌きで触手を寄せ付けない。

ゼノプラントも察しがいい個体なのかシグルドと庇う聖騎士により多くの触手で仕掛けてくる。

 

 

 

(まだだ、落ち着け。この人は強い、固まって触手が来てそれが斬り伏せられてからだ)

 

まだ触手の攻撃はまばら。

敵とて一瞬じゃ凍らない。

身を滅ぼさないよう調整されたスクロールの火力は下がっている。

 

(こちらから魔法でアプローチするか?だが下手に手札を切るとルドルフとの戦いが厳しくなる……閃光と散弾は味方を巻き込むからダメ)

 

「お前らぁ集まれ!」

 

聖騎士から鶴の一声。

 

「「「!」」」

 

ゼノプラントと交戦してる騎士達が触手を避け、または破壊しながらシグルドと彼を庇う聖騎士へと近づく。

 

その動きに合わせて触手も追随。

 

「しっかり抑えとけよ」

 

鞭の如く振るわれるそれをいなし、シグルドをへ向けられる攻撃を防ぐ。

 

盾が弾き、剣が断つ。

 

ゼノプラントがシグルドを無力化するにはあまりにも遠い。

 

選択肢は狭まり新しい手は限られてくる。

 

 

「__来たぞ!誰も丸呑みにされるな!」

 

騎士隊を無視したシグルドへの触手による左右からの挟撃。

 

庇う聖騎士は動きを予測しゼノプラントへ突撃。

 

「コイツでどうだっ!」

 

剣を握る手に力を込めて一閃。

円を描く剣は延びてくる殆どの触手を刈った。

 

僅かに時間差で遅れてやってくる第二波の触手を、

 

「でゃあぁぁ!」

 

介入したルンシャットが斬り伏せてゼノプラントの攻撃が途切れる。

急いでシグルドの射線から横に飛び出す。

 

 

「頼んだ!「行きます!」」

 

 

「【フローズン】!!」

 

強烈な冷気が地に霜を発生させながら直線を駆けた。

魔女に編集されたスクロールからの魔法は冷気の大噴射と異なり地を滑る霜の直進が放たれる。

 

『!?』

 

 

本能で危険を察知、足である根が凍りつくも一部を千切ってまで足掻く。

 

『!!』

 

だが霜は、

 

 

切った脚を凍らせ、踏み台の如く扱い延びる。

霜は更に広がり脚部全てが冷気に蝕まれた。

 

『!?!?』

 

そこから10秒もすればゼノプラントの姿はつららを垂らす瀕死の植物と何も変わらない。

好機と聖騎士達が脆くなった本体部を破壊していく。

 

 

(あと2体、ゼノオーガとゼノタウルス……なに、真正面から付き合う必要はない。足止めでいいんだ)

 

 

先にゼノタウルスを目標に選ぶ。

大斧を片手で振り回す怪物を。

 

 

戦線は膠着状態、ゼノタウルスを殺しきれる武器がないためだ。

 

厚い表皮と怪力を存分に使う頭部が牛の頭を持つ種族ミノタウルスをベースとしたゼノモンス。

姿通りのフィジカルゴリ押しタイプかつ足回りもこの手の化け物の中では良好。

 

選りすぐりの騎士達に防戦を強いるほどである。

 

(散弾は無理、閃光か魔法での妨害しかないな。でも範囲が広いと巻き込むなこれは……)

 

シグルドは持っている荷物が多く素早い回避は困難。

持っている物を降ろせば問題は消える。

しかし敵から踏まれたり荒らされたりする訳にもいかず重い荷物は背負うしかない。

 

もっとも荷物を下ろし、素人に毛が生えてくらいの人間がノコ鉈を振り回してどうこうできる手合いでもないのだが。

 

 

嵐の中に突っ込むには対策がいる。

 

(射程範囲に入った!)

 

大斧よりも遠い間合いから魔法のスクロール開く。

 

「【アースデント】!」

 

作動した途端、大きく姿勢を崩すゼノタウルス。

踏み込んだ筈の一歩が地面に触れていなかった。

 

『んだぁ!?』

 

姿勢を崩し転倒。

ただの落とし穴だが嵌まれば無防備に近づく。

 

隙を逃すまいと騎士が接近して側面から首に剣を突き立てる。

 

 

『__ってぇなぁ』

 

 

血は流れた。

だがゼノモンス故に肉体は硬く、撃破にはならない。

 

「こうまで硬いとはっ!笑ってしまう!」

 

 

ゼノモンスを人の身で仕留めるにはずば抜けた能力が必要。他に手があるとすればまだ生命体であることを利用するくらいだろう。

 

『んなちんけな落とし穴!テメェかぁ!!あぁ!?』

 

シグルドへガンを飛ばす。

 

しかし迷わず次の手を打つ。

(変身したゼノオーガと比べればお前の威嚇なんざ、何ともない!)

 

 

ゼノタウルスが落とし穴から足を出す時を見計らい、スクロールを使用。

 

『ガァッ!?』

今度は逆に地面が飛び出てくる。

よろけた先で地面がぬかるみ足が嵌まる。

 

「なにもさせない」

 

察しの良かった変異ゼノオーガであればこうはならなかった。

 

バランスを更に崩した所を大斧を持つ手にと斧自体に油をかけてつかみ辛くし、ろくな抵抗を取れなくさせる。

 

聖騎士団の団員達も効果の薄い急所攻撃を止めて手足を潰して行く方針へ行動を変え何度も攻撃。

 

 

バランスを取る力よりも騎士たちの攻撃が勝りついに転倒させた。

 

シグルドはゼノタウルスの顔の前に現れて、

 

『汚ぇぞクソがぁ!雑魚魔法しか使えねぇ雑魚の分際で!!!調子に乗るな!!!』

 

「……」

 

踏ん張ろうとする度にスクロールを使用し妨害し、騎士が手足を壊していく。

使う得物が支給された剣、槍など刃のついた武器ではなく槌や盾の先端などを利用し砕くのだ。

 

『グゥゥ、テメェ今すぐ止めろ、殺すぞカス野郎どもがぁぁ!オボボボグボォッ!?!?』

 

怒鳴る口へ土砂を流す。

 

『ヴェ、カハッ!?』

 

悶絶した所をつくためにノコ鉈を持つ。

 

鉈状態で振り上げると__

 

 

 

 

「__よくやった。後は私がやろう」

 

剣の一閃。

 

アシュタロスの聖剣、ジャギュレイターの一振りで首を断たれたゼノタウルス。

皮肉にも化け物を殺しきれる武器が化け物を苦しませずに引導を渡したのだ。

 

 

彼女は死んだことだけを確認して告げる。

 

「あとのオーガは私が仕留める。お前たちはあちらの狩人(シルヴェール)を援護するといい」

 

「はい!」

「お願いします団長!」

 

「畏まりました」

 

 

アシュタロスはゼノオーガへ向かい、他はゼノトロルへ駆ける。

 

さっきよりもゼノトロルの傷が増えていた。

確かについた傷は再生していくがそれよりも多くの傷を刻まれているからだ。

 

シグルドが到着する頃には聖騎士の畳みかけで受けたダメージからもうトドメを刺すだけ。

 

偽シルヴェールがゼノトロルの胸部を裂く。

 

『チビ共が……』

 

断末魔をあげて倒れた。

 

ほぼ同時くらいにアシュタロスによりゼノオーガは撃破され、この場には敵対する存在はいなくなる。

 

 

聖騎士の一人がアシュタロスに駆け寄った。

 

「この階層に敵影なし。どうされますか団長?」

 

「ならば進むか。シグルド殿、索敵は任せる」

 

「かしこまりました」

 

 

スクロールの配置と同時に探知の魔法を発動させる。

シグルドは気づく。

 

「最奥の場所を確認しました。次で洞窟内部の探索は終わるかと思われます。ただ、今までより広い箇所へ移動することになります」

 

「敵もより増えると、あぁわかった」

 

アシュタロスはそれを聞いても特に強い反応はない。

 

洞窟探索で既に5,6時間は経過している。

それほどまでに規模が大きくまた、回り道をした。

彼女も他の聖騎士たちも度重なる戦闘で疲労が溜まっている。

 

しかし敵の将が化け物を呼ぶ召喚士である以上は敵の数も増えるのは必須。

 

なおも一行は更に奥へと進んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

なんかよくわからないところは?

  • 目隠ししたら見えなくね?
  • 内蔵攻撃マジでやっててウケる
  • いいからとっとと投稿な
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