生まれ変わったら三つ子の末っ子だった、、、   作:ただの村人

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多分読者も筆者も同じ気持ちだろうけど、早く高校生になった三つ子が見たいのに、全然話が進まないんだよなぁ。
気長に待っていただけたら幸いです。


彼女の怒りにも正当性が見られるようです。

 ある日の事。

 これは双子が成長した少し未来の話。苺プロダクションの応接室にて、星野ルビィは取材を受けていた。その内容とは、今度出演する映画についての心境。ルビィは今まさに人気絶頂期にあるアイドルであったが、映画出演、ましてはドラマなど出た事がなく今回が初演技。その内に秘めた葛藤や不安などの思いを聞こうと、記者は質問を投げかけた。

 

「女優初挑戦という事ですが、今のお気持ちは?」

「んー、アイドルの仕事もいつも挑戦だと思ってやっているので、人生いつも挑戦です!」

「自信ありそうですね?」

「だって今回の仕事は側に世界で一番信頼できる人がいるので!」

 

 丁度、書類整理の為なのか後ろを同じく苺プロダクション所属の青年が通りかかる。ルビィは青年の服の裾を引っ張って呼び止めながら後ろを振り向いた。

 

「ね! おにいちゃん!」

 

 お兄ちゃんと呼ばれた青年は星野アクア、星野ルビィの兄であった。彼は恋愛リアリティーショーをきっかけに、その存在感を知らしめた役者である。この業界において、知らないものは少数だ。

 

「それに、頭の良いマネージャーもいるしね?」

「ひゃえ!?」

 

 兄の星野アクアに用事があったのか、急ぎ足で後から入ってきた少女の腕を抱きしめながら自身の方へと引き寄せる。マネージャーと言われた少女は短パンにネコ耳の付いた白いパーカーでフードを被っており、それに加え黒マスクを身につけている為、容姿が分かりづらい格好をしていたのだがそれでも目の前の星野瑠美衣と似ている事が分かるくらいに二人は似ていた。

 

「そちらの方は?」

 

 記者は、一体マネージャーと呼ばれたこの少女は誰なのだろうと質問を投げかける。

 

「私の世界で一番可愛い妹です!」

 

 ルビィは先ほど自身の方へと引き寄せた少女の頭を、パーカーのフード越しに撫でながら笑顔で答えたのだった。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 星野家でのリビングルームにて。

 あれから星野アイは無事にアイドル復帰を果たし、三つ子の存在は世間に公になる事なく隠されていた。そんな、平和な日常の中、一人だけが絶望で溢れかえっている。星野愛久愛海ことアクア。彼は今世で初めての窮地に陥っていた。

 

「お腹減った? おっぱい飲む?」

 

 そう、推しの子からの授乳プレイを迫られていた。と言っても、彼女の産んだ三つ子が前世の記憶を宿していると言うのは三つ子間でのみ共有されている為、星野アイからしてみれば一般的な母親の対応と言える。しかし、事実として齢三十年近くを過ごした過去のあるアクアにとって、果たしてこれは倫理的に大丈夫なのか?という葛藤があった。顔が熱くなるのを自覚しながらも、アクアは自分の理性をフル活動させて頭を横にブンブン振った。

 

「え? いやなの?」

 

 今度は肯定の意味を込めて縦にブンブン頭を振る。

 それを見たアイは、なら仕方がないのかなと授乳を諦めてアクアを一旦ソファに置き台所へと向かった。食器棚の中から哺乳瓶をとった後、軽く濯いで粉ミルクを投入。台所近くに置いてあるポッドからお湯を瓶に半分ぐらい注ぐと、残り半分は冷水で火傷のしない温度になるように調節。出来上がったミルクを持って、それをソファに座るアクアに渡した。

 

「わお、すっごい飲み方。アクアは哺乳瓶好きだねぇ」

 

 すっごい飲み方、と彼女が言ったようにアクア先程の恥ずかしい出来事を誤魔化すかのようにミルクをゴッキュゴッキュと全身を使って飲んでいた。

 

「(さすがに、アイドルに授乳させるのは大人としての一線を越えてしまう気がする)」

 

 そう考えているアクアの事など、アイは知る由もない。そしてアクアが授乳だけは今後とも避けねばと決意したところに丁度、アクアの妹であるルビィが泣き声を上げた。

 

「はいはい、またおっぱい? ルビィはおっぱいすきだねー」

 

 アイは泣き声を上げるルビィがいるベビーベッドの方へと向かうと、ルビィの小さな体を持ち上げてソファまで移動する。授乳を嫌がるアクアと対照的にルビィは授乳を好んでおり、アイは兄妹でもこんな差があるのかと思いつつ、ルビィに授乳を始めた。――一瞬、兄であるアクアにしてやったりとのドヤ顔をしたことに気付かないまま。

 そうして、暫く経った頃テレビからアイが所属しているアイドルグループのコマーシャルが流れた。

 

「あっほら見てママだよー、凄いでしょー」

 

 ご満悦に子供達に自慢をするアイ。

 二人はまだ赤児である為勘違いとは思われるが、やたらと目を輝かせながらコマーシャルを見ているように思える。そこに、ソファにいる子供たちとはまた別の方向から鳴き声が聞こえた。

 

「ちょっと待っててね、どうしたの? ヒスイ」

 

 ソファにいる子供達に一言、待っとくように言い聞かせたアイはベビーベッドの方へと向かった。そこには三つ子の末っ子であるヒスイがアイの方をじっか見つめていた。

 

「ほらほら、どうしたの? おなかすいた?」

「あうあう!」

 

 ヒスイを抱き上げるとアイは一旦ヒスイをアクアとルビィのいるソファへと座らせて、台所へと向かう。ヒスイはアクアと同じく授乳よりも哺乳瓶を好んで飲む。アクアとヒスイは要所要所で似ているところがある為、今回は諦めて初めから哺乳瓶でミルクを作ることにしたのだ。

 そうして、数分後出来上がったミルクの哺乳瓶をヒスイに渡すと、ヒスイは小さな手を使いゆっくりとミルクを飲み始めた。

 

「ヒスイは白くてかわいいなぁ」

 

 アイの発言の通り、ヒスイは色素が薄い為肌が常人よりも少し白かった。三つ子が生まれた当初、ヒスイだけは他の兄姉と比べて髪や肌の色が薄かった為検査をしたところ、色素異常との診断が出た。アイはその時、不安を感じつつも医師の説明を聞いていたのだが、どうやら健康に問題はないとのこと。ただし、紫外線等に当たると少し体調が悪くなる可能性があるから極力肌の露出や、そもそもの外出を控えるようにと言い渡された。アイとしては、生活自体には何の不自由もないと聞かされた時に安堵したのを今でも覚えている。

 

「あれ、もう飲み終えたの?」

「あう!」

 

 懐かしい記憶に思い耽っていたのか、少しばかり時間が過ぎていたようで。急に視界に現れた哺乳瓶にアイが現実に引き戻されてその持ち主の方を見てみれば、ヒスイが飲み終えたミルクをアイの方へと差し出していた。

 それを受け取ったアイは、台所へと向かい哺乳瓶を洗い始める。タイミングの悪いことに、丁度家のインターホンが部屋に響き渡った。アイは急いで、哺乳瓶についた洗剤を流し手を拭うと、ドアを開けた先には斉藤社長が立っていた。

 

「仕事の時間だ」

「もうそんなじかん?」

 

 思っていたよりも時間が経っていたことにアイは少しの驚きを感じつつも、支度を始める。アイが仕事に励む間、当初の予定通りベビーシッター役として社長夫人が子供達の世話をする事になる。信頼している社長の奥さんということもあってか、アイはなのんの不安も感じずに仕事へと向かうのだった。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 私がミルクを飲んでから暫くして、お母さんはアイドルの仕事へと出掛けていった。そしてソファの上には私とお姉ちゃん、お兄ちゃんが取りのこされた。後、ベビーシッター役として、ミヤコさんもだ。

 

「お前少しは遠慮しろよ」

「何で?」

 

 ミヤコさんにソファから降ろされて、マッドの敷かれている玩具スペースへと移動させられた私達。そこでお兄ちゃんはお姉ちゃんに先程の行為に文句をつけた。

 

「娘の私がママのおっぱい飲むのは自然の摂理なんですけど? 当然の権利なんですけど?」

「一応聞いておくけど、お前前世でも女?」

「うん」

「まぁ、ならギリ許せる」

 

 流石に中身が男の人でお母さんから授乳を好んで受けていたと思うと、お兄ちゃんは引いてたみたいだけど、前世が女性という事で多少は許せたみたい。

 

「オタクの嫉妬キモーい、まぁいい歳した男が授乳とか倫理的にヤバいもんね。良かった合法的におっぱい味わえる女に生まれて!」

「俺の倫理観だとそれもアウトなんだけどな」

 

 少し引いた様子を見せながら、お兄ちゃんは呟く。

 確かに、女性でも赤ちゃんじゃない人がおっぱい味わうのはどうなのだろうか。お姉ちゃんのことは大好きだけど、ごめん。少し引くかも。

 

「それでお前は前世ではどうなんだよ」

「私? 女だったけど?」

「まぁ、確認したところでお前はいうほど何処かの変態みたいに暴れてないからどっちでもいいんだけど」

 

 お兄ちゃんから、前世の性別を聞かれたので正直に答える。女は女でも女の子の方なんだけどね。そういえば、お兄ちゃんって何だか落ち着いてる雰囲気あるけど結構年上だったりするのかな?

 そう思って聞こうとしたところにお姉ちゃんから急にギュッと抱きしめられた。

 

「ヒスイ、あのオタクとは喋ったらダメだよ?いつ襲われるか分からないからね?」

「どちらかというと襲ってるのはお前の方だけどな!」

「違いますー、可愛い妹と戯れてるだけですー」

「ヒスイ、お前からも言ってやれ!」

 

 喧嘩するほど仲がいいというやつなのかな?

 何でか、お姉ちゃんはよくお兄ちゃんに突っかかり返り討ちにされるのが最近の日常になっていた。

 

「私はお姉ちゃん大好きだけどね」

「ヒスイ! 大好き!」

「お前もお前で本当に甘いよなぁ」

 

 お兄ちゃんからの呆れた視線が突き刺さる。

 だって仕方が無いじゃない。お姉ちゃん見てると何だか昔の友達思い出すんだから。

 

「あ、ちょっと待ってヒスイ、オムツ交換するから向こう行ってて。お兄ちゃんも!」

「分かったよ」

 

 どうやら、お姉ちゃんはお漏らしをしたらしく私達に離れるように指示する。まぁ、私達はまだ赤ちゃんの為、精神年齢がどんなに高かろうが肉体年齢は変わらないのである。出そうと思ってなくても出るし、そしてものすごく恥ずかしくなる。私も一回お漏らしした時は恥ずかしかったなぁと、遠い目をしているところに変えのオムツを持ってきたミヤコさんが来た。

 

「はぁ、何で私がこんな仕事。一応私社長夫人じゃないの? 美少年と仕事ができると思ってアイツと結婚したのに!!与えられた仕事は16歳アイドルの子供の世話!?」

 

 初めはいつも通りにお姉ちゃんのオムツを交換していたミヤコさんだったけど、日頃の鬱憤が溜まりに溜まったのか、お姉ちゃんのオムツの交換が終わるや否や起こり始めた。

 

「そんで、父親不明の片親とか闇すぎんだろー! そもそも私はベビーシッターやりに嫁に来たんじゃねぇー!!」

 

 お姉ちゃんの使用済みのオムツを小さくまとめたものを、ミヤコさんは怒りのままにゴミ箱へと投げ入れた。正直言って凄い怖いんだけど。でも、兄姉はそんな様子のミヤコさんをよそに、ヒソヒソと会話を始めたみたいだ。

 

「はぁ? ママに尽くせるのは幸福以外の何物でもないでしょ」

「いや、意外と彼女の言っている事に正当性が見受けられる」

 

 そういえば、この二人お母さんのアイドルオタクだった。目の前の怒り狂っている大人への恐怖よりも、自分達の推しへの発言に対しての文句の方が勝っているみたいだ。

 

「あー、て言うかこれって不祥事の隠蔽よね? そうだ……文◯とかにこのネタを売ったらお金持ちに?」

 

 ミヤコさんは見た感じ育児ノイローゼ?と言うのだろうか。もう全部良くなった様子で、母子手帳を手に取るとスマホで写真を撮り始めた。これ結構ヤバいんじゃない?

 

「ね、ねぇ、お姉ちゃん! これヤバいんじゃない?」

「ヒスイの言うとおりこれ結構不味いよお兄ちゃん!」

「落ち着け、俺に考えがある」

 

 ミヤコさんが母子手帳を撮影し始めた辺りで、先程の文◯にネタを持ち込む発言も現実性を帯びてきて、私は怖くなりお姉ちゃんに相談した。本当にこのままでは不味いと思っていたんだけど、何やらお兄ちゃんに考えがあるみたいだ。お兄ちゃんから作戦を聞いた私たちはすぐに実行に移す事にした。




意外と今回は早めに書けました。
ミヤコさんの育児ノイローゼ編と言うのだろうか?そこの終わりまで書こうとしたけど、文字数が結構嵩張るので分ける事にしました。
ではまだ次話で会いましょう!

ここで一旦纏めると、
ヒスイ→アクア
頼りになる兄程度。

ヒスイ→ルビィ
前世の友人に何処か似ている為、お姉ちゃん大好きっ子。

アクア→ルビィ
現時点では、オタク趣味のある女ぐらいの認識。後何処か前世で請け負った患者で、ドルオタの女の子に似ているなぁと思っている。

アクア→ヒスイ
こちらと前世で請け負った患者に似ているなぁぐらいの認識。
後、ルビィにめっちゃ懐いてるのもあり、時折ルビィの味方をするのが理不尽だと感じている。

ルビィ→アクア
現時点では、年上の男のドルオタと言う印象。
倫理観はあるみたいなので、どちらかというと好印象。

ルビィ→ヒスイ
前世で仲の良かった友人に似ている為、好印象。
前世での友人にもお姉ちゃん風を吹かせていた為、ヒスイに対してもしっかりお姉ちゃんしている。
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