小説版きかんしゃトーマス ~Thomas The Tank Engine & Friends Novel's Story~ 作:進む夜行列車
今回はかなり子供向けではなく過激に書いています故、そこだけはご了承願います(汗。
今年のソドー島は、とても暑い。
しかし、機関車たちはそれでも、全国各地からやってくる観光客や物資を運ばなければならない。
「やぁ!スコッツマン!」
「今日もお客が多くて止まる暇もないよ」
トップハム・ハット卿は、暑さを吹っ飛ばすため、大きな駅で花火大会を開くことにした。
子供たちも、綺麗な花火を見るのを何よりも楽しみにしていた。
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───ある日、トビーとパーシーが港で花火に使うための火薬を運ぼうとしていた。
この火薬は、特製の花火に使う特別な火薬だ。
ちょっとでも不注意な扱いをしてしまったら、爆発を起こしてしまう。
これを運ぶには、慎重に走らなければならないのだ。
ところが、この仕事には問題があった。──トラックのせいだ。
トラックの名前は「ルーサー」。火薬を運ぶトラックだ。
威張り屋のルーサーは、トビーとパーシーに近づくと偉そうに言った。
「オイそこの貴様ら!列車共!動くな!気をつけ!」
「偉そうに言っちゃって!あとは火薬を運ぶだけだろ?」
パーシーが言い返した。
「何を言うか!まだ点検が済んでおらん!」
「作業員が終わらせたわよ、点検は」
「ならば何をもたもたしておる!早く波止場まで火薬を運ばんか!
この役立たず共めが!」
ルーサーは、そう言うと火薬を乗せるために戻って行った。
パーシーとトビーは頭にきた。
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目的地に着くと、2人はエドワードとボコにルーサーのことを話した。
「君らが来る前に僕たちも奴と揉めていたんだ。
「貨車がたくさんになるまで集めろ!まだ集まっていない!終わったら必ず報告しろ!」と怒鳴っていたよ。」
「あいつは元軍用で、戦争のことを誇りに思っているから成りあがってるんだって」
ボコはパーシーとトビーに同情したが、ルーサーの態度はますます悪くなっていく始末だ。
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昼ごろになると、ルーサーは火薬を積み終えて休憩しているメービスに乱暴な態度を取った。
「オイ、そこのディーゼル女! 勝手に休むんじゃない!俺が休めと言うまで火薬を運び続けろ!
聞こえんのか!ただちに火薬を運ぶのだ!!」
それを聞いたメービスは怒った
「失礼ね!私はちゃんと運んできたわよ!」
「なにが"運んできた"だ!火薬が足りないではないか!臭いオイル撒き散らしてるくせして怠けてばかりいる!
いいか!軽油が無くなるまで働くのだ!」
メービスはルーサーを睨み続けた、悪口を言われるのが何よりも大嫌いだった。
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次にルーサーは水を補給しているトーマスに怒鳴り散らしていた。
「オイ!邪魔なのだ!そこの水をガブガブ飲んでいるタンポポ頭!!
そこどけ!さっさと行くのだ!」
「なんだよぉ!僕が水を飲むのは勝手じゃないか!!」
「誰の命令で水を飲んでいるのだ?ここは軍の持ち場で、そして俺が一番偉いんだ!
《b》俺の命令に逆らうやつは反逆者としてスクラップにするぞ!
さぁ!甘い汁をすすりたければとっとと働け! 蒸気を上げてピストンを動かすのだ!」
トーマスはカチンと来た。
「……ったくもぉ!!あんなムカつくトラックは初めてだ!」
機関士も同感だ。
あんなに失礼なトラックと出合ったのは、初めてだ。
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駅にやってくるとと、機関士はトップハム・ハット卿にルーサーの事を話した。
「分かった。もしもあいつが何かしでかしたら必ずお仕置きをするからな。
だが、奴の態度で何か恐ろしい事件が起こらなければいいが……」
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───しかし、トップハム・ハット卿の悪い予感は当たってしまった。
その晩のことだった……。機関車たちは、波止場の火薬倉庫で火薬が全部しまわれるのを待っていた。
丁度、最後の荷下ろしが済むところだった。やっと、楽しみな花火大会が始まる。
そうなるとあの口うるさいルーサーから解放されて、綺麗な花火を見られるのが楽しみだった。
ところが、名高いクラクションと共にルーサーが割り込んできた。
「オラ!そこをどけ!俺の仕事が先だ!」
「自分の番が来るまで待てよ!荷降ろし中だぞ!」
「とっとと道をあけるのだ!これは命令だぞ!」
あまりの勝手な態度にとうとう、トーマスは怒った。
「僕たちはお前の命令で動いてるんじゃない!トップハム・ハット卿の命令で動いているんだ!
それに花火の火薬でも危険なんだ! 不注意に扱うと爆発するんだぞ!」
「線路を走る脳なしに命令される筋合いもない!俺は動きたいときに動くのだ!」
ルーサーは、トーマスの忠告に耳を貸さず、勝手な行動を起こした。
そしてとんでもないトラブルが起きてしまったのだ。
一人の作業員がルーサーの前を通ってしまい、運転手はハンドルを切って避けた。
ボディがぐらりと揺れ、山積みに積んであった火薬の木箱にぶつかってしまった。
その衝撃で火薬に火が付いてしまい、一個目の木箱が爆発した。二個目に引火して爆発。三個目に続いて木箱に火の手が回った。
ついに、大火事になってしまった。サイレンがけたたましく鳴り始めた。
<ジリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!>
「火薬が爆発した!!みんな早く逃げろ!!」
作業員たちは、一目散で倉庫から逃げ出した。
機関車たちも、貨車が引火しないように安全な所にバックした。
「運転手!俺を動かすな!命令なのだ!」
「バカを言うな!爆発に巻き込まれたら命が無いんだぞ!」
運転手はルーサーの命令に耳を貸さずに彼をバックさせた。
トーマスは急いで倉庫から出ようとした────その時!
「ゴホッ…!ゴホッ…! ま、待ってくれぇ…!」
作業員の一人が、足にやけどをしてしまい、動けなくなっていた!
トーマスは慌てて止まり、機関士と助手がその作業員を担いでトーマスに乗りこむのを待った。
機関士たちが乗り込むと、機関士はスチームを力一杯に入れ、猛スピードで逃げだしたが…… ───手遅れだった!
「うわぁ!熱いよぉ! ……ゴホッ!ゴホッ!」
トーマスは、咳こんだ。熱くて苦しくて……怖かった。
「トーマス!!水道管のところに逃げるぞ!あそこは工場から離れているから安全だ!」
機関士が大声で叫ぶと、トーマスは水道管の所に真っ先に逃げた。
やがて…トーマスの目の前は炎が包み込んできた。
トーマスは、水道管がある線路にたどり着いた。
水道管はさっきの爆発で、水が噴き出ていた。
「うわっ!? とんでもないことになっちゃった……!」
危機一髪だった、トーマスはずぶ濡れになりながらも消防隊が来るまで、ずっとそこに居た。
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────やがて、消防隊が急いで駆け付けると、消火作業を開始した。
……なんとか明け方になった頃に、火事は無事におさまったが……。辺り一面はめちゃくちゃになってしまい、倉庫もがれきの山となっていた。
花火に使う火薬は全部、ダメになってしまった。
だが、パーシーはトーマスが居ないことに気づき、大声で叫んだ。
「大変!トーマスがまだ倉庫の中に居るんだ!!」
作業員たちは、パーシーの悲鳴に驚いた。他の機関車たちも、トーマスの無事を祈るしかなかった。
だが、ルーサーは違った。反省の色もなしに嫌味を言ってきたのだ。
「ふん!鉄くずが一台壊れてしまっただけだ! たかだかそれ位でビービー泣くんじゃない!」
「お前はなんてトラックだ!! お前が強引に横付けしようとしたのが悪いんだ!!」
監督官が怒った。
「それより、急いで機関車と乗務員を大至急救助しよう!」
作業員が言う。
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まもなく、ボコとエドワードが救援に駆けつけた。瓦礫を片付けるのは、時間がかかった。
他の機関車たちも、見ている暇もなかった。みんなはトーマスを助けるために、一生懸命頑張った。
ボコとエドワードがクレーン車を使って、重いがれきを引っ張っては崩していた。
ルーサーは、エンジンを落とされていた。彼にまた邪魔されては困るからだ。
ブッチが、小屋のような形で崩れた奇妙ながれきの破片を引っ張ると………
<ガラガラ…… ガシャーン!>
体中、煤だらけになったトーマスが、顔を出したのだ。
機関士たちも、無事に機関室から姿を現す。
「……フーッ! やっと出られたよぉ……」
彼の青いボディは、まるで焦げたトーストのように真っ黒に汚れていた。
それを見たみんなは、一斉に笑い転げていた。
トーマスも、力が抜けて笑った。
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まもなく、トーマスと貨車たちを無事に助け出した。
やけどをした作業員は、エドワードに乗せられて病院まで向かった。
監督官が、貨車の中を確認すると……。奇跡的に花火の火薬は、無事だった。
彼は戻ってくると、トーマスに笑いかけた。
「君が勇敢に行動してくれたおかげで、火薬はみんな無事だった。
ちょっとしか少ないけど、これで花火大会ができるよ!」
しかし……機関車たちの顔は浮かばれなかった。
ずっと楽しみにしていた花火大会が、この事故のせいでちょっとぐらいしか出来ないからね。
「あーあ、子供たちががっかりするだろうなぁ……」
機関車たちは子供たちの悲しい顔を浮かべながら、しょんぼりした。
………でも、そんなに落ち込むことは無かった。
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途中からやってきたエリザベスが、火薬をいっぱいに積んでやってきたのだ。
ようやく、花火は無事に作られ広場に運ばれた。
そして、花火大会が始まった。今年の花火はとても、特別な花火だ。
ドーン!と打ち上げられ、綺麗に咲く花火の形がなんと……トーマスや、その仲間たちの形を模った綺麗な花火だった。
子供たちは大興奮だ、特にトーマスやメービス、エドワードにトビー、ボコとパーシーは誇らしかった。
………まもなく、波止場の倉庫は建て直された。
だが、トップハム・ハット卿や工場長はルーサーのしでかしたことを見逃さなかった。
ルーサーは、バルジーが居た農場に停まっていた。
昔のバルジーと同じように、新しい鶏小屋とされてしまった。
「命令なのだ。命令に従っただけなのだ……。命令は、命令なのだ~………。とほほほ……」
ルーサーはそう呟いたが、彼を相手にするのは鶏だけだった。
このお話の出演は、トーマス、メービス、パーシー、ボコ、エドワード、トビー、
そしてルーサーでした。
いかがでしたか?。
今回のお話の元ネタは、
がんばれタッグス第5話「いしあたまのブルーノーズ」と、
2004年11月3日。
デンマーク・コーリング市シースト花火工場にてトラックが積載する作業中に爆発が起こり、
倉庫が大火事になってしまった大事故を基づいて書きました。
尚、がんばれタッグスは機関車ではなく、帽子をかぶって首を動かすタグボートの物語です。
制作はトーマス模型時代で活躍したデビット・ミットン氏とロバート・カルドナ氏が作りあげました、
音楽もきかんしゃトーマス第1期~第7期のBGMを担当したマイク・オドネル氏とジュニア・ キャンベル氏が
担当をしていました。
次回のお話は
「えきのちかしつのできごと ~A Weird Man And Black Dog~」をお楽しみに。
質問、感想、アドバイス、イラストなどもお待ちしております。