仮面ライダーライズ ーKAMEN RIDER Ri'Sー For Novelise   作:Rick Mock

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別の次元:「仮面ライダーの歴史すら廃れつつある近未来」

謎の敵:「歴史喰い(ヒストリーター)」の魔手から命からがら逃げてきた2人の未来人:「ビアージ・リン」と「ディナス・ファルコ」

逃げた先は....現代、すなわち「仮面ライダーの歴史が"ある"世界」だった.....

物語は、遭遇する「数時間前」から始まる......


Record-01「爆誕!時をかける仮面ライダー」

Record-01「爆誕!時をかける仮面ライダー」

 

現代:「仮面ライダーの歴史がある世界」

 

都会の喧騒と郊外の静けさが同居する街・「風守(かざもり)市」人口約60万を有するマンモス級のベッドタウンである。

 

夜の9時ぐらいだろうか?一人の青年が、両手に買い物袋を持って自転車を押しながら歩いている。買い物帰りだろうか?

 

「おやっさんてばー....「今日は鶏肉の超特売日だから、ぜっったい買って来いよ!明日は"チキンDAY"やるぞー!」と言ってたし、ウチは"大衆食堂"じゃなくて、"特撮喫茶"なんだけどなぁ......(屋号見直した方良くない?)」

 

ボヤきながら歩くこの青年、刻昴(ときごう)タケシ23歳男性。特撮喫茶「サイクロン」に働く「ワケアリ」アルバイターだ。

なぜに「ワケアリ」なのかは追々明かすとして、彼が働く特撮喫茶「サイクロン」は、風守市でも5本の指に入る位の超有名店、なのだが、タケシ曰く「屋号見直しをおやっさんに迫りたい」くらい、訳の分からない「ワケアリ」の喫茶店とは名ばかりの、とにかく「ジャンル不明のお店」らしい。

(ある時は「アイドル呼んで、ドルヲタだらけの貸し切りワンマンライブ」をやったり、またある時は「町内会からの要請で、囲碁将棋セットを用意して、憩いの茶話空間」をやったりしたらしい。(当のタケシは渋々受け入れたとか、「ドルヲタ」の件は真っ向反対したが、おやっさんに上手く説得され、事なきを得たとか...)

 

買い出しから帰ったらおやっさんに「明日の事について」きっちり問い詰めてやろうか、と思っていた矢先......

 

ズズズズズ.....と、音を立てながらマゼンタ色の光が、10m先の空き地から見えてきた。

 

「何だこの光は?」

 

光のもとを目指して、自転車を飛ばすタケシ。

光源の空き地へ到着。

 

まさか電線切れたとか、ゴロツキが花火してるとか、じゃないよね?と、ドキドキしながらおそるおそる光源の空き地を覗いてみた。

 

マゼンタ色の光が、ズバーン!と言う鞭で地面を叩く音と、ガラスが割れるようなヴィジョンと共に消えた。

そして光の中から、何やらサイバーチックな身なりをした男女が出てきた。

 

男は背が高く185cm台、だろうか?インナーにグリーンの差し色を入れた黒髪の科学者の身なりをしている。

対して女は、タケシと同じくらいの背丈(175cmくらい)で、後ろを1本にまとめたヘアスタイルで、防弾ベストを纏った、行動派のような身なりをしている。

 

「ふえぇぇっ!?だ、だ、だ、誰なのー!?」

 

腰を抜かすタケシ。そして彼は気付く事も1ミリもなかっただろう。

この時点で、「スケールのでかすぎる戦いに巻き込まれている」という事に......

 

タケシと遭遇した未来人一行は、腰抜かした彼を尻目に、何処かへと去っていった。

 

時同じく、風守市内の古くからある地下歓楽街:通称"風穴(ふうけつ)"

シャッター商店街になりつつあるが、地上の歓楽街:通称"ストリームベガス"と並ぶ、有名なスポットらしい。

 

そんな風穴の地下2階・シャッター商店街状態のスラムエリア。

 

「はぁ、はぁ、はぁ.....ここまで来れば、追っかけてくる事ァねえ」

 

静寂の中、中年男性が1人、息をきらしながら腰を下ろし、一休みしている。更に、周囲を気にするような仕草もしている。

"ダレかに追われている"のだろうか?静寂を突き破るかのように、焦げ茶色のローブを纏った、いかにも隠者らしい老人が、駆け寄ってきた。

 

「もし、そこな人よ。追われている身、とお見受けする....」

 

誰だコイツ?と思いながら、ローブを被った老人を見ながら、中年男性が話しかけた。

 

「(ンだよ、このジジイ、気味悪りぃなーオェ。俺の今の立場さらっと当てんじゃねーよ。)何だよ爺さん、ここじゃ見かけねえ顔だな?ローブ羽織ってるっておい、ハロウィンはまだ先だぞ、まだ先。それに物乞いなら余所でやってくれ。今の俺には大したモノ持ってねーから、悪いな.....」

 

他の人に当たりなよ、と追い返す手振りをする中年男性。

それを気にせず、ローブ姿の老人が言った。

 

「お主、"チカラ"を欲するか?」

 

思いもよらない問い掛けに戸惑う中年男性。少し間が空いたようだ。その後、絞り出すかのように老人に言った。

 

「"チカラが欲しい?"欲しいに決まってんじゃんよ!後もう少しで逃げ切りゃ「時効」迎えんだ....なのにアイツ、先にゲロ吐きやがって...."何もかもブチ壊すチカラ"を、今すぐ寄越しやがれ!!」

 

中年男性の返答を受け入れるや否や、ローブの老人は、袖からナニかを取り出す仕草をする。

 

「よかろう.....お主が欲するところの願いを満たすに相応しく、一助に足り得るに等しきモノを与えよう。むんッッ!」

 

すると、老人が右手をかざすと、中年の男の眼前に、"ゼツメライザー"と"Vバックル"を足して2で割ったような意匠のクレードルに、クモのレリーフをあしらったバックルが装填されている変身ベルト:"デプレライザー"が現出した。意思を持っているかのように、デプレライザー右側から、ベルトが伸びてきた。纏わりつくかのように、男の腰に装着された。

 

「がはッッッッ!?なんだ、コレは?」

 

装着されたと同時に、全身に激痛が走る感覚を感じ、男がその場で、四つん這いになりながら悶絶し始めた。

フロア一帯に、男のうめき声が響き渡るが、数分後に、ピタッと鳴りやみ、再び静寂を取り戻した。

 

ーその間、デプレライザーのベルト部分に収められている感覚麻痺の神経毒「N(ネビュラ)-シュルトケセロイシン」が塗布されているベルト帯・「ポイゾニックアジャスター」が連動して動き、男の腰にフィット、装着と同時に神経毒が投与される。更に、クモのレリーフ「マルチスキャナーARCN(アラクネー)」が発光し、目の前で瞬時にメモリーデバイスが生成され、虎の横顔をあしらったメモリデバイス:「タイガーオルタライドメモリー」が生まれた。ー

 

ローブの老人がその場で倒れた中年の男を見下ろすように見つめながら、こう呟いた。

 

「フフフ、彼の者に我等が力の片鱗を与えた。"この世界"に住まう人間に、我等が持ちうる所の技術、果たして耐えうるものか?彼の裏切り者、如何に逃げおおせても、な......」

 

不気味な笑みを浮かべながら、老人は風穴の闇に溶け込むかのように、その場から立ち去った。

 

翌朝、風守市内高架下。

 

2人の未来人一行が、身を隠していた。

"別の次元"に飛ばされて、否、無事に逃げ切れたようにみえていた。

 

「ダメだ。さっきの次元跳躍のせいで、ディケイド・ジオウのライドメモリーが使用不能、ディアクティブになっているようだね...」

 

ディナスがタブレットを操作しながら、メモリーの使用状況を確かめ、愕然としていた。匙を投げたかどうかは分からないが、調整するのに、かなりの時間を費やす必要性があるよねー、と続けて言った。

 

「当面の間使えない、ってホントなの?」

と、ビアージが質問してきた。

 

「あ、ああ、そうだけど......こりゃ何かしらやらないと多分無理っぽいね。そう言えばビアージ、アレは無事なの?」

 

「無事に決まってんでしょ!」

 

とツッコミをカマしては、一撃で仕留めにかかる勢いでディナスの腹めがけて、ビアージの正拳突きが飛んできた。

がぺっ!?と言いながら、その場でダウンするディナス。

致し方なかろうに。"本来"であれば、レジスタンスの拠点まで逃げきった後、反撃の狼煙をあげようかと思っていた矢先に、この事態である。

 

「それで?このアタッシュケースの中に、ナニ入ってんの?開けても良い?」

 

うずくまっているディナスに、ビアージが尋ねる。

 

「いい、けど?」

 

返答を貰った後、アタッシュケースを開けるビアージ。

中には、左側に押し下げるようなレバーがあり、右側に3枚のメモリデバイスを差し込むスロット、中央にガンメタのフレームに囲われたフレームに、液晶ビジョンが備え付けられた「ドライバー」が下段に格納されており、上段に3人の仮面ライダー:"仮面ライダーファイズ"、"仮面ライダーカブト"、"仮面ライダードライブ"の頭部造形が施されたメモリーデバイスが、セットされてあった...

 

一方その頃、特撮喫茶「サイクロン」...

 

店内は落ち着いている。静けさとは裏腹に、ではないが、今日も今日とで、特撮ヲタ共が溜まりに溜まっているようだ。

 

お昼時だろうか、店内は落ち着いた雰囲気だ。

 

「おやっさん、何か落ち着いてますよねー.....『一部のシマ』を除いては....ね」

 

と、厨房奥で、片付けをしている"おやっさん"に声を掛けるタケシ。呆れて困り果てたジェスチャーを取った。

連日連夜問い詰めても一向に動いてくれない"おやっさん"だし、次こそは首根っこ掴んででも、小一時間問い詰めても良いよね、同意は求めないけどな、と迫るくらいだが、どうも有耶無耶に、且つ上手く丸め込まれる事が多い。

 

まったく、イツになったら重い腰上げる事やら、とタメ息をつきながら、業務用食洗機に食器をセットするタケシ。そんな最中、備え付けのテレビから、雑音にも似た報道バラエティー番組が流れているが、今日は何か違うようだ。

 

『何やら速報が、入ったよう、ですね?映像は、風守市の旋毛芽(つむじめ)中央区近辺、でしょうかね?現場の宮杜さん?』

男性MCが、ワイプ越しに映る女性リポーター∶宮杜を呼んだ。

 

『はい、こちら現場の宮杜です。いま、私の後ろに規制線が張られています。この奥には、地域住民から、いわゆる「風穴」と呼ばれる地下歓楽街への入口があります。その「風穴」の中に、指名手配の屋久容疑者が潜伏している、との通報があり、風守署の特殊部隊が突入しようとしています』

 

同時に、画面下のテロップに、こう表示された。

 

『LIVE∶速報 屋久容疑者(45)風穴潜伏か?特殊部隊まもなく突入』

 

3人の常連客が、テレビを観ながらボヤきはじめた。

 

 

「20年前の事件の犯人でしょ?まだ捕まってなかったの?」

 

「あの近辺、シャッター商店街なのかスラムなのか分からないくらい、薄暗くて物騒な所だよねー」

 

「相棒が捕まって、もう5年以上経ってるんだってさ。時効差し迫っていて、わざわざ何であの場所へ逃げ込んだんだろうね...」

 

テレビを観ながら与太話をする常連客に目もくれず、タケシが注文の品を配る。

 

「お待たせしましたー。名物ライダーサンドコンボと梅花風味パスタ、ジンバーレモモパルフェセットになりますー。ご注文の品は以上ですかー?どーぞごゆっくりー」

 

そつ無くなのか、それともガサツなのか分からぬ表情で、常連客のテーブルに注文の品を置く。

 

「タケシっちぃ、いつもありがとね。ウチの職場でも、この話題で持ち切りなの」

 

「流石ジョー姐さん。みる目が違いますねー」

 

ジョー姐さん、なる女性OLに声をかけるタケシ。「仮面ライダーBLACK RX」に登場するキャラクター「霞のジョー」を推している、ゴシップ好きな特撮女子だ。表向きは、かなり有名な企業に務めているOLだ。梅花風味パスタを食べながら、タケシに話しかける。

 

「いつも良く頼むけど美味しいよねー。タケシっちも気をつけなよー?"イヤでも訳アリが集まる街"と云う負の側面があるからねえ...」

 

「パスタもぐもぐしながら言える事じゃないでしょソレは。それに、ここ最近物騒な事が、結構続いてません?空き地で雨降ってないのにカミナリ落ちたとか、磁場の乱れがあったとか、ロクな事ばっかですよ~。それと..."20年前の事件"って、何すか?」

 

ジョー姐さんに尋ねるタケシ。フォークを止めて、タケシに話す。

 

「タケシっち知らないのー?余りテレビ観ないからわかんないかぁ。確か....」

 

ジョー姐さんが云うには、こんな感じであった。

 

―20年前、風守市になる前∶かつて「鈍振町(にびふるまち)」と呼ばれたのどかな町で、大地主だった町長夫妻を、見ず知らずの男2人が徒党を組んで襲撃、亡き者にした殺人事件が発生した。加害者は逃走、広域指名手配となった。俗に云う

「鈍振町長夫妻殺人事件」または「鈍振の怪」として、都市伝説になるくらいの事件があった。未解決事件になるかと思いきや、事件発生から15年経過した頃、共犯者と自称する男∶芦生充(あしな みつる)が自首しその場で緊急逮捕され、刑務所に留置。未だ主犯格の男∶屋久正志(やびさ まさし)は逃走中―である。

 

都市伝説とか、ゴシップものが大好物な彼女らしく、職場のお局連中から聴いてきたとか、色々難癖つけて教えてくれる。

タケシにとって彼女は、姐御でもあり情報屋みたいな感じである。あと数人いるが、それは追々語るとしよう。

 

時同じく、"風穴"では....

 

「ぐわァァッ!」

 

何者かに襲撃され、倒れていく特殊部隊の隊員たち。その視線の奥には、腰にクモの意匠が施されたベルト∶デプレライザーを巻いた中年男性、もとい、指名手配犯の屋久が暴れている。

 

「芦生の野郎ォォ、先にゲロ吐きやがって...ブチのめしてやらぁぁ!」

 

と騒ぎ立てながら、両手から糸状のナニかを放出した。特殊部隊が発砲した銃弾を糸ノコで切ったかのようにパラパラ切り刻まれ、何度発砲しても切り刻まれる。地面に落ちるはスパンと切られた銃弾のみ。屋久が、どりゃあ!と叫びながら再度両手から糸状のナニかを放出すると、特殊部隊数名を壁に縫い付けた。逃れる術もなくもがき続ける隊員たち。

 

「捕まってたまるかよ!ここで大人しく寝てろや!」

 

と屋久が左手をかざすと、糸状のナニかが、手の甲に集まり、カギヅメ状に変化し、引き裂こうとしたその時....

 

スバキューンと、屋久の背後に銃弾が炸裂する音が響いた。

後ろを振り向くとそこには、左腕に、2つの銃口が付いたガントレットを装備した長身の男女2人が近付いてきた。

 

「ここは危険だ。キミたちが持ってる兵装では、この人間には一切効かない。助かりたければ、退避する事をオススメするよ」

 

長身の男性の忠告にも似たアドバイスを聞き、1人の隊員が言った。

 

「何を言っているのか分からないが、一般人を巻き込むワケには出来ない。我々に任せて避難し、ぐべえぇあ!?」

 

彼のみぞおちに、ガントレットを付けた女性にイイモノをもらって地に伏せる隊員。

 

「ディナス!あの男の人、"深度A段階"よ!しかもまだ初期の...」

 

ビアージがディナスに状況を伝える。

 

「"A段階"か...デプレライザーを剥がすなら今のうちだ。あの男性、神経毒に侵されてはいるが、まだ軽い症状だ。出力抑えめで制圧してくれ」

 

「言われなくても、そのつもりだからね!」

 

と返しつつ、左腕に装備したガントレット∶ライズブレイカーの銃口を手首側にしまい込むと、「ナックルモード、セットアップ....」と、システム切替音声が鳴った。更に、2枚のメモリデバイスもとい、ライドメモリーを取り出した。それを見てディナスが、ビアージを制止するかのように焦り出した。

 

「ちょちょちょちょっとビアージ?いきなりこの組み合わせキツくないか?」

 

ディナスを振り払い、ライドメモリー2枚をセットし、ライズブレイカーの腕側のトリガーを引き、チャージしながら敵に躍りかかるビアージ。

 

「やってみなくちゃ、わかんないでしょー!!」

 

〈仮面ライダーストロンガー!〉

 

〈オーズ ムカチリコンボ!〉

 

『エクストラ!チャージ!』

 

システム音声と一緒に、ディスプレイには、

"MASKED RIDER STRONGER"

"KAMEN RIDER OOO MukaChi-Ri COMBO"

"EXTRA" "CHARGE"

 

と表示された。

 

だりゃああッ!と叫びながら左拳を突き出しつつ拳に紫色の稲妻のオーラをまといながら、拳側のスイッチを押した。

「ビートブレイク!」のシステム音声が鳴り、オーラを纏った中段突きが、屋久の土手っ腹にヒットした。

ぷごおぉあっ、と言いながら仰け反りつつ、5m位は吹き飛んだ。吹き飛んだ先のシャッター街に当たり、ガシャンと音を立てて倒れた。

 

「やってくれんじゃねえかよこのアマが。芦生シバき上げる前に...オメーらから先シバいたるわァァッ!!」

 

と屋久が叫びながら、腰に巻かれたベルト∶デプレライザーを操作した。ライザー右側に飛び出ていたデッキ上のボックス「ライズエクスチェンバー」に、生成された「タイガーオルタライドメモリー」をセットした。

と同時に、屋久の正面に、

〈TIGER〉

〈SPIDER〉

〈DEPRE-RISE〉

のディスプレイ表示が浮き出て、更にドスの聞いたガジャガジャ声で、

〈タイガぁぁ...〉

〈スパイダぁぁ...〉

〈デプレライズ!!〉

のシステム音声が鳴り響き、心臓の鼓動に似たようなリズムと一緒に、ぐおん、ぐおん、と待機音声が鳴った。タイガーオルタライドメモリーと、クモを模したバックルの目が、黄色く妖しく点滅している。

 

「ビアージ気を付けろ!アイツは既に"B段階"に入ってるよ。ナニしちゃってんの?」

 

と、慌てるディナス。このケース初めてだよ、とまで言わんばかりに落ち着きを失っている。

 

「び、"B段階"!?ソレ、先に言ってよねー。ヤバい状況になってんじゃないのー?」

 

慌てるディナスとは逆に、全然聞いてないし、とまで言わんばかりの表情で突っ込みを入れるビアージ。

慌てふためく未来人2人の存在に目もくれず、屋久がふんッ!と言いながら、ライザー両側のスイッチ「イグニッションチェンジャー」を挟み込むように押した。

 

「へん、しん...」と、ドスの聞いたシステム音声が鳴り、屋久の周囲に、クモと虎のオーラがまとわりつき、熱気をまといながら体中にアーマーが装着、具現化されていく。

 

「仮面ライダー(旧1号)」に出てきた「怪奇くも男」に、「仮面ライダークウガ」のクモ種怪人「ズ•グムン•バ」、「仮面ライダー龍騎」のクモ型ミラーモンスター「ディスパイダー リ・ボーン」、「仮面ライダー響鬼」に出てきた魔化魍•「屋久島のツチグモ」の意匠を上手くサイバーチックにMIXした怪人•「ツチグモデプレター」が誕生した。

〈ツチグモデプレター....〉のシステム音声の後、全身から余剰エネルギーが、ガスのように吹き出された。

 

「何だ、この全身から湧き出るチカラは...これでなら何もかも、ぶち壊せ、そうだッッッ!!」

 

突然の変化に驚く屋久もとい、ツチグモデプレター。

すぐに状況を理解出来たか否か、両腕から鋼の糸を周囲に散らし、シャッターとガレキを切り刻み、ビアージや特殊部隊らに投げ飛ばす。

 

「逃さないんだから!」

 

すぐさまビアージは、ライズブレイカーの銃口を前に向け、「ブレイカーモード、セットアップ...」のシステム音声が鳴り、モード変形した。そのままの勢いで拳側のスイッチを長押し、「ブラストショット」の音声と共に、ガレキすら吹き飛ばす強力な一撃を放った。

 

放ったと同時に、小規模ではあるが、粉塵爆発が起こったが...

 

取り逃がしてしまったようだ。

 

「逃げられたか。多分芦生、とか云う男がいる場所へ向かったようだね。ビアージ、追うかい?」

 

「当然でしょ!手遅れになる前にね。行きましょ」

 

とディナスに喝を入れるビアージ。2人は風穴を後にした。

 

 

―同時刻•かつてボーリング場で栄えたビルの中では、異様な身なりをした男女が3人たむろしている。レーンの上には板が敷いてあり、配線剥き出しの天井の異様さが、廃墟らしさを出している。

 

首に鎖をネックレス状にかけ、紺色のタンクトップに濃い紫色のジーンズ•紺色のレスラーシューズを履いた、ガチムチ系の男が、何も映らぬディスプレイに片足を掛けながらふんぞり返っている。

 

「おいおい、ソーワンのジジィに遣らせていいのかよ、タルージュ?"こっちの次元"についてからおめぇ、開口一番に"先達は、我に任せおかれよ。貴殿等に片手間取らし得る事、罷りならん。一時(いっとき)此処にて待たれよ"だってよ。ドコにそんな余裕ぶっこくアタマがあるのか、聞きてえ位だよ。肝心カナメの雑兵忘れやがってよ...」

 

「相変わらずの物言いじゃない、ガンチュア。"あの時"取り逃がしたのは、一体全体ダレのせいなの?それに、"あの御方"が来られる前に、少しは"下ごしらえ"したほうが、後々ウチラがラクになるんじゃない?」

 

と、秘書型ヒューマギア•アズの空似かと思われるような、山吹色のインナーが入った茶色のロングヘアに、モノクロのゴスロリファッションを纏った女幹部•タルージュが、ガンチュアなる男に問い掛けた。

 

「"ウチラがラクになるんじゃない?"つって、ナンも変わってなくね?あンのジジィの独断先行で行きやがって、なーんもありませんでしたチャンチャン、な感じで肩透かしでもくらったら」

 

「そこまでにしておけ貴様等。我らが君主の御前なるぞ!」

 

西洋貴族の身なりをした男性幹部が、タルージュとガンチュアを諌め、黙らせた。

 

「も、申し訳ございません殿下!」と、タルージュ。

 

「殿下、ソーワンのジジィを先行させて、正解だったんですかねー?」と、声を震わせながらガンチュアが"殿下"と称する男に尋ねる。

 

「余の見立てに狂いは無い。ソーワン•ポウならば任せられると思い立ち、余が直々に命を下したまで。貴様らのような腑抜けに下す暇なぞ微塵も無い。"我々の次元"からもたらした「ファルコレポート」は、我らが手中にある。"コノ次元"すなわち...『仮面ライダーが存在する世界』に、我らが裏切り者、ディナス•ファルコと反乱分子の一翼、ビアージ•リンがいる事は既に明白!戦力もままならぬ状況だ。ソーワンの帰還と報告如何を以て、"コノ世界を喰らう"事とする。それまで待機せよ!」

 

「御意ッッ!」

 

タルージュとガンチュアらが頭を下げ、貴族風の男性幹部を見送った。その男性幹部の左手には、バッタを模したバックルが装填されたデプレライザーとライズブレイカーが融合した謎のドライバーを持っていた....

 

―「風穴」での騒乱発生から2時間経過した、市内中央にある商店街「風守ウインドモール」。人の往来が最も激しく、活気が溢れる駅前から街の中央にどんと聳え立つ丘「虹橋山」と「風守神社」へと続く4kmの長さを誇るマンモス商店街だ。

深夜ゆえ、人通りがかなり静かだ。

酔っぱらいながら、帰宅途上のサラリーマンが千鳥足で歩いている。当然ネクタイをハチマキにして、おみや一包みぶら下げながら、酔っぱらいあるあるの体たらくでふらついているではないか。

 

「ったくァんだよクソシャチョよー。案件とってこいつっておめ、あだま゙ごな゙しに....」

 

と、酒が回りすぎている為、何かの呪文を詠唱しているかのように、商店街中に聴こえるかのように騒ぎ散らかしている。

 

片や、出前配達「QuBarEaten(クーバーイートン)」の配達員が、自転車を押しながら歩いていたり、仕事終わりのスナックのスタッフ、ホストらが繰り出そうとするその時、静寂が喧騒に変わり始めた。

 

「お、おいなにすんだてめ...ひ、ひいいいッッッ!!」

 

酔っぱらいの目の前に、両腕にクモ型のガントレットを装備し、腰にベルトを付けた中年男性が現れた。現れるや否や、おみやを一刀両断しよろめかせ、酔っぱらいが腰を抜かして地べたにダウン、酔いが醒めたかどうか分からないが、後ずさりしながら逃げ始めた。

その光景を観た人たちは、慌てて逃げ出した。

 

中年男性もとい屋久は、ヤケを起こすかのように騒ぎちらかした。

 

「芦生ァァァッ、かくれてねえで出てこいクソボケがァァァッ!」

 

と言いつつ、ガントレットから、糸状の暗器:鋼刃糸(こうじんし)カンダタを両手に展開、振り回すかのように周辺を破壊し始めた。店の看板やゴミ箱、引いては停めてある軽トラックも、スパンとサイコロステーキ並みに切り刻まれていった。

逃げ惑う人たちと、当たり散らかすかのように暴れ回る屋久。両腕からクモ型のガントレットが現出し、彼の両手から糸状の暗器が出現した。

 

「へえ...コイツぁ使えんなぁ...シャッターだろーが何だろーが、ペラ紙みてえにサクサク切れんじゃねえの?」

 

変貌した両腕を見つめながら、ぐへへへ、と狂気じみた笑みを浮かべながら、なりふり構わず暗器を振り回し始めた。悲鳴を上げながらも逃げたり、スマホで状況を撮影する向こう見ずのヤカラが出たりなど、乱痴気騒ぎ並みに騒ぎがデカくなろうとしたその時...

 

「逃さないわよ!今度こそ大人しくしなさい!」

 

逃げる惑う人波をかき分けながら、ビアージとディナスが詰め寄る。

 

「さあて、大人しくして貰おうかなっと!」

 

と言いながら、ショットモードにしたライズブレイカーで銃撃。屋久が弾き返しながらかわす。どうやら通じないようだ。

 

「ショットモードでは効かない、のか?やはり"アノ武器"が出来ていればなあ....」

 

とボヤくディナス。タメ息をついてビアージが突っ込む。

 

「秘策があるなら早く言いなさいよ!コレじゃあウチラが不利じゃん!追い詰められてんだけど?」

 

と言いながらも、屋久がうらぁっ、と右ストレートを繰り出すとフッ、と横転しながら回避し、ガラ空きになったわき腹に左エルボーを打ち込むビアージ。ごわあぁっ、と声を上げながら仰け反る屋久。ディナスが一気に畳み掛ける。

 

「一気にトドメと行こうかな!」

 

とブレイカーモードに切り替え、トドメの一撃をキメようとした次の瞬間!

 

隠者風のローブをかぶった謎の老人が、屋久の前に立ち塞がり、彼を守るかのような仕草を見せた。

 

「おめえは、あの時のジジィ!?」

 

驚く屋久。驚くのはそれだけではなかった。

 

「漸く追い詰めたぞ....我等が魔手、上手く交わし、逃避行せしめたる事、敵ながら見事。次はこの手、如何様に交わしてくれようか?」

 

と言いながらローブを翻しながら脱ぎ捨てた。

 

そこには、拳法の達人のような出で立ちをした身軽で、狂気を内包したような落ち着いた物腰をした老人が姿を現した。

 

「やはり追いかけて来たのか...ソーワン•ポウ!アイツらの...「歴史喰い"ヒストリーター"」の軍門に降っていたのか?」

 

ディナスが身構えながら、ソーワンに向かって問いかける。

ソーワンなる老拳士が返答した。

 

「如何にも...裏切り者の貴様を排除せよ、との我等が頭目の指示がまま命ずる迄の事。返す言葉なぞ既に能わず。我が手に掛かりて、往ぬるが良い!」

 

と言いながら、袖からバックルが付いてないデプレライザーと似たようなドライバーと、ライズブレイカーと酷似したギアを取り出し、合体させて腰にかざした。

 

〈アップグレード!コルゾアドライバー!!〉

 

「ショッカーの骨戦闘員」のバックルに似たような形状で、且つスロットが3発搭載されている専用ベルト•「コルゾアドライバー」が形成された。

 

「"コルゾアドライバー"だと!?まさかヤツラめ...」

 

焦るディナス。彼を尻目にソーワンが淡々と語りながら煽り続ける。

 

「"忘れ物"をしたようだな、ディナス•ファルコよ。貴様がもたらした「ファルコレポート」より、頭目より我に相応しき力を与え給うた。その力の片鱗、とくと見るが良い!」

 

と言いながら、更に袖から3枚のライドメモリーを取り出し、コルゾアドライバーにセットした。

 

〈レンゲル!〉

〈キルバス!〉

〈デモンズ!〉

〈エクステンド!コルゾアライズ!!〉

 

ソーワンを取り囲むかのように、

"MASKED RIDER RENGEL"

"KAMEN RIDER KILBAS"

"KAMEN RIDER DEMONS"

と、3人分のライダークレストとエフェクトが現れた後、溶け合うかのように混ざり合い、"CORSOR-RISE"の表示が現れた。

コルゾアドライバーから、デプレライザーと同じ鼓動音に、古時計の時報を告げる重い音をMIXしたような待機音声が鳴り響く。ソーワンが伸びた白髭を整えるような仕草を取った後、左側のグリップ状のトリガーを引き、下に押し下げてから...

 

「変鬼鎧装...."改変"!!」

 

と呟いた。

 

〈Modifcaciòn!(モディフィカシオン!)〉

 

〈¡Ármate con el poder de las arañas! (蜘蛛の力、武装せよ!)〉

 

〈タランチュラコルゾアー!!〉

 

ドライバーから音声が流れ、ソーワンの周囲に蜘蛛のヴィジュアルがまとわり付き、装甲を形成し装着。両腕には、クモの足を想起するような多目的兵装が袖のように折りたたまれており、両肩にはキルバス•レンゲルの肩アーマーをMIXしたようなアーマーをまとい、胸部装甲はタランチュラの正面を模したような造形が施されたアーマーが現れ、背部は中国の京劇のような意匠のクモ足状のサブレッグが4本展開、頭部はキルバスとレンゲルのメットと、サイドにデモンズの頭部と酷似した意匠が上手く溶け合ったヘッドギアが装着。紫色に光るファインダーが妖しさを演出する。

 

"改変"完了したソーワンもとい、タランチュラコルゾアーが屋久に加勢する。

 

「お主唯一人(いちにん)では、かの戦況覆す事正に不利。微力ながら助成致さん」

 

と言いながら、屋久に新たなオルタライドメモリーと、ライズブレイカーに酷似したデバイス•ヴィランブレイカーを託した。

そのメモリーは、石灰色ベースに、のっぺらぼうのようなバイザーに、アンテナのような2本角を生やした鬼の顔をしていた。

 

「此れを使い、彼奴らを撒くが良い...」

 

言われるがままに、ヴィランブレイカーを左腕に装備。渡されたライドメモリーを左スロットにセットした。

 

〈セットアップ!〉と云う認証音声の後、サイバーチックな待機音声が流れはじめた。突然音声が鳴った事で、戸惑う屋久。

 

「おい、次どーすりゃいいんだよ?」

 

と慌てながらソーワンに問う。

 

「其の拳、前に突き出しては、横のトリガー、押してみよ。さすれば力、顕現せん...」

 

「はあ?意味分かんねえよ。要は...こうすりゃいいんだな!」

 

と不満げな表情を浮かべながら、側面のトリガースイッチを押しながら、左腕を前に突き出した。

 

〈サモンライズ!セログール!〉

 

突き出したと同時に、屋久とソーワンを取り囲むかのように、灰色の光と共に、戦闘員が多数現出した。

 

石灰色をベースとした素体に、バックルのないデプレライザーを腰に身につけ、四肢に必要最低限のアーマーをまとった胴体に、ライドメモリーに刻まれた造型と同じ頭部をした戦闘員―「仮面ライダークウガの世界」の戦闘民族•グロンギのミジンコ種怪人"べ•ミジン•バ"とショッカーの骨戦闘員をミックスした姿の「歴史喰い」で運用されてる人工生命体(ホムンクルス)の戦闘員:「セログール」―が5体現れた。

 

「セログール!?まさか、『この世界』にまでついてきたの?」

 

「"ついてきた"とな、異なる事...蹂躙せよ!チカラ与えし者よ、かの雑兵と共に彼奴らを討滅せん...」

 

「手伝ってくれんのか、ジイさん?まあいいぜ。ヘバッて地面のた打ち回るなよ?」

 

セログール•ソーワン•屋久の7人で、ビアージとディナスの2人に攻撃を仕掛ける。圧倒的不利な状況に追い込まれた2人。

 

「こんな所で、ヤラれる訳には!!」

 

ビアージが身構え、ディナスが銃撃体制を取ろうとしたその時...

 

「ぐべあァァッ!?」

 

と、呻き声を上げながら、1体のセログールが、「乗り物の攻撃」を横から喰らい、ゴミ集積所まで吹き飛ばされて行く様子を目撃した。その光景に目をやる一同。1人の青年がキキーッと、ブレーキを効かせながら自転車でドリフトし、その場で自転車を停め、ビアージらに目線をやりつつ、屋久らに向かって啖呵を切りつつ言い放った。

 

「こんな夜中にナニやってんの?騒々しい事は、他所でやってくれる?」

 

―青年もとい、タケシがカッコよく?乱入する数刻前まで遡る...

 

"おやっさん"に頼まれた買い出しを済ませ、帰宅の途に付くタケシ。何やら浮かない表情をしているようだ。

 

「「これで食材全て揃ったぞー、サンキュなータケシ。後はダンベル持ってきてくれるー?」だってさ...おやっさんナニ考えてんだか。呆れて反論する気すら失せてきたし...」

 

はぁー、とタメ息を付いた後、自転車に跨り、漕ぎ始めた。

次こそは首根っこ掴んで、おやっさんを小一時間問い詰めてやろうか、と頭の隅っこで思い始めている頃だろう。

しばらくして、「風守ウインドモール」に差し掛かってきた。タケシの家は、商店街を突っ切った先、虹橋山の中腹にある豪邸だ。

あともう少しで着く、と思っていた矢先に、数日前に見かけた未来人一行が、謎の戦闘員と怪人•更には上級幹部の怪人態と思しき敵の一団に襲われている光景に遭遇した。

遠目で見てもこの状況はイヤでも分かる。自室で良く観た「仮面ライダー」モノで、良くある光景とダブって見えてきた。タケシの頭の中で、こう妄想した。

 

(この光景、アレだよね?「悪の秘密組織の戦闘員に負われている」みたいだよねー?「仮面ライダー」第1話「怪奇くも男」的な展開?これは助けに行かないと!)

 

思い立ったがどうか分からないが、気付けば漕ぐスピードが上がり、敵戦闘員と思しきホムンクルスに向かって、自転車で特攻を仕掛けた。

(ちなみに、現実ではくれぐれもマネしないように!Please DON'T TRY!!)

そして、敵の一団に向かって啖呵を切る―に至る。

 

「おいおいおいおい、チャリンコ1台で特攻なんざ、スタントマンかてめーは?この糸で切り刻まれてえのか、あ゙あ゙ん?」

 

と、屋久が右手から暗器を精製し、地面を鞭で叩くかのような仕草をしてチラつかせる。屋久の挑発に物怖じせず、更に啖呵を切るタケシ。

 

「ヤろう、っての?言っとくけど俺、手加減分かんないから」

 

と言いながら、右手を軽くブラブラさせた後、ファイティングポーズを取り始めた。

屋久が反応し、臨戦態勢を取る。

 

「やったろうじゃねえか!なきベソかいても知らねえぞ?」

 

と言いながらタケシに向かって襲いかかろうとした瞬間!

 

「おいジジイ、何の、マネだ?」

 

と言いながら、屋久がその場で悶絶し始めた。

 

「神経毒が効き始めた、ようかしら?まったくもー、どこぶらついてたの、ソーワンじいちゃん?」

 

ソーワンを後ろから、ヒールをカツカツ響かせながら、タルージュが様子を観にきた。彼女の様子を観るや、コルゾアーの変身を解除、老拳士の姿へと戻ったソーワン。更にガンチュアも姿を現した。

 

「心配して様子を見にきたかと思ったら...裏切り者みーっけ♪」

 

と、ディナスらを指さすタルージュ。

 

「何ゆえ加勢しに参ったのだ、タルージュにガンチュアよ。"一時待たれよ"と、伝えた筈ぞ。なぜに聞かなかったのだ?」

 

とソーワンがたずねると、ガンチュアが言った。

 

「"殿下"が様子見てこい、だってよ。それによお、いきなり"この次元"の人間にいきなりデプレライザー渡すのかよ?まだ"温まって"ねえぜ?いきなり飛ばしてどーすんだよ?」

 

「異な事を...全ては「我らが頭目」来臨が為の足固め。地盤、固めずしてナニを拵えると申すか?"終極の体"間もなく迎えようとするが...」

 

「"殿下"がおめーに用があるんだってよ!待たせ過ぎたらどうなるか、分かってんだろーなァ?」

 

少し目を瞑り、気持ちを落ち着かせた後、ソーワンがゆっくり話し始めた。

 

「"殿下"...グライズル卿の命なれば...か。よかろう。為れば、馳せ参じなければなるまいな。小童共よ、此度の勝負、痛み分けと相致そう。次逢う時は其の命、貰い受けに参ろう!」

 

ガンチュアが、ヴィランブレイカーで煙幕を展開し、撤退を開始した。尚も屋久は悶絶を続行している。

 

「取り逃がした、のか?とりあえず、あの2人を何とかしないと!」

 

タケシがボヤくと、未来人一行を気に掛け、絞り出すように話しかけた。

 

「ねえ、2人共大丈夫?あの調子だと...また襲ってくるからさぁ...ととと、とりあえず...ウチに来なよ...」

 

―乱痴気騒ぎから約1時間後....

 

未来人一行は、1人の青年の家に着いた。ひときわデカい豪邸である。

 

「ここ、俺の家だから...」

 

と言いつつ、自転車を豪邸の真下にあるガレージと思われる場所に停めた。

 

「スゴい豪邸だね、ディナス」

 

ビアージが、豪邸を見ながら驚いていた。そんな彼女が驚愕している様子を尻目に、テンキーを操作して解錠した。

 

「入りなよ」

 

迎え入れるように、ガレージの中へと入る一同。

シャッターが降り、ガコン、と云う駆動音が鳴り響いた。

 

「エレベーター、なのか?カタパルトでもあるのか、この豪邸には?」

 

ディナスが、青年に問いかける。

 

「良く周りのヤカラから言われるんだけど、あんまり気にしなくていいよ」

 

その青年曰く、周りは豪邸が立ち並ぶ住宅街。ゆえに空き巣被害が多いから、防犯対策の為に、隠し扉内臓のガレージを作った、らしい。

 

自室と思しき部屋へと通される一行。そこには、仮面ライダーグッズが所狭しとディスプレイされている。ディナスとビアージが、陳列されているそれらを眺めて思った。

 

『ちゃんと存在している。仮面ライダーと云う"歴史"が、しっかり残っている、"喰われていない"』と言う事に...

 

「仮面ライダーグッズを食い入るように見て、どうしたの?あんたら、俺と同じライダーヲタなの?」

 

取り乱すかのように焦る2人。ビアージが慌てて言った。

 

「な、何でもないよー?と、とにかく、スゴいコレクションだなーって。仮面ライダー、そんなに好きなのかなー、って」

 

「スゴいも何のって...そりゃあ仮面ライダーは、好きだよ。だって、カラダ1つで、悪に立ち向かう正義の使者だからね...」

 

と、延長ベルト帯を付けたDXドライブドライバーとシフトスピードを付けたシフトブレスを操作して、"仮面ライダードライブ"の変身ポーズをサッと決めた。

〈DRIVE. TYPE:SPEED!〉と、音声が鳴り、部屋中にモーター音がジーッと響いた。

 

「仮面ライダー...正義の使者、か。この世界は羨ましいよ...」

 

ライダーグッズを眺めながら、黄昏れるディナスに対し、ビアージが、ツッコミをすかさず入れる。

 

「ナニ黄昏れちゃってんの、ココで?ウチラの立場わかってんの?そんでもって助けてもらったんでしょ、ソコにいるカレに。ヲタみたいな行動とらないの!」

 

「あー、すまない。さっきは助けてくれて感謝する。名前まだ聞いてなかったね」

 

やっと、お互いに名乗りあった。

 

「そうだった。名乗るの忘れてたね。俺は刻昴タケシ。ワケアリのフリーターさ」

 

「ボクはディナス•ファルコ。こう見えて、実は科学者やってるんだ、よろしくね」

 

「アタシはビアージ•リン。さっき襲ってきた「歴史喰い(ヒストリーター)」に対抗するレジスタンスの戦士よ。アタシ達は、別次元から、そうね...「仮面ライダーの歴史が廃れつつある世界」から逃げ延びて「この世界」にやってきたの」

 

と、飾ってある仮面ライダーグッズから、ゼクトマイザーを手に取り、展開しながら眺めるビアージと、タブレット端末を取り出し、操作し始めるディナス。くつろいでいるかのように見える未来人一行をみながら、タケシが言った。

 

「へ?"別の世界"から来た?何かワケ分かんないんですけど?」

 

タケシの頭の中に、ハテナマークが浮かび上がってきた。

浮かんで至極当然だ。彼の目の前にいるのは、「別の次元から来た人間」であり、未来人ではない事は、まず理解しただろう。その後だ。「レジスタンス」だの、「仮面ライダーの歴史が廃れつつある世界」だの、言ってる意味が分からなくなってくるような事を言ってきた。

困惑するタケシを横目に、ディナスがタブレットを起動。大事そうに抱えてたジュラルミンケースを取り出し、ケースを開いた。

 

「すご。目の前にキーボードが出てきた!これも、"別次元"のテクノロジーかい、ディナス?」

 

と、タケシが質問する。

ディナスが返答した。

 

「そうだよ。キミの世界で云う「VR」を更に視えるように進化させたテクノロジー、かな?そうそう、あともう少しで最終調整に入るんだけどねー。それぞれのバランスを何とかしないとねー」

 

タケシは、ディナスが調整しているであろう「ドライバー」と思しきデバイスを見つめながら、話しかけた。

 

「ふーん、"メモリアルドライバー"か。それに、"ライドメモリー"って何?」

 

ビアージが答えた。

 

「歴史喰い(ヒストリーター)に対抗する為に、ディナスが作った最高の切り札よ。ライドメモリーは、仮面ライダーのデータが保存、格納されているメモリーデバイスで、アタシ達の世界で作られたの。メモリの力を上手く引き出す為の専用デバイスがもう1つあるんだけど、まだ使えない、のかな?それはそうともディナス、まだ調整続いてんの?」

 

とビアージが横槍を入れる。

 

「横槍を入れないで欲しいよ、ビアージぃ。あともうちょい何だよねー。素体情報と置換のバランスをイイ感じにすればなんだけど、何かが足りないんだよねー。何かこう、ねぇー?」

 

タブレットの画面には、メモリアルドライバーと3本のライドメモリー、更には赤い仮面ライダーのビジョンが映し出されていた。

 

タケシは、調整作業をしているディナスを眺めながら、思案した。

 

(別次元から来た、とか言ってたよねー?ん?"別次元"?それって"マルチバース"だよね、それって。父さんが良く話してたアレが現実味を帯びて来たんじゃないのかな?"マルチバース存在説"かぁ......散々叩かれたんだっけ?)

 

「あ、おフロ使ってもいいよ。部屋出てすぐ突き当たりにあるから。アメニティある程度揃ってるから。俺はちょっと瞑想してくるわー」

 

タケシがそそくさと部屋を出て行き、瞑想しに下へ降りていった。

 

「ありがとうタケシ...って、すぐいなくなっちゃうしー。ディナス、先に風呂入ってくるね」

 

ビアージがバスルームへと向かう中、ディナスは作業を続けていた。

 

 

 

―翌朝、特撮喫茶「サイクロン」

 

1人の中年男性が来店し、カウンター席に座った。痩せ型で少し落ち着いた色合いの服装と身なりをして、黒い帽子を深めに被っている。

 

「兄ちゃん、ライダーサンドコンボにハーフボイルドブラックをアイスで頼むよ」

 

「少々お待ちくださーい」

 

と、客の注文にしれっと応対し、そつなく正確に提供するタケシ。

 

「兄ちゃん、手際が良いねー」

 

と、タケシを褒めるかのようなボヤキをこぼしながら、中年男性は、アイスコーヒーを飲む。飲み終えた後、タメ息をついたあと、タケシに話した。

 

「夜中に、何か商店街で、ひと騒ぎあったとか、なかったとか、チラっと聞いたんだけど、ホントかね?」

 

「そ、そうみたい、ですよねー」

 

「やっぱアイツか..."変わってない"んだなぁ...20年たっても相変わらずか...」

 

タケシが思い出したかのように、中年男性に問いかけた。

 

「20年って....まさかアナタが、芦生充さん、ですよね?」

 

カウンター席の中年男性が頷き、答えた。

 

「そうとも兄ちゃん。"芦生充"だよ。今は清掃員をやっていてな...半年前まで服役していたんだが...まさか屋久が、この街に帰って来たとはね」

 

芦生は、タケシの目を見つめながら訴えた。

 

「兄ちゃん、頼む。屋久を止めてやってくれないか。もうすぐ時効を迎えるこのタイミングだから、若い兄ちゃんに...お願いしたいんだ」

 

また厄介事かよ、と思いながらも、タケシは芦生の頼み事にも似た愚痴を聞いた。客の愚痴を聞くのも、朝飯前らしい。

 

「いいんですか、こんなワケアリ喫茶の店員に任せても。それに、かつてのアナタの相棒、多分間違いなく真っ先に来るでしょうね。止められる自信、あります?」

 

「止められる自信、ねえ....自信ないよ。アイツ頑固過ぎるし、言っても歯止め効かない性分なんだよ、屋久は.....」

 

「どうしたんですか、芦生さん?」

 

思い出したか否か定かではないが、芦生がうつむき、無言になった。イヤな事を思い出したに違いない。

 

「何か、不都合な事言っちゃいました?」

 

「いいや、何でもない。ちょっと昔の事を思い出してな...」

 

ひと息ついて、芦生はコーヒーをゆっくり飲み、タケシは洗い物を始めた。

 

(芦生さん、何か引っ掛かるような表情してたな...あの2人何かありそうだ...)

 

芦生が店を出た。足取り重くゆっくり歩き去る後姿をタケシは見ていた。店を出て、トラム(路面電車)乗り場へと向かう。風守市内を走る市営トラム「風守ユグトラムライン」は、都会を走る環状列車並の過密ダイヤで、広い風守市において、なくてはならないインフラである。

 

「旋毛芽中央4丁目駅」からトラムに乗り、「ある場所」へと向かう。

 

―乗車してから1時間後...

 

『本日も、風守ユグトラムラインをご利用頂き、ありがとう御座いました。まもなく、鈍振(にびふる)団地。鈍振団地。終点です。』

 

"Thankyou for using for the Kazamori Ygg-tram line today. The next stop is Nibifuru-danchi Terminal. This is the last stop."

 

「鈍振団地」と書かれた看板を見て、物思いにふける芦生。トラムを降り、"ある場所"へと向かう。ターミナルから歩いて10分ぐらいだろうか?団地の集会所が入っている建物に着いた。その傍らにひっそりと花とお供え物が置いてある。かつて「鈍振町長夫妻邸宅」が建っていた。

開発に伴い、町長夫妻邸宅は取り壊され、鈍振団地集会所が建てられたらしい。既に都市伝説、風化して当然の事だ、と近隣住民らが想って至極当然。しかし、芦生タダ1人だけ忘れてはいなかった。屋久の暴走を止める事が出来なかった、と云う後悔の念が沸々と湧いていた。

もしアノ時止めていれば、と悔し涙を堪えていたその時...

 

「やっぱ戻ってたんじゃねーかよ芦生、思った通りだ」

 

待ち伏せしていたかのように、物陰から屋久が出てきた。

 

「知ってんだよ、芦生ァ?おめえがここに来て、花供えたりしてる事とかよぉ?」

 

「屋久、何で俺の忠告を聞かなかったんだよ?」

 

「うっせぇ!まだ善人ぶるつもりかァ?それでオメェ、アシ洗ったんだってェッ?"恩人"のオレを差し置いてかよ?イイご身分だなァ!」

 

「屋久、もうここで終わりにしよう!アンタのせいで濡れ衣着せられて、10年間棒に振るような想いで過ごしたんだよ!どんな想いをして過ごしてきた事か...素知らぬフリして逃げてばかりのアンタに分かるワケないだろうね!」

 

「芦生てめぇ、キレイゴトごちゃごちゃつらつら並べやがってェェ、その口が出ねぇよう、ガッツリ縫い付けてやるわァァッ!!」

 

屋久の怒りが頂点に達した時、デプレライザーが出現。右側の「ライザーエクスチェンバー」を右手で長押しするかのように押し付けた。

 

〈まっくす、どおおぷ...〉と云うシステム音声が鳴り、タイガーオルタライドメモリーを差し込み、ツチグモデプレターへと変身:デプレライズし、何の躊躇いもなく、鋼刃糸カンダタを振り回し、芦生に襲いかかる。異形の姿を見るや、芦生が逃げる。

 

「う、うわあぁぁぁ!!屋久、何をするんだ!?」

 

「俺の前から消えろ芦生ァァッ!行けセログール、アイツを捕らえろ!じわりじわりと追い詰めてやっからよォォォ!?」

 

セログール6体を呼び出し、彼目掛けて、強粘糸セアゴケ:武器状に変化したりする、捕縛メインで使用する糸型兵装―を飛ばしつつ、追い詰める。

必死に逃げる芦生。目の前にセログールが立ちふさがり、ぎゃひっ!と言いながら躓いたかのようにその場で転んでしまうも、後ずさりしながら逃げて行く。芦生目掛けて糸を4発放つ屋久もとい、ツチグモデプレター。

 

「おぉいおぉい、ツレナイ事してくれてんじゃねーのよ?お前ら、好きにやれ!」

 

上から目線で芦生を見下しつつ、セログールらに適当な指示を出しつつ、執拗に追い込む屋久。焦る芦生、もうこれまでかと諦めかけた次の瞬間!

 

〈 ビルド ホークガトリング!〉

〈電王 ガンフォーム!〉

〈デュアライズ!ライドコンボ!〉

〈ブレイクシューティング!!〉

 

ツチグモデプレターの背後に、ガトリングビームが数発多段ヒットした。あぐぅああァァッ!?と言いながら前にのけ反った。背後の奇襲に気付くセログール。振り返ると、ビアージとディナスがライズブレイカーを構えていた。そして、2人に意識が向いている後ろで、タケシが芦生を救い、物陰へと逃がした。

 

「芦生さん、大丈夫ですか?もしやと思って、後をつけてましたよ」

 

「兄ちゃん、悪いねぇ。やってくれると思ってたよ」

 

「芦生さんは、ここで待ってて下さい。目の前にいるヘンなヤカラは、退治しておきますから...」

 

と言い放ち、臨戦態勢を取る。

 

「たかがヒヨッコがおめおめと。やれ!完膚なきまでボコボコにしてやれぇい!」

 

屋久の指示で、セログールが襲いかかる。彼らの手には銃剣一体型の武器:「デリンジャーファング」(「仮面ライダーセイバー」に登場するメギドの戦闘員「シミー」が持つ武器「ロット」に酷似したイメージ)を振りかざして来た。

 

彼らをいなし、急旋回するように背後を取り、腹部目掛けて中段後ろ廻し蹴りをキメて1体沈め、銃撃をさらっと交わし、刺しにかかるかのような勢いで来た1体を右掌底で受けて左拳でみぞおちにフックを入れて制圧、フックで沈んだ1体から落としたデリンジャーファングを拾い、襲ってくる連中と渡り合う。

 

「戦闘慣れしてるようだね、タケシ...こっちもウカウカしてられないようだね」

 

「感心している場合?ウチラもやらないと、ぐああッ!」

 

ツチグモデプレターの見えない糸:鋼刃糸カンダタの斬撃に怯むビアージ。ディナスが打ち返すも弾かれ、セログールらが襲いかかる。

一方タケシは、苦戦していた。

 

「キリがないね。実戦って、こんなにキツいや...」

 

銃剣を振る勢いが鈍くなり、逆に追い込まれる防戦一方の体に。逆にセログールらの勢いが増す中、ディナスの援護射撃がヒット。セログール1体が倒れた。

 

「ディナスありがと、助かったよ」

 

するとディナスが、ジュラルミンケースを取り出した。

 

「タケシ、この状況で悪いが...コレを使ってくれ」

 

ケースを開けるディナス。メモリアルドライバーとライドメモリー3枚を取り出し、タケシに渡した。

 

「ねえディナス、まだ調整終わってないでしょ!いきなり実戦なんてアンタバカなの?」

 

「仕方ないんだよビアージ。イマこの窮地を脱するには...こうするしかないんだ...いいかい、タケシ。今からこのドライバーとライドメモリーをキミに預ける。さっきビアージが言っていたが、まだテストもしていない状態なんだ。それに、調整は99%済んでいるし、何が起こるかは、まだ分からない。ましてや、生身の人間で、ある程度の戦闘技術に秀でているキミになら、このシステム群をどう上手く使いこなせるかどうかは、まだわからないんだ。失敗したらすまない。"たかがイカれた素性の知らないマッドサイエンティストの、下らぬ遊びに突き合わされた"、と思ってもいい。とにかく、このドライバーを使って...君が語ってくれた仮面ライダーに、」

 

と何やら愚痴やらボヤキやら何かをこぼすディナスを振り切り、タケシが言い返した。

 

「何が何だかわかんないけど....."変身"するよ。それで?

"イカれた素性の知らないマッドサイエンティストの下らぬ遊び"?ナニそれ?

"試してもないのに無理難題を当てつける女レジスタンス"とか、それに、"時効成立寸前の事件の、無実を証明したヒトを逆恨みして始末しようとする張本人"に、"別の次元からやってきた侵略者気取りのヲタ連中"...アンタホントに莫迦なの?

揃いも揃ってバカばっかり...」

 

周りを見渡し、冷めた口調で啖呵を切るタケシ。間をおいてタメ息を付き....

 

「もう、吹っ切れたわ....さっさと事を...済ませようか?」

 

と、右手に持ったメモリアルドライバーを腰にかざした。それと同時に、ドライバー右側面からベルト:「オートアジャスター」とサイドバックル兼ライドメモリホルダー:「メモリバレル」が展開。アジャスターが一周した後、「メモリアルドライバー!」とシステム起動音声が鳴り、ドライバー中央の液晶画面:「セグメンツビジョン」に

〈MEMORIAL DRIVER〉〈Rider'S System ACTIVATED....〉と表示された。

 

「タケシ、メモリアルドライバーの左側に、ライドメモリー3枚差し込むんだ!」

 

と、ディナスがアドバイスを入れるが、タケシの耳には届いているかどうか分からない。いきなりドライバーが装着したのだ。これはリアルだ。ライダーヲタクのオフ会だとか、コスプレイベントじゃないんだと、ただ目の前の現実の理解に時間を要していた。

 

「と、取りあえずここに差し込むの分かるけど...順番どうするの?」

 

困惑するタケシを観て、ビアージがアドバイスを入れた。

 

「いわゆる「放映順」に上から差すの!ライダーヲタなら分かって当然でしょ!」

 

(放映順ね。えーっと...)

 

とボヤキながら、ドライバー左側のスロット「トライメモリスロット」に3枚のライドメモリーを「実際に放映された順番」に挿した。

 

「挿したはいいけど...ナニも起こらないよディナス?」

 

「ライドメモリーをセットしたら次、液晶画面のちょい隣にスイッチがある。そこを押してみてくれ。これでライドメモリーの機能が発動する」

 

ディナスのアドバイスどおり、「トライメモリスロット」の先にあるツマミ状になってるスイッチ「エフェクトスイッチ」を上から押した。

 

〈ファイズ!〉〈カブト!〉〈ドライブ!〉

の音声と共に、それぞれのライダーのライダークレストが「セグメンツヴィジョン」に表示され、その後...

 

〈ライダーフュージョン!!〉の音声と「RIDER FUSION!!」の表示が映し出された。

 

この瞬間、タケシを囲むように、磁場に似たフィールド「アカシックフィールド」が発生、彼の守るかのように、「カブトゼクターのヴィジョン」が空を周回し、後ろに「トライドロンのヴィジョン」がアイドリングしながら待機し、タケシを照らし出すようにハイビームで演出。足元から「フォトンストリーム」に酷似した赤いサイリウムが下から突き上げるかのように揺れていた。更にドライバーから、「ドライブドライバーの変身待機音」「ファイズドライバー変身待機音」「カブトゼクター飛行音」を上手くミックスした変身待機音が鳴り響いていた。

 

「え?え?なにコレ?どうなってんのコレ?ねーディナス、ビアージ、このアトどうすればいいの?」

 

周囲に助けを求めるタケシ。ビアージは困り果てて、何も言えない状態だが、ディナスがすかさずアドバイスを入れた。

 

「左側のレバースイッチを下に倒すんだ!」

 

「あ、ああ。コレね」

 

タケシが、彼の言うがままに、ドライバー右側のレバースイッチ「ブレンドリガー」を下に倒した。

 

レバーを倒したと同時に、ファイズドライバーの「Ready?」の電子音声•カブトゼクター装填音•シフトカースイッチを操作音が順番に鳴り響き、〈RIDER'S UP!!〉の音声と、「RIDER'S UP!!」のアニメがヴィジョンに映し出された。

 

タケシの体をフォトンストリームで囲み、ハニカム状にインナーが展開され、トライドロンのヴィジョンが粒子状に変換され、更に装甲となって装着。カブトゼクターのヴィジョンが頭部ヘッドギアに変換、装着され、ファインダーと角先端のOシグナルが点灯し、変身が完了した。

 

〈RIDER'S for SPEED...〉

"HENSHIN!(カブトゼクター)"

"Complete.(ファイズドライバー)"

〈RI'S Acceralation〉

 

の音声と同時に、カブト マスクドフォーム変身時の装甲展開音•ファイズの装甲展開音など、各種音声が鳴った後、ドライブ タイプスピードの変身音声が鳴り響いた。

セグメンツヴィジョンでは、ファイズ•カブト•ドライブ(タイプ スピード)のライダークレストが交互に映し出され、

〈RIDER'S for SPEED〉

〈Acceralation〉

と言うアニメと、ライダークレストと思しき表示が、映し出された。

 

 

イマここに、赤と銀の装甲を纏った赤い戦士が誕生した!

 

その戦士は、集会所の姿見の前に立ち、自分自身の姿を確認した。無論、ココロから興奮しているのは、装着者のタケシだろう。

(うおー、この赤い線はファイズのフォトンストリームに、両肩のタイヤはドライブ タイプスピードのタイプスピードタイヤでしょー。それに頭部のアタマはカブト ライダーフォームのカブティックホーン!むおおおお、脳細胞から爪先までタキオン粒子とフォトンブラッドがフルスロットルで駄々漏れしそうなんですけどー)

 

「はぁ?パチンコの確変リーチみてえな映像見せやがって...オレの邪魔するような風体だなァァッ。おい、コイツもまとめてヤッちまえ!!」

 

ツチグモデプレターの指示のもと、10体のセログールが湧き出て、襲ってきた。

 

「いきなり襲ってこないでって、ひやあァァッ!?」

 

さっきまで上手く敵をいなした勢いはどこへやら、逆に追い込まれる赤い戦士もとい、タケシ。デリンジャーファングの銃弾をひょええっ!?と言いながら交わし、両方向からの袈裟斬りをひゃあー、と、情けない声を上げながら四つん這いになって逃げて交わすなど、どこぞの特異点並みか、それ以上のヘタレっぷりを見せていた。

(セログールが追いかけ回し、捕まえては、どこぞの昔ばなしみたいに、囲ってイジメるように袋叩きにする何とも分かり易い光景が続いていたとか....)

 

それを見たビアージがタメ息を付き、集会所近辺に落ちていたメガホンを拾い、ヘタレゼンカイの赤い戦士に対して檄を飛ばした。

 

「こら~、そこのライダーヲタ!さっきまでの威勢は、ドコいったのよー?さっさとマジメに、戦いなさーい!!」

 

「やはり、タケシではムリだったか。他の装着者を探さないとダメだったか...イマの私に"原初のドライバー(アルケードライバー)"を扱う資格は...」

 

と、意味深なことをつぶやくディナス。彼も劣勢に立たされていた。

 

「斬り刻んだらああッ!」と、ツチグモデプレターが糸を纏めて爪状に変化させ、ディナスと芦生に斬りかかる。

 

「油断した、とでも?そこッッ!」

 

と、ツチグモデプレターの腹部にライズブレイカーを突き付け、ゼロ距離照射を見舞う。ぐあああッッ!?と言いながら後ろへのけ反った。

 

「やるなぁ、ヒョロ弱にしては」

 

ディナスに対し煽るツチグモデプレター。

 

「科学者だから、と言って見くびらない方が身の為だよ?」

 

「そういう上から目線が、オレは嫌いなんだよォォォッ!!」

 

激昂し、鋼刃糸カンダタを振り回し、ディナスに向かって当てにかかる。

 

「ディナス危ない!」

 

ビアージが救援に入ろうとした次の瞬間!

 

セログールの大群が、右横から吹き飛ばされ、且つ糸で切り刻まれ、灰色の粉塵爆発を伴って四散する様子を目撃した。

 

彼らが右横に視線を向けるとそこには.....

 

「まだこんなにウジャウジャ湧いてくるんだ、へー。暖まって来たし、そろそろホンキ、出そうかな!」

 

と、ファイズ変身完了ばりに右手を軽くぶらつかせ、重心を下に落として、まるで「さあ、ひとっ走り付き合えよ!」と言わんばかりの姿勢を取っていた。

 

「えっ、さっきまでと動きが違う。もしかしてイマのが、ホンキなの?」

 

と、驚くビアージ。すかさずディナスがアドバイスを飛ばす。

 

「タケシ、カブト•ドライブのライドメモリーのチカラをミックスして使うんだ。スイッチを2つ押したあと、レバーだ!」

 

「カブトとドライブをセレクトしてレバー、ね」

 

と言いつつ、カブトとドライブが装填されてるメモリーの先にあるエフェクトスイッチを押し、ブレンドリガーを弾いた。

 

〈カブト!〉〈ドライブ!〉〈デュアライズ!ライドコンボ!!〉

の音声の後、仮面ライダーカブト•仮面ライダードライブのライダークレストが表示され、上掛けするように"RIDE COMBO!"のアニメーションが映し出された。

 

その瞬間、赤い戦士の姿が消え、セログールの大群•ツチグモデプレターを、だだっ広い団地の駐車場まで吹き飛ばした。

 

―ライドコンボ発動中、躍りかかるセログールの大群を下段足払いでダウンさせ、右内側廻し蹴りでねじ伏せ、ワンツーボディーブローからのフックと裏拳でなぎ倒し、左後ろ廻し蹴りで吹き飛ばし、2人がかりで躍りかかる所をダブルクローズライン(ラリアットの別名、かな?)で轟沈、その場に落ちたデリンジャーファング二刀流でザシュザシュ切り刻んだあと、きりもみ回転しながら銃モードにしてレインストームを降らせて撃退。武器を捨てた後、ツチグモデプレター目掛けて、鉄山靠を放ち、吹き飛ばした―に至る。

 

「一瞬過ぎて、ワケ分かんないんだけど。これが、ライドコンボのチカラなの?」

 

ただただ漠然と立ちすくむビアージを見て、ディナスが言った。

 

「これがライドコンボさ。正常に発動する様子を見たのは、これがはじめてだよ。これで完璧、という訳だね!」

 

「それもそうだけど、アトは名称考えるだけじゃない?"ライダーズ•システム"じゃ、収まり悪くない?」

 

「まあ、ね?とにかく、吹き飛んだ先へ向かおう」

 

と、2人は団地の駐車場へと向かう。

 

一方、吹き飛んだ先では...

 

「ぐああ...てめえ、中々やるじゃねえか?にしては、やりすぎなんじゃねえの?」

 

ツチグモデプレターに向かって歩み寄る赤い戦士。

 

「悪いね。生憎、手加減とかペースとか、分からなくてさ..」

 

「ほざけ小僧がああァァッ!」

 

強粘糸セアゴケを飛ばすも交わされる。何度も飛ばすも交わされ、更に歩み寄る。

 

「もうアンタに同情の余裕なんて、無いよ?」

 

冷酷な声色で追い込まれるツチグモデプレター。

 

「ふざけんじゃ、ねえぞ!」

 

どりゃああ、と言いながら左拳を付き出すも交わされ、右ストレートを出すも交わされる。でぇりゃあァ、とヤクザキックするも前転受け身で交わし、ゼロ距離で「とぅあァァッ!」と鉄山靠を放ち、吹き飛ばした。

 

ツチグモデプレターもとい、屋久の体力も限界。フラフラの状態だ。

 

「タケシ!ここでトドメだ!変身した要領でスイッチを押した後、レバー長押しで、必殺技待機モードへ移行するぞ!」

 

と、ディナスがアドバイスを入れる。

 

「懲りねえ、ヤロウだなぁ。今夜時効が成立して、オレが無実になろう、ってえのによおッ、何で俺は、ココぞと云うときに悪運が...」

 

と、ツチグモデプレター(屋久)が最後の悪あがきにも似たような小言を漏らし始める。

 

「アンタはもう十分頑張ったよ...でも、逃げてばかりの日々はもうこれまでだ」

 

と言いながら、ドライバーを操作し、「必殺技待機モード」へと移行した。

 

〈ファイズ!〉〈カブト!〉〈ドライブ!〉の音声の後、ブレンドリガーを長押し、〈ヒッサツ!〉の音声と〈HISSATSU!!〉のアニメーションが表示された。

 

「"時をも掴むこの速さ"にアンタ...付いてこれる?」

 

と、屋久に対して挑発する赤い戦士。

 

「はあ?調子こいてんじゃねえぞ!」

 

と躍りかかるツチグモデプレター。すると、周囲に、ドライブ タイプスピードの必殺技•スピードロップ発動前に似たヴィジョンが映し出され、トライドロンの幻影が前に飛び出し、躍りかかる屋久を右中段蹴りで「ぐおおっ?」と言いながら吹き飛ぶと同時に、蹴り飛ばした目の前に赤い光の三角錐のターゲットマークが出現し拘束しなら上空高く舞い上がった。

 

「ふんっ!」と言いながらタケシがジャンプし、舞い上がったツチグモデプレター目掛けてキックを放つ。そして、ブレンドリガーを弾き、必殺技を発動する。

 

〈アクセラレーション!カタストロフィニーッシュ!!〉

の音声と共に、セグメンツヴィジョンには、

〈Acceralation∶CATASTROPHE-FINISH!〉

〈APOCALYPS-SMASH〉

と表示された。

 

「とぅぇええりやぁアアアッ!!」とライダーキックを決め、屋久の背後に着地。

 

ぐぅわあああっ、と断末魔を上げながら爆発四散。

 

その中から屋久•マルチスキャナーARCNが取れた「無地の」デプレライザー•更には、タイガーオルタライドメモリーが変換され、白い狐の頭部をあしらったライドメモリー

 

「ギーツライドメモリー」がドロップされた。

 

変身を解除するタケシ。改めて現状を理解しつつあった。

 

「俺が、仮面ライダーに"変身"して、怪人を"リアル"で倒した」と云う事を。そして、「ライダーごっこでも、コスプレイベントでもなく、リアルに戦った」と云う現実に。

 

そして.....

 

 

 

 

 

 

かつて、タケシが子どもの頃、「じいちゃん」から言われたあの言葉を思い出した。

 

「良いかタケシ。その拳とチカラは、力なき者を護る為に使うモノじゃ。ただ単に強くなるだけでは、其の辺のゴロツキと一緒じゃぞ。己の心を律し、森羅万象を五感で感じ取り、ただ水の流れるが如く器械を、手足を、意のままに操り、捌くのじゃ。古今東西、和洋折衷、武芸百般諸子百家、有象無象の一切経を託し、麒麟児に匹敵する叡智を託したこの夏を、決してムダにするのではないぞ。良いか、最後は操る.."ココ"で決まるのじゃぞ?」

 

 

―時同じく、鈍振団地集会所棟最上階、駐車場が見渡せる場所

 

最上部にて、ソーワンが様子を眺めていた。

 

「赤き拳士よ、敵ながら見事なる捌きぶりよ。我等が脅威となり得る事、既に見えたり。お主にはどう映ったと言えようか、花魁よ?」

 

ソーワンの隣に"花魁"と称する、ボルドールージュの動きやすい花魁衣装を纏い、頭髪は、いかにも花魁道中の如き出で立ちをした女幹部∶風麿郎(かぜまろ)が、煙管を吹きながら眺めていた。

 

「へえー...「仮面ライダーが"存在する"世界」ねぇ。たっぷり"食べちゃおう"かしらねえ?それにしては御老体、足場固めからしくじるとは、どういう風の吹きまわしだい?」

 

「ふん。お主がとやかく云う事に非ずや。かの反乱分子、この世界に隠遁せし事、明白なり。次なる策、如何に講ずるべきかと...」

 

風麿郎が煙管を吹く様子を、横目で見ながらソーワンが話す。

 

「その必要はなさそうね。もう既に「道化師」が動き出したようね。アタイらが下手に動く事は無いかもよ。アタイらの知らない所で、じわじわと、水面下でね...」

 

煙管をカツンカツンと叩き、袖に収めた後、ゆっくり去って行く風麿郎。そして、その後を付いていくかのように、両腕を袖の中に入れ、ソーワンが去っていった。

 

 

 

―時同じく、風守市の西端•椈平衣(ぶなへい)区にある遊園地の跡地。

 

1人の男性が遊園地の入口に立っていた。入り口付近に自転車を停めて、スマホとにらめっこしながら立ちすくんでいる。歳は10代後半で、恐らく高校生だろうか?

 

「ココであってると、思うんだけどなー。風守市の都市伝説•"廃墟と化した遊園地の跡地に現れるピエロの地縛霊"。ホントに出ると聞いたんだけどなあ...みんな寄ってたかって、クラス総出でイジメてくる。そんな毎日はもうウンザリだ!それを"ひっくり返すチカラ"があればなあ....」

 

と、ブツブツ小言を呟いていた高校生の前に、黒衣を纏ったベネチアングラスを被り、あたかもジョーカーのような格好をした男が姿を現し、その高校生にこう訪ねた。

 

「君が"boyaiter(イワユル"X(旧Twitter)"みたいなSNSみたいなモノ)"にポストしてくれた、迷える子羊くんだね?君の悩みを解決する、とっておきのアイテムを授けよう...」

 

黒衣の道化師の手には、コウモリ型のバックル∶マルチスキャナーVAMP(ヴァンプ)が装填されたデプレライザーと、ヤマアラシを模した「ポーキュパインオルタライドメモリー」が現出した。それに魅入られる高校生。そして、道化師が不気味な嗤い声を上げ、ナニカの開幕を告げるように宣言した。

 

 

「さあ、逆襲ゲームの幕開けダヨ。ヌァハハハハハ.....」

 

See you NEXT RISE......




怪人名鑑

ツチグモデプレター(Record-01)
身長:198.0cm
体重:189.8kg
変身者:屋久正志(45)指名手配犯
イメージモチーフ:
①屋久島のツチグモ「仮面ライダー響鬼」
②ズ・グムン・バ「仮面ライダークウガ」
③くも男「仮面ライダー(旧1号)」
④ディスパイダー リ・ボーン「仮面ライダー龍騎」

武器:①鋼刃糸カンダタ(糸状の暗器。刃の切れ味はダイヤモンドカッター相当。分厚い鉄板すら紙同然に切り刻む。)
②強粘糸セアゴケ(両腕のクモ型ガントレットから射出される強力な糸。更に手甲鈎状に変化させる事も可能。)

SPEC:クモの糸を駆使した、トリッキーなアクション。暗器を使用した隠密行動。

スパイダーバックル装填のデプレライザーに、タイガーオルタライドメモリーをセットし、デプレライズした姿。
指名手配犯・屋久正志の「何もかもブチ壊すチカラ」を欲する感情に呼応した。

両腕のクモ型ガントレットから、あらゆるモノを捕縛する糸∶強粘糸セアゴケを発射する。(糸の強度は鉄並みであり、手甲鈎状にして装備する事も可能。)

クモの特性が全身に付与され、奇襲•隠密行動が得意。鋼刃糸カンダタを駆使した暗殺で、敵を仕留める...ハズが、変身者の屋久により、隠密行動がオミットされてしまった。

鋼刃糸カンダタを振り回しながら周辺を破壊しながら暴れまわるも、突如出てきた赤い仮面ライダーに、イイ感じでお手玉にされ、ライダーキックを喰らい爆散。
タイガーオルタライドメモリーは、「ギーツライドメモリー」へと変換された。


コルゾアー(ヒストリーター幹部戦闘態)プロファイル

タランチュラコルゾアー(Record-01)
変身者:ソーワン•ポウ
身長:200.4cm
体重:187.3kg
パンチ力∶21.5t
キック力∶30.0t
ジャンプ∶ひと飛び30m
スピード∶100Mを4.0秒
テーマ:中国拳法•京劇
武装:マルチスパイダレッグ

「歴史喰い」幹部の1人であるソーワン•ポウが、コルゾアドライバーに、〈仮面ライダーレンゲル〉〈仮面ライダーキルバス〉〈仮面ライダーデモンズ〉の、クモの特性を持つ仮面ライダーのライドメモリーを3本セットし、「改変(変身に該当するワード)」した姿。

背部•両腕に配置されているクモ足型多目的兵装「マルチスパイダレッグ」は、敵の捕縛•壁面への張り付きは勿論、取り外して剣戟兵装に変形可能。(双刃剣•十字手裏剣へと変化する。)

ソーワンの基礎戦闘力も相まって、手数で圧倒する。隠密性•スニーク•ステルスキル性能に特化しており、敏捷性にムダが無い暗殺に適した仕様となっている。

気を錬成し、暗勁のように放つ必殺必中の奥義
「八卦雷拷•葬滅陣(はっけらいごう•そうめつじん)」を含む、独自に編み出した暗殺拳•「封式八輪拳(ほうしきはちりんけん)」を巧みに操る。

――――――

仮面ライダーライズ、NEXT Record is...

巷で流行りの「逆襲ゲーム」それは、ピエロの地縛霊が仕掛けた神隠し。仕掛け人は、不登校に"なってしまった"高校生!?
クラス単位でイジメられ、心をも閉ざしてしまい、遂には、悪魔の囁やきに導かれるまま、邪なチカラに魅入られてしまった!

(引きこもりの高校生)「みんなオレをイジメて来た。おまえらには、その報いを受けてもらう!!」

タケシたちが、高校へと趣き潜入捜査!?そこで、新たな幹部と対面を果たす!

(道化師風の敵幹部)「だっひゃっひゃっひゃっ...お初にお目にかかりますよ、プレイヤーの諸君...」

1人の女子生徒の悲痛な叫びが、タケシの心を揺り動かす。

(女子生徒)「お願いします!あのコを助けてあげて下さい!」

(タケシ)「枷に捕われてはダメだ。そのヤミ、俺が拭ってあげるよ」

新たな武器が登場か?これで万事整ったか??


次回•仮面ライダーライズ for Novelise

Record-02「"高み目指す者"、その名は"ライズ"!」

新たな時代の高み(RISE)を目指せ!




(あとがき?)
プロローグから約3ヶ月くらいでしょうか?やっと完成しました。

自分自身に課した挑戦は、始まったばかり。

次回∶Record-02 のベースは、「仮面ライダークウガ」のエピソードの中でも、かなりトラウマエピソードをオマージュ?したやつですが、かなり取り扱いに難あるネタをぶつける予定です。

かなり時間を要するので、温かい目で見守って、お手柔らかにお願い致しますm(_ _)m

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