小説版きかんしゃトーマス ~Thomas The Tank Engine & Friends Novel's Story~ 作:進む夜行列車
ダックの支線の終点には「ちんまり鉄道」という小さな鉄道があります。
その鉄道で今度新しい特別列車が走ることになりました。
どんな列車かと言いますと、それはこのお話に書いてあります。
作者より。
ダックの支線の終点には、「ちんまり鉄道」と言う小さな鉄道がある。
そこで働く小さな機関車たちは、彼らはスカーロイたちよりも小さいけど……。役に立つ機関車であることを証明している。
ある春の日。ソドー島は暖かくて、景色も絶景だ。
でもその日はとても、観光客が多かった。
ちんまり鉄道の客車にも、観光客がぎゅうぎゅうすし詰めの状態になっている。
赤色の機関車マイクは不機嫌だ。彼は客車が大っ嫌いなのだ。
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ある朝、機関庫で準備を整ってる間でも、マイクはぶつぶつ文句を言っている。
「あーあ。毎日毎日、客車を牽いて乗客を運んでばかり……。もう嫌になっちゃうよ!」
「まぁまぁ、せっかくお客さんが来てくれるんだからありがたいと思わないと」
緑色の機関車レックスがマイクを嗜める。
だけど、マイクの機嫌は直らない。
「こんなことならジョックかフランクと交代して砂利を運びたかったよ!」
ジョックとフランクは今、乗客が多くて貨車を牽けない三台の代わりに、貨車を牽いて砂利を運ぶ仕事をしている。
マイクは貨車を牽きたかったが……、ちんまり重役が決めたことで客車を牽く羽目になってしまって、イライラしているのだ。
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プラットホームでは、お客がわんさか。カメラを持って列車を待ち構えていた。
レックスがプラットホームにやってくると……、お客たちは一斉に写真を撮り始めた。
<パシャ!パシャ!パシャ!>
あまりのカメラのフラッシュの眩しさにレックスは、目を瞑った。
やがて機関士が、お客に注意した。
「すみませんが、カメラ撮影はもうそれぐらいにしてください! もうそろそろ出発しますよ」
「ふう……、やっと終わった。眩しくて目が痛いよ……」
レックスは、ホッとした。
あの"やせぎす牧師"が書いた本が人気になって有名になったのは嬉しいが、こんなに撮影されるなんて一度もない。
まもなく、レックスは汽笛を鳴らして出発した。
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汽車の旅は、居心地良かった。
客車から見える景色はいつ見ても、絶景物だ。
乗客たちは上機嫌でぺちゃくちゃお喋りしたり、風景を写真で撮ったりもしている。
レックスも、上機嫌になった。いつも走りながら風景を見ているが……、さっきの出来事もあったのか
風景のありがたみが、分かってきた。
走ってる途中の、森の中も素敵だし。綺麗に流れる川も、素敵だ。
段々、レックスは気持ちいい気分になってきた。
「なんだか落ち着くなぁ……。風も気持ちいいし、小鳥は囀ってる。お客さん達も喜んでもらってるし」
レックスは、さわやかな気分になっていた。
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駅に着くと、乗客たちは一定の休憩時間で、ピクニックを始めた。
乗客の中には、レックスとお喋りをし、珍しいお花を撮ってる人が居た。
子供たちも、綺麗な野原で走り回ったり、遊んだり……。中にはお父さんとお母さんと一緒に、お弁当を食べている子も居る。
機関士と助手は、レックスの点検をしていた。
帰る時間になると、レックスは蒸気を吐いた。その時、一人の男の子が母親にこう言った。
「ねぇママ。ピクニックも結構楽しかったけど、列車に"乗りながらバーベキュー"が出来たらいいな」
それを聞いたレックスは、笑うどころが呆れかえっていった。
「列車でバーベキューなんかやったら、客車が火事になるじゃないか!」
彼は変な気分で、帰って行った。
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……その夜。機関庫でレックスは仲間たちに、今日のことを話した。
「お客の中にも変な事を考えるんだね」
マイクが言った。
「僕は列車でバーベキューをやったって、ちっとも楽しくなんかないね」
バートも言う。
「やっぱり君たちの言う通りなのかなぁ……」
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次の日、レックスはジョックと交代して砂利を運んで戻ってきた。
丁度、大西部鉄道のダックが平台貨車を牽いてやってきた。
貨車の荷台には、小さな貨車が三台載っているのが見えた。
だけど、その貨車たちは汚くて錆びついていた。
「この貨車は使い物にならないって本土から譲ってもらったんだけど……」
「その汚さじゃ、こっちでも使い物にはなれませんね」
その時、レックスにいい考えが思いついた。
「……そうだ!あの"手"があった!」
レックスは機関士とダックに、自分の考えを披露した。
「この貨車三台をバーベキューの出来る客車に造り変えると言うのはどうでしょう?
そうすればお客さんも列車に乗りながらバーベキューが出来る楽しさが出てくるんじゃないでしょうか?」
「それは名案だぞレックス!」
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早速、レックスの機関士はちんまり重役に話した。
ちんまり重役は早々にOKを出した。
レックスの考えは、正しかった。
やがて、工場の扉が開いた。バートが三台の貨車を工場から取り出すと……。
古い貨車たちがあっという間に、客車に大変わりとなっていたのだ。
二台の貨車は、バーベキューが出来るようにお肉や野菜を焼くプレートが付けており、三代目は食材を運ぶようになっている。
レックス達は、びっくり仰天だ。ちんまり重役がやってきて、レックスに話した。
「君の考えは素晴らしかったよ。このバーベキュー列車は春から夏の間、君たちに牽いてもらいたい」
機関車たちは嬉しくて汽笛を鳴らした。でも、マイクは気に入らない様子だった。
しかし、その不機嫌は風と共に消えていった。
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こうして、期間限定として「バーベキュー列車」が初出発した。
観光客は列車の中でバーベキューをしてて不思議な気持ちだったが、
ちんまり機関車たちが引っ張ってる間は楽しく肉や野菜を焼いて食事を楽しんだ。
マイクは客車に改造したバーベキュー列車を嫌々牽いていたが……。元が貨車なので今は、上機嫌だ。
機関庫で、マイクはレックスに楽しそうに話しかけた。
「レックス!君の考えは正しかったな! このバーベキュー列車は最高だよ!」
「僕の考えじゃないさ。
この列車を牽けるのも、お客さんがバーベキュー出来るのも、あの男の子が言ったことのおかげだよ」
このお話の出演は、レックス、バート、ジョック、ダック
そして、マイクでした。
いかがでしたか?
今回は汽車のえほんを読んだ人ならば知っているちんまり鉄道の機関車たちを登場させてみました。
しかし、日本では彼らの活躍は一巻だけなのでキャラのつかみ方が分かりませんでした………。
客車嫌いのマイクも、このお話で客が嫌いじゃなくなったとは言い聞けませんが、それは私本人も分かりません。
このバーベキュー列車の元ネタはJR北海道のイベント限定として走るトロッコ列車"ノロッコ号"こと「バーベキューカー」を基づいて執筆しました。
質問と感想、支援絵なども受け付けております。
次回は赤い車体が自慢のうぬぼれジェームスのお話です。お楽しみに。