小説版きかんしゃトーマス ~Thomas The Tank Engine & Friends Novel's Story~   作:進む夜行列車

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────読者の皆様へ

赤い車体が自慢のジェームスは今日も相変わらず自慢ばかりしていました。
他の機関車たちはジェームスの自慢話にうんざりさせられてばかりです。
実は今回のお話を書いている時、私もジェームスとはかなり言い争いました。
「僕のお話を書け!」と文句を言ってきましたが、私は「それなら君が昔の色に戻った時のお話を書こう」と言ったら急に大人しくなりました。
これはジェームスが赤い車体から別の色に塗り替えられた時のお話です。

   作者より。


第3話:とびおりたジェームス ~James Jumps off It~

 赤いボディが自慢のジェームスはいつも、自分がソドー島で美しい機関車だと思いこんでいる。

 そのおかげで、他の機関車たちがうんざりするほど自慢話を聞かせるのだ。

 

「僕はこの鉄道で一番美しいし"気品"がある!

 そしてトップハム・ハット卿が役に立つと認めるほどの素晴らしい機関車なんだぜ?」

 

「ふんっ! たかが赤いだけで気品があるとは言えないね。

 それにお前は美しくも気品と言うけど、お前の赤色は"下品"な色なんだよ」

 

「ただの貨車用機関車の分際で素晴らしいだぁ? ふんっ、一番素晴らしいのは俺の方なのさ。」

 

「へーんだ!ださい緑色と青色のデブな君達に、この赤いボディの悪口を言われたくないね!!」

 

 ヘンリーとゴードンは頭に来て、ジェームスに言い返そうとした。

 しかし、ジェームス二人に蒸気を吹きかけて逃げ出した。

 

「ふんっ!生意気なジェームスめ!」

 

「今に見てろよ!」

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 ジェームスは、操車場で貨車たちに八つ当たりしていた。

 汚い貨車を押す仕事が嫌だったが……、ストレスの解消になるので、今は楽しそうに貨車を乱暴にぶつける。

 貨車をガツンガツン!と思いっきりぶつけ、思いっきり押したりもした。

 

 貨車を乱暴に扱うと決まって貨車たちは怒る。

 そのせいで他の機関車が連中の餌食となるのだが、ジェームスはそんなことすっかり忘れていた。

 

「ほらさっさと行けよ!汚く汚れるのがお前たちの仕事だろ!」

 

「うわあぁぁ!?」

 

 ジェームスは面白がって貨車をぶつける。エドワードが貨車を戻しにやってきた。

 

「そんなに貨車たちを乱暴に扱っちゃダメだよ。」

 

「僕は君と同じで貨車の扱いが慣れてるから平気さ。だって僕は素晴らしい機関車なんだぜ?」

 

 彼は偉そうに言う。

 しかし、エドワードは気が気じゃない。

 本当に素晴らしい機関車は、貨車たちを怒らせるようなやり方をしちゃいけないのだ。

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 ジェームスが空っぽの貨車を待避線に入れていると、トップハム・ハット卿がやってきた。

 

「昨日の豪雨によって、鉄橋がだいぶ古くなっている。

 そこで復旧作業に取り掛かることになった。貨車を牽いて、橋の修理に使う材料を運んでくれ」

 

「また貨車を牽くんですかぁ? それならヘンリーかマードックにしてくださいよ!あいつらは力強いし……」

 

「本当に"役に立つ機関車"はどんな仕事でも一生懸命働くものだぞ」

 

 ジェームスは渋々、命令に従った。

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 港に着くと、また天気が崩れてきた。

 ジェームスは貨車をクランキーの所へ連れて行く。クランキーが慎重に、鉄橋に使う材料を貨車に積む。

 チェーンが風でゆらゆら揺れる。おまけに雨も強い。

 

「今日はこんな天気だ。線路が滑りやすくなってるから気をつけて走れよ」

 

 クランキーが注意したが、ジェームスの耳には入らない。

 彼は早くこの仕事を終わらせたかったのだ。

 

 そこへトーマスとパーシーが倉庫から燃料を持ってきた。

 パーシーは、イライラしてるジェームスが気になって、何故そんなにイライラしてるのか聞いた。

 

「どうしてそんなに急いでいるの?」

 

「そりゃあ僕は素晴らしい機関車だからさ。この仕事を早く終わらせることもできるし、貨車の扱いも最高なんだぜ?」

 

「へぇ?その素晴らしい機関車がそんなにイライラしてちゃ、きっと素晴らしくない機関車になるよ。

 二度あることは三度あると言うしね」

 

 トーマスがクスクス笑うと、ジェームスは顔を真っ赤にして怒った。

 パーシーは、ちんぷんかんぷん。

 

「"喉あるところにご飯ある"ってどういう意味?」

 

「"二度ある事は三度ある"。つまり二度も起きた事がもう一度起きるって意味だよ」

 

「ふんっ!くだらん!!」

 

ジェームスは思いっきり貨車たちを引っ張った。貨車たちはキーキー悲鳴を上げながらついてくる。

 

「貨車たちにまたいたずらされないように気を付けろよ?」

 

 トーマスがまた、ジェームスからかう。

 ジェームスの顔は、リンゴのように赤くなった。

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 一方、鉄橋では作業員たちが一生懸命に修理を行っている。

 ここは一昔前、ゴードンとヘンリーがブルーベルと言う牛によって立ち往生してしまった橋だ。

 橋は錆びついて古くなっていた。

 

 錆びはじめた頃はまだ大型機関車が渡れていたのだが……、段々、トーマス達のようなタンク機関車しか渡れない状況になった。

 日が経つにつれ、機関車でさえ渡れなくなり、乗客は列車から降りて徒歩で渡ることになってしまう有様になった。

 

 ところが、豪雨によって以前より橋の鉄骨が酷く傷み、ついには渡るのも危険な状態になった。

 そこでトップハム・ハット卿は、本線の列車を運行停止して、橋の修理をすることにした。

 

 作業員達が、鉄橋がまだ持つかどうか調べている。ジェームスが材料を持ってくるまで、修理ができない。

 ……その時だ!最悪な事態になってしまったのだ!

 

「橋がおかしいぞ!?」

 

 作業員の一人が叫んだ。すると橋が軋む音を立て始め……、骨組みにバキッとひびが入った!

 鉄橋が段々、グラグラと揺れ始める。

 

「みんな鉄橋から離れろ!! 崩れるぞぉ!!」

 

 作業長が叫ぶと、みんなは一斉に橋から離れた。

 

 鉄橋から離れた瞬間……、橋の中心が曲がって、火花を散らす。

 とうとう、陸橋は真っ二つに崩れた。無事に残った線路は、むき出しの状態だ。

 

 ジェームスは、危険が待っているとも知らないでぷりぷりしながら走ってきた。

 

  <ポーッ ポッポー!>

 

 汽笛の音を聞いた作業員が急いで、赤旗を振った。

 

 機関士が、赤旗を目撃してブレーキをかけた。

 ところが、貨車たちがぐいぐい押すのとレールが滑りやすいせいで、ジェームスは通行止めの看板を突き破った!

 

 <ギギギギギィィィィーッッッ!!  ガシャーン! バッシャーン!>

 

 ジェームスは目をそっと開けた。辺りは冷たい川の水だ。

 

 車輪は線路から外れ、まっさかさまに川に落ちてしまった。まるで、ジェームスが橋から飛び降りたみたいだ。

 幸い、怪我人は居ない。橋の材料を積んだ貨車たちも、切り離された炭水車も無事だった。

 ジェームスは、泥だらけになってしまった。こんな汚い姿になってしまっては、もう素晴らしい機関車とはいえなかった。

 

「うぅぅ……、こんなのゴードンたちに見られたら笑われるな……」

 

 彼はそう言ったが、予感的中。すぐに、クレーン車を押してきたベアーがやってきた。

 そしてその後から、ヘンリーがやってきて全てを見てしまったのだ。

 ヘンリーはゲラゲラ笑いながら、貨車たちを後ろから引っ張っていった。……ジェームスの炭水車と一緒にね。

 

 やっとジェームスは助け出された頃にはトップハム・ハット卿が待っていた。彼はカンッカンに怒っていた。

 

「お前に"橋の材料を運べ"とは言ったが、"飛び降りて水浴びをしろ"とは言っとらんぞ!!」

 

「はい、すみませんでした……」

 

「泥遊びをする前に、工場に行ってその思い上がった態度を改めなさい!

 それと工場では今、赤いペンキが不足している。しばらくの間は、別の色で我慢することだな!」

 

 ジェームスは何も言えなかった……。

 彼のボディーに降り注ぐ雨は、まるでその汚い姿を嘲笑っているように思えた。

 あの時クランキーとトーマスの話をちゃんと聞いていれば、こんなことにはならなかったはずだ。

__________________________________

 

 ……翌日、修理を終えたジェームスは、真っ先に機関庫に戻ってきた。

 機関車たちは、ジェームスを見て驚いた。

 

 なんと、彼のボディはあの自慢の赤いボディではなく、昔の真っ黒なボディになっていたからだ。

 ゴードンとヘンリーは、そんなジェームスを見てからかった。

 

「これはこれはジェームス君。いつもの赤いボディはどうしたんだい?」

 

「きっと赤が嫌だから、別の色に振り替えたんじゃない? これじゃあ、素晴らしい機関車とは言えないね?」

 

 ジェームスは、何も答えなかった。

 やがてトーマスが、口を開いた。

 

「これでわかっただろ? "二度あることは三度ある"って!」

 

「……ふんっ!!」

 

 そしてその夜。ゴードンとヘンリーは、ジェームスの今回の事故のことを言っては、昔のジェームスの事故の話をして互いに笑いあった。

 靴ひものこと、タール運搬車のこと、そして、蜂に刺されたこと……。

 ジェームスは顔をしかめながら、一日を過ごしたのだった。

 

 

 

 でも、そのゴードンもまさか自分が真っ黒のボディになると言うことは、まだ分からなかった……。

 

 その話はまた、今度にしよう。

 

 このお話の出演は……トーマス、ゴードン、エドワード、パーシー、ヘンリー、クランキー

 そして、ジェームスでした。




いかがでしたか?今回のお話はグダグダとなっています。

今回のお話の元ネタは静岡鉄道駿遠線で起きた話を基づいて書きました。
尚、この元ネタは大井川鉄道ではお馴染みのあの橋の事件です。
実際に乗客を列車から下ろして、徒歩で橋を渡らせたと言う話があります。
そして今回のお話にはありませんでしたが、この橋の乗客を渡らせた後に人力客車と言う車両が存在しました。
現在では、そんなことをさせるのは考えられませんね?

次回はゴードンも黒いボディに塗り替えられます。お楽しみに。
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