小説版きかんしゃトーマス ~Thomas The Tank Engine & Friends Novel's Story~   作:進む夜行列車

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────読者の皆様へ

ようこそきかんしゃトーマスの二次創作
「小説版きかんしゃトーマス」の世界へ。。。


ソドー島に冬がやってまいりました。
雪が多く積もった時には、機関車達は雪かきを付けて走ります。
ところが、トーマスだけは違いました。
彼は壊れた雪かきの代わりに除雪車を押しながら走っていました。

でも、トーマスはその除雪車のことを「あんな奴押すのは御免だ!」と言っていました。
どうやらその除雪車はとんでもない奴だったみたいです。

   作者より。


第1話:のろまなじょせつれっしゃ ~Slow Slow Train~

ソドー島は、さむーい冬を迎えていた。

いつもより多めに雪が振り、駅の半分が埋まるほどの大雪になっていた。

 

しかし、機関車たちは、そんな雪の日でも雪かきを付けながら走るのだ。

雪かきを付けると、雪をかき分けながら進んでいくが、スピードが落ちてしまって時間通りに駅に着かないこともあった。

でも、雨の日や霧の日、どんな天気でも、機関車たちはそれにもめげずに働いてる。

 

……ところが、この冬に問題が起きてしまった。

 

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トーマスの雪かきが、取り付け中に壊れてしまったのだ。

修理にはとても、時間がかかった。やがて作業員が、トーマスの機関士と助手に言った。

 

「こいつを直すのに最低、三日はかかりますよ。その間までは、雪かきを付けずに走ることになります」

 

「まいったな~、トーマスに付ける雪かきはそれしかないんだ……。前の奴はあの時、壊れちまったし……」

 

機関士は頭をひねりながらぼやいた。前にトーマスは、クリスマスのときにもう一つの雪かきを付けていた。

しかし大きな岩にぶつけて壊れたので、もう使い物にならなくなっているのだ。

 

何とかならないのかと、機関士と助手は話したが……無駄だった。

しかし、トーマスは大喜びだ。彼は重くて窮屈で古臭い雪かきを付けるのが大嫌いだ。

 

「やったぞ!こんな古臭いのを付けずに走れるなんて、楽しみだなぁ!」

 

トーマスは、興奮した。しかしエミリーは、心配だった。

 

「でも雪かきを付けないと危険よ。柔らかい雪は機関車よりも強いのよ?」

 

「へっ!たかが三日間ぐらいつけなくたって、十分に走れるぜっ!」

 

そう言うとトーマスは、颯爽と仕事に戻っていった。

 

「……何か、嫌な予感がするわ」

 

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 その日、トーマスは一日中嬉しそうに、自分の支線を突っ走った。

 多少の雪が線路の上にあっても、お構いなしだ。

 時にはちょっと大きい吹き溜まりがあって止まっても、再スタートをして思いっきり突進すれば、吹き溜まりはあっという間に吹っ飛んでしまう。

 やがて、トーマスはファークァー駅に着いた。

 

「多少の雪ぐらい、へっちゃらさ! もう雪かきなんていらないね!」

 

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ところが、現実と言うものはそうはうまくいかない。

まもなくトップハム・ハット卿が、トーマスに会いに来た。

 

「トーマス、今日のお前の働きぶりは良かったぞ。しかし雪かきを付けずに走るのは危険すぎる。

だから明日から、新しい除雪車を押して走るように」

 

「……わかりました」

 

トーマスが返事をすると、トップハム・ハット卿は帰って行った。

 

「チビのトーマスが除雪車を押しながら走るだと? ハハハッ!こいつは傑作だぜ!」

 

ゴードンは、おかしくてゲラゲラ笑った。

でもトーマスは、最悪だった。雪かきよりも更に図体が大きくて扱いにくい除雪車を押すのだから。

 

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次の日、トーマスはいつものように客車庫からアニーとクララベルを取って来ると、ナップフォード駅に向かった。

駅に着くと、トーマスは驚いた。目の前には真っ黒で大きな車両が止まっているのだ

その車両は奇妙な形をしていて、後ろは客車と同じだが、先頭は貨車の形をした前には除雪するための板がくっついていた。

その姿はまるで客車と貨車がくっついてる形になっていた。

除雪する板がちょっと丸っこい形だ。

 

「あいつは一体誰だい?」

 

「紹介するよ、"フラッペス"だ。日本からやってきた新しい除雪車だよ」

 

機関士が、教えてくれた。

でも、トーマスはそんなに新しいとは思えなかった。

フラッペスは、トーマスを見ると偉そうに失礼なことを言った。

 

「おやぁ? 君がこの最新式の僕を押す機関車かい? "最新式"の僕もずいぶんと舐められたものだね、こんなチビに押されるとは」

 

トーマスはムッとした。大きな機関車たちにバカにされることもあるが、除雪車にバカにされるのももっと嫌だ。

アニーとクララベルも、トーマスをバカにされてムッとした。彼女たちも、フラッペスのことはあまり好きじゃない。

トーマスはフラッペスにゆっくりと近づいて、連結した。

 

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乗客が全員乗ると、車掌が笛を吹き、トーマスは車輪を思いっ切り動かして出発した。

フラッペスは、重たかった。

 

しかし……支線を走ってる最中、フラッペスの除雪板はあまりにも雪をかきわけていなかった。

逆に雪の壁を作ってしまうほどの有様だ。除雪出来ない上に雪の壁と、フラッペスの重さでトーマスのスピードは落ちるばかりだ。

フラッペスはそんなのは知らんぷり。その遅いのをいいことに、トーマスをバカにする。

 

「おいおい、虫けら君。もっとスピードを出せないのかい? これじゃあ日が暮れちゃうよ」

 

「……何だよ! こっちは図体がでかい君を押してがんばってるんだぞ!?」

 

「ま、出来る事なら早く走ってほしいものだねぇ~。最新式の僕は、遅いのは嫌いだからさ♪」

 

この言葉にトーマスは段々、腹が立ってきた。

こんなことなら、あの雪かきを付けてた方がマシだった。

蒸気を沢山出して、シュッシュッと懸命に走っても、遅れは中々取り戻せなかった……。

 

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やっと、連絡駅に着いた時には、トーマスはもうくたくたに疲れていた。

隣でヘンリーがイライラしながら、トーマスを待っていた。

 

「いつまで待たせるつもりだよ!? おかげでこっちはだいぶ遅れちゃったじゃないか!」

 

「仕方ないだろ!除雪車を押してるんだから! それにこの除雪車はすごく重くて雪をかきけないから遅れたんだよ!」

 

「ふんっ!それはお前がのろまだからだろ? つまらない言い訳するんだったらもっと早く到着しろよ!」

 

トーマスが言い返そうとした時には、ヘンリーは怒りながら出発した。

トーマスはフラッペスを睨んだが、当のフラッペスは相変わらずの知らんぷりだ。

水を補給すると、列車は再び走り出した。

 

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トーマスは一生懸命、力任せでフラッペスを押していた……。雪が邪魔して全然スピードが上がらない。

フラッペスがまた、トーマスをバカにする。

 

「あの大きな機関車の言うとおり、君にはのろまじゃないか? 最新式である除雪車の僕をまともに押せないんじゃ、機関車として終わってるね」

 

フラッペスの傲慢な態度には、トーマスは頭に来ていた。アニーとクララベルも、とうとう怒った。

アニーが、クララベルにひそひそと話しかけた。

 

「何よ!自分が雪を除雪出来ないからってトーマスをバカにして!」

 

「トーマスをのろまとか虫けらとか、本当に失礼しちゃうわッ!」

 

彼女たちはフラッペスに仕返しをしてやりたいけど、トーマスに恥をかかせちゃいけない。

2人は悔しくて仕方が無かった……。しかし、そのチャンスはとても早かった。

 

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まもなく終点の駅に着いた。トーマスは客車たちを待避線に置くと、フラッペスを押しながら石切り場まで向かった。

 

石切り場に着くと、トーマスはフラッペスを押しながら石を積んだ貨車を牽いて、港に向かった

ところが、そこでトラブルが起きた。

貨車たちはのろのろと走ってるのに退屈したので、悪戯をしかけようと企んでいた。

 

「今日は雪で線路が滑りやすくなってるぜ!」

 

「こんなのろまな奴にはちょうどいいスピードが出せそうだ……! けっけっけっ!」

 

貨車たちはクスクスと笑いながら、いたずらするチャンスを待ち構えていた。

だが、トーマスと機関士はそんな彼らの話を聞いてなかった。

 

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石切り場からの下り坂はいつもは楽に走れるのだが、今日は雪でコチコチに凍ってしまってるので、かなり注意しながら走らなければならなかった。

まもなく下り坂に差し掛かると、機関士がブレーキをかけようとした。

だが、それが貨車たちが待ち望んでいた時だ!

 

『押せ押せ!押しまくれ!!』

 

貨車たちはドスンドスン、ガチャガチャと音を立てながら、トーマスを思いっきり押した。

押されたトーマスは、猛スピードで坂を下って行った。

機関士が慌ててブレーキをかけようとするも、線路がツルツル滑り、おまけにフラッペスの重さでブレーキがかけられない。

フラッペスも、スピードが速くなったのに気付き、あまりのスピードに怖くなって、トーマスに大声で怒鳴った。

 

「虫けら君! 止まれ!止まってくれ!」

 

「ダメだ!線路が滑ってて止まれないんだ!」

 

信号所の信号主が、トーマスの汽笛を聞いて急いで外に出て赤旗を振っても……もうトーマスを待避線に入れることができなくなった。

トリレック駅でフラッペスは前方を見ると、顔を青くした。

なんと、前には石を積んだ貨車が一台止まっているではないか!

トーマスの機関士は力を振り絞ってブレーキをかけたが……もう、遅かった。

 

「どけー!どいてくれぇぇぇえええええ!!!」

 

<ガシャーン! バリバリ! バキバキ!>

 

……幸いにも、けが人は出なかったが、ぶつかった貨車は木っ端微塵に砕けた。

フラッペスもかなりの被害に遭ってしまった、最新式の除雪板はぶつかった衝撃で、経こんでしまったのだ。

酷いことには、彼のヘッドライトが石が飛んで壊れてしまっていた。

 

「ぼ、僕の板が……! 僕の最新式の除雪板とライトがぁ……!」

 

フラッペスは泣き叫んだ。

ところが、貨車たちは反省の顔も見せず、ゲラゲラと笑っていた。

 

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「ふぅ……、なんとか止まれたのはいいが……。フラッペスの方は酷いなぁ……」

 

機関士が言った。

 

「……このへこみ具合なら、雪をかきわけられそうだぞ?」

 

助手が答えると、機関士はへこんだ除雪板を眺めた。彼らは話し合うと、トーマスに話しかけた。

 

「どうやらこの事故で以前より雪がかきわけれるようになった。フラッペスには可愛そうなことだが、トーマス、まだ走れるかい?」

 

「もちろんさ!」

 

トーマスは元気よく、そう答えた。

まもなく、ハーヴィーと作業員たちが残骸を片付け終えると、トーマスは再び、出発した。

 

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機関士の言った通りだった。

除雪板がへこんだおかげで、雪がきれいにかきわけられるようになり、始発のときまでは楽に走れるようになっていた。

フラッペスは、行く先々で、子供たちが指さしながら笑っているのが見えて、恥ずかしくなった。

でも、トーマスは早く走れるようになってすごくうれしかった。

 

ナップフォードの港に着いたときに、トビーがヘンリエッタを牽いて、待っていた。

トーマスはフラッペスを見ながら、トビーにこう話しかけた。

 

「やぁトビー、この"黒い塊"何だと思う?」

 

トーマスの言葉に、トビーは答えた。

 

「君の新しい除雪車じゃない?」

 

「新しい除雪車そっくりだけどさ、本当に新しい除雪車だと思う?」

 

「どういうことだい?」

 

「ほら、新しい除雪車は"最新式"なんだぜ?

 こんなのろまで壊れた"貨車"なんて最新式とは言えないじゃないかな?」

 

フラッペスは、恥ずかしくて何も答えなかった。

もう、この姿をさらされてしまっては自分を「最新式」とは言えなかった。

 

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翌日。フラッペスは日本へ送り返され、トーマスの雪かきは予定より早く直ったようだ。

もう二度と、自分を見下す嫌味なフラッペスは戻ってこなかったが……。トーマスは違う。

また不機嫌になっていたのだ。

 

「雪かきが直ったのに、嬉しくないの?」

 

「ちっとも嬉しくないよっ!! またこの重くて窮屈な雪かきを付けて走るなんて、僕は付けないまま走りたいのに!

 全く嫌になっちゃうよっ!」

 

「もう、わがままなんだから」

 

 でも、本当はトーマスもちょっとだけ満更じゃないと思っているよ?

 素直じゃないんだね、トーマス。

 

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 このお話の出演は……トーマス、エミリー、ゴードン、ハーヴィー、ヘンリー

そして、トビーでした。




いかがでしたか?
原作とテレビシリーズの設定を基づきながら書いてみましたが、
楽しんでいただけたのなら幸いです。
この事故の元ネタは北海道の富良野駅構内で起きた事故を元ネタです。

次回はちんまり鉄道のお話となります。皆様のご感想を心よりお待ちしております。
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